吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

CSファイナル第3戦 ●「恐慌状態に突入」(カープ2017)

 

広島東洋カープ0-1横浜DeNAベイスターズ

クライマックスシリーズファイナル(カープ22)

広島市民球場(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)

 

勝利投手 井納1

セーブ投手 山崎康1セーブ

敗戦投手 ジョンソン1

 

先発、ジョンソンは序盤に失点も要所を凌いで51失点でリリーフ陣も完封リレー。

打線は、3併殺打などの拙攻を繰り返して無失点。

好機を活かせないまま完封リレーを喫し2連敗。

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昨日の野村祐輔と異なりクリス・ジョンソンは良く耐えてはくれましたし、その後のリリーフ陣も期待に応えてくれたとは思います。

しかし、それはシーズン中でもあまり見られない程の拙攻で全て台無しになってしまいました。

6安打を重ねて塁上を賑わすことは出来ても、その後は勝手に恐慌状態になってしまいまったく繋がらないようではお話になりません。

特に、3打席2併殺打5つも相手にアウトを献上するという考えられない離れ業を披露した石原慶幸と、満塁というチャンスで自分勝手な打棒に終始して試合を興ざめさせたブラッド・エルドレッドには深い失望しか覚えません。

また、6回の石原の愚行の後に、ジョンソンに代えて天谷宗一郎を代打という意味不明な起用。

結果はご存知の通りエンドラン失敗で実質的にはゲッツーで相手投手を助けただけで、相手にただただ利するだけでした。

選手個々は愚かベンチすらパニックに陥ってしまったのがありありと伺えます。

こんな打線が相手なら相手投手は多少くさいところに投げ込めば勝手に自滅してくれる訳ですから、1点差のプレッシャーなんて塵ほども感じなかったでしょう。

 

貧打を重ねて攻撃力が発揮できず、それに何の対策も選手もベンチも出来ずダラダライニングを重ねて敗れる。

この状況は賢明なカープファンなら誰もが思い浮かべる事でしょう。

同じく「王手まであと1勝」と迫った昨年の3戦目以降の日本シリーズ

あの時とこの2試合のカープは大変酷似しています。

 

確かに「6戦で3敗までなら大丈夫」とは言いました。

ですから悲観的になるにはまだ早すぎます。

しかし、これだけ頼みの打線が酷い状況に陥ってしまった以上は22敗だからまだまだ大丈夫と、呑気に構える事は出来ないでしょう。

 

ましてや明日以降の先発は大瀬良大地と中村祐太。

残念ですが二人とも到底、今日のようにプレッシャーの中にあって無失点で試合を作り続けるなんて事が出来るレベルの投手ではないのですから。

CSファイナル第2戦 ●「強靭さに欠ける」(カープ2017)

広島東洋カープ2-6横浜DeNAベイスターズ
クライマックスシリーズファイナル(カープ2勝1敗)
広島市民球場(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)

勝利投手 濱口1勝
敗戦投手 野村(祐)1敗

本塁打
(BY)宮崎1号①

先発、野村祐輔は序盤から走者を許す苦しい投球のすえ5回4失点でKO。
打線は初回から再三の好機を活かせず西川の2打点に留まる。
投打共に相手に圧倒される惨敗でプレーオフ2戦目を落とす。
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29年前の10月19日といえばオールドファンなら誰もが思い出すあの「10.19決戦」で近鉄バファローズが最後の奇跡を信じて激闘を繰り広げた日です。
まさか、それが相手に乗り移った訳ではないでしょう。
しかし、結果は相手に攻守で圧倒されるまさに「惨敗」でした。

先発の野村祐輔はコースを狙うのが信条。
しかし、今日はそれが行き過ぎて勝負どころで相手がボール球に手を出す事を願い続けるような意図が見え見えな印象。
それはそれで悪くはないのですが結局は、そこに球威や思い切りの良さがない結果、粘られた末に甘くなったところを痛打されるか四球を出すかに終始してしまったように思えます。
挙句に、それだけ臆病にすら見えるぐらいに慎重な投球だったにも関わらず逆球を投げてノックアウトとは笑い話にもなりません。
昨日の薮田和樹や、今日の相手先発である濱口雄大のような力強さとは正反対の慎重さを通り越した気弱さしか感じられずただただ残念でした。

一方で、打線も各々が7安打と決して打てない訳ではなく、ブレーキになっていた松山竜平でさえ出塁だけはしてはいました。
しかし、これまた勝負強さに欠けて絶好の好機を再三に渡って逃し続ける間に先発が試合を壊すという最悪の展開。
特に得点圏での振る舞いで遮二無二得点に結びつける狡猾さを見せたのが西川竜馬ぐらいでは話になりません。
正直、攻守両方の面で甲子園での雨の中の死闘を繰り広げた相手チームとはここぞの強靭さと言う点では明らかに開きがあるようにすら感じます。

とはいえ、まだプレーオフも第2戦。
アドバンテージがある以上、事実上はこちらが先行している状況に変わりはなくあと2敗までは出来る訳ですからまだまだ慌てる段階ではない事は言うまでもありません。
しかし、今日のように好機を活かせず先発は粘れず、エラーで失点するという「短期決戦でやってはいけない事を総ざらいした」ような試合をこの段階で見せたという事実を見ると先が思いやられる気がします。

まだまだ真の目覚めとまでは行かないようですね…。

CSファイナル第1戦 ○「再起動」(カープ2017)

広島東洋カープ3x-0横浜DeNAベイスターズ

5回降雨コールド

クライマックスシリーズファイナル第1

広島市民球場(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)

 

勝利投手 藪田1

敗戦投手 石田1

 

ポストシーズン初先発の薮田は落ち着いた投球で5回無失点。

打線は4回までノーヒットも5回に集中打で3点を先制。

試合は試合成立直後に降雨の為、コールド勝ち。

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2年連続リーグ王者として受けて立つ試合にして実に17日ぶりの実戦となったプレーオフ初戦でしたが、恐らく史上例を見ない雨天コールド勝利という結末になりました。

もう1時間ぐらい様子を見てから行うのではとも思えたのでこの幕切れは意外ではありました。

しかも試合成立直後しかもホームチームが先制した直後での決定ですから、雨の中で強行された甲子園でのファーストステージ第2戦と比較して異論はあるとは思います。

とはいえ、日程の都合や試合展開などあの時とは事情が異なりますから一概に間違った判断だったとは思えません。

というより、あのようなまるで田んぼの中のような異常極まりない状況での試合と比較されても困るというものです。

 

それにしても、「短期決戦は先制点が重たい」とはよく言ったものですが、変な形でそれが具現化した形。

そう考えると、4回まで無安打と「再起動」に時間を要した打線を我慢強く待ち続けた薮田和樹の好投は大きな価値がありました。

正直、少しでも綻びを見せればコールド負けしたのは我々の方だった訳ですから…。

今季、15勝に最優秀勝率のタイトルを勝ち取ったとはいえ、初めてのポストシーズンでの先発ですから少々荷が重たい気はしましたが、期待以上の出来。

球数も少ない為に短い間隔での登板に備えられそうですから、次回の登板にも期待したいものです。

まあ、もう彼が今週は投げないのが理想ではありますが…。

一方、薮田に救われた形となったのはフリーズした状態が長かった打線。

今季、カープ戦無敗の石田健太(奇しくも藪田とは地元対決だ)相手に苦しめられました。

しかし、きっかけがさほど選球眼が良いとは思えないサビエル・バティスタの四球と言うのも皮肉な話ではありますが、相手の綻びをついて上手く繋がって一安心です。

また、雨で濡れた芝で打球のスピードが落ちる事を読んだ好走塁も見事。

 

とはいえ、やはり5回でようやく安打というのはやはり短期決戦を考えると遅きに失した感はあります。

初回のようにいきなり四球を与えるなど相手投手達も立ち上がりはさほどでもなかったのですから、こういうところからいきなり得点して試合を有利に進めたいもの。

なにより、相手も結果的にはリリーフ陣を休ませる事が出来た訳ですから余計にそれが大事になるとは思います。

難しいとは思いますが、次回以降はそれを見せて欲しいものです。

そもそも今日の先発の薮田のような投球がそう何度も出てくるほど甘いものでもないので…。

再び受けて立つ(2017年CSファイナル展望)

37年ぶりにリーグ連覇という快挙を成し遂げてからちょうど1ヶ月。

 

いよいよカープも「クライマックスシリーズファイナル」ことプレーオフに登場する事となりました。

当然ではありますが、優勝チームとして受けて立つ立場なので1勝のアドバンテージもあります。

それを踏まえると、プレーオフの突破条件は6試合中に3勝…極端な言い方をすれば五分で切り抜ければ突破ですから、今日含めて7試合で5勝しないといけない相手に比べれば有利なのはいうまでもありません。

「勝って当然負けたら恥」と楽観視したいところですが…そうは問屋が卸さないのが短期決戦の怖いところです。

実際、現状のカープはこの試練に対してどのようなスカッドで望むのかを少し考えて見たいと思います。

 

まずは先発。

今季は、チーム防御率は「3.39(リーグ3)」ではありますが、リリーフ防御率が「2.77(リーグ2)」に対して先発だけに限れば「3.71(リーグ3)」。

いずれも良い成績なのですが、数字の上ではやや先発が足を引っ張った印象はあります。

通常の試合以上に先制点の価値が重たくなりがちな短期決戦で大切なのはまずは相手より先に失点しない事。

主戦級の投手をぶつけられる以上は、凄まじい威力を発揮した打線といえでも得点は困難である短期決戦においてどこまで耐えられるのか少々不安は残ります。

実際、プレーオフで先発が予想されるメンバーを眺めても、今季最高勝率に輝き、大車輪の活躍を見せた薮田和樹はともかく、6回付近で力尽きる試合が多く2ケタ勝利を逃した野村祐輔や、今季故障を連発して昨年の半分も活躍していないクリス・ジョンソンが主戦級です。

また、それに続くのも後半大失速してフラフラになりながら何とか二ケタ勝利に辿り着いた大瀬良大地と、完全に力尽きた岡田明丈の代役である中村祐太…。

少々、心許ない印象を受けてしまうのは気のせいでしょうか?

もっとも、QS率自体は対戦相手を上回っている訳ですから、多少の失点に目をつむる必要はあるかもしれません。

 

4番が故障で抜けても最後まで凄まじいばかりの威力を発揮した打線も、不安要素はあります。

優勝決定戦で負傷した安部友裕プレーオフに間に合わず、実質3塁は西川竜馬一択になってしまった事です。

今季、自身初の規定打席到達とリーグ4位の打率は勿論、高い得点圏打率を誇る安部が抜けるのはやはり大きな痛手と言わざるを得ません。

勿論、西川も西川で素晴らしい打撃センスを持ってはいますが…不安視される守備も含めてどこまでやっていけるかは未知な部分は多い気がします。

また昨年もでしたが今季のイニング毎の得点の分布を眺めるとカープは試合序盤に比して中盤以降の得点がやや多い傾向があります。
これまた、「逆転のカープと言われる程の土壇場での勝負強さの発露とも言えるでしょうが、上記の通り先発がやや心もとなく先制点がレギュラーシーズン以上に大事という点で考えれば、嫌な数字には見えてしまいます。
実際、プレーオフを戦うベイスターズは上位チームであるので当然ですが、リリーフがしっかりしているチーム。
ビハンドで終盤を迎えた場合に逆転するのは至難の業です。
そうならないように先発が抑えているうちにまとまった援護を期待したいものです。

 

最後にリリーフ。

最終的にクローザーに返り咲いた中崎翔太を中心に、ジェイ・ジャクソン、一岡竜司中田廉に加え優勝目前で不振に陥った今村猛もレギュラーシーズン最後の横浜戦で復帰と駒は揃っています。
しかし、同じ役割でシーズン初めから終盤まで駆け抜けた投手がいない事などを考えると時期によって調子の浮き沈みが激しい部分があるようにも感じられます。
また、中崎、ジャクソンに関しましては昨年の日本シリーズでの「逆シリーズ男」とも呼べる不振が頭をよぎってはしまいます。
とは言うもののこの辺りまで心配すると、もはやジンクスなどの世界の話。
むしろ、今日含めて7連戦を強いられる相手チームに比べてこの長い休養期間でリフレッシュ出来ている現状は有利と言えるでしょう

逆にここがダメなら他が良くても全てご破算になってしまいますが…。

そうならない為にも、ベンチがシチュエーションに的確な投手をチョイスしていく必要があるのは言うまでもありません。

 

色々駆け足で考えてみましたが、攻守を軽く眺めてみた限りでは不安点はいくつかあるものの、いずれも大きいとまでは言えずにいつも通りに試合が出来れば勝てるとは言えます。
しかし、いつも通りの試合が出来なくなった途端に大崩れしてしまう怖さがあるのが短期決戦。
それはリーグ優勝の勢いのままに駆け抜けた昨年のプレーオフ2戦までの日本シリーズに対して、攻守で綻びが見えた途端に一気に崩れて惨敗した3戦目以降の日本シリーズの対比を思い起こせばわかるというものです。
そうなると、「上手くいかなくなった時の対処法」をしっかりとベンチが考えているかという事にも注目が出来そうです。
昨年の日本シリーズはあまりにも「いつも通り」固執しすぎて敗れた側面もあったかと思います。
幸い、上記の通りプレーオフ自体は「6試合中3敗」まではしても大丈夫な訳ですから、浮き足立たずに大崩れする前に修正する勇気が必要となるでしょう
今季は昨年に比べると色々と選手のポジションや役割を入れ替えて戦えたようには見えますから、それが上手く作用すればと願わずにはいられません。

 

まあ、なにはともあれカープが再びあの晴れ舞台に上がれる事を祈って。

「挑戦者」で「勝者」(ファーム日本選手権制覇に寄せて)

広島東洋カープ5-2読売ジャイアンツ
2017年ファーム日本選手権
宮崎サンマリンスタジアム

勝利投手 高橋昴
セーブ投手 藤井
敗戦投手 高木勇

本塁打
(C)坂倉③
(G)岡本①

先発、高橋昴は中盤に失点を重ねるも6回2失点で試合を作る。
打線は、今村の前に沈黙も7回に連打で追いつき坂倉の3ランで逆転に成功。
終盤での逆転劇で球団史上初のファーム日本一の称号を掴む。
MVPには坂倉が選出される。
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ファーム日本選手権」。
大変申し訳ないですが、1987年から始まったこのコンペテションは私にとっては存在自体は知っていたもののこれまでいつどこでやるのかよく分からない代物ではありました。
しかし、今季はカープが26年ぶりの挑戦。
やはり注目せざるを得ません。

舞台は相手チームのキャンプ地として名高い準本拠地…というよりその名誉監督様が名付け親の宮崎サンマリンスタジアム
また、相手チームのメンバーを見ると一軍で見た名前がいるだけでなく、今日が引退試合のかつてのタイトルホルダーや、果てはFA移籍してきた選手すらいたのですから非常に難しい試合が予想されました。

一方で、カープは高橋昴也と坂倉将吾という高卒ルーキーバッテリーに試合を託すという冒険に出ました。
いくらファームの主眼が育成の場とはいえ曲がりなりにもタイトルがかかった試合。
さすがにいくら何でも酷ではないかと思えましたが…。
しかし、若い二人はいずれも力を発揮して、私の考えがあまりに浅はかだった事を証明してくれました。
特に素晴らしいのが、先日横浜でプロ初打点を目撃させて貰った坂倉の勝ち越し3ラン。
相手投手の森福充彦は今季不振とはいえ、かつては球界屈指の左殺しともいえる存在だった投手。
そんな投手から高卒1年目にしてあれだけ決定的な当たりを放てるというのは、驚異的と言うしかないでしょう。
勿論、これをもってこれから始まるプレーオフや、日本シリーズでの戦力になるとまでは言えません。
それでも、試合を作った高橋昴也や、最終回で落ち着いた投球を見せた藤井晧哉ともども今後に期待したいものです。

育成があくまで主眼だが、勝利にも拘る。
それこそ、かつてジョー・ルーツが万年下位のお荷物球団の選手たちに語った言葉、「勝利だけが全てではない。しかし勝つことは大事だ。」に通ずる近年のカープ二軍が目指した方向性でした。
今日の若き高卒バッテリーを始めとして、その二律背反する要素を巧みに組み合わせて勝利をした事実はウエスタンリーグ優勝と共に、それが結実した形とも改めて思えます。

近年はいくらか改善されつつあるとはいえ、駅からバスが一日数本しか通らず、ナイター設備もなく、スタンドには時折蛇すら現れるという「秘境」とも呼べる球場での努力から、挑戦者として試行錯誤した末に掴んだ勝者という称号。
二軍とはいえ、これは終生誇りにするべきものでしょう。

本当におめでとう!広島東洋カープ!!

「県北の星」

 

優勝の余韻も冷めやらぬ今日、こんなニュースが入ってきました。

 

梵 英心選手退団のお知らせ

 

梵英心選手と次年度契約について話し合いを行い、本人の「金額にかかわらず、出場機会を求め他球団をあたってみたい」という意思を尊重し、自由契約という形をとり、退団することになりましたのでお知らせします。

 

http://www.carp.co.jp/news17/n-279.html

 

 

野手としては小早川毅彦以来の新人王も今や37歳。

そして、チームが連覇を達成したこ2年間で放った安打は「0

そういう、彼が置かれている状況を考えるとこの結果は申し訳ありませんが、意外ではありませんでした。

 

しかし、彼が一番輝いた時期を思い浮かべると、やはり寂しい気持ちにはなります。

 

思えば2005年。

彼が主に守ったショートのポジションで言えば、野村謙二郎は引退し、希望の星であった筈の尾形佳範は選手生命を左右する大けがで離脱し、東出輝裕木村拓哉は低迷。

センターラインに大きな穴が空き、チームも最下位に転落するというシーズンでした。

そんな年にドラフトで入団した県北出身の珍しい名前の内野手

守備力、走力、パンチ力と兼ね備えたその姿はまさに野村謙二郎の再来のようで、背番号「32」のユニフォームを着るファンを市民球場で見る事がどんどん増えていった事を今でも覚えています。

同じく、県北出身の永川勝浩と同様に新人時代はまさに救世主でした。

 

素直に言わせて貰えれば、私自身が見に行った試合でほぼ必ず試合に出ていた選手であるにも関わらず、不思議な事に梵に関して印象に残る場面はパッと思い浮かびません。

というのも、その大部分で攻守共にそつのないプレーを見せていて他の選手の活躍に紛れ込んでしまい、だからこそエラーなど悪い印象が目立ちがちだったからでしょう。

逆にそれを10年近くも続けていた事こそがこの選手の素晴らしいところなのかと思ってしまいます。

これは、彼と同い年でペアを組んでいたい東出輝裕にも同じ事が言えますが…。

とはいえ、そんな彼もゴールデングラブ賞盗塁王に輝いた2010年などを除けば低迷した時期も多かったのも確かです。

当時は今より遥かに選手層が薄いチームにあって、彼のような何でも出来そうな選手には、守備の要として、チャンスメーカーとして、はてはクラッチヒッターとしてと、様々な役割を求めざるを得ないという状況も多少なりともあったかと思います。

あくまで私の推論ですがそんな現実が、彼にとって悲劇だったのかもしれません。

 

しかし、旧市民球場と新市民球場という二つの球場を股に掛けて、チームの守備とど真ん中を守り続けた彼の姿はやはりかけがえのない思い出です。

チームを救うかのように思えた選手との出会いと、チームの過渡期という難しい現実。

彼が股に掛けたのは球場だけでなく、そういう少し切ない部分もありましたが、それも今となってはまた良き思い出。

 

退団以降、彼がどのような道を選ぶかは未定です。

しかし、出来ればあと10本と迫ったプロ通算1000本安打を新天地で放って欲しいと願わずにはいられません。

 

決めろ!足とパワーで!!

打てよ英心!!!!!

 

と。

 

10/2 ●「大荒れの最終戦」(カープ2017)

横浜スタジアム13-7広島東洋カープ

25回戦(カープ1213)

横浜スタジアム

 

勝利投手 ウィーランド 102

敗戦投手 中村祐 54

 

本塁打

(C)曾澤6号③田中8号①

(BY)ロペス30号②筒香27号①28号①ウィーランド3号①梶谷21号①

 

大乱調の先発岡田が、37失点でKOされると後続も悉く打たれ13失点。

打線は一発攻勢で逆転、同点に持ち込むも空砲。

投手総崩れの大荒れの試合で敗戦し2年連続リーグ全球団勝ち越しを逃す。

田中は球団史上初、遊撃手として2年連続フルイニング出場達成。

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2年連続での「レギュラーシーズン完全優勝」がかかった試合でしたが、大荒れの試合の中で見事に夢と散りました。

本質的にはこの試合は消化試合であり調整の場。

しかし、それを差し引いても残念に思えるのならばその責任は専ら、先発の岡田明丈にあるでしょう。

初回から4失点なら「いつもの『突発性打ち込まれ症候群』が初回から出たか…。」で済むかもしれませんが、曾澤翼の劇的な逆転弾が逆転弾の直後に投手に逆転弾を打たれる時点でもはやそれ以前です。

打ったジョー・ウィーランドは確かに対カープ戦では「投手なのに打者としてだけカープキラー」という不可思議な存在ではありますが、そもそも逆転して貰った直後にあっさり連打を浴びる時点で論外でしょう。

大変残念ですが、今日に限らずここ最近の低迷ぶりを鑑みても、岡田はプレーオフ以降では起用できないという事がはっきりしたと言いきって良いかと思えます。

 

この岡田の無様極まりない投球に引きずられるかのように残りの投手も、軒並み総崩れ。

今日の試合に投げた投手は軒並み5試合目以降の先発か、ビハンドでの登板がせいぜいな投手が大半ではありますがそれにしても残念です。

特に佐藤祥万に至っては本人やそのファンの皆さんには大変申し訳ありませんが、これが現役最後の登板と見なすべきでしょう。

 

もっとも、その祥万の後を受けて決定機的なピンチを防いで「泥中の蓮」の如く輝いた藤井

晧哉のような例外は無きにもしも非ずですが、全体的には戦力の上積みは皆無と言って良いでしょう。

決して選手の層や質としては万全とは言えない状況だけに重苦しさすら感じます。

まあ、今後のフェニックスリーグ含めた調整に期待するしかないですね。

 

ところで、この試合で田中広輔は遊撃手としては球団史上初の2年連続フルイニング出場。

これは、これまで球団の歴史を彩ってきた高橋慶彦や、野村謙二郎といった名選手たちですら辿り着けなかった快挙。

今季のチームが投手陣は勿論、野手陣においても昨季に比べて故障者が少なくなかったにも関わらず転落を免れたのはこの田中含めた「タナキクマル」というセンターラインが安定したパフォーマンスを発揮したからに他なりません。

特に、特に難しいポジションを守り続けた田中広輔の貢献は計り知れません。

2014年の何となく行った神宮球場で偶然、プロ初ホームラン(確かビデオ判定でした)を見た選手がここまでの選手になるとは…。

本当にファン冥利につきますね。