吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

6/5(水) ○「個人記録という難しさ」(カープ2019)

埼玉西武ライオンズ1-9広島東洋カープ

2回戦(カープ1勝1敗)

メットライフドーム

 

勝利投手 大瀬良6勝2敗

敗戦投手 十亀3勝1敗

 

本塁打

(C)バティスタ17号①田中3号④

(L)外崎10号①

 

打点

(C)野間①田中⑤磯村②バティスタ

(L)外崎①

 

投手

※数字は失点

(C)大瀬良①-レグナルト-中村恭-アドゥワ

(L)十亀④-小川-森脇②-齋藤③-佐野

 

先発、大瀬良は毎回走者を背負いながら6回を本塁打による1失点に抑える。

打線は終盤に田中の満塁弾含む5打点の活躍などで引き離し9得点。

先発の粘投に終盤打線が応えて今季交流戦初勝利。

西川が球団歴代単独2位となる27試合連続安打を達成。

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昨日は野村祐輔が結果的に序盤から失点を重ねた事が響いた形となりましたが、今日の先発である大瀬良大地は苦しみながらも試合を作ってくれました。

結果的には大勝には見えますが、得点の大半は終盤になって漸く取れたものですから、大瀬良の昨日の野村祐輔の低レベルな立ち上がりに惑わされない投球に救われた形です。

とはいえ、6イニングで費やした球数はなんと122球。

やはり、このチーム随一の先発投手をもってしても、「上位リーグ」たるパ・リーグ相手だと一筋縄にはいかないようです。

そうなると、早い段階でまとまった得点がこの「上位リーグ」相手の辛く長い戦いでは必須要素だと言えるでしょう。

 

その大瀬良の粘投のおかげで最後はお祭り騒ぎを迎える事が出来た打線。

トピックスとしてはやはり、勝ち越し打に満塁弾と5打点の大活躍で勝利に貢献し、ようやく打率2割台に復した田中広輔

そして、単独球団2位となる27試合連続安打を目指しながらも無安打で迎えた終盤に犠打で勝ち越しに貢献したうえで最終的には最後のチャンスを活かして記録を更新した西川龍馬でしょう。

期せずして同じ試合で勝利に貢献したこの二人を見比べると個人記録という事柄の扱いの難しさというものを改めて感じます。

先日も無安打で迎えた終盤に犠打を決めた事がありましたが、まずはチームの勝利に貢献したうえで個人記録を達成している事に西川の記録の価値の重さはあると言えます。

一方で、今日は素晴らしい大活躍を見せた田中広輔ですがこれまでフルイニング出場に拘るあまり、攻守ともに不振のまま試合に出続けていた故の破滅的な打率を見ると、本当に休ませないで試合に出続けた意味はあったのかやはり疑問です。

個人的には、連続フルイニング出場という記録に関わらずしっかりと休養させさえすれば、もっと早くからこれだけの活躍を見せる試合が見られたのではないかと思えます。

しかし、結果的には快進撃を見せたチーム状況で個人の不振はさほど問題にはなりませんでした。

個人の記録を犠牲にしてでも勝利に貢献する事と、チームの好調に引っ張られて個人記録を達成する事。

野球というスポーツが団体競技である以上は、個人の記録とチームの成績のバランスというのは大変難しいというのは古くは衣笠祥雄の故事を思い出して分かるというものですが、これに完全な答えを見出すのは困難でしょう。

これまでのバッシングに耐えた末に今日の田中広輔の活躍を見て「それ見た事か」「選手を信じ続けた私達の方が正しい」というファンの気持ちは理解できます。

また、やはりあれだけ低迷した選手が大活躍する姿を見るのは本当に嬉しいものです。

 

しかし、私は上記の理由から共感はどうしても出来ないのです。

 

何故なら、自身の記録を犠牲にするプレーを見せながら最終的には個人記録も達成してしまう事の価値の大きさもまた我々は理解すべきなのかだとも思えるからです。

6/4(火)●「徒労感の残る…」(カープ2019)

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埼玉西武ライオンズ5×―4広島東洋カープ

2年ぶりの西武ドームは延長12回裏までもつれた末のサヨナラ負けと、週始めから個人的にも大変徒労感の残る結末となりました。
一番良い投手から順番に出すのが延長戦の鉄則ですから一番強烈な打順に当たった結果的に打たれた菊地保則は不幸だったかもしれません。

前回に続いて、先発が序盤から崩れて大量失点する展開から猛反撃を見せましたが及びませんでした。
いくら「逆転のカープ」と言われても、やはりそう何度も何度も奇跡を起こすのは難しいというものです。

先発の野村祐輔はザビエル・バティスタのエラーがあったとはいえ、その前の走者は四球からですから事実上自滅のようなものでしょう。
前回も酷い投球を見せた彼を見るとあっさりローテーションを剥奪されたアドゥワ誠がはっきり言って不公平にすら見えます。
打線はよく4点差を追いつきましたが、その後は音無し。
指名打者に入れた松山竜平が完全にブレーキでした。

先発に指名打者…。
こういう試合を最初から見せられると今季も交流戦は難しいかもしれません。
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6/2(日)●「配置転換に意味はあるのか?」(カープ2019)

広島東洋カープ5-7阪神タイガース

12回戦(カープ7勝5敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 ガルシア2勝2敗

敗戦投手 アドゥワ2勝2敗

セーブ投手 ドリス2勝1敗13セーブ

 

本塁打

(C)-

(T)梅野4号①

 

打点

(C)田中②野間①バティスタ

(T)梅野①近本②大山②マルテ①高山①

 

投手

※数字は失点

(C)アドゥワ⑦-中村恭-九里-菊池保-中崎

(T)ガルシア⑤-守屋-藤川-ジョンソン-ドリス

 

先発、アドゥワは2回に打者一巡の猛攻を受け7失点でKO。

打線は6回に打者一巡の攻撃で5点を返すも終盤は抑えられる。

序盤の大量失点が響いて連勝が5で止まる。

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開幕直後の低迷から、ここまで奇跡的な立て直しを見せたチームを支えてくれていた要因の一つはほとんどの試合でしっかりと試合を作ってくれていた先発陣なのは言うまでもありません。

それだけに序盤に先発がこれだけ崩れる試合というのもまた今季は珍しいもの。

打線は中盤に猛反撃を見せて、大逆転の予感を演出はしましたが終盤は相手の抑えにても足も出なかった訳ですから、それほど相手が焦るような試合ではなかったようにも思います。

やはり比較的リリーフ陣が安定している上位チーム相手に、あまりにも序盤の大量失点が大きすぎたという事でしょう。

監督のコメントに拠れば結果的に試合を早々にぶち壊したアドゥワ誠はローテ剥奪との事ですが、代わりに入る投手といえば明らかに先発が不向きな九里と、今更感しかない中村恭平ですからはっきり言ってあまり効果的な配置転換とは思えません。

 

また、同時に前回の救援失敗に続いて、今日も走者を出しまくった中崎翔太に関してもクローザー剥奪との情報が出ています。

これを見て「当然だ!」と思っているファンの方が恐らくは圧倒的に多いでしょう。

まあ、確かに印象だけでなく数字を見ても彼の不安定さは一目瞭然です。

特にWHIPは1.65というもはやプロ野球の投手とは呼べないレベルでこれだけ走者を許し続ける投手の防御率が2.66というのは奇跡としか言いようがありません。

 

しかし、一方でこの「世界で一番セイバーメトリクスを侮辱し続けているクローザー」に代えて安易にヘロニモ・フランスアや、カイル・レグナルトにすげ替えたとしてもメリットも特に思い浮かびません。

というのも、このチームは大体中盤以降に得点が集中しやすい傾向があります。

となると、フランスアや、レグナルトのような「一番いい投手」を6回~8回で投入している事で一気に僅差の展開から相手を引き離す戦い方が担保出来ていて、それがこのチームの奇跡的な猛反撃に繋がっているとも言えます。

また、正直クローザー以外で今の中崎が投げられる場所があるとも思えません。

単純に入れ替えるぐらいならいっそ下に落として調整させるというのが一番効果的でしょう。

しかし、それは単純にリリーフ陣から一人投手が抜けるだけという事も意味します。

「勝ってるうちに入れ替える」という転ばぬ先の杖的な考えも分からなくもないですが、わざわざリリーフの層を薄くしても単なるマイナスでしかないとも思えるのです。

そういう状況で鬼門中の鬼門である恐怖の交流戦を乗り越えられるか非常に不安です。

6/1(土) ○「意外さの祭典の中で」(カープ2019)

広島東洋カープ7-2阪神タイガース

11回戦(カープ7勝4敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 ジョンソン5勝3敗

敗戦投手 岩田1勝1敗

 

本塁打

(C)小窪1号①バティスタ15号①

(T)長坂1号①

 

打点

(C)小窪①ジョンソン①バティスタ①石原①西川②田中①

(T)マルテ①長坂①

 

投手

※数字は失点

(C)ジョソン①-一岡-レグナルト-九里①

(T)岩田④-守屋-谷川③

 

先発、ジョンソンは再三のピンチを凌いで6回1失点で試合を作る。

打線は5回に小窪の3年ぶりの本塁打で先制すると終盤に長短打を交えて7得点。

序盤の投手戦を凌いで中盤以降に加点し、5連勝で球団記録となる9カード連続の勝ち越しを決める。

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4月に球団ワースト記録となる開幕5カード連続の負け越しを喫したチームが、球団タイ記録となる9カード連続勝ち越しを同じシーズンで決めるという何とも奇妙な事態が現出しました。

一方、その5カード連続負け越し中の我々にプロ野球史上新記録の延長戦での最多得点記録とカード3連敗を与えたチームが今日はリーグワーストとなる16連敗を喫してもいます。

たった1ヶ月程度でこれだけの逆転現象が起こってしまうのですからプロの選手たちによる勝負の世界とはやはり恐ろしいものです。

また、そうである以上は同時に「彼らに起きた事は我々にも起こり得る事」とも考えてしまいます。

ゆめゆめ油断なきようにこのままシーズンを進めていって欲しいものですね…。

 

今日の先発のクリス・ジョンソンはところどころでピンチを招きながらも先制直後に反撃を食らったものの6回を1失点で抑えてくれたうえに、打っては貴重な追加点を自らの適時打で決めて2試合連続適時打の椿事もありました。

球数的には次のイニングも行けそうではありましたが、欲張ってあわや大逆転負けを喫するところであった前回の反省からか今回はあっさり交代したのは賢明な判断だったかと思えます。

正直、ジョンソンの登板時は捕手に石原慶幸を入れる関係上どうしても以降の得点の機会は限られてしまいますから…。

…と思っていたのですが、その下位打線が今日は躍動。

小窪哲也田中広輔石原慶幸という並びの「得点の匂いを感じるのが困難な打順」でありながら今日はこの3人と上記のジョンソンで4得点を上げるという快挙。

特に小窪は3年ぶりとなる本塁打で先制点をもたらすという意外すぎる活躍。

相手チームの3年目捕手がいきなり今季初打席で本塁打を放った事も含めて攻撃面では意外さに溢れた試合だったかと思えます。

 

とはいえ、今日の打者で一番注目すべきなのは1点差に迫られた6回裏に悪い空気を振り払うような一発を見せたサビエル・バティスタでしょう。

上記、開幕で振るわないチームの状況を反映するかのように4月の打率は1割台と壊滅的だったドミニカンが5月は打率.350に本塁打10本と大暴れで月間MVPの可能性も出てきました。

わりと好不調の波がある選手ですが、どうか6月に入っても打ちまくってくれる事を祈りたいものです。

5/31(金) ○「数字は正直でもあり嘘つきでもある」(カープ2019)

広島東洋カープ2×-1阪神タイガース

10回戦(カープ6勝4敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 レグナルト4勝

敗戦投手 能見1敗

 

本塁打

(C)-

(T)-

 

打点

(C)菊池①野間①

(T)梅野①

 

投手

※数字は失点

(C)床田-フランスア-中崎①-一岡-レグナルト

(T)西①-守屋-島本-藤川-ジョンソン-能見

 

先発、床田は7回を無四球無失点の好投も最終回に中崎が救援に失敗。

打線は5回に菊池の適時打で先制も再三の好機を活かせず。

延長11回裏に野間のサヨナラ適時打が飛び出す劇的な幕切れで4連勝。

球団記録を更新する月間20勝到達で5月を終える。

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最終回以降は非常にタフな総力戦となってしまいましたが、球団記録更新となる月間20勝を大変劇的な形で勝利を納める事となりました。

2死1塁2塁で打席に大変チャンスに弱く、壊滅的な得点圏打率(.171)を誇る野間峻祥が打席に立った時点で「ここで決めてくれ」より「とりあえず次の打者に回せ」と思ったのはたぶん私だけではないかと思います。

しかし、結果は前進守備の外野を遥かに超える長打で試合に終止符を打ってくれました。

そしてそれと同じぐらい…場合によってはそれ以上に驚きを与えたのが2死から安打でチャンスメイクをして、この決勝点でホームベースを踏んだ上本崇司。

「バットさえ持たなければプロ野球選手」と言っていいぐらいに打撃が壊滅的でプロ入りして放った安打は僅か7本という彼がシーズンで複数安打を記録するのは実に5年ぶりの事。

「打席に立った上本」と「得点圏の野間」という得点を連想するのが困難な組み合わせが最高の結果をもたらしたのですから野球は数字だけでは測れない好例でしょう。

 

しかし、こういう延長サヨナラ勝利という劇的な結末を演出した要素はまた別のところにもあります。

まずは、先発の床田寛樹。

大車輪の活躍を見せた4月から打って変わって5月は白星も1勝と非常に苦しい投球が続いていましたが、今日は見事に立て直してくれました。

ところどころ安打を打たれながらも長打はなく無四球で無失点素晴らしい投球を披露。

また、5回には菊池の安打で2塁から必死の走塁で生還と攻撃の場面でも活躍をみせてくれました。

順当にいけば、上記のサヨナラ劇ではなく床田の復活劇で試合は幕閉じる筈でしたが…。

それを阻止して一転して試合を総力戦に変えてしまったのがもうひとりの要素…というか「容疑者」中崎翔太です。

ここ最近はセーブを上げるものの不安定極まりない投球が多くファンの間でも賛否両論が巻き起こさずにはいられない投手でしたが遂に打たれました。

彼に対して「いつか打たれそう」という思いを抱いていたファンは無数にいるでしょうがWHIP(1.63!!)がクローザーとしては最低レベルである為、それは単なる杞憂ではありませんでした。

今日の結果はまさに「来るべきものが来た」と言えるかもしれません。

また、かねてから「中崎の投球に内容を求めるのは無駄な事」と微妙な言い回しで彼を擁護(?)していた私ですが、さすがに先発投手が必死に守った点差と白星を消した結果に対する非難は否定する事が出来ません。

それだけクローザーとは大きな責任が伴うポジションなのです。

しかし、一方でそうだからこそ簡単にコロコロ代える事が出来ないポジションでもあります。

そうである以上は「次は頑張れよ」と以外に彼に言えるセリフはないとも思えます。

 

上記のように数字を覆した上本と野間。

かたや、数字通りに遂に打たれた中崎。

数字とは正直でもあり嘘つきでもあるという事のようです。

5/30(木) ○「天使で悪魔」(カープ2019)

東京ヤクルトスワローズ0-13広島東洋カープ

11回戦(カープ6勝5敗)

明治神宮野球場

 

勝利投手 山口1勝

敗戦投手 小川1勝7敗

 

本塁打

(C)バティスタ13号①田中2号③バティスタ14号②

(S)-

 

打点

(C)バティスタ③磯村②菊池①田中④小窪①西川①

(S)-

 

投手

※数字は失点

(C)山口-菊池保-中村恭

(S)小川⑦-久保-風張④-山中②

 

プロ初先発の山口は6回2/3まで無安打で7回無失点の好投。

打線は、初回にバティスタ本塁打で先制すると中盤に打線が繋がり今季最多の13得点。

山口の好投に打線が応えて3連勝で球団新記録の月間19勝を達成。

山口は高卒2年目プロ初先発で初勝利。

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今季最多となる13得点に、球団史上新記録となる月間19勝に到達、更に言えば不振の田中広輔が4打点と活躍し、西川龍馬の連続試合安打も23試合となるなど、様々な記録と見せ場で彩られた試合でしたが、それらを押しのけて主役となったのは若干19歳の入団2年目右腕山口翔でした。

ベンチ、グランドと、その端々で見せる笑顔でカープファンの心を鷲掴みする姿は天使そのもの。

一方で、球威、コントロール共に十分なスケールの大きな投球で、大型連敗脱出を狙い必死で食らいつく相手打線とファンを冷酷に追い詰める姿はまさに悪魔的でした。

彼の名前を聞いて3年前に某国営放送の人気ドキュメンタリー番組でカープの名物スカウト苑田聡彦が取り上げられた際に一緒に登場した姿を思い出したファンも少なくはないでしょう。

同時に、担当スカウトの田村恵の「コントロールは良くない」と評している場面も見て「また球威だけのコントロールの悪い投手を入れるのか…」と愕然としたのもたぶん私だけではないでしょう。

あれからたった2年でよくぞこれだけの大仕事をしてくれたもの。

残念ながらノーヒットノーランという大記録は同い年で同郷の村上宗隆によって阻止されましたが、本当に素晴らしいの一言です。

欲を言えば、球数的や点差を考えてもそのまま完封完投を狙わせるという判断をしなかったベンチが少々恨めくもあります。

 

その山口も満を持して登場というより「他に先発できそうな投手がいないから」という消去法で選ばれた「学徒兵」に過ぎず正直、「5回3失点で御の字」と言った印象しかありませんでした。

また、大型連敗中の相手に既にカードを勝ち越していた状況とはいえ火曜日の野村祐輔の酷い投球の影響もあり、リリーフ陣に負担をかけにくい状況でかなり厳しい試合を予想してすらしていました。

そんな私の如き小人の「いらぬ杞憂」を、序盤から得点を重ね中盤に中押し、終盤にダメ押しとプロ初先発という未知の大地に足を踏み出した投手への援護を惜しまなかった打線と他ならぬ山口の見事な投球が吹き飛ばしてくれたのですからもはや言うことはありません。

素晴らしい試合だったと今日ばかりはさすがに言い切らないとバチが当たるというものです。

5/29(水) ○「冷酷で残忍」(カープ2019)

東京ヤクルトスワローズ3-5広島東洋カープ

10回戦(カープ5勝5敗)

明治神宮野球場

 

勝利投手 大瀬良5勝2敗

敗戦投手 高橋2敗

セーブ投手 中崎2勝2敗8セーブ

 

本塁打

(C)鈴木15号②

(S)村上14号③

 

打点

(C)鈴木③西川②

(S)村上③

 

投手

※数字は失点

(C)大瀬良③-フランスア①-中崎

(S)高橋⑤-五十嵐-近藤-久保-風張

 

先発、大瀬良は初回に村上に3ラン被弾も以降は抑えて7回3失点。

打線は初回に鈴木の2ランで先制すると5回に鈴木、西川の連続適時打で逆転。

フランスアと中崎がリードを守って最後は逃げ切り連勝でカード勝ち越し。

今月、球団記録となる月間18勝に到達。

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試合前にスワローズのマスコット、つば九郎から目下12連敗中の自球団の苦境から「忖度して!!」と懇願されたカープでしたが、結果的に忖度どころか容赦ない結末を相手に押し付ける事なりました。

こういう冷酷無比に調子の悪いチームから白星をまるで悪代官の如く搾り取れるという事は上位を目指すチームにとってはある意味上位対決に強いか否か以上に重要です。

それは前年までのリーグ3連覇を語るまでもなく、それ以前の25年に渡って上位チームに白星を供給し続けたカープの歴史を見れば歴然としているというものでしょう。

 

先発の大瀬良大地は完投勝利した前回の試合後に鈴木誠也と西川龍馬の水をぶっかけられる悪ふざけが影響した…訳では決してないでしょうが先制点を貰った初回にいきなり俊英・村上宗隆に3ランを浴びる最悪の立ち上がりは十分「忖度」を感じさせるものでした。

しかし、以降は2安打無四球と落ち着いた投球を披露して7回を104球で終えるという素晴らしい投球。

昨年の中盤頃まではせいぜいQSが精一杯だった程度の投手が、長いイニングを消化する為に必要な冷静さを驚くべき早さで身につけてきた事を改めて感じます。

今回は水をぶっかけられる事は無かったようですから立ち上がりも良い投球を次回は期待したいものです。

 

その大瀬良以上に冷酷さを相手に見せつけたのは最終回に自演で相手に連日連夜相手チームに逆転のチャンスを与えながら最終的に試合を締めて相手に絶望を味合わせるという趣味の悪い投球を見せた中崎翔太…。

ではなく、いきなりの先制2ランを放つと、5回には俊英の希望に溢れる逆転弾をフイにする同点適時打と相手チームとファンが嫌がる場面でことごとく大活躍を見せた鈴木誠也でしょう。

その姿はまさに相手チームにとっては冷酷かつ残忍ですが、何事も小さくまとまりがちで優しい選手の多いチームの主砲としては本当に素晴らしいものがあります。

打率、打点と2冠王をひた走る数字以上に、その質もこれまでのカープの4番としては突出したものになりつつあるように見えて頼もしい限りです。

 

正直、一昨年前に4番に定着して以来若くして当たり前のように活躍する彼の姿と「カープが勝っても負けても気に入らないプレーを積極的に書く」というこの日記の主旨と相容れない為、あまり言及する事がない選手でしたが、ここ最近はそう言っていられない活躍ぶり。

今日の試合尚でゃこういう選手が中軸にいると周りが多少打たなくてもある程度得点は出来てしまう恒例でしょう。

素晴らしい限りです。