吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

再び受けて立つ(2017年CSファイナル展望)

37年ぶりにリーグ連覇という快挙を成し遂げてからちょうど1ヶ月。

 

いよいよカープも「クライマックスシリーズファイナル」ことプレーオフに登場する事となりました。

当然ではありますが、優勝チームとして受けて立つ立場なので1勝のアドバンテージもあります。

それを踏まえると、プレーオフの突破条件は6試合中に3勝…極端な言い方をすれば五分で切り抜ければ突破ですから、今日含めて7試合で5勝しないといけない相手に比べれば有利なのはいうまでもありません。

「勝って当然負けたら恥」と楽観視したいところですが…そうは問屋が卸さないのが短期決戦の怖いところです。

実際、現状のカープはこの試練に対してどのようなスカッドで望むのかを少し考えて見たいと思います。

 

まずは先発。

今季は、チーム防御率は「3.39(リーグ3)」ではありますが、リリーフ防御率が「2.77(リーグ2)」に対して先発だけに限れば「3.71(リーグ3)」。

いずれも良い成績なのですが、数字の上ではやや先発が足を引っ張った印象はあります。

通常の試合以上に先制点の価値が重たくなりがちな短期決戦で大切なのはまずは相手より先に失点しない事。

主戦級の投手をぶつけられる以上は、凄まじい威力を発揮した打線といえでも得点は困難である短期決戦においてどこまで耐えられるのか少々不安は残ります。

実際、プレーオフで先発が予想されるメンバーを眺めても、今季最高勝率に輝き、大車輪の活躍を見せた薮田和樹はともかく、6回付近で力尽きる試合が多く2ケタ勝利を逃した野村祐輔や、今季故障を連発して昨年の半分も活躍していないクリス・ジョンソンが主戦級です。

また、それに続くのも後半大失速してフラフラになりながら何とか二ケタ勝利に辿り着いた大瀬良大地と、完全に力尽きた岡田明丈の代役である中村祐太…。

少々、心許ない印象を受けてしまうのは気のせいでしょうか?

もっとも、QS率自体は対戦相手を上回っている訳ですから、多少の失点に目をつむる必要はあるかもしれません。

 

4番が故障で抜けても最後まで凄まじいばかりの威力を発揮した打線も、不安要素はあります。

優勝決定戦で負傷した安部友裕プレーオフに間に合わず、実質3塁は西川竜馬一択になってしまった事です。

今季、自身初の規定打席到達とリーグ4位の打率は勿論、高い得点圏打率を誇る安部が抜けるのはやはり大きな痛手と言わざるを得ません。

勿論、西川も西川で素晴らしい打撃センスを持ってはいますが…不安視される守備も含めてどこまでやっていけるかは未知な部分は多い気がします。

また昨年もでしたが今季のイニング毎の得点の分布を眺めるとカープは試合序盤に比して中盤以降の得点がやや多い傾向があります。
これまた、「逆転のカープと言われる程の土壇場での勝負強さの発露とも言えるでしょうが、上記の通り先発がやや心もとなく先制点がレギュラーシーズン以上に大事という点で考えれば、嫌な数字には見えてしまいます。
実際、プレーオフを戦うベイスターズは上位チームであるので当然ですが、リリーフがしっかりしているチーム。
ビハンドで終盤を迎えた場合に逆転するのは至難の業です。
そうならないように先発が抑えているうちにまとまった援護を期待したいものです。

 

最後にリリーフ。

最終的にクローザーに返り咲いた中崎翔太を中心に、ジェイ・ジャクソン、一岡竜司中田廉に加え優勝目前で不振に陥った今村猛もレギュラーシーズン最後の横浜戦で復帰と駒は揃っています。
しかし、同じ役割でシーズン初めから終盤まで駆け抜けた投手がいない事などを考えると時期によって調子の浮き沈みが激しい部分があるようにも感じられます。
また、中崎、ジャクソンに関しましては昨年の日本シリーズでの「逆シリーズ男」とも呼べる不振が頭をよぎってはしまいます。
とは言うもののこの辺りまで心配すると、もはやジンクスなどの世界の話。
むしろ、今日含めて7連戦を強いられる相手チームに比べてこの長い休養期間でリフレッシュ出来ている現状は有利と言えるでしょう

逆にここがダメなら他が良くても全てご破算になってしまいますが…。

そうならない為にも、ベンチがシチュエーションに的確な投手をチョイスしていく必要があるのは言うまでもありません。

 

色々駆け足で考えてみましたが、攻守を軽く眺めてみた限りでは不安点はいくつかあるものの、いずれも大きいとまでは言えずにいつも通りに試合が出来れば勝てるとは言えます。
しかし、いつも通りの試合が出来なくなった途端に大崩れしてしまう怖さがあるのが短期決戦。
それはリーグ優勝の勢いのままに駆け抜けた昨年のプレーオフ2戦までの日本シリーズに対して、攻守で綻びが見えた途端に一気に崩れて惨敗した3戦目以降の日本シリーズの対比を思い起こせばわかるというものです。
そうなると、「上手くいかなくなった時の対処法」をしっかりとベンチが考えているかという事にも注目が出来そうです。
昨年の日本シリーズはあまりにも「いつも通り」固執しすぎて敗れた側面もあったかと思います。
幸い、上記の通りプレーオフ自体は「6試合中3敗」まではしても大丈夫な訳ですから、浮き足立たずに大崩れする前に修正する勇気が必要となるでしょう
今季は昨年に比べると色々と選手のポジションや役割を入れ替えて戦えたようには見えますから、それが上手く作用すればと願わずにはいられません。

 

まあ、なにはともあれカープが再びあの晴れ舞台に上がれる事を祈って。