吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

11/07(土)●「掴み続けた19年間」(カープ2020)

広島東洋カープ0-2阪神タイガース

24回戦(カープ8勝13敗3分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 秋山11勝3敗

敗戦投手 中村祐3勝4敗

セーブ投手 スアレス3勝1敗25セーブ

 

本塁打

(C)-

(T)大山28号①

 

打点

(C)-

(T)木浪①大山①

 

投手

※数字は自責点

(C)中村祐②-菊池保-中田-ケムナ

(T)秋山-能見-エドワーズ-スアレス

 

先発、中村祐太が6回2失点の好投を見せるとリリーフ陣も無得点。

打線は、2塁すら踏めない散発3安打の拙攻で終始沈黙。

貧打による惨敗で連勝が7で止まり、石原の引退試合を飾れず5年ぶりのシーズン負け越しも確定。

引退試合の石原は8回守備から登場し現役最終打席はライトフライに終わる。

------------------------------------------------

今日の試合は19年間に渡って在籍し、長らく主力捕手としてチームの低迷期からリーグ3連覇まで屋台骨を支えた石原慶幸引退試合となりました。

ここまで積み上げた1620試合出場と1022本の安打数はいずれも捕手としては球団記録であり、2009年には球団史上捕手としては33年ぶりとなる二桁本塁打を記録。

2009年~2014年に記録した6シーズン連続サヨナラ打及び2018年に記録した38歳8ヶ月での1000本安打達成はプロ野球記録でもあります。

また、打撃だけでなく守備においても多くの評論家や指導者から絶賛されたキャッチング技術も素晴らしいものでした。

デニス・サファテの160km近い豪速球から林昌樹の漫画のように鋭い変化を見せたスライダー、果てはフルタイムナックルボーラーであるジャレット・フェルンデスの予測不能な軌道の投球まで捕球するというまさに球界屈指と呼べるものでした。

 

いずれも素晴らしい足跡ですが、それら以上にファンの記憶に残っているのは有名な「打席からジャンプしてのスクイズ失敗」や、ボールを見失って咄嗟に砂を掴んで進塁を防いだいわゆる「一握の砂」「併殺打崩れのどさくさに紛れて歩いて3塁へ進塁」「サヨナラ打撃妨害」など多くのファンを爆笑もしくは困惑させたプレーの数々かもしれません。

特に2006年2007年に記録した「スクイズ失敗」は当時がYou tubeニコニコ動画などの動画共有サイト黎明期であった事もあり、14年も前のプレーであるにも関わらずネットミームとしてカルト的な人気を誇っており今回の引退記念グッズの図柄にも採用されたぐらいです。

また、プロ野球史上3例しかない打撃妨害でサヨナラ負けを記録した捕手など恐らく世界中探しても彼ぐらいで今後も現れる事などないでしょう。

今回の引退を見て改めてそれらの映像を確認しましたが、「こんな話のネタが尽きない面白い選手が19年間も応援しているチームにいたのか」という気持ちにもなりました。

 

しかし、個人的には、上記の事柄以上にもっとも印象的なのは現役時代前半から中盤にかけて長らくチームも本人も続いた苦しい時期の記憶。

特にリード面においては球場で彼に対する汚い罵声や野次を聞かない日がないと言えるぐらいでした。

彼が入団した当時のカープといえばまさに「一面の焼け野原」と言えるぐらいに投手陣がボロボロだった時期。

言い方は悪いですが、プロとは名ばかりとすら思えるリードのしようもないクズ投手が大変を占めていたチームにあってそれを彼が守り立てないといけない苦労は並大抵の事ではなかったでしょう。

その後、前田健太の台頭や外国人投手たちの活躍をきっかけにしたチームの投手陣の質や層が向上し、彼自身も25年ぶりのリーグ優勝に貢献したうえで自身初のゴールデングラブ賞を獲得するようになって以降は上記のような野次はパタリと止まり、むしろ會澤翼などと比較して称賛されるケースが増えたようにすら思えます。

長らく続いた苦労と努力がキャリア終盤になって花開き報われて良かったと思える以上に真逆のキャリア中盤までの状況との落差を見て割り切れない不条理さも個人的には感じます。

私が、投手が打たれる度に安易に捕手のリードを批判するような風潮を嫌う理由はこの辺りで、これは我々ファンとしてもおおいに反省するべき事ではないかと思う次第です。

もっとも、打撃に関してはまったく最後まで期待しておらず彼がスタメンの試合では彼の打席をトイレタイムにしていたような私がそのような偉そうな事を言える義理はないでしょうのでしょうけれど…。

 

今日のプロ最終打席はライトフライに終わり、結果的に昨年晩夏の神宮球場でトイレに行く途中の通路で目撃した本塁打が彼の現役最後の本塁打になってしまいました。

試合自体も打線が二塁すら踏めない無様な打撃で5試合連続QSを記録した中村祐太の頑張りを台無しにするなど結果も内容も散々でした。

しかし、上記の通り苦労の方が大半だった現役生活を「幸せでした」と淀みなく言い切った引退スピーチはそれらを吹き飛ばすぐらいに素晴らしいものでしたし、セレモニー後に見せた盟友クリス・ジョンソンとの固い抱擁には目頭が熱くなりました。

また、完封目前の秋山拓巳を下げて石原の最後の打撃に同い年で今季退団が決まっている能見篤史をマウンドに送り出した矢野燿大監督以下の阪神タイガースの粋な計らいは感謝の念に耐えません。

 

キャリア前半中盤までのチームと自身の苦難からリーグ3連覇に貢献して報われたキャリア終盤の栄光まで。

最後は感動的なセレモニーと多くのファンからの惜別の声に彩られた石原が数え切れない球種と共にそのミットで掴み続けた19年間で私達に運んでくれたのはとても綺麗で見事な大輪の花だっという事かと思えます。

コロナ禍の球場で唄う事が出来なかった彼の応援歌の歌詞のように。

 

南の夜空に赤く

輝く一番星

広島に夢を運ぶ石原慶幸

f:id:Allen1991_09:20201107192327j:plain

 

11/05(木)○「去りゆく日々に思いを馳せて」(カープ2020)

広島東洋カープ5×-4読売ジャイアンツ

24回戦(カープ9勝12敗3分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 ケムナ1勝1敗

敗戦投手 田口5勝6敗1セーブ

 

本塁打

(C)長野10号①

(G)坂本18号②

 

打点

(C)松山②長野①會澤②

(G)坂本②岡本①丸①

 

投手

※数字は自責点

(C)薮田②-中村-中田-塹江②-島内-フランスア-ケムナ

(G)サンチェス②-桜井-大江-高梨②-田中豊-田口①

 

先発、薮田は5回まで無失点も6回に同点弾を浴び5回1/3を2失点で降板。

打線は序盤に松山の犠飛と長野の本塁打で先制も以降は終盤まで沈黙。

4番手塹江が勝ち越しを許すも8回に會澤の適時打で追いつき延長10回に松山のサヨナラ打で今期最後の読売戦を制する。

ケムナはプロ入り初勝利。

------------------------------------------------

試合前に25年ぶりの優勝を成し遂げた2016年と2連覇を成し遂げた2017年に選手会長を勤めた小窪哲也自由契約と退団が発表されました。

規定打席に届く事すら一度もなかった事から分かる通り数字の上ではお世辞にも名選手とは言い難い選手ではありましたが、アマ時代の各年代から主将を勤め続けてきたそのキャプテンシーは球団屈指であり、あの3連覇も精神的支柱として役割を果たした彼がいなければ考えられないほどです。

ほとんど活躍の場がなかった近年においても球団が契約を続けたのは内野の層が薄い事以上にリーダーとして優れた素質を持つ彼を将来的な指導者として期待していたという側面もあったかと思います。

それだけにこういう形で彼と別れる事になるのは本当に残念。

しかし、本人の強い現役への拘りもあったということですから悔いのないように野球人生を全うして欲しいと思います。

 

今週、引退試合を迎える石原慶幸に続いて3連覇を彩った選手との別れは、チームが初のプレーオフ進出を決めた2013年以来で初の2年連続Bクラスが確定している状況と相まってあの栄光の日々が遠くなっていく事を実感させてくれます。

そんなチームは今日の試合では、既に優勝を決めているチームとの最終戦ではありますが、内容的には先発がQSを果たせず、リリーフも失点し、打線は中盤まで2得点しか出来ず攻守でミスも出るという展開。

おまけに土壇場の場面では名物と化した「3塁コーチズボックスの障害物」こと、廣瀬純コーチのとんでもない走塁指示まで飛び出す始末…。

ここまで書くとどう考えても大差で惨敗するような試合に思えますが、結果は終盤に2点差をひっくり返すサヨナラ勝利ですから、つくづく野球とは分からないものです。

ここまで塁上に走者がいない場面でのみ威勢がいい事に定評のあった西川龍馬や久しぶりに決定的な場面で仕事を果たした松山竜平を始め、今日は中軸もしくは中軸だった選手がここぞで打つ事が出来たからかと思います。

特に5番に座り終盤に2点差を追いつく適時打を放った會澤翼はそれが今季、例え相手が利き腕と逆の腕から投げたとしても打てそうになかった高梨雄平からだという事を見てもまさに殊勲打と言えます。

…と同時にあの薮田和樹ですら試合を作り続けていて相変わらずの安定感を見せた先発陣ともども「それもっと早くやれよ」と言いたくなるのもまた当然の事。

消化試合開始後はこれで2敗しかしていない一方で今更の連勝は7連勝となり、「大本営」こと中国新聞からも「閉幕ダッシュ」と揶揄されるほどの椿事には称賛や喜び以上にチームが石原や小窪が輝きを見せた去りゆく日々を思いを馳せて今に対する虚しさが募りますね…。

11/04(水)○「苦しみの果てでの輝き」(カープ2020)

広島東洋カープ5-1読売ジャイアンツ

23回戦(カープ8勝12敗3分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 遠藤5勝6敗

敗戦投手 高橋1勝3敗

 

本塁打

(C)長野9号①

(G)-

 

打点

(C)西川①長野③會澤①

(G)岡本①

 

投手

※数字は自責点

(C)遠藤①

(G)高橋①-ディプラン②-田中豊-大竹-横川

 

先発、遠藤は安定した投球を続け9回に失点を喫するもプロ入り2度目の完投。

打線は中盤まで拙攻で1得点のみも終盤に長野の3打点の活躍で突き放す。

9回を投げぬいた遠藤の好投が光り引き分け挟んで今季初の6連勝。

------------------------------------------------

今季、開幕から先発ローテーションを守ってはいるものの勝ち星はおろか、試合をまともに作れる事すら希少で防御率初め壊滅的な数字が並んでいた遠藤敦志。

消化試合が始まる前後から息を吹き返したかのように好投を見せ始めていたものの、単純に森下暢仁などの一部例外を除いてまともな先発投手が皆無なチーム事情からローテーションを守っていたことだけで果たして躍進したと言えるのかが疑問…というような事を前回彼が登板した試合の感想で書いた気がしますが…。

今日の彼はそんな厭味ったらしい疑義を見事に吹き飛ばしてくれるような素晴らしい投球を見せてくれました。

シーズン通して絶望的に悪かった立ち上がりを凌ぐとその後は散発4安打しか許さず時折訪れたピンチもしっかりと抑えて8回1/3まで無得点の好投。

惜しくも9回表に内野ゴロの間に失点を喫してプロ初完封は逃しましたが、今季2度目の完投勝利で一時は絶望的だった5勝目と年間100イニングにも到達したばかりでなく、壊滅的だった防御率も3点台まで持ち直しました。

QSが1度もなく防御率も7点台と結果も内容も悲惨極まりなく完全に疲労困憊でどう考えても一度はファームに落として調整するべきだった9月のような時期も無理にローテーションを守り続けた影響もある訳ですから、来季以降このまま躍進を続けられる保証はありません。

しかし、圧倒的な投球を続けた森下とは対象的に実績のない若い投手が初めて年間通してローテーションを守り続ける苦しみを、身を以て体現し続けたかのような彼の頑張りが今季最後の登板で輝きを見せたのは本当に良かったですし感動しました。

また、前回は溌剌とした宇草孔基とは対象的に終始疲れた表情を見せていたお立ち台も今日は心なしか余裕が感じられるようなのも何よりです。

まあ、なんか残り試合数を聞かれて普通に間違えて答えていましたけどね…。

 

一方、昨日の九里亜蓮、今日の遠藤と先発投手が2試合続けて完投するという素晴らしい結果と内容を残しただけに試合終盤まで試合にまったく参加しないも同然だった今日も打線の酷さは際立ちました。

特にここ最近4番に座っている西川龍馬の酷さは目を覆うばかりです。

4番に座って以降の5試合でチームは36得点を挙げていますが、自身の打点は今日挙げた、どう見ても併殺打にしか見えなかった内野ゴロの間のショボい1点のみで、ここ3試合に至っては安打すらなし。

圧倒的な本塁打数や打点数を誇る一方で打率はさほどでもない相手4番の岡本和真を見れば分かる通り、中軸に座る打者は本来なら試合の決定的な場面以外は「死んだふり」をしていても良いのですが、彼の場合はまったくの真逆なのです。

勿論、西川が打撃センス溢れる素晴らしい天才肌の選手であることに疑いの余地はありませんが…。

あの得点圏であるなしに関わらず、何でもかんでもバットを振り回す落ち着きのなさは、絶望的にクリーンナップには向いていないという事なのでしょう。

もっとも、3年前にあっさり4番にフィットして見せた鈴木誠也が異常すぎるだけなのかもしれませんが…。

11/03(火)△「土壇場同点の喜びよりも…」(カープ2020)

広島東洋カープ2-2読売ジャイアンツ

22回戦(カープ7勝12敗3分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

本塁打

(C)菊池涼10号②

(G)-

 

打点

(C)菊池②

(G)丸①陽①

 

投手

※数字は自責点

(C)九里②-フランスア

(G)戸郷②-大竹

 

先発、九里は中盤に崩れて2失点も粘りの投球で9回を2失点で投げ抜く。

打線は8回で戸郷の前に散発5安打の拙攻で8回まで無得点。

最終回2死から菊池涼介の同点弾が飛び出すも以降は決めて無く引き分け。

------------------------------------------------

敗色濃厚の雰囲気の中で飛び出した菊池涼介の同点弾は2016年8月の四半世紀ぶりの優勝と3連覇への分岐点となった同カードで飛び出した自身の本塁打を彷彿させる大変劇的なものでありました。

一応、これで9回完投を果たした九里亜蓮の負けは消えただけでなく、森下暢仁と並んで新人王を有力候補である戸郷翔征の勝ちを消した形にもなり多くのファンが溜飲を下げたことでしょう。

しかし、そこに至るまでの打線は悲惨そのものでした。

相変わらずの怖さをまったく感じない3番目から5番目の打順の打者たちは併せて1安打という体たらく

29得点とそれまでの貧打が嘘のように大量得点で3連勝した先のドランゴンズ戦でも相手先発から奪った自責点は僅かに4でしたが、今日も苦手の戸郷相手にまったく歯が立ちませんでした。

また、上記の通り最終的には追いついて面目は保ったものの、今季、戸郷と対戦した試合全てでQSを達成される事となりました。

さらに言えば、疲れ切ったドラゴンズのそれとは対象的に質、量ともにリーグ随一のブルペンを誇る相手チームが、戸郷の一発逆転での新人王に望みをかけたかのようなやや無理がある続投をしなければあっさり完封負けを喫していた事は間違いないでしょう。

それだけでなく優勝がほぼ決まったシーズン後半で意図的にカープ戦で登板したなら新人王争いの経過は随分違ったものになったとすら思えます。

これだけ打てないとなると来季以降もいいカモにされるのは想像に難くありません。

 

何より1ヶ月以上もHQS以上を続ける力投を見せてキャリア最高ともいえる状態の九里亜蓮の二桁勝利への望みが絶たれた事は大変残念です。

願わくば、来週の最後の先発登板で勝利を挙げる事が出来たならば、その翌日の今季最終戦で5イニング目辺りだけ登板して無理やり二桁に乗せるなどの配慮が欲しいところですが…。

まあ、無神経なベンチやまったく頼りない打線では無理な話かもしれません。

 

確かに土壇場での同点は大変劇的で感動的ではありましたが…やはりその喜びより失われた結果の方にどうしても目がいってしまうのは仕方ない事。

それがシーズンで無様に敗れ去ったチームの消化試合というものです。

11/01(日)○「快挙に前進」 (カープ2020)

中日ドラゴンズ0-3広島東洋カープ

23回戦(カープ13勝9敗1分)

中日ドラゴンズ

 

勝利投手 森下10勝3敗

敗戦投手 柳5勝7敗

セーブ投手 フランスア2勝3敗18セーブ

 

本塁打

(C)-

(D)-

 

打点

(C)大盛①坂倉②

(D)-

 

投手

※数字は自責点

(C)森下-フランスア

(D)柳②-又吉-藤嶋-祖父江

 

先発、森下は初回のピンチを凌いで以降は安定した投球で8回無失点の好投。

打線は序盤の好機で1得点に留まると以降は7回に2得点のみで11奪三振を喫する。

森下が柳との投げ合いを制してスイープを決めて5連勝。

森下はプロ入り初の二桁勝利に到達。

------------------------------------------------

前回登板で攻守において大活躍し「ほぼ一人で野球の試合に勝ってしまった」森下暢仁。

今日は、大事を取って中7日での登板となりました。

初回こそ連打を浴び相手の不可解な走塁ミスにより難を凌ぎましたが、以降は7安打1与四球と走者を背負う場面が多々ありながら、8回までほとんど失点の予感すら感じさせない安定感のある素晴らしい投球でした。

これで自身初の二桁勝利に到達し先月はじめは絶望的にすら思えた新人王をほぼ確定させる事になったばかりでなく、防御率も1.91にまでなり26年ぶりの最優秀防御率のタイトルすら視野に入ってきました。

のみならず、新人としての防御率1点台はこのままシーズンを終了終えれば野村祐輔以来でプロ野球史上6人目の快挙にもなります。

補強の手段を概ねドラフトと外国人選手の獲得に限っている故に新人投手に過度な期待と負担を強いるのはカープのチームカラーではありますが、それを遥かに凌ぐ活躍には驚きと称賛しかありません。

恐らく残る登板はあと1試合程度でしょうがどこまでやってくれるか大変楽しみではあります。

 

この森下の活躍は素晴らしい事ですが、それだけに残りの「打球を拾う係」に成り下がっている周囲の野手たちの不甲斐なさが余計に悪目立ちしたのも相変わらず。

今日は、大盛穂の適時打で何とか序盤に先制はしたものの、以降は森下の大学の先輩である柳裕也の前にまったく歯が立たず、あわや先発野手全員が三振を喫するかという体たらくです。

特に1死1・2塁や、無死満塁で上記の1得点しか出来なかった打線の中軸の酷さは目に余るものがあります。

特に序盤の好機であっさり見逃し三振に終わった鈴木誠也に至ってはその後の不貞腐れたような態度も最悪で、涙ぐましい努力を続ける新人に対する敬意がまったく感じられず見ていて、ただただ不快だし胸クソが悪かったです。

また昨日、3安打を記録した西川龍馬も得点圏では適当にバットを振り回すだけでまったく怖さが感じられない以上、彼を4番に据えたのは失敗と言わざるを得ません。

このカードでは一転して終盤で得点ができるようにはなった打線ですが、上記の序盤での酷さを見る限り、リリーフがしっかりしているチームが相手だと恐らく元のとおりになるのは自明かと思えます。

10/31(土)○「優先される投手へ(カープ2020)」

中日ドラゴンズ3-9広島東洋カープ

22回戦(カープ1291)

ナゴヤドーム

 

勝利投手 島内1勝ブ

敗戦投手 551セーブ



本塁打

(C)長野8号②

(D)木下拓5号①



打点

(C)菊池涼①曾澤③松山②長野②堂林①

(D)木下拓①阿部②



投手

数字は自責点

(C)中村裕-中村恭-島内-ケムナ-中田

(D)松葉①-又吉-谷元-福⑥-ゴンサレス-岡野①

先発、中村裕太は序盤に2失点も以降は再三のピンチを凌いで62失点。

打線は5回表に菊池涼介の適時打で反撃を開始し8回表に曾澤の適時打で逆転。

前日に続いて打線が爆発する逆転劇で4連勝で今季ドラゴンズ戦の勝ち越しを決める。

島内がプロ初勝利。長野が史上176人目の通算150本塁打を達成。

------------------------------------------------

前回登板で3週連続のQSを達成しながら打線の援護がなく敗戦投手となった中村裕太は、新人王獲得を確実なものとすべく森下暢仁の登板日を日曜日にスライドさせた影響で中5日の登板となりました。

それだけに今日こそは早めの援護が欲しいところでしたが、援護点は僅かに1という前回に続いて残念極まりない結果となり、またしても好投しながら勝ち星を逃す事となりました。

中村裕太自身が今月は防御率1点台とキャリア最高とも言える状況であるだけにこの判断は賛否はあるかと思いますが、それでも中村裕太の勝ち星と森下のタイトルを天秤にかければ極めて当然の判断。

中村裕太の今の勢いが来季も持続できるかは分かりませんが、今度は自身が優先的に登板させて貰える投手になる事を祈りたいものです。



その中村裕太の頑張りを無駄にした打線は前回に続いて何故か、終盤に唐突に打ち始めました。

無死満塁から會澤翼の試合をひっくり返す走者一掃の適時打に始まり、不振の為スタメンから外れた松山竜平の代打による適時打、更に長野久義のメモリアルアーチまで飛び出すという事態。

勝負弱い打線と、ビハインドを維持できないリリーフ陣により、かつて呼ばれていた「逆転のカープ」は、もはや死語となって久しいですが、ここに来てそれを思い出すかのようです。

もっとも、上記の通り先発が試合を作っている状況の時は沈黙していたそれまでの惨状を考えるとやはり「もっと早くやれよ」と言いたくなるのは人情かと思えます。

まあ、そもそもここ最近リリーフ陣に金属疲労が目立って来た相手チームの事情も考えるとリリーフがしっかりしているチーム相手にはこうはなる事はないのも自明。

プロ初登板から実に61試合をかけて島内颯太郎が期せずしてようやくプロ初勝利を飾ったのは何よりですが、やはり昨日と同様に今更感が先立ちますね…。

10/30(金)○「灯が消えた日に」(カープ2020)

中日ドラゴンズ3-17広島東洋カープ

21回戦(カープ11勝9敗1分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 床田4勝8敗

敗戦投手 谷元1勝2敗

 

本塁打

(C)堂林14号②鈴木誠25号②田中広8号③

(D)阿部13号②

 

打点

(C)松山①鈴木誠③大盛④田中広④堂林③三好①

(D)阿部②A・マルティネス①

 

投手

※数字は自責点

(C)床田③-菊池保-中村恭-田中法

(D)ロドリゲス-又吉-谷元④-藤嶋④-佐藤⑦

 

先発、床田は3回まで無安打投球も中盤に3失点を喫し6回で降板。

打線は序盤相手のミスで先制し1点差の7回表に鈴木誠也と大盛の適時打で逆転。

7回以降3イニングで15得点の猛攻を見せて大勝し3連勝。

------------------------------------------------

早々に首位チームが優勝マジックを点灯させておきながらパ・リーグは勿論、海の向こうではワールドシリーズの優勝チームまで決まっても尚、優勝チームがなかなk決まらないセ・リーグ

今日は遂にその灯が消える日となりました。

また、同時にリーグ3試合全てが優勝マジックに関わるという奇特な環境での試合でもありましたが、そういう日に限って今季最多得点で大勝するというのも何とも皮肉な話です。

ここ1週間以上不振を極める無気力な打撃が続く鈴木誠也が今季2度目のスタメン落ちし、松山竜平を7番に下げるというなかなかドラスティックな打線の組み換えで臨んだ打線でしたが6回まではまったく機能しませんでした。

序盤に2点を先行したものの、いずれも相手のミス絡みで譲ってもらったも同然の代物で僅かに2安打。

先発の床田寛樹もQSは果たしたものの中盤にあっさり逆転を許してしまい、リリーフ陣がカープより遥かに充実していて6回までにリードを奪えば今季は37試合負けなしだったドラゴンズが相手ですから6回が終わった時点で試合は事実上終了した筈でした。

しかし、その後は代打で登場した鈴木誠也の適時打で追いつくと大盛穂の適時打で逆転に成功しその後もこれまでの貧打が嘘のような猛攻を見せてくれました。

ちなみに打線が不振を極めた直近6試合で奪えた得点が僅か10得点ですから今日は終盤のたった3イニングだけでそれを遥かに凌ぐ得点を奪った計算になります。

 

なんというかまあ…妙な試合になってしまいました。

 

勿論、鈴木誠也堂林翔太の見事な一発や大盛穂の大活躍は素晴らしいですが正直、これが今更何になるのか問われるとなかなか答えに詰まるものがあります。

そもそも久しぶりの活躍を見せた鈴木誠也に関してはタイトル争いにさほど関心も熱意もないのですから今日の活躍が大きな意味を持つとは思えませんし…。

また、久方ぶりの思わぬ大勝に気を良くした監督は「この勝ちは大きい」などとほざいていますが何をもってしてそんな脳天気な事が言えるのかまったく理解できません。

まあ、強いて言うなら大きな価値と呼べるのは大盛が決定的な仕事を2度も見せた事ぐらいでしょうか。