吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

「3年ぶりの帰還」(カープ観戦記2022)

新幹線の車窓から見える「ようこそ、ときめく広島へ」の文字。

かつて東京や大阪方面から帰って来た新幹線の乗客を迎え入れたのは府中町にあったキリンビール広島工場の大看板だったのは今や昔…その役割はMAZDAスタジアムのスコアボードが担って久しい。

広島止まりのつもりが間違えて切符を買ってしまった博多行きの新幹線から慌ただしく降りながら考えたのはここに至るまでの日々。

激しい争奪戦を制して手に入れた開幕カードのチケットがコロナ禍によって無駄になったのは2020年4月なのであれから2年。

更に最後に観戦したのは2019年8月に磯村義孝のサヨナラ犠飛で勝利した読売戦以来なので実に3年ぶりの地元での観戦。

ようやく立てた球場の正面玄関を前にして涙が零れそうになって始末に困った…と言いたいところだが、そうはならなかった。

そうするには私が年を取り過ぎたのか、それともあまりにもコロナ禍の異常な日々に慣れ過ぎたからか…。

早く到着したので球場の周りの散策ついでに球団創設70周年を記念した作られた各年度のスタッフ、選手名を刻んだプレートが並ぶメモリアルパークへ。

歴代のプレートを眺めると初優勝を果たした1975年より前は、Aクラスはおろか勝率5割にすら届かないシーズンが大半を占めるのが改めて分かる。

かつて私たちも2016年9月まで25年ほど優勝という言葉を使うのをはばかるぐらいに可能性を見いだせていなかったが…それを上回る年月の間に熱心なカープファンで自身の葬式でもカープの試合のラジオ中継が流れていた私の曽祖父は一体どんな気持ちで試合を見ていたのだろうか…?

苦難の歴史に思いを馳せた後に、入場ゲートに向かう途中のスロープには一転して1975年以降の優勝時の写真が並んでいた。

私が記憶にあるのは1991年優勝以降に過ぎないがそのうち2度の優勝を球場で見られた幸せを改めて嚙みしめる。

 

3年ぶりの観戦で、球場によってまちまちなペットボトルや飲料の移し替えの有無に戸惑いながら入場すると眼下に広がるのは緑の海。

吹き抜けるそよ風を受けながら打撃練習を続けている相手チームの選手を眺めていると、改めてこの場所に帰れた事を実感する。

1塁側内野A指定の座席についてから場内を散策すると自由席が廃止された影響でコンコースに増えた個室席が目に付いた。

現状、応援活動が制限されている影響でどの球場も外野席の人気が落ちている現状を見るとこういう席が増えるのもまたコロナ禍以降の流れなのだろう。

しかし、3年とはいえ球場全体の雰囲気は以前とほとんど変わらないのには安心した。

動員制限が撤廃された事もあり賑やかなコンコースに、グッズショップ…。

コロナ禍で誰もかれもが大きく生活様式の変更を余儀なくされこれまでの文化や風習すら改められていく事に戸惑っているが…結局、本質的な部分は変わらないのだと思う。

むしろ、キャッシュレス決済が広まったおかげでかえって便利になった事もあるのだから変化は変化で肯定的に受け入れていくべきなのかもしれない。

 

 

始まった試合は、大瀬良大地が初回から3失点を喫する苦しい展開。

打線が直後に反撃して同点に追いつくも、以降は得点できずこれまた個人的には3年ぶりとなる延長戦の観戦となった。

試合中、内野席から照明に照らされたグランドで強く印象に残ったのは新人の中村健人

初回から最後まで外野から声を張り上げて投手を、そしてチームを鼓舞する姿は声を掛けられない私たちの気持ちを代弁しようとしているかのよう。

最後までチームに広島に声をかけ続けた中村健人の全力疾走も虚しく神里和毅の打球が抜けて試合は敗れた。

 

いまいち分かりにくい整列退場の指示を守って場外に出てから振り返った暗闇に浮かび上がる球場の姿は改めて綺麗だった。

この3年間でプロ野球も私たちも多くのものを変えたり犠牲にしたりしてきたが…こうやって好きなチームの試合を本拠地で見られたのだから、私も彼らもこうやって日々は続けていくのだと思う。

これからも生きていけるのだと思う。

どういう時代になっても「応援したいもの」があるのは素晴らしい事だ。

 

とはいえ、このカードで私が観戦した試合以外は全て勝利というのは…。

まあ、それもまた広島カープを応援するという事なのだろう。

 



5/14(土)●「『魔の8回』などではない」(カープ2022)

広島東洋カープ3-5東京ヤクルトスワローズ

5回戦(1勝4敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 コール 1勝

敗戦投手 ターリー 1敗

セーブ投手 マクガフ 11セーブ

 

本塁打

(C)坂倉3号①

(S)村上10号①11号①山田1号①

 

打点

(C)中村健①大盛①坂倉①

(S)中村①村上②長岡①山田①

 

投手

※数字は自責点

(C)森下②-ターリー②-森浦-島内①

(S)原②-木澤①-コール-今野-マクガフ

 

先発、森下は10安打を浴びるも粘って7回2失点で抑える。

打線は中盤に連打と坂倉の本塁打で一時逆転も追加点が奪えず。

8回表にターリーが打ち込まれて逆転を許し連勝が4で止まる。

田中広輔が史上514人目の通算1000試合出場を達成。

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先週から連勝が続いていつの間にか首位になっていたカープですが改めてファンは現実を思い知らされた事でしょう。

7回裏1点差という時点でこの事態は容易に想像できましたが、こうもあっさり予想通りになるとやはり上位チーム相手にはこのチームの戦い方は通用しないのが分かります。

もっとも私個人は巷で言われる「魔の8回」という言い方をしませんし好みません。

どうも、この言い方だと運や偶然で打たれている試合が続いているように思えるからです。

そうではなく、現状このチームが8回で試合をぶち壊してしまう事が多々あるのは単純に能力のある投手が栗林良吏以外にブルペンに存在しないだけであり、引いてチーム編成及び首脳陣の育成方針の失敗というだけの事…つまり自らが引き起こした必然という事に過ぎないからです。

 

まあ、表現の仕方はどうあれ前回の阪神戦で好救援を見せたニック・ターリーも全くお話にならない投球を見せた以上は失格という事になりました。

前回は目の覚めるような投球でしたが、元来は来日初登板以来全く空振りが取れないなど見るべきものがない投手でしたが案の定です。

一方、そのターリーが残した走者を返して勝ち越しを許した森浦大輔ですが、打ち取った当たりが前進守備を抜けるなどの不幸であり以降は決定的な当たりは無かった事から次回の「セットアッパーガチャ」は彼がファーストチョイスで良いかと思います。

まあ、さほど期待はしていませんが…。

 

一方、今週に入って元の貧打に戻り、結局は先週日曜日の大量得点がただのまぐれだった事を見事に証明した打線。

セットアッパーほどではないですが、1番打者が固定出来ていない事が大きな要因に見えます。

今日も大盛穂を何となく置いてみましたが得点圏では投手の森下暢仁の方がよっぽど期待できるレベルに迫力も覇気もありませんでした。

今月に入って急激に調子が戻りつつある小園海斗を元のように上位に据えるという選択肢もそろそろ選んでも良いかもしれません。

 

それにしても前回は9回1失点、今日は初回から絶不調だったとはいえ7回2失点と素晴らしい結果を残しているにも関わらず勝ち星がない森下には同情を禁じ得ません。

打者もブルペンもまったくもって「使えないチームメイト」だらけのチームで先発を務めるのは大変な事です。

5/11(水)○「藁の盾」(カープ2022)

阪神タイガース2-3広島東洋カープ

8回戦(カープ7勝1分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 九里2勝1敗

敗戦投手 渡邊1勝1敗

セーブ投手 栗林1敗7セーブ

 

本塁打

(C)-

(T)-

 

打点

(C)西川①小園①末包①

(T)佐藤輝①糸井①

 

投手

※数字は自責点

(C)九里②-ターリー-ケムナ-森浦-栗林

(T)秋山①-加治屋-渡邊②-アルカンタラ-湯浅-岩崎

 

先発、九里は初回に連打で2失点も以降は立て直して6回2/3で降板。

打線は初回に先制以降は繋がらない展開も6回表に小園の適時打と末包の犠飛で逆転。

終盤のピンチでターリーと森浦が好救援を見せて逃げ切り4連勝でカード勝ち越し。

チームは同カード34年ぶりの開幕7連勝。

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昨日は床田寛樹が完封勝利でキャリアハイペースで勝ち星を重ねる事に成功しましたが、今日の先発は対照的に勝ち星に恵まれない九里亜蓮

チームトップかつリーグ3位の防御率を誇りながら打線の援護が無かったりリリーフ陣に勝ちを消されたりと不運が続いてたった1勝しか挙げられていません。

その九里は初回にいきなり与四球から連打を浴びて2失点を喫するという悪い立ち上がりで、最後は7回途中でこれまた与四球から一打逆転のピンチを招いてニック・ターリーに救援を仰ぎ力尽きた形になったのですが、それ以外は安定した投球。

先制点を挙げた初回以降は得点が出来ない打線にあって試合全体で見れば良く耐えてくれたと思いますし、この展開で九里に勝ち星がついて本当に良かったです。

 

もっとも、相手チームの不可解な継投もあり打線が何とか逆転できた試合終盤は、上記のターリーと8回裏途中でやはり好救援を見せた森浦大輔により、何とか栗林良吏に繋ぐ事は出来ましたものの、まるで逆転されるのを待つかのような不安定な展開。

特に酷かったのが8回当初から登板し最初から最後までまともなストライクすら入らず、ケムナ誠。

直前の8回表に登板し味方のエラーにもめげずに強気で投げ続けた湯浅打者から無様に逃げ回る投球に終始した湯浅京己とは対照的にただただ打者から逃げ回るだけの無様な姿は本当に見ていてイライラしました。

相手打線の不振もあって脆弱なリリーフ陣という「藁の盾」で何とか凌ぐ事は出来ましたが、こういう展開になるとやはりこのチームは弱いという事実を感じざるを得ません。

 

一方、打線は昨日同様に苦手投手相手とはいえ、やはり低調な攻撃に終始しました。

初回は幸先よく先制しましたが、直後に1死1塁3塁という好機で畳み掛ける事ができませんでしたし、以降も逆転こそは出来ましたが、得点機はこちらの方が多かったにも関わらず3得点のみは残念。

1死1塁で小園海斗に犠打などを試みさせる事もなくあっさり2ストライクまで漫然と打席に立たせたり、反対にどう考えても細かいプレーなど望めない堂林翔太のような選手に1死3塁でスクイズを試みさせたりと首を傾げる場面も多々ありました。

前者に関しては結果的に小園が同点適時打を放った事で逆転の呼び水にはなったのですが、正直運が良かったとしか言いようがありません。

一応、スワローズが敗れた事で何故か首位になってしまったようですが…この試合内容ではそれを維持するのは困難かと思えます。

5/10(火)○「祭りの後も盛り上げる」(カープ2022)

阪神タイガース0-3広島東洋カープ

7回戦(6勝1分)

阪神甲子園球場

 

勝利投手 床田4勝1敗

敗戦投手 西勇2勝3敗

 

本塁打

(C)マクブルーム5号②

(T)-

 

打点

(C)マクブルーム②小園①

(T)-

 

投手

※数字は自責点

(C)床田

(T)西勇②-加治屋-岩貞①-浜地-齋藤

 

先発、床田は初回から安定した投球を見せて9回無失点の好投。

打線は少ない好機を活かせない展開も6回表にマクブルームの本塁打で先制。

床田は最終回のピンチも凌いでプロ入り2度目の完封勝利を飾りチームも3連勝。

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今季最多の21安打17得点にリーグタイ記録となる4安打が4人と突如打線が大爆発するお祭り騒ぎとなった日曜日のベイスターズ戦から1日空けて甲子園に乗り込んだカープ

さすがに相手投手が何度対戦しても攻略する絵が浮かばない西勇輝の前では6回2失点とその勢いは持続できませんでした。

もっとも、ほとんど得点の気配がなかった中でも「出来るだけ球数は投げさせる」という共通のイメージを各打者が持って戦えた部分はあったかもしれません。

粘った末に千載一遇とも言うべき失投をスタンドへ運んだライアン・マクブルームの一発もそれらの努力が結実した結果にも見えます。

また、前回カードからようやく復調の気配を見せ始めた小園海斗の存在感も光りました。

もっとも、それでも西勇輝にはQSを許したうえに以降も追加点がなかなか奪えない展開になった以上は、有利に試合を進めたとは言い難かったでしょう。

 

それでも最終的に試合を勝利に導いてくれたのは自身、被安打5に7奪三振で9回を投げ抜きプロ入り2度目となる完封勝利を挙げた床田寛樹の安定した投球である事は言うまでもありません。

前回の読売戦は序盤から大量リードを背にした投球でしたが、今日は上記の通り味方打線が大の苦手とする好投手との緊迫した投げ合い。

更には、5回表の攻撃時に2塁ベースで足を滑らせて転倒して顔面を強打するというヒヤリとする場面もありましたが、相手打線が不振という事を差し引いてもそれらを跳ねのけて最後まで試合を支配し続けてくれた姿には称賛しかありません。

内容の割に勝ち星に恵まれたとは言い難い4月を経てこれで5月は2連勝の4勝目。

キャリアハイも勿論の事、自身初の二桁勝利に視界は良好に見えるのは何よりです。

 

一方で、結果的には事なきを得たとはいえ一転して不安定になった最終回での投球を見る限りだとあの場面での床田の続投は妥当だったのかは疑問が残りますし、それ以前に2死満塁と一気に試合を決める好機であった8回表に代打を出すべきだったようにも思えます。

勿論、球数的には完封を狙える状況ではありましたが、週初めの初戦で僅差の終盤という展開においてはもう少しベンチは慎重に振る舞う必要があったのではないでしょうか?

佐々岡監督のコメントを見る限りでは明確な戦術以上に雰囲気で決めたという意図しか感じられないのも今までが今までだけに残念に思えます。

 

※5/6~5/8は帰郷の為、休みました。

5/5(木)○「待ちわびた使徒」(カープ2022)

広島東洋カープ3-0読売ジャイアンツ
8回戦(カープ4勝5敗)
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 アンダーソン 1勝
敗戦投手 メルセデス 4勝1敗
セーブ投手 栗林1敗6セーブ

 

本塁打

(C)-
(G)-

 

打点
(C)小園①西川①坂倉①
(G)-

 

投手

※数字は自責点
(C)アンダーソン-島内-栗林
(G)メルセデス①-菊池-鍬原①-高梨

 

来日初登板のアンダーソンは5回までパーフェクトで抑え7回1安打無失点の好投。

打線は4回まで1安打の拙攻で5回にエラーに乗じて先制も3得点に留まる。

8回以降はリリーフ陣が無失点に抑えて逃げ切りカード勝ち越し。
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新型コロナウイルス感染対策の為の入国制限の影響でチームへの合流が遅れていた外国人選手で最後のピースとなるドリュー・アンダーソンが遂に一軍合流を果たしたうえで先発を務めたこの試合。

かつては「シュール便」と言われた程に良質な外国人投手を供給してくれた在米スカウトからの「使徒たち」もここ2シーズンは極めて低調だっただけに正直、不安の方が大きかったのですが…。

そのアンダーソンは初回から3者連続三振という快調な滑り出しを見せると以降は5回までパーフェクトというまさに快刀乱麻という言葉が相応しい好投を見せてくれました。

特にフォーシームの威力は素晴らしいものでそれで三振を奪っていく姿はまるで往年の名助っ人コルビー・ルイスのようで見ていて気持ちが良かったです。

もっとも、変化球が中心の配球となった中盤以降はやや威力が落ちたように見えるのが少々気になりますが…それは差し引いてもデビュー戦でこれだけの投球を見せたのですからクリス・ジョンソン以来の準完全試合での完封も期待してしまいました。

それだけに当初の予定通りだったと思われるので仕方ないとはいえ7回で降板したのは少々残念な気もしますね…。

 

アンダーソンが上記の通り素晴らしい投球を見せた一方で、打線はその快投に応えるどころか台無しにするだけの打撃に終始したのは大変残念。

今季負けなしで4勝と絶好調のCC・メルセデス相手とはいえ4回終わって僅か1安打で5回裏の先制点にしても相手の守備の綻びと運に助けられただけの事。

その後も得点は重ねて合計で3得点は出来ましたが…正直、得点できた事よりも直後に試合を決められる好機を逃した事への不満ばかり募ります。

ようやくかつてのように先発としてチームの主戦を担えそうな投手が登場したのは喜ばしい事だけにこういう部分がやはり気になってしまいます。

5/4(水)●「好守から先制も…」(カープ2022)

広島東洋カープ3-6読売ジャイアンツ
8回戦(カープ3勝5敗)
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

勝利投手 戸郷4勝2敗
敗戦投手 塹江2勝1敗
セーブ投手 大勢1勝12セーブ

本塁打

(C)-
(G)岡本11号③

打点
(C)マクブルーム②中村①
(G)岡本③中島①廣岡①

投手

※数字は自責点
(C)九里③-森浦-塹江①-黒原②-矢崎
(G)戸郷③-今村-デラロサ-大勢

九里は再三のピンチを好守に助けられるも6回に同点弾を喫する。
打線は5回にマクブルームと中村健人の適時打で先制も以降は繋がらず。
リリーフ陣も打ち込まれて逆転敗け。

                                                                                              • -

昨日は初回から点が面白いように入りまくりプロ入り初の安打や打点の記録が相次いだ試合になったカープ
今日は案の定パタリと打てなくなり、いつもと同じような展開になってしまいました。
おまけに先発の九里亜蓮も再三得点圏に走者を背負う不安定な投球。
それでも、中村健人と西川龍馬の好返球により3イニング連続となる本塁封殺でピンチを凌いだうえで、3点先制するという良い流れを作れましたが…直後に九里亜蓮が同点弾を浴びて儚いものとなりました。
やはり、悪い流れでも一振りで無理矢理引き戻せる実力がある選手がいるチームとそうでないチームの差というものなのでしょう。
無い物ねだりをしても仕方がないのですが、やはり長打を期待できる選手が皆無なチームというのは圧倒的に不利という事が改めて分かります。

上記の通り中場以降は見るに耐えない展開となった試合にあって、2度の捕殺で失点を防いだうえにプロ入り初打点を記録した昨日に続いて適時打を放った中村健人は一服の清涼剤となったファンは私も含めて少なくなかった事でしょう。
これまであまりの貧打から守備に明らかに問題がある選手や内野手登録の選手まで起用していた状況にあって、彼のようにしっかり守れる選手が打ってくれれば鈴木誠也の抜けた穴はともかく、少しは安心出来るのですが…。

一方、同じ新人でも心配なのが試合を決定付ける失点を喫したうえに吉川尚揮を危険球まがいの死球で負傷退場させて降板した黒原拓未。
競技中の事故であるにも関わらず心ない輩により自身のInstagramが荒らされるなど騒動になり、精神的に厳しい状況に立たされているようです。
昔、今村猛にも読売戦で似たような事例があった記憶がありましたが…負傷退場した相手選手の無事と共に彼には何とか立ち直る事を祈りたいものです。
もっとも彼に関しては精神面は勿論、キャンプ当初から冴えない投球を続けている以上は技術的な問題も大きいかと思えますが…。

5/3(火)○「意外性の集中」(カープ2022)

広島東洋カープ12-3読売ジャイアンツ

7回戦(カープ3勝4敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 床田3勝1敗

敗戦投手 赤星2勝2敗

 

本塁打

(C)-

(G)ポランコ5号①ウォーカー5号①

 

打点

(C)坂倉①中村健①矢野②床田②マクブルーム①小園②上本①

(G)ポランコ①廣岡①ウォーカー①

 

投手

※数字は自責点

(C)床田③-森浦-ターリー

(G)赤星⑫-大江-平内

 

先発、床田は8回に崩れて降板も3失点の好投。

打線は初回から相手守備陣のミスに付け込み打者一巡の6得点。

以降も打線は繋がり4回までに今季最多の12得点を挙げて連敗を止める。

中村健人と矢野がプロ入り初打点、韮澤がプロ初出場を記録。

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直近の登板では打ち込まれて今季初のノックアウトを喫したものの4月は素晴らしい投球を続けながら援護が少なく1勝しか出来なかった床田寛樹でしたが、今日に関しては多くのアシストに恵まれました。

もっともそれは主に相手の守備陣によるものでした。

それは4回途中で12失点も喫しておきながら相手先発投手の自責点が僅かに「3」という事からも分かる事かと思います。

 

とはいえ、それを差し引いても打線もそれなり以上に繋がった事も確かです。

今日の打線は曾澤翼に続いて菊池涼介も欠場となった為、上本崇司を2番で起用したのを始め中村健人やプロ入り初のスタメン出場となった矢野雅哉が名を連ねるというスタメンで試合に臨みました。

上本は開幕当初の活躍が影を潜めていますし、矢野は守備固めの選手として一軍に呼ばれたに過ぎない選手であり、中村健人は今日が開幕3戦目以来のスタメンという事実すら忘れていたぐらいに存在感が希薄だった選手。

こんな選手たちがスタメンを務めるのですから、ただでさえ12球団最低レベルの貧打戦にあって、どう考えても得点出来るイメージが全く湧かなかったのですが…。

蓋を開けてみれば初回から中村健人がプロ初打点を挙げて、直後に矢野がプロ初安打と初打点を挙げるという活躍で初回から一挙6得点に今季最多の12得点という驚きの結果。

更には菊池涼介の欠場が無ければ、やはり本来ならスタメンに名を連ねる事がなかったであろう小園海斗ですらそれに釣られたのか、どう考えても規則に違反しているとか思えない変なアイブラックが効いたのかは分かりませんが、猛打賞の活躍を見せるというおまけつきです。

ここまでの打線の酷さを知っている以上、何故こんな事になったのか未だによく分からないというのが素直な感想で喜びよりも困惑の方が大きいです。

 

そういう事なのでこれで低調だった打線が持ち直すきっかけになるとは思えません。

そもそも、12得点のうち1/3は投手である床田が絡んだものですし、何より5回以降は得点がないばかりか、僅か1安打しか出ていないのですから。

素直に言わせて貰えば今日は意外性が1試合…というか1イニングに集中しただけの事で単なるフロッグと見るのが自然かと思います。

まあ、全く打てない迫力の無い打線でも試合を重ねればこんな事があるのかと思うしか今はないでしょう。