先週の一軍の連覇に続いて、二軍が26年ぶり9回目のウエスタンリーグ優勝を果たしました。
一軍も優勝まで随分長い事待たされましたが、それに歩調を合わせるように二軍の優勝も気づけば四半世紀も待って歓喜を迎える事になりました。
二軍の優勝といえば一つの情景を思い出します。
あれは私が小学生低学年だったころ、父に連れられて市民球場で見た1991年のファン感謝デーの事。
そこで貰ったパンフレットで一軍と二軍が兄弟優勝を果たしたという風な事を書いてあって、この時私は初めて二軍にも優勝という概念があるという事を初めて知ったのを覚えています。
と、同時に「一軍が強ければ二軍も強いんだな」と何となく考えたのも併せて記憶しています。
最初に書いておきますが、実は私は二軍の試合に足を運んだ事はさほどありません。
そんな私が、この事を書くのは「日本プロ野球最後の秘境」とも言われる交通の不便さを物ともせず由宇球場に足を運び続けて来たファンの方の手前お恥ずかしい限りですがちょっといくつ書いてみたいと思います。
ご存知の通り、良くも悪くも「カープは育成のチーム」と言われています。
そういうチームにあって二軍は育成の場であるから勝敗は二の次という考えはありました。
勿論、勝敗に拘るあまりに若く実力の不足している選手でも我慢して起用できなければ二軍の意味はありませんが、一方で勝敗への拘りがない試合を繰り返すだけの選手が一軍で活躍出来ないのではという疑問もありました。
現に二軍の成績が低迷していた時期で一軍に抜擢されるほどの選手が育成出来た事例は多くなかったように思います。
しかし、今季は故障者が昨季より多いなかで中村祐太などがその穴を埋める活躍を見せる事ができているのは決して二軍の好成績と無関係とはいえないでしょう。
「技術を鍛えるのは勿論のこと、試合に勝つことで自信をつけさせる。」
その結果が二軍に留まらない成果として兄弟優勝という形で結実したと思えます。
また、一軍ではまったく活躍出来ず最終的に獲得が悲劇でしかなかったラミロ・ペーニャのような選手ですら二軍では貢献して若い選手が勝利を実感できるサポート役にもなっていた事も注目されます。
即ち、補強の結果が直接一軍で結実しなくてもそれが二軍の活性化に役立つ事で間接的には一軍の成功へ繋がるという事。
一軍、二軍ともに優勝すれば「育成が出来ているから補強は必要ない」という考えに捉われがちですが、そうではないのです。
「今は金の時代だが、いつかは鉄の時代や鉛の時代も来る」という風な事をどこかの球団のオーナーが最近言っていたそうですが、大事なのは来るべき苦難に怯えて備えるより、むしろそれを少しでも防ぐ努力ではないでしょうか?
いずれにしても、育成と結果の両立というある意味一軍以上に難しいミッションがこういう形で成就したのは素晴らしい事です。
この結果をもたらした選手やスタッフ。
そして何より球場開場以来、チームを支え続けてくれた由宇町の方々。
本当におめでとうございます。