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カープと趣味の日記

カープの補強を振り返る(カープ2017-2018)

最後の最後で汚点を残したものの、リーグ2連覇という夢のような結果を残してシーズンを終えた我らが広島カープ

当分、カーププロ野球の事も考えずに過ごしていたら、あっという間に春季キャンプインとなってしまいました。

同時にそれは、今年のシーズンを戦うスカッドが各チームでほぼ出揃ったという事でもあります。

ことカープに関しては、まるで「親の仇」の如く球団・ファン共にトレードを嫌う傾向がありますから、この時期になると補強をする可能性はほとんどゼロで打ち止めと言って良いでしょう。

 

となると改めて気になるのが、このオフのカープの動きですが…どうだったでしょうか?

 

【退団】

○投手

 江草仁貴

 小野淳平

 今井啓介

 ブレイディン・ヘーゲンズ

 ライアン・ブレイシア

 

○野手

 ラミロ・ペーニャ

 梵英心

 多田大輔

 中村亘佑

 

 

まず、助っ人組では「そもそも日本に来たのが間違いだった」と言い切ってしまって良いぐらいに冴えない結果に終った、ラミロ・ペーニャと、ライアン・ブライシアに、八面六臂の活躍を見せてくれた昨年とは比べ物にならないぐらいに低調だったブレイディン・ヘーゲンズが退団。

また、投手陣では江草仁貴小野淳平今井啓介という伸び悩み続けたわりに長らく現役に留まり続けた中堅どころにようやく(というと失礼かもしれませんがあえてこう言います。)見切りをつけた形になりました。

かつての主軸であった梵英心が出場機会を求めて自由契約となった事は選手層という観点から見て多少の損失はありましたが、それ以外は妥当な結果かと思います。

というより、具体的な名前は挙げませんが今季背番号が変更になった投手や、昨年のドラフト1位選手の母校の先輩捕手などを始めとして、もはやこのチームでは飛躍の期待が出来ないここに載るべき名前がまだあるようにすら思えます。

 

【入団】

○投手

 レオネル・カンポス

 山口翔

 ケムナブラッド誠

 遠藤淳志

 平岡敬

 

○野手

 中村奨成

 永井敦士

 

 

一方で、放出に比べて明らかに数が少ない新戦力。

何と言っても一番の話題は、昨年の甲子園を沸かせて一躍「時の人」となった中村奨成のドラフト1位での獲得でしょう。

これは上記の「トレードを嫌う」と同じくらいのこの球団の不文律だった「地元の高校生はドラフト1位では獲らない」を覆したという意味でも話題になったのは記憶に新しいところです。

しかし、中村奨成以降のドラフトでは即戦力と呼べる戦力はいないばかりか、2連覇したチームとは思えないぐらい貧弱極まりない左腕の獲得に至ってはゼロ。

その中村奨成も石原慶幸會澤翼磯村嘉孝に昨年のカープファーム日本一の立役者である新鋭・坂倉将吾といったライバルたちを蹴散らしていきなりスタメン出場出来るとも思えず事実上、「補強」と呼べるのはレオネル・カンポスだけと言えます。

期待しているファンには大変申し訳ありませんが、結論から言えばこれは大変不満が残る低調さと言わざるを得ません。

結局のところ、球団は中村奨成の獲得に全力を注いで他が疎かになったという事でしょう。

「今は金の時代だがいつか鉛の時代も来る」というのは、望外の結果に勝ち誇った球団オーナーの名言(迷言?)ですが、金メッキを自ら削って必死に鉛を取り出そうとしているのは一体誰なのかとすら思えます。

 

というのも、一度終われば次はいつ来るのか分からないぐらいに空前絶後の「我が世の春」を謳歌しているカープですが、ポジション上の穴はいくらでもあるのです。

まずは、エース、クリス・ジョンソンの欠場という大きな穴を埋める事は出来たものの個々のクオリティはQSがせいぜいの投手ばかりで、プレーオフでは見事に脆さを見せた先発投手陣。

勿論、クリス・ジョンソンの完全復活や、中村祐太など若手の飛躍と期待出来る要素がありますが、一方で2ケタ勝利を挙げながら最終的には力尽きた岡田明丈は調子を取り戻せるか心配ですし、まさに「救世主」だった薮田和樹は昨年前半の酷使の影響が懸念されます。

 

昨年、神がかり的な威力を発揮して他チームを恐怖のどん底に叩き込んだ打線についても見過ごせない綻びはあります。

鈴木誠也が予想以上の重傷で開幕までの完全復活が困難に見えますし、横浜駅の工事現場の如く長らく穴が空いたままのポジションである三塁も安部友裕ぐらいしか適任がいない状況。

ここ2年、菊池涼介が年間通して常時出場出来る状態ではなかった訳ですから内野全体の層の確保という観点からもユーティリティ性が高い安部を最初から三塁に固定するのは不安です。

むしろ、野手に関してはこのような状況で助っ人の補強すらまったくないという状況は正直、理解に苦しみます。

ちなみに、「中村奨成を三塁へ」というアイデアもあるでしょうが、衣笠祥雄や、江藤智といった選手たちを捕手から内野手に転向させた時に時間がかかった事例を考えるとまったく現実離れした発想としか思えません。

 

唯一、プラスに転じたのはやはりカンポス加入に加えてジェイ・ジャクソンの流出を防いだブルペンという事になるでしょうが…もっとも、外国人枠の問題でカンポスとジャクソンの併用が困難でしょうし、何より選手の入れ替わりのサイクルが激しいセクションだけにこれもまったく安心とは言い切れないでしょう。

 

もっとも、それらの不安要素を覆すだけの飛躍を見せてくれる選手が現れるのも春季キャンプからオープン戦というものですが…まあ、今は期待するしかありませんね。

今の時期になると取れる手段は少なく上記の如く、助っ人の補充とドラフト以外の補強を頑なに拒む球団である以上、我々にはもはや「それしか手段」がないのですから…。

 

【参考サイト様】

こちら、プロ野球人事部