CSも3連勝で制し、何とか2年連続で恥をかく事を免れたカープ。
いよいよ今日から日本シリーズを戦います。
対戦相手は今季、パ・リーグ2位ながらCSを突破し球団史上始めて1位以外から日本シリーズに出場する福岡ソフトバンクホークス。
同時に、ホークスはこれで史上2チーム目の「セ・リーグ全球団と日本シリーズで対戦」という快挙も成し遂げた事にもなります。
カープにとっても球団史上始めて1位以外のチームと対戦する事となる日本シリーズ。
もっとも、相手が2位とはいえ別段、そこを意識する事は無意味でしょう。
近年のセ・リーグは今季ヤクルトスワローズが意地を見せたとはいえ、基本的に交流戦ではパ・リーグに無条件降伏の状態で、日本シリーズでもここ10年でセ・リーグの球団が勝てたのはたった1度のみ。
つまり、ここ10年で「セ・リーグは『パ・リーグのセカンドリーグ』の略」と揶揄されても仕方ないくらい両リーグの競技レベルには雲泥の差があるのです。
加えて対戦相手のホークスの今季成績は2位とはいえ勝利数がカープと同数(82勝)である事を初めカープと遜色ない、むしろそれ以上の好成績を納めています。
2018年福岡ソフトバンクホークス
※()が2018年カープ
82勝60敗1分(82勝59敗2分)
得点数685(721)
失点数579(685)
打率.266(.262)
防御率.390(4.12)
本塁打数202(175)
盗塁数80(95)
数字を見れば一目瞭然で、今季のホークスは今季カープの弱点である投手力は勿論、得意である筈の打撃面においても軒並み相手の数字が上回っているという状況。
また、これら以上に問題なのがここまでの両チームの交流戦での対戦における相性。
カープは基本的に交流戦が苦手なチームですが、特にホークスに対しては対戦成績が35勝17敗と大幅に負け越していてもっとも苦手としているチームの一つです。
ホークスと言えばカープ同様に長らく「短期決戦に弱い」とも言われてきましたので、そこにつけ込む隙はあると思っているファンもいるかもしれません。
しかしそんなものは、今季始めて1位以外から日本シリーズの出場を果たした事からもわかる通り、もはや昔の話です。
何より、日本シリーズでは今世紀に入ってホークスはまだセ・リーグの球団には負けていません。
…と、ここまで書いてみてどう考えても勝てる見込みがない完全無欠の相手としか思えず胸が痛くなってきました。
一昨年、昨年と惨敗を喫し、もはや当分巡ってくる事がなかったであろう日本一を狙う機会を再び得られたにも関わらず、最後によりによってこんな最強かつ最悪な対戦相手を送り込まれるとは…。
その身の不幸を呪うしかありません。
しかし、更に細かい数値を見ると一応、付け入る隙は無きにしもあらずとも思えます。
例えばOPSは両チームとも互角ながら出塁率と四球数ではホークスがそれぞれ「.326」「408」に対してカープは「.431」「599」と上回っており比較的「打てなくてもしっかり塁を埋める」はカープの方が出来ているともいえます。
2018年福岡ソフトバンクホークスⅡ
※()が2018年カープ
OPS .777(.780)
出塁率.326(.431)
四球数408(599)
また投手への援護率に関してもホークスが「4.93」に対してカープは「5.35」と比較的先発投手の好投には報いている形。
短期決戦においてセイバーメトリクス的な数値の比較はあまり意味がないかもしれませんが、序盤でしっかりと先発が試合を作り打線が早いうちから援護するというCS第1戦、第2戦で見られたような展開をいかに多く作れるかという事でしょう。
実際に、さほど得点圏打率が良くないとはいえホークス以上の得点を稼げている理由は出塁率の高さに裏打ちされた得点機会の多さなのですから。
上にも書いたように相手が2位のチームとはいえ、セ・リーグの完全上位互換たるパ・リーグの上位チームでありこれまでの両チームの経験の数で言えば、胸を借りるのは我々の方です。
つまり、負ける事は恥ではなく勝った方が驚きの相手ですから、CSとは異なりそれは挑戦者の立場でいられるという事です。
従って、まずは個々の選手があまり固くならずに、持ち味を出すという事を期待したいと思います。
思えば、四半世紀も優勝から離れもはや、2度と優勝する事がないと思われていたばかりでなくぶっちぎりの最下位候補だった2016年からチーム史上初のリーグ3連覇という奇跡を起こして来たカープ。
今再び、それを上回る奇跡を起こすことを期待したいものです。