9回戦(カープ5勝4敗)
勝利投手 アドゥワ2勝1敗
敗戦投手 秋山2勝2敗
(C)-
(T)-
打点
(C)鈴木②菊池②バティスタ①
(T)中谷①
投手
※数字は失点
(C)アドゥワ-一岡-菊池保①
(T)秋山⑤-谷川-島本-浜地
先発、アドゥワは7回無失点の好投で試合を作る。
打線は、初回に鈴木誠也の適時打で先制すると序盤に打線が繋がり5得点。
アドゥワの要所を締める投球に打線が応えて7連勝。
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唐突ですが、この試合が始まる直前に東京ドーム内にある野球体育博物館というところにいました。
その日はちょうどMr.Childrenのライブがドームで開催されていたそうでプロ野球開催時を凌ぐくらいの人出だったのですが、博物館は当然の如く閑古鳥。
NPBという組織の金儲けの下手くそぶりを垣間見るような光景ですが、まあそれは置いておくとして…展示品の中に令和元年5月1日に開催されたプロ野球6試合のウイニングボールというものが勝利した投手のサイン入りで飾ってありました。
ご存知のとおり、そこには我らがカープの選手がサインしたボールは存在しません。
はっきり言って平成最後と令和最後の試合が散々だった我々にとって嫌味ったらしい不快な展示でしかないのですが…そんな代物を私が見ていた数分後に始まった試合でそのうちの「平成最後の敗戦投手」であったアドゥワ誠が見事な復讐劇を果たしてくれました。
対戦相手がタイガースで場所も甲子園球場というのも勿論ですが、相手先発ですら前回と同じく秋山拓巳という試合でしたから、そこでこのような形での勝利は何とも爽快です。
そのアドゥワは、初回から低めにボールを集めて凡打を誘う投球がハマって7回を4安打無失点で抑える好投で、何より驚くべきなのは奪三振がなんと「0」という内容。
いわゆる「打たせて取る」なんて言葉は空振りを取れるようなボールがない投手の言い訳に見えてしまう側面もある訳ですが、ここまで極端な数字で出ると逆に圧巻です。
丁寧に投げる一方でしっかりとストライクゾーンで勝負出来るボールが投げられているという事なのかと思います。
とはいえ、あの投球スタイルでは僅差の展開だとふとしたきっかけで崩れてしまう可能性が高いと思えてしまうのも確かです。
その点、打線はプロ入り7年で僅か7本しか安打を放っていない上本崇司をスタメンに据えるという相手を侮辱したような選手起用や、そのアドゥワが2打席連続で犠打を失敗するという事態があったにも関わらず序盤から纏まった援護点でアドゥワを落ち着かせました。
得点はいずれもこのチームで得点圏打率上位となる菊池涼介、サビエル・バティスタ、鈴木誠也の上位打線。
バティスタが3番に定着した事で、開幕以降で打線を支えてきた菊池と鈴木が分断されなくなった事の効果が最大限に活かせた内容と結果かと思えます。
これであとはバティスタ以上に得点圏で落ち着きのない西川龍馬を現状は据えている5番が何とかなれば良いのですが…。
それにしても今週はこれで5戦全勝かつ、連勝自体も「7」。
しかも、大瀬良大地や床田寛樹という4月にチームを引っ張ってきてくれた先発投手が軒並み調子を落とした状況でこのような結果が得られたのは素晴らしい事です。
個の力に極端に依存しない戦い方が出来ているのかもしれません。