11回戦(カープ8勝3敗)
勝利投手 大瀬良4勝2敗
敗戦投手 ロメロ3勝3敗
(C)會澤4号
(D)-
打点
(C)會澤②
(D)高橋①
投手
※数字は失点
(C)大瀬良①
(D)ロメロ③-田島-谷元-福
先発、大瀬良は9回を無四球8奪三振1失点の好投。
打線は相手チームのエラーで先制も以降は會澤の2ランによる得点のみ。
大瀬良が自己最多タイとなる今季3度目の完投勝利を挙げチームも今季初の9連勝。
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先月、負け越しが「8」にまで膨れ上がったチームが遂に勝ち越し「8」と数字が完全に逆転する事となりました。
おまけに読売が敗れた為に、2位とのゲーム差も1.5と広がるという驚きの事態。
こうも鮮やかに逆転出来れば地元の新聞社も自身の公共性を投げ打って、「4月に文句言っていた人は今何を思う」などと悪趣味な縦読みを記事に紛れ込ませるぐらいに浮かれる気持ちになってしまったのも分かる気もするというものです。
先発の大瀬良大地は、監督が不慮の出来事で急遽欠場(監督代行は高信二)する事となった事態を感じさせなかのような、初回から落ち着いた投球を披露。
6回1死までパーフェクトに抑えながらも、7回に失点したのは残念でしたがそれでも最終的には無四球4安打8奪三振ながら僅か91球での完投勝利は素晴らしい限り。
4安打8奪三振で91球という事はほとんどボール球を放ることなくストライクゾーンで勝負出来る力強いボールが投げられていたという事です。
また、前回の登板で生来の立ち上がりの悪さが出て4失点と精彩をやや欠いただけに、これだけ上手く立ち直った形で躓きながらも引きずる事なく修正する強さと上手さが出てきたと言えるでしょう。
容易に崩れない強さを手にして、既に自己記録であるシーズンでの3完投に開幕から2ヶ月で並んだこの右腕の次回登板が待ち遠しいとすら思えます。
そんな大瀬良を少なからず守備では支えたものの打撃においてはやや勢いに陰りが見られ始めたのが野手陣。
9安打とまったく打てていない訳ではないですが、得点は相手のエラーと會澤翼の本塁打による3得点のみで適時打はなし。
特に6回は鈴木誠也が走塁ミスを見せるなど全体的に見れば拙攻のきらいが多々見られました。
昨日先発した大野雄大や、今日対戦したエニー・ロメロは確かに優秀な投手ではありますから簡単に得点は出来ないのは仕方ないことです。
しかし、そんな彼らがマウンドに降りた後も、粛々と試合を進めてしまい一気に試合を決められなかった姿には不安を感じます。
特に、野間峻祥と共に打撃ではまったく試合に参加していないも同然だった田中広輔。
2試合連続安打中とはいえ打順が7番に繰り上がったのは不可解以外の何物でもなく、9番に座った大瀬良の方がよっぽど良い打棒を見せてくれていました。
そもそも、このペースでフルイニング出場に拘泥するようでは目出度く「今世紀初の規定打席の打率1割台でシーズンを終えた選手」が誕生してしまうのですが、本人もベンチもフロントも本当にそれで良いと思っているのでしょうか?
甚だ疑問です。
そういう訳ですから、今日は大瀬良の素晴らしい活躍が主役である一方で、影でこのような潜在的な不安を幾つか覗かせた試合でもあったように思えます。
従って、それを指摘するのならまだしもファンと一緒になって浮かれた挙げ句に悪趣味な趣向を記事に紛れ込ませた某新聞社が嘲笑を混じりに投げつけた質問に対して、「4月に文句を言っていた人」の一人としてはこう答えたいと思います。
「次の連敗はどこで始まってしまうのかいつも不安に思っています」と。