8/1(木)
17回戦(カープ11勝5敗1分)
東京ドーム
勝利投手 野村5勝3敗
敗戦投手 メルセデス6勝6敗
(C)松山4号①坂倉1号③
(G)-
打点
(C)松山①磯村①菊池①鈴木②坂倉③
(G)丸②
投手
※数字は失点
(C)野村②-遠藤-今村-菊池保
(G)メルセデス④高木①-澤村-田口-鍵谷-大竹③-堀岡
先発、野村は序盤を1失点で切り抜けると6回1失点で試合を作る。
打線は4回に松山の本塁打で追いつくと7回に集中打を見せて逆転。
先発の頑張りに打線が終盤に応えて2連勝でカード勝ち越し。
坂倉が、プロ入り初本塁打を記録。
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この日の東京都内は快晴。
なかなか梅雨明けせずに冷夏と言われた7月が嘘のような酷暑となりました。
私が後楽園駅から地下鉄を下りた15時30分辺りはまだまだ暑さのピークだったかと思います。
早速、どこか涼しいところ…出来れば冷たいビールが飲めるところに駆け込みたいところでしたが今日はその前に寄るところがありました。
戦没プロ野球選手を偲ぶ「鎮魂の碑」
例年、8月の東京ドームでのカープ観戦の前、私は必ずここに来ることにしています。
プロ野球創成期にあってその名を知らないファンは恐らくはいないであろう活躍を見せながら乗船した輸送船と運命を共にした沢村栄治。
その沢村と名勝負を繰り広げた強打者であり、飢えとマラリアが蔓延するフィリピンで戦病死した景浦将。
特攻隊に志願し、爆装零戦に乗り込んで南の空に消えたノーヒッター、石丸進一。
短いプロ野球人生の中で後世の捕手に多大な影響を与えながらビルマで部隊ごと玉砕した吉原正喜。
彼らをはじめいずれもプロ野球選手として生命を全うできていれば歴史を大きく変えていたであろう選手たちの名前がここには刻まれています。
今とは比べ物にならないぐらいにプロ野球選手の社会的身分も低かった時代。
彼らが戦地に赴く事なく野球だけに打ち込む事が出来ればどれだけ実りある記録が生まれていたのか。
今となっては想像するしかありません。
そういえば、この日は東京ドーム内にある野球体育博物館ではこの日のカードに合わせて「広島カープデー」と銘打ってカープに関する特別展示や記念ポストカードの配布などがありましたのでそちらにも足を向けてみました。
映像展示のコーナーではカープが優勝した3度の日本シリーズの試合映像が公開。
私が偶然見たのは1984年の日本シリーズでしたが、古い映像からでも分かる当時の主戦投手、山根和夫のシュートの切れ味には見ていた誰もが舌を巻いていました。
まあ、私の前に座っていた子供は何故かベイスターズのキャップを被っていましたけれど…。
野球殿堂にも殿堂入りしたカープの選手や関係者にだけ目印がつけられるというサービス。
名選手たちに混じって、中には明らかにカープのユニフォームではない方もいますが…それも今となってはこの球団の歴史の一部という事なのでしょう。
今日の座席は3階席の最前列。
実は最前列に座るのは初めてだったのですが、なかなかの高さです。
そういえば、昔はネットがなかったような気がしますが大変危なかったんですね…。
試合は、野村祐輔が初回から捕まり、うち損ない気味とはいえよりによって丸佳浩に先制打を許すという苦しい立ち上がり。
打線も初回に走者を置いて、鈴木誠也の長打が出るも想像以上の酷さを披露したサビエル・バティスタの鈍足のおかげで無得点に終わると、その後は走者を出せども、クリストファー・メルセデスの前に得点出来ず。
2回裏にメルセデスのバントで本塁へ突入したアレックス・ゲレーロに會澤翼のタッチが間一髪で届いていなかったら試合は一方的な展開になっていたでしょう。
しかし、それを変えたのは4回に起死回生の同点弾を放った松山竜平と散々だった序盤を何とか切り抜けて3回以降は1安打と持ち味を出した野村祐輔の投球だったかと思います。
野村祐輔が6回まで抑えた直後の7回にアレハンドロ・メヒアの2塁打と田中広輔のこれまた際どいタイミングでセーフとなったバントを経て、磯村嘉孝のバスターエンドランという奇策が的中するという非常に幸運な形での勝ち越しも、こういう散々な序盤でも何とかビハインドを維持する努力あっての事だったかと思います。
そして、最終回には坂倉将吾のプロ初本塁打となる意外な一発も飛び出して終わってみれば6点差をつけて昨日、2イニングを投げたヘロニモ・フランスアを温存して勝利に終わったこの試合。
上記で書いた通り決して点差ほど相手を圧倒した試合ではありませんでした。
最終的には野村祐輔からマウンドを引き継いだリリーフ陣が荒れそうな予感も漂う7回以降をしっかり抑えたのが効いた形。
特に逆転直後の7回という難しいマウンドを3者凡退でしっかりこなした遠藤淳志の活躍は特筆に値するかと思います。
将来を期待されながら、なかなか殻を破れない状態ながら待望の一発が出た坂倉共々、若い選手がところどころで光る試合というのはやはり見ていて素晴らしいもの。
今日は、鎮魂と先人への尊敬の念を新たにしたのが試合前でしたが、試合後は若くこれから道を切り開いて欲しい選手たちの可能性への思いが溢れて来る帰り道となりました。
…と言いたいところですが、それは後づけです。
というのも帰りは、乗り換える駅を間違えてしまうぐらいに気分良く酔ってしまったので、何を考えていたのかあまり覚えていないからです。
そうなったのは多めに持ち込んだ酒類をいささか過ごしすぎたせいか、それとも目まぐるしくも最後は喜びをもたらした今日の戦いぶりと若い選手の活躍か…。
まあ、そんなところですかね…。