10/24(土)
23回戦(カープ8勝13敗2分)
勝利投手 森下9勝3敗
敗戦投手 平田1勝1敗
(C)-
(De)-
打点
(C)鈴木誠①森下①
(De)乙坂①
投手
※数字は自責点
(C)森下①
(De)井納①-国吉-エスコバー-平田①-伊勢-砂田
先発、森下は3回に堂林の失策も絡んで失点も以降は安定した投球で9回を投げ抜く。
打線は10安打を記録も好機を尽く逸して14残塁の拙攻で7回まで1得点。
8回表に森下の2本目の安打が決勝の適時打となり逆転勝利。
森下はプロ入り初の規定投球回数に到達。
------------------------------------------------
8年ぶりの純然たる消化試合となった試合を前に、ふと思い出すのは今から12年前に同じようにシーズン最後の試合に赴いた時の事。
旧市民球場最終年だったあの時は球団史上初のプレーオフ進出まであと少しと迫りながら終盤の失速で夢破れた日の翌日の試合だったのを覚えています。
あの時と同じような暗黒期へチームが逆戻りする事が確実となった昨今ではありますが、あの頃と同じように試合とはカープが負けるのが当然という悲しい状況であっても球場に出来るだけ行って応援をこれからも続けたい…と改めて思う次第です。
その2008年から12年で横浜スタジアム最寄りの関内駅は劇的に変化しました。
当時は横浜スタジアムというより、中華街と山下公園の最寄り駅という印象が大きくベイスターズに関しては無視されているかのような駅でしたが…。
その後の球団を盛り上げようというDeNA球団と地元の努力により駅構内にはベイスターズのロゴが溢れ、場内アナウンスをベイスターズの選手たちが務めるという変貌ぶりで完全にボールパークの最寄り駅となりました。
この間のDeNA球団の熱意と工夫には改めて敬意を表したい次第です。
駅から横浜公園へ向かうと今年、開催される筈だったオリンピックに備えての増築工事を経て誕生したウイング席の威容に圧倒されます。
建築から30年以上はこれといった特徴がない狭隘な球場に過ぎず、施設の陳腐さの割に入場料金が高いという印象しかなかった横浜スタジアムをこれだけの立派なスタジアムに変えたDeNA球団の手腕はやはり目を見張るものがあります。
それだけに今年、コロナウイルス蔓延による無観客措置で今季の観戦が1度きりになったのが本当に悔やまれます。
今年初めて食べた「ベイスターズドッグ」が今年は「オリジナルブレッド」しかパンズを選ぶ事が出来ず「ソフトブレッド」を選べなかった事も含めて…。
座席に付いてふと打撃練習のゲージを見るとそこには今季限りでの引退を決めた石原慶幸の姿が…。
学生時代から球場に行く度に姿を見ない日はなかった彼の現役選手として姿もこれが見納め。
試合の度にリードが悪いと球場内外から罵声を浴び続けた暗黒期に、一転して名捕手として称賛されるようになった3連覇時までの苦労。
それを記者会見で「幸せな時間だった」と言い切ってくれた姿を思い出すとふと涙が溢れそうになりました。
恐らく試合には出ないでしょうが、関東での最終戦となる明日の試合では最後にファンに何らかの挨拶をしてくれるのかもしれません。
試合は、新人王を狙う森下暢仁の気迫溢れる投球と、対象的に目標を失って捨鉢にも見えるやる気のない野手陣の対比という大変残念かつ憤懣やるかたない展開。
森下が3回裏に許した唯一の失点も堂林翔太の何のスポーツを見ているのか分からなくなるレベルの飛んでもない暴投と打球に追いつきながら捕球できなかった鈴木誠也の球際の弱さによるもの。
はっきり言って、今日の野手陣は全員が森下のタイトル獲得を邪魔しているとしか思えませんでした。
しかし、それでも森下は失点して以降は一人も走者を出さないという素晴らしい力投での完投に加えて8回裏の決勝打含めて2安打と打撃でも活躍で一人で9勝目をもぎ取る事に成功しました。
上記の野手陣のやる気のないプレーもあって「野球は一人でも勝てる」を証明した形。
しかし、そうであるが故に今季ここ5シーズンで最悪とも言える低迷に沈んだチームの惨状がかえって目立ってしまった印象もあります。
そもそも勝ち越した後の9回にしても球数的には本来なら森下自らが完投させるべきかは微妙でした。
しかし、良いか悪いかは投げさせないと分からない気まぐれ極まりないヘロニモ・フランスアがあっさり勝ち星を消してしまう可能性を考慮すると決して間違いとは言えないのが悲しい現実です。
森下の攻守に渡る活躍は素晴らしいし感動的だったのは言うまでもありませんが、逆に言えば新人のこれだけ負担を強いている以上は、このチームが来季以降も浮上する可能性は大変前年ですが低いという事の証左でしょう。
試合が終了して整列退場の順番を待っていると、ベイスターズの選手が一斉に出てきました。
この試合の1打席目の安打が日米通算2000本安打となったホセ・ロペスの記念撮影です。
これには3塁側にいたカープファンからも大きな拍手。
個人的には私が2000本安打達成に球場で立ち会ったのは野村謙二郎と新井貴浩以来3人目で他球団の選手としては初めての事。
日米複数球団を渡り歩いた「ジャーニーマン」の素晴らしい記録達成に立ち会えたのは大変幸運でした。
森下の大活躍に、ロペスの大記録達成、そして石原の最後の勇姿。
様々な印象に残る出来事を思い出しながら勝利の余韻に浸って帰りのグリーン車で飲むビールは最高ですね。
これがあるから社会情勢はどうあれ、何とかしてまた球場に行きたくなるというものです。
これで今季の私の球場での観戦は最後。
例年より遥かに短い期間で、遥かに少ない観戦数となったのは本当に残念。
本拠地での観戦が一切ないのも観戦試合数が10を切ったのも成人してからは初めての事。
新型コロナウイルスの威力は凄まじく、国内外で感染者数は増加が止まらず、野球を含めてエンターテインメントへの風当たりは凄まじいものがあり来季以降も復調の気配すら見えません。
そうである以上、スタジアムでの日常を取り戻すに主催者は勿論、私達ファンの一人ひとりが責任と自覚をもって、少しでも規制が緩和できるような状況を作り出す努力が必要なのは言うまでもありません。
再び球場で歌い歓声を共に挙げるその日が来ることを信じて。
野球場でまた会いましょう。
2020年観戦成績
5試合3勝1敗1分