11回戦(カープ5勝6敗)
京セラドーム大阪
勝利投手 大瀬良4勝3敗セーブ
敗戦投手 西勇4勝7敗セーブ
(C)野間2号①
(T)大山11号①
打点
(C)小園①坂倉①松山②野間②菊池涼①鈴木誠②
(T)大山①佐藤②
投手
※数字は自責点
(C)大瀬良①-島内-フランスア②-ケムナ
(T)西⑤-岩貞-エドワーズ-齋藤③
先発大瀬良は4回までパーフェクト投球を見せ中盤も要所を抑えて7回1失点。
打線は初回に小園の適時3塁打をきっかけに4失点を先制。
中盤以降も野間の2打点の活躍もあり9得点を挙げて突き放し後半戦初戦を制して5連勝。
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まさかの4連勝で幕を閉じた前半戦からオールスター戦を挟んで1ヶ月もリーグが中断するという異例の事態。
あれから球界も世間も色々な出来事がありました。
下位チームであるにも関わらずカープからは実に4人もの選手が「出征」したオリンピックの野球競技では金メダルを獲得し世間の耳目を集めた一方で、新型コロナウイルスの感染爆発とそれに伴う医療崩壊により後半戦での観客制限解除は絶望的な状況となりました。
それどころか緊急事態宣言地域の拡大により、無観客開催に加えて場合によってはシーズン打ち切りの懸念すら現実味を帯びてきたようにすら見えます。
前半戦では我が国プロスポーツ界で最悪の集団感染が発生したカープは勿論、各球団はより苦しい状況に追い詰められつつあると言えるでしょう。
改めて愛する球団が存続の危機に陥っているこの状況で私含めてファンも何とか球団を存続させるために何ができるかに頭を悩ませなければならない事になりそうです。
また、そのような社会的状況に加えて純粋に戦力面から見ても苦しい戦いは予想されました。
まず、オールスター戦、オリンピックと連続して出場した森下暢仁と栗林良吏は明らかに他の投手に比べて投げすぎですし、菊池涼介や鈴木誠也もシーズン前半戦同様に打席で七転八倒しているうちにいつの間にか金メダルを獲得していたも同然だった事からも分かる通りコンディションに不安を抱えている状況です。
また、オリンピック期間中に並行して実施されたエキシビションマッチでは中堅・ベテランばかりが目立ち攻守において新たな発見は特に見られませんでした。
特に最大の課題だった先発ローテーション6人目に至っては悲惨極まりない二軍の状況から見て当然と言えば当然でしょうが、誰一人候補になりそうな人材は皆無でただただガッカリさせられるばかり。
正直、あの内容で後半戦に期待を持てというのはいささか無理があるというものでしょう。
そんな様々な苦しい状況で始まった後半戦初戦でしたが…。
意外にもシーズン前半ではほとんど見られなかった理想的な展開に持ち込めました。
初回にカープの選手もファンも名前も聞くのも嫌なほどに苦手としている西勇輝相手に小園海斗の適時打を皮切りに打線が繋がり一挙4得点を先制したうえにエキシビションマッチでは微妙極まりない投球を見せて心配された大瀬良大地も4回までパーフェクトに抑えた矢先に大山悠輔から浴びた本塁打以外に失点を許さない好投。
全体的な試合展開自体も難敵相手にその立ち上がりを上手く攻めて先制して中盤以降も中押しダメ押しと効果的に試合を有利に進める理想的なものでした。
個々の選手を見てもエキシビションマッチ期間全体を通してはコンディション調整に苦しんだように見える小園、坂倉将吾、林晃汰はいずれも初回から得点に絡みましたし、「目立っていた中堅・ベテラン」の代表格であり野間峻祥も勢いを持続させるかのように攻守で活躍を見せて菊池涼介や鈴木誠也も釣られて打点を記録。
リリーフ陣も栗林を始めとする勝ちパターン投手を温存したにも関わらず、最終回にまったくストライクが入らずあっという間に2点を失ったヘロニモ・フランスア以外は落ち着いた投球を見せてくれました。
こういう攻守が噛み合った理想的な展開はこのチームでは大変珍しい事ですから、それが後半戦初戦で見られたのは喜び以上に驚きすら感じます。
願わくばこういう試合がこれで最後にならないように祈りたいものです。
もっとも、上記に挙げたような新たな発見がない一方で主軸のコンディション維持に不安があるという状況が目立ってくるのは来週中盤以降からかと思いますが…。