吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

素晴らしき所沢と酷いビジターチーム(カープ観戦記2022)

6/11(土)

埼玉西武ライオンズ2-1広島東洋カープ

6/12(日)

埼玉西武ライオンズ11-0広島東洋カープ

 

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「酷い試合になっちゃったね」

売店の列の後ろに並んでいた親子連れの父親が子供に向かって言ったのが聞こえた。

「まあ、負けるとは思っていたけど…」

まだ小学生ぐらいの子供は力なく答えた。

最初に断っておくがここは旧広島市民球場の外野席ではなく、所沢。

それも、昨年大規模改装を終えてボールパークとしての機能を拡張させたベルーナドームの場内だが…。

結局、どれだけ時代が進んで設備が新しくなっても尚、球場でのカープファンの会話はあまり変わらないということなのだろう。

それにしても、こんな年端もいかない子供ですらカープというチームに対して諦観を抱いてしまっているのは何とも滑稽でもあり、悲しくもある。

もっとも、かく言う私も外崎修汰の本塁打で点差が6点に広がった時点でまともに試合を見るのを止めて何か度数の強い飲み物でもと座席を立ったのだが…。

ベルーナドームの1塁側にある沖縄料理の売店「リトル沖縄」はもう10年近く前から通っている店。

昨年、球場改装直後に行ったオープン戦では閉店していた時は衝撃を受けたものだが、改めて今季行くと復活していたのは何より。

ソーキそばやタコライスは勿論だが、ここでは他の球場ではあまり置いていないオリオンビール泡盛が置いてあるのが嬉しい。

度数が強い飲み物を考えてまっさきに思い浮かべたのは泡盛BIGサイズのロック。

ウイスキーのダブルよりはるかに量が多く、安いのが魅力的だ。

座席に戻る気も起らず、さりとてコロナ禍の影響で無用な回遊も憚られてはいるご時世。仕方ないのでモニターで試合を眺めながら、コンコース脇に設置された人工芝で胡坐をかきながら泡盛をあおると、試合開始直後のゲリラ豪雨が嘘のような陽気もあってなんだか良い気分になってきたような気がする。

モニターを見るとブライアン・オグレディが今日2本目の本塁打を放ったのが映っていたが、もはやあまり気にはならず、独り言ちる。

「そういえば昨日の試合も酷かったが今日に比べればマシだったんだなあ…」と。

 

前日の土曜日は友人の甘木さん(仮名)と那仁さん(仮名)に同行して貰った。

3人以上で連れたって球場に行くのはコロナ禍以降では初めてであり那仁さんにとっては3年ぶりのカープ観戦。

久しぶりの観戦が楽しみすぎて舞い上がったのか那仁さんがどこかの売店で山盛りの唐揚げを買って来た。

3人とも年が年だけに油ものまみれのパックには閉口したが…食べてみると美味しくてあっという間に平らげてしまう。

どこに行っても、球場で食べる食べ物の王様はやはり揚げ物という事なのだと改めて実感する。

一方、甘木さんはハイネケンの売り子が珍しかったらしく盛んに求めたがったが、球場観戦では良くある話で目当ての銘柄ほどなかなか来てくれない。

しびれを切らした甘木さんは売り子を探しに行ってしまったが…その間にハイネケンの売り子が来てしまった。

その5分後ぐらいに漸く購入できたハイネケンを持った甘木さんが自身の座席に既に同じものが置いてあるのを見て困惑したのは言うまでもない。

試合の方は森下暢仁が試合を作ったにも関わらず打線が相変わらずの貧打を見せて試合は惨敗。

この日、球場に来て一番良かった場面はブルペンで塹江敦哉がニック・ターリーと通訳なしで会話して英検2級の実力を見せてくれていた事ぐらいのもの。

また、球場の賑やかさが好きな甘木さんは応援歌の歌声が聞こえない状況をしきりに嘆いたが…こればかりは今後どうなるかは分からない。

フィールドウォークで開放されたグランドを歩いてから場外に出て何故かライオンズ球団の事務所の前で記念撮影をして帰路に着いた。

帰りの電車で那仁さんと取り留めのない話をしながら、思うのは明日の試合が勝てれば良いのだがという事…ではなく、「リトル沖縄」の隣に店を構える「狭山茶処新井園本店」のお茶漬けの事。

球場でオリオンビールやソーキそばも珍しいが、お茶漬けもかなりの珍しさで目についてしまったので、明日は球場に到着したら最初に食べようと思った。

翌日、具材をもったご飯のうえに急須のお茶を注ぐという何てことない動作が球場の売店で繰り広げられるのにおかしみを感じながら緑茶ハイと共に注文した梅茶漬けは美味しかった。

しかし、何となく物足りないので何かつまみになるものを探そうとしたが既に昼前だけあってどこの店も行列が出来ていて並ぶのも億劫だ。

ふと座席のカップホルダーを見ると見慣れないタグが目に付いた。

コロナ禍の影響もありモバイルオーダーは他の球場でも広がっている事だが座席まで出前をしてくれるのは珍しい。

配達料がかかってしまうので本来ならもっと大勢で注文する際に利用するべきなのだろうが、コンコースに出るまで他の球場以上に階段を昇り降りしないといけないこの球場では余計に便利に感じる。

これは他の球場でも是非追随して欲しいと思えるぐらいだ。

 

お茶漬けに配達サービスと球場は満喫したが試合の方はだらしないビジターチームのせいで緊張感の欠片もない展開。

気づいたらモニター越しには森翔平がプロ初登板のマウンドで特にこれといった特徴も感じられない投球を繰り広げていた。

空になった泡盛カップを持って人工芝から立ち上がると妙にお尻が冷たかった。

そういえば、この試合の開始直後はまるで台風のようなゲリラ豪雨が降り注いでいたのを今更ながら思い出した。

同時に、四球の山と本塁打で試合をぶち壊したドリュー・アンダーソンはたぶんあの時の雷が怖くて調子が悪くなったと思うしかないとも…。

 

座席に戻っても、向こうが再三好機と追加点を迎えるのに対してこちらは3塁すら踏めないつまらない展開。

気づいたら、周囲の席のカープファンも帰り始めていたが、私にはどんな酷い試合でも途中で帰るという選択肢はない。

別に奇跡の逆転を信じる訳でもなければ選手たちの意地に期待したい訳でもないのだが…。

まあ、そこはファンとしての意地と言うか義理と言うか…いや、そこまで重たいものでもない習慣か…。

似たような理由であの時売店の後ろで並んでいた子供もたぶん、この悲惨な試合を球場で残って眺めていたのかは分からない。