吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

「いい人からいい人へ」(カープ2022-2023)

初のCS出場を果たした2013年以降では最悪の負け越し8に加えて最下位と0.5ゲーム差の5位という無様極まりない結末で2022年シーズンを終えたカープですが…

ここ2週間で早速様々な動きがありました。

中でも一番のニュースは佐々岡真司監督が辞任して1週間経たず新監督に新井貴浩氏の就任が決定した事でしょう。

10月7日の朝に「大本営」こと中国新聞で、それが報じられた時はSNSなどの反応を見るとファンからは反響は大きかったようです。

また、前任の監督があまりに酷すぎた事もあって、かえって期待する声も少なくないようにも見えます。

しかし、私ははっきり言ってこの球団の決定には心底ガッカリしました。

リーグ3連覇を果たしたチームを引き継ぎながら最低限のノルマであるCS出場にほとんどかすりもしなかったうえに攻走守ともに何の魅力もない試合を繰り広げてチームを完全破壊したのが前任監督の3年間。

そのせいで今のカープは有り体に言えば単なる田舎のクズチームに逆戻りしてしまったのも同然です。

にも関わらず球団が選択したのは指導者経験の全くない「単なる人気者」というのが正しい選択だったとは私には思えません。

佐々岡前監督も現役時代は先発、セットアッパー、クローザーと様々な役割を高いレベルでこなした実績と共に個性的でないとこなせないであろう投手と言うポジションにありながら大変な人格者としても知られていた人物でしたが、新井新監督もやはりカープ復帰後は人格者として知られる人物と言う共通点があります。

つまり、二人とも人間的には尊敬すべき「いい人」なのです。

しかし、この国でたった12人しかいないプロ野球チームの監督という仕事をするうえでその人柄の良さと指導者の能力が比例する事はないというのは前任者が示した通り。

要するに新井新監督も前任者同様に「監督をするには優しすぎる人物」でしかないという事です。

実際、新井新監督の就任記者会見を見ても「頼まれたから断れなかった」「まだあまり細かい事は考えてない」という事ぐらいしか伝わらず指導者としてのビジョンはさほど持っていないとしか思えません。

そんな人物に白羽の矢を立てるぐらいなら、全くの球団外部から経験のある人物を招聘するのが正しい道だったのではないでしょうか?

新監督に盛り上がっているファンには大変申し訳ありませんが来季に向けてはますます暗澹とした気持ちにしかなれないです。

 

もう一つここ2週間で印象に残るニュースと言えば、シーズン終了直後に発表された第一次戦力外通告で、戸田隆矢、高橋樹也、中神拓都の3名の退団が決まった事でしょうか。

中でも戸田と高橋樹也は慢性的に左腕が不足しているチーム状況にあって戦力外になるという事ですから、いずれも故障の影響が大きかったのかと思います。

この二人に共通するのはいずれも飛躍のチャンスがあったにも関わらずそれを活かせないまま故障し、その後苦しんだという点でしょうか。

特に戸田は2017年にプロ初完封を飾り一時は25年ぶりにリーグ優勝したチームでローテーション入りもしていながら寮で転倒して靭帯を負傷するというプロアスリートとしてあり得ない理由で飛躍の機会を逃し、大変失望した事もよく覚えています。

球団創設以来、伝統的に左腕が育たず「左腕不毛の大地」とも呼べるカープですが彼ら二人もまたその壁を突き崩す事は出来なかったのは残念としか言いようがありません。