サンフレッチェ広島の2週連続のカップ戦決勝戦に私が夢中になっている間に、オリックスバファローズが26年ぶりの日本一を果たすという形でいつの間にか幕を閉じていた今季のプロ野球。
その中にあってここ2週間で、カープもドラフト会議に第二次戦力外通告などチーム編成麺で更なる動きがありました。
まず、吉報と呼べるのは今季FA権を取得していた西川龍馬と野間峻祥がいずれも権利を行使せず残留する事を決定した事でしょう。
特に西川についてはどう考えても出ていく気満々にしか見えなかっただけにこれだけあっさり残留を決めたのは意外ではありました。
もっとも、この西川にしても野間にしてもシーズン通して安定して活躍した経験が皆無という点で他のFA選手と比べてもさほど評価が高いとは思えませんでしたから彼らの判断は妥当と言えなくもありません。
一方で気になるのはこの結果を受けて球団が彼らに提示する契約内容でしょう。
ここ最近のカープは田中広輔や野村祐輔に代表されるように明らかにキャリアが下り坂の選手に複数年契約を結んで失敗している事例が目立っている以上は、安易な複数年契約は結ぶべきではないように思えます。
上記でも書いた通り西川も野間も複数年はおろか1シーズン通して活躍した経験がほとんど皆無な選手に過ぎないのですから。
一方、FA選手の残留とほぼ同時期で進行していたのがドラフト会議。
今季は、目玉選手が不在で複数球団での競合がほとんどなく全く盛り上がりにかけた印象がある中でカープも競合はなく、1位指名の斉藤優汰を始めとして上位2名が高卒選手と昨年とは対照的な結果となりました。
私自身は、アマチュア野球にはさほど精通していないので一人一人の寸評はしませんが、パッと見た感じでは即戦力と呼べそうな選手はおらず、この球団の数少ない補強手段としてはやや寂しい印象は受けます。
そもそも一番のインパクトが「杉田玄白の子孫」というよく分からない特徴の選手がいた事ぐらいですし…。
まあ、これに関しては、昨年は即戦力の確保を目指して大卒・社会人を取りまくった挙句、失敗に終わった事例もあるのですから現時点ではやはり何ともいえません。
残留する選手、入団する選手とくれば当然ながら退団する選手も出てきます。
第二次戦力外通告では中田廉、安部友裕といった3連覇に貢献した功労者に加えて成績のわりに奇妙なまでに長く現役を続けた事で知られる白濵裕太、更には昨年まで主力として活躍していた菊池保則らが戦力外通告となりチームを去る事が決まりました。
中でも安部に関しては実績と層が薄い内野の状況を鑑みて多くのファンからは疑問の声も聞かれましたし、「何故1軍で呼ばなかったのか?」という疑問も一理あるかと思えます。
しかし、内野手としても外野手としても中途半端なうえに打撃もここ数年は下降しており、起用が難しかった点を考えれば妥当と言えば妥当でもあります。
あの2017年シーズンでの神がかり的な活躍を思い出すと残念ではありますが、現役続行を希望しているとの事ですからもう一花咲かせてくれる事を祈りたいと思います。
退団選手の中で個人的に思い入れが深いのは中田廉でしょうか。
2014年シーズンの孤軍奮闘とその影響により以降のキャリアに苦しんだ事が大変印象に残っています。
思えば、あのシーズンは2年連続Aクラスに貢献したとはいえ、野村謙二郎監督の下で「カラスが鳴かない日があっても中田が投げない日はない」というほどの連投にイニング跨ぎ、果ては試合前にボールが直撃して下がった時でさえも普通に登板するなど、酷使という言葉が生ぬるいほどの稚拙で劣悪なベンチワークの犠牲になった事実は未だに思い出しても不愉快です。
また、翌年のオープン戦で変わり果てた投球を見た事も大変心苦しい思い出ではあります。
それでも3連覇期特に2017年シーズンに貢献する活躍も見せましたが…この時もやたらと前の投手が走者を大量に残した状況で登板する事が多いなど損な役回りがやたらと多かったように思えます。
不運も目立ち決して主役になれた投手でありませんが、長らくブルペンを支えてくれた投手としての功績は間違いなく大きかったと言えるでしょう。