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カープと趣味の日記

『抹殺されるべき3年』(2022年カープを振り返る-投手編-)

オリックスバファローズが26年ぶりの日本一に輝いて終わった今シーズンも残っていたMVPとベストナイン発表をもってほぼ全ての行事を終了した2022年のプロ野球

案の定、ベストナインに誰一人かすりもしなかったカープも同日のファン感謝デーにおいて恒例の「頭の悪いキャッチフレーズ」の発表を行い、白け切ったムードの中でこの冴えない最低のシーズンを締めくくる形となりました。

リーグ3連覇を果たしたチームを託されながら優勝はおろかAクラスにすらかすりもせず、最後となった今季はここ10年で最悪の負け越し8に最下位と僅か0.5ゲーム差という最下位とほぼ同義ともいえる5位…。

改めて残された数字を見ると佐々岡真司監督は球団史上かつ、今世紀のプロ野球全体を見ても最悪の監督の一人と断言して良いでしょう。

個人的な気分だけで言わせて貰えれば今後の球団の公式記録で彼を歴代の監督の数に入れて欲しくないとすら思えてきます。

また、そんな「史上最悪の監督」の残した数字を振り返るというのはファンとして大変辛く厭わしい行為ではありますが…。

しかし、そうする事によって改めてこのチームが引き続き危機的な状況であり、引き継いだ新井貴浩新監督の前途多難さが分かって来るものというもの。

まずは、就任当初からやたらと喧伝された「投手陣再建を託された」というお題目の基に就任した佐々岡監督が恐らくは力を入れていたであろう投手陣について振り返ってみたいと思います。

 

○2022年カープ投手陣の主な成績

 

防御率:3.54(5位)

失点:544(4位)

奪三振:1024(4位)

与四球:407(3位)

WHIP:1.30(6位) 

 

今季のカープの下馬評は大瀬良大地、九里亜蓮が昨シーズンFA権を行使せず残留し、それに森下暢仁、床田寛樹の存在もあって先発陣はリーグでも屈指というものでした。

一方で、クローザーである栗林良吏の存在がありながら彼に繋げる中継ぎ投手が不足していた昨季もありまたしたので、リリーフ陣を如何に整備出来るかがチームの浮沈を握るとも言われていました。

しかし、蓋を開けてみるとチーム防御率は勿論、先発防御率(3.66)、救援防御率(3.32)共に5位という惨憺たる数字だけが残り、結局のところ「リリーフ陣の整備に失敗しストロングポイントだった筈の先発陣すら潰してしまった」という結果だけが残った形。

FA残留した大瀬良、九里がいずれも期待外れの終わったうえに即戦力を獲得した筈だった今季の新人も松本竜也がまあまあの活躍を見せた以外は全くお話にならない結果だったのが効いているのは勿論ですが、強化の失敗だけがこの惨敗の原因だったと言えばそんな事はないでしょう。

そもそも、今季の戦いぶりを思い出してみるとやたらとボール球が多く、ストライクゾーンで勝負に行けず逃げ回る投球の投手が多かった印象がありましたが…。

実際、このチームは与四球もリーグで3番目に多いうえにWHIPに至ってはリーグ最下位と「アウトを取るまで走者を無意味に背負う」傾向は数字でも出ています。

また、佐々岡監督のベンチワークと言えばやたらと先発投手を引っ張って試合をぶち壊す場面が目立ちましたが、これは今季も健在で全体のホールド数(105)がリーグ全体で最下位です。

ホールドという記録は同点の場面でも付く場合はありますから、チーム全体での低さというのは如何に勝負所でカードを切るのを監督が躊躇うという点では何の進歩もなかったという事の証明でしょう。

つまり、やたらと痛打を恐れて執拗に逃げ回って走者を背負った挙句打ち込まれ、ベンチの投手の代え時も逃して、ただただ打たれるまで漫然と投げさせ続けていただけという事です。

これはカープ以上に先発投手の防御率が悪い中で積極的にリリーフ陣を投入して連覇を成し遂げたスワローズとは全くの真逆。

更にいえばこの傾向はこの3年間で全く変わっておらず「投手陣の再建」というお題目の点では佐々岡監督は何の反省も進歩もなく漫然と時を過ごし続けていただけと言わざるを得ません。

また、この3年間でやたらと球数を重ね続けた大瀬良や九里が調子を落とした事や、同じく森下がシーズン終了後に手術に踏み切った事も決してこの佐々岡監督の上記の采配ぶりと無縁ではないでしょう。

つまり佐々岡監督が私たちファンにもたらしたのは何ら得る事がないばかりか、失うばかりで何も残らない「抹殺されるべき3年間」だったという事です。

その改めて残された数字を振り返るとあまりの酷さに愕然としてしまいます。

もはや退任した人間に対して「屍鞭打つ」ような行為をしつこく続けるのは気が引けますが、改めて「なんでこんな人物を監督にしたんだ…」と球団フロントには恨みしか湧いてこないです。

更に言えば、これだけ投手陣を滅茶苦茶にされたチームを託された新監督に指導者経験がないという事を考えると暗澹たる気持ちがしてきます。

これはつまり、この酷い数字が来季は更に酷くなる可能性の方が高いという事も示しているのですから。