10回戦(6勝4敗)
勝利投手 黒原1勝2敗
敗戦投手 三嶋1勝1敗
セーブ投手 河野1セーブ
(C)石原2号①
(De)-
打点
(C)菊池①玉村①宇草①坂倉③石原①二俣②
(De)伊藤②知野①中川颯①蛯名②
投手
※数字は自責点
(C)玉村⑤-ケムナ-中崎①-森浦-島内-栗林-矢崎-黒原-河野
(De)中川颯⑤-中川虎-坂本-山崎①-森原-徳山-三嶋②-石川①
先発玉村は2回裏に打者一巡の猛攻を浴び5失点で3回で降板。
打線は一時3点差を含めて2度のビハンドを追いつく粘りを見せる。
延長12回表に坂倉と二俣の適時打で勝ち越しに成功し5時間越えの試合を制してカード勝ち越し。
黒原がプロ初勝利、河野がプロ初セーブをそれぞれ記録する。
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横浜港で何となく客船を眺めてから横浜スタジアムに向かうと試合開始1時間ほど前になっていました。
全然関係ないですが、この時私が眺めていた客船の名前は「ダイヤモンド・プリンセス」。
とある理由で日本で恐らくもっとも有名な客船かと思います。
実はこの船は2019年にも横浜スタジアムへ行く前に立ち寄った際に見物していたのですが…この5年の間にこの船も世の中もプロ野球も大変な時期を過ごしたものだと感慨を覚えてしまいます。
横浜スタジアムに着いた時点で昼食をまだとっていなかったのですが、これまた久しぶりに「からあげ弁当」を食べてみました。
この「からあげ弁当」というのはみかん氷と共に横浜スタジアムでは大変長らく販売され続けている弁当です。
15年ほど前に初めてこの球場に来た時、ブーテキ売りと共に籠にいれたこの弁当を売り歩く売り子の姿が懐かしいですね。
とはいえ、久しぶりに食べてみるとこれがなかなかのボリュームで特に白米がかなり重たかく自身の年齢を思い知らされます。
先日公開された映画の宣伝として俳優の柴田恭兵氏と舘ひろし氏が日産レパードに乗って登場するという横浜スタジアムらしいド派手なセレモニーからスタートした試合はこれまた凄まじい展開の試合となりました。
先週登録抹消された九里亜蓮に代わって今季初登板初先発となった玉村昇悟は初回こそ3者凡退で抑えたものの2回裏には四死球挟んで6連打を浴びて1死も取れず5失点の大炎上。
機能しない打線を持つが故に勝利の為には先発がとにかく試合を十二分に作る事が大前提であったチームにあってこの時点で試合を諦めるしかない事態です。
また、この玉村以降もしっかりと3者凡退に抑えたのは7回裏の森浦大輔のみと今日は全体的に投手陣が安定感を欠いていました。
まあ、それでも喫した失点は中崎翔太による1失点のみなのはさすがなのですが…。
昨日延長になってようやく2点目以降を手にした打線は今日は初回から得点を重ねて2回表までに2得点。
また、上記のようにビッグイニングを作られるという不利な展開となった以降も反発を見せました。
一時は3点差のビハンドに4回表の宇草孔基、5回表の坂倉将吾の適時打で追いつくと更に勝ち越しを許した状況の8回表には石原貴規の起死回生の本塁打。
あれだけ打てなかった打線がなんと2度のビハンドを跳ね返す事に成功する形となりました。
正直、あれだけ敗色濃厚だった状況で同点だったのですが引き分けでも満足するべきだったのでしょうが、それだけでは終わりません。
更に12回表には再び坂倉の適時打で勝ち越すと前の打席で犠打に失敗していた二俣翔一の適時打で追加点まで手に入れる事が出来たからです。
こういう粘りを最後の最後でこのチームの打線が見せてくれる姿を現地で見られたのは大きな驚きですし大変な幸運と感じます。
一方で、ベンチには今日は大変ミスが目立ったように思えます。
今日長打を放っていた林晃汰にわざわざ代打を出して、上記の通り二俣を投入して犠打を試みさせただけでなく、12回表にも末包昇大に犠打を試みさせるという消極策。
これに加えて勝ち越し直後に出た秋山翔吾の大飛球も残っていた投手がプロ入りしてセーブはおろかホールドすら挙げてない河野圭しかいなかった事を考えるとさっさとリクエストするべきなのをしなかったのは試合に集中していないと言われても仕方ないかと思えます。
まあ、日本人最速での100セーブ到達記録がかかっていた栗林良吏をチームより個人の記録を重要視する新井監督にしては珍しく同点で投入した一方で12回裏に上記の通りプロに入って一軍でセーブシチュエーションで投げた経験が皆無な河野を思い切って投入するなど好判断もある事はありましたが…。
こうして実に両チーム併せて32本もの安打が飛び交った試合が終わった時には時刻は19時過ぎで完全に球場の景色はデイゲームではなくナイターのそれ。
期せずして黒原拓未が3年目にしてプロ初勝利を、河野がプロ初セーブをそれぞれ挙げるという形にもなりました。
特に黒原は入団から2年全く活躍できず、即戦力としては「失敗作」とも呼べた投手で今季も初先発した試合で危険球によりたった2球で退場など散々なスタートを切っていただけに感慨深いものがあります。
ミドルリリーフという新たな天職を見つけた彼の活躍を期待したいものです。