15回戦(カープ10勝5敗)
勝利投手 床田10勝5敗
敗戦投手 東8勝2敗
セーブ投手 栗林4敗28セーブ
(C)-
(De)-
打点
(C)菊池①矢野①
(De)宮崎①
投手
※数字は自責点
(C)床田①-ハーン-栗林
(De)東②-ウェンデルケン-山崎
先発床田はほぼ毎回走者を背負い8安打2四球の内容ながら7回を1失点で凌ぐ。
打線は4回裏に菊池と矢野の適時打で2得点も以降は僅か1安打の拙攻。
ハーンと栗林も得点圏に走者を背負いながらリードを守り切りカード勝ち越し。
床田は2年連続の二桁勝利を達成。
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昨日、後半戦最初の本拠地戦で勝利を挙げたカープナインのユニフォームには黒い喪章。
かつて広島カープで選手・指導者として活躍した阿南準郎氏が逝去されたからです。
阿南氏といえばその中でも指導者としての活躍が印象深いファンが多いでしょう。
1軍コーチとしてカープ初優勝に貢献し、黄金期を築いた故古葉竹識氏退任後に監督就任1年目で優勝。
同年に引退した山本浩二氏の監督就任が既定路線となっていた「繋ぎの監督」という立場かつ、世界記録に迫った衣笠幸雄氏の連続出場記録に配慮しながら指揮を行うという難しいミッションを見事にこなし、3年間全てでAクラスと安定した成績を残した紛れもない名将です。
個人的には就任1年目で優勝を果たすという快挙を達成しながら直後に「胃の痛くなるような試合ばかりでファンに申し訳ない」という大変謙虚なコメントを残したのが印象に残っています。
また、広島市内に勤めていた私の父が平和公園辺りで散歩している阿南氏を何度か見かけたという話をしていた事も思い出します。
球団史上屈指の名伯楽は今頃、空のかなたで小学生時代の恩師で著名なカープファンでもあった漫画家富永一朗氏とカープ談義に華を咲かせているのでしょうか…。
阿南氏が率いた強力な投手陣を前面に耐えて勝ち続けて一時は首位との5.5ゲーム差をひっくり返して優勝を果たした広島カープ。
今日の試合はその時代を彷彿させるような内容は散々でもしっかりと勝利は持ち帰るような試合となりました。
先発の床田寛樹は初回から得点圏に走者を背負い矢野雅也の好守で何とか失点を凌ぐと言う危うい立ち上がりを見せると、以降も走者を背負い続け被安打8与四球2と不安定な投球。
それでも最少失点に抑えて試合をいつも通りに牛耳って見せた辺りは、今季のこの投手の強靭さとしたたかさを感じます。
この試合で床田はプロ入り初の二桁勝利を達成。
これは左腕としては本日の試合でゲストとして登場したクリス・ジョンソン以来となり、また日本人左腕としては阿南氏の元で開花した川口和久氏以来の記録ともなります。
何より黄金期の一時期を除けば歴史的に「左腕不毛の地」とも呼べる球団にあってこの記録はまさに大偉業と呼べるでしょう。
昨年は二桁勝利達成から足踏みをしてしまう形となりましたが、今季はここから更に勝ち星を延ばして欲しいものです。