25回戦(勝敗分)
勝利投手 滝田1勝
敗戦投手 奥川3勝2敗
セーブ投手 高橋1セーブ
(C)-
(S)-
打点
(C)田村①石原①二俣①
(S)並木①
投手
※数字は自責点
(C)野村-滝田①-高-ハーン-高橋
(S)山野-奥川-大西-小川
2番手滝田が3イニング1失点で抑えると以降もリリーフ陣は無得点投球。
打線は4回裏に田村の適時打と石原の犠飛で2点先制も以降は繋がらず3得点のみ。
1ヶ月ぶりの連勝でシーズン最終戦を終え野村祐輔の引退試合に華を添える。
滝田がプロ初勝利を挙げ、高橋もプロ初セーブを、仲田、内田もプロ初安打を記録。
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本拠地で読売に胴上げを決められたうえにリーグワースト記録の月間20敗を喫するなど球団史に残る汚点を残し続けたこのチームのシーズンもやっと終わってくれました。
一応、この1週間で横浜に行ったり神宮球場に行ったりはしていたのですがはっきり言って試合を見るのが苦痛で堪りませんでしたし、ましてや感想など書く気もおこりませんでしたが…さすがにリーグ3連覇に貢献したこの右腕の引退試合となるとそうも言えません。
野村祐輔。
入団した当初は大変な投手が入って来たものだと思ったものです。
入団早々に開幕ローテーション入りを果たしたかと思うと、まるでベテラン投手のような安定感を発揮したうえで、最終的には当時としては46年ぶりの新人での防御率1点台に平成生まれで初の新人王と歴史的な活躍を見せてくれては勿論ですが…。
それよりも感心したのは春のキャンプからどれだけコーチからプレッシャーをかけられても無暗に投げ込みを行わないという自身のスタイルを貫き続けたプロ意識の高さでした。
当時の投手コーチであった大野豊を筆頭に当時のカープ球団は内外に「投げ込みカルト教団」とも呼べる反知性主義者が跋扈するどうしようもない環境。
そこに見事に風穴を開けて後のリーグ3連覇をもたらした強固な投手陣を築くきっかけを作ったのは当時エースだった前田健太と野村祐輔だったと言えます。
彼の投球で思い浮かべるのは現在の150㎞台のスピードボールなどもはや珍しくなくなった現在プロ野球において時代に抗うように制球力とボールの切れ味を武器にしたそのしなやかなフォームとここぞでギアがかかったように鋭い変化球で空振をとる力強さ。
それはまさに美しさと強さを兼ね備えたかのようでした。
一方でそのスタミナの無さから俗に「定時退社」と揶揄されるほど6回程度でマウンドを降りる事が多い投手でもあったのも確かですが…。
とはいえ、そのスタイルで2016年には最優秀賞率と最多勝を挙げて25年ぶりに広島に歓喜をもたらしたチームの中核にもなったのは称賛すべきことです。
その2016年シーズン以降は最終的には一度もタイトルはおろか二桁勝利すら挙げる事は故障などの影響もあり叶いませんでしたが、あのルーキーイヤーの衝撃と2016年の活躍だけでも十分に語り継がれるべき投手でしょう。
そんな彼のプロ初勝利となった試合とプロ最後の敗戦となった試合の両方を球場で応援出来た事を私は誇りにしていきたいと思います。