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カープと趣味の日記

痛みを味わうのは我々だけ(広島カープ2025年シーズン展望)

昨季は8月末まで意外過ぎる快進撃で首位に立ちながらシーズン残り1ヶ月で球団史上ワーストの20敗を記録し、優勝はおろかAクラスすら逃したうえで本拠地での優勝の胴上げを許すという球史に残る転落劇を演じて全てを失った広島カープ

いよいよ今週末から2025年シーズン開幕を迎えます。

昨シーズンの雪辱に期待するファンも多いでしょうが…結論から言わせて貰えれば今季のカープは歴史的な大惨敗を記録するシーズンとなる事はもはや約束されたようなものと言えるでしょう。

それぐらいに今季のチームはシーズンオフからキャンプ、オープン戦に至るまで何もかもがデタラメという事です。

まず、昨季の退団選手と入団選手を比較してみるとあれだけ記録的な貧打を喫したにも関わらずまるで戦力にならなかった中堅やベテランの整理を怠たり、FAでチームを去った九里亜蓮の人的保障を獲得できなかったという失態。

矢崎拓也を出して守備固めと代走要員を獲得したうえで慌てて2人目に投手を獲得し、大失敗に終わった現役ドラフト。

また、目玉だった宗山塁を外したうえで野手の獲得は二人に留まり、案の定オープン戦でも昨年に続き新人選手がほぼノーインパクトに終わっているドラフト会議。

昨年の結果を受けてチームを強化するという気概が全く感じられず、カープをかわして3位となりそのまま日本一まで上り詰めたベイスターズが人員を大幅に整理したうえで貪欲に補強を行っている事とは雲泥の差です。

実際に現有戦力を眺めても何ら期待も希望も持てず、ただただため息しか出てきません。

 

広島カープ2024-2025
☆←IN
投手
28 佐藤柳之介
41 鈴木健
42 ジョハン・ドミンゲス
53 岡本駿
67 菊池ハルン
野手
10 佐々木泰
49 渡邉悠斗
69 山足達也
95 エレフリス・モンテロ
61 サンドロ・ファビアン

 

★→OUT
投手
11 九里亜蓮
19野村祐輔
41 矢崎拓也
42 トーマス・ハッチ
49 戸根千明
67 内間拓馬
93 岡田明丈
98 ロベルト・コルニエル
122 坂田怜
126 新家颯
129 藤井黎來
野手
00 曽根海成
10 マット・レイノルズ
96 ジェイク・シャイナー

昨年は8月末までチームを引っ張り続けた投手陣は明らかに昨年に比べれば大きく見劣りがします。

まず先発陣については前述の通り九里亜蓮がチームを去りました。

当初はメジャー移籍を公言しておきながらあっさりと国内球団に移籍したあたり、前任監督時代からこのチームに対して鬱屈したものがあったのは明らかでしょう。

ここ3シーズンは二桁勝利から遠ざかっていたとはいえ、8年連続で100イニングを投げているタフネス右腕の穴は簡単に埋まるものではありません。

昨年、その九里と共にチームを牽引した森下暢仁、床田寛樹、大瀬良大地の3人がローテーションの中核を担って貰う事になりますが、その3人に続く投手が大変心許ないものです。

現状、4番手以降の候補となっているのは森翔平、玉村昇悟、そして新外国人のジョハン・ドミンゲスのみ。

通常、開幕ローテーション争いというのは定数6人に加えて2人程度は候補がいて然るべきなのですが、新人の佐藤柳之介は早々に脱落し、常廣羽也斗も論外の投球で実力の無さを自ら証明しただけでとても候補と呼べるレベルの投手ではありません。

一応、ミドルリリーフと兼任で、現役ドラフトでやって来たサブマリン鈴木健矢がオープン戦でまずまずの調子を維持しているという好材料はありますが、それだけでこの人材難を補うには限界があるでしょう。

また、上記の候補3人についても低レベルな争いで多少安定していたに過ぎず、実力的に考えればさほど期待できるものではない訳ですからいきなりシーズン開幕一巡目からローテーションが崩壊する可能性は極めて高いと言えるでしょう。

 

一方、これまた昨シーズンの快進撃時の立役者となりながら、現役ドラフトで実績のある矢崎拓也を放出したリリーフ陣はどうでしょうか?

昨年、手術を受けた事からもうリリーフを続けるつもりがなかったように見えた栗林良吏が引き続きクローザーを務めてくれるようで、その栗林に島内颯太郎、テイラー・ハーン、森浦大輔と実績ある投手がブルペンの中核を担う事になりそうですが…彼らに続く投手がやはり見当たりません。

また、上記の4人についても昨季は登板過多かつ打線の酷さから極度の精神的重圧を強いられた事からコンディション面で大変な不安を抱えている状況。

更にいえばミドルリリーフについても黒原拓未の故障離脱もあり、これといった人材がおらず、上記の鈴木健矢程度のもの。

新人では恐らく唯一の開幕一軍となると思われる岡本駿についても立ち位置が曖昧でさほど大きな期待は持てません。

このように投手陣は8月末まで貧打のチームを牽引した昨季が出来すぎだっただけにそれ以上を望むのは困難で、むしろ昨季のしわ寄せが顕著に表れる可能性が高いかと思えます。

 

しかし、それでも投手陣はまだまだまともな方で、本当に壊滅的なのは野手陣なのは言うまでもありません。

あれだけの酷い打棒でチームの足を散々に引っ張った存在であった以上はドラスティックな改革は必要だった筈です。

にも関わらず、シーズン開幕を控えたここまで行われてきた事はフロント、現場共に必要最低限の事すら出来ていないという考え難い怠惰と失態に過ぎませんでした。

まず内野を見て見ますと相変わらず、ベテランの域に到達し衰えも懸念される菊池涼介を脅かす存在はついぞ現れず、若手は全くチャンスを活かす事ができませんでした。

この為、結局のところ菊池に加えて矢野雅哉、小園海斗といつものメンバーに加えて新外人のサンドロ・ファビアンが開幕スタメンに名を連ねる事はほぼ確実となっています。

元々、長打力に劣る軽量級の選手ばかりが並んでいるうえにオープン戦は低調な打撃に終始しており、他球団の内野陣に比べれば迫力不足は顕著です。

といより、打撃において内野陣でまともな数字を残した新戦力が前所属チームでは単なる守備代走要員に過ぎなかった山足達也ぐらいという時点でもはや期待を持つのは無理というものです。

また、ファビアンに至っては本塁打2本を放ったとはいえ、凡打の山を築くばかりで全く日本の野球に順応する気が見られず昨年の失敗外人1号2号(名前忘れました)と同じ轍を踏む可能性は限りなく高いでしょう。

 

また、外野についてもやはりベテランの秋山翔吾が未だ中核となっている時点で他球団と比べて大変な見劣りがします。

秋山自身は大変素晴らしい選手である事に代わりませんが、他にろくな選手がいないせいで彼が本来やる必要のない長距離砲が担うべき役割まで担わざるを得ないという形は全く望ましくありません。

その秋山に続く選手が本来、長打を期待されている末包昇大は汚い口髭を生やし始めた事以外にキャンプからオープン戦まで全くのノーインパクトな事もあって現状では新外国人のエレフリス・モンテロ以外に見当たりません。

結局、開幕スタメンは秋山、モンテロに加えて恐らくはなし崩し的に野間峻祥が名を連ねる事となるでしょう。

確かに内外野守れて打撃でも一定のアピールが出来ていた事もあって、二俣翔一がファンの注目を集めてはいますが…打率は2割台前半と平凡そのもので正直、この程度の選手なら他球団なら掃いて捨てるぐらいにいます。

そうである以上は、彼や彼に期待するファンには申し訳ないですが、到底チームの引っ張れるほどの活躍を見せてくれる選手とは言い難いかと思います。

また、ファビアンとは異なりオープン戦通じて活躍を見せて過去10年の新外国人選手と比較しても出色の出来を見せ、開幕4番も確実視されるモンテロですが…過去に彼以上にオープン戦で活躍していたホセ・ピレラの開幕以降で残した数字を見ればやはり大きな期待を寄せるのは安直過ぎるでしょう。

従って、モンテロやファビアンといった新外国人野手たちに我慢できるのはせいぜい開幕シリーズまでで、そこでダメならもう何打席チャンスを与えても活躍する事はないと判断して良いかと思います。

それだけ私に言わせれば「性格がいいだけで野球が下手くそな選手ばかり連れて来る」事に定評があるカープの駐米スカウト陣への信用はそれぐらい皆無という事です。

 

上記のように内外野が既にボロボロな状態に止めを刺したのが、唯一選手の層があった捕手についても坂倉将吾と石原貴規が揃って故障離脱という最悪の事態。

特にこのチームの打者で唯一まともな実績を残していた坂倉の離脱はただでさえ低レベルな打線においてその影響は深刻そのものです。

彼らの代わりに開幕マスクが予想されるのが、もはやカビの生えたロートルに過ぎない曾澤翼である事も含めて暗澹たる気持ちになります。

 

上記の通り、今季の戦力を見返してみればフロントの怠惰とスカウトの不明により、力尽きる形に終わった昨年に比べて大きく見劣りするのが改めて分かった事でしょう。

実際にオープン戦は10位タイに低迷したばかりか、チームの平均得点は1.88点と壊滅的な数字を残しチーム防御率も平均以下に終わっています。

先細りが顕著な投手陣に、もはやプロ野球のレベルとは言い難い打線という構図が容易に誰もが理解できた事でしょう。

加えて、もはや業務用の内線ぐらいでしか利用されていないガラケーを愛用している事からもうかがえる通り、相変わらず新しい戦力を起用する事に後ろ向きな姿勢の指揮官も合わさって、惨敗に終わるばかりか若手の台頭など見るべき物すらないシーズンを覚悟する必要があるかと思います。

スワローズが故障者続である影響もあり、意外にも評論家どものカープに対する最下位予想が多数にはなっていないようですが…残念ながら今季のカープにとって順位予想は無意味な行為と言い切れます。

むしろ、順位予想などよりも「5位から何ゲーム差離されてシーズンを終えるか?」を考えた方がより現実的なのではないとすら思えてきます。

ちなみにカープのシーズン最多敗戦の球団ワースト記録は96で、最多連敗記録は13となっていますが、恐らく今季はそれらを大きく上回る最悪の記録が生まれる事も個人的には覚悟しています。

何度も言いますが、それぐらい今のカープは投打共に何の魅力も希望も持てない12球団最低のチームという事です。

 

また、この悲惨な事態と共に「痛みを伴う改革をする」と昨シーズンオフに語った新井監督ですが、残念ながらその言動は完全に不一致と呼べるもので完全な虚偽の発言となった事も残念極まりないです。

なにしろ、名前は挙げませんが、明らかに戦力になっていない中堅やベテランの整理を怠ったばかりか昨年あれだけチームの足を引っ張った打線であったにも関わらず、誰一人コーチ陣で責任を取った人間が皆無なのですから…。

結局、痛みを味わうのは我々ファンだけという事です。

 

そうなるとこれから長いシーズンを見つめる我々ファンはどうこの惨敗が約束されたシーズンを過ごすべきか?

せいぜい50試合前後に終わるであろうカープの少ない勝利試合に遭遇できる事を祈ったうえでその幸運に一夜のバカ騒ぎを精一杯に刹那的に楽しむぐらいの事です。

 

それが弱く明るい未来すら描けない弱小チームを応援するという事なのですから。