4回戦(カープ2勝2敗)
勝利投手 森下3勝1ブ
敗戦投手 村上3勝1敗
(C)-
(T)-
打点
(C)菊池②矢野①末包②
(T)前川②
投手
※数字は自責点
(C)森下
(T)村上⑤-島本-漆原-岡留-岩貞
先発森下は初回に2失点も以降は1安打のみで9回まで投げ抜く。
打線は2回表に打者一巡5得点で逆転に成功。
2回以降は森下が安定した投球で今季初完投勝利を挙げカード初戦を制する。
森下はプロ入り通算50勝目を記録。
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好調だった打線が沈黙し、連勝を5で止まった前回のドラゴンズ戦から1日置いて今季初の甲子園での試合。
惨敗に終わった開幕戦と同じカードかつ先発も森下暢仁と村上頌樹である事も同じという事もあって大変困難な試合が予想されました。
なにしろカープとの開幕戦以降は無傷の3連勝を維持していた村上の攻略は困難に思えましたし、なによりも森下が2022年シーズン以来2シーズンに渡って甲子園での勝ち星がないという事実も重くのしかかりました。
その森下ですが、初回に2者連続三振から連打を許して2失点を喫するという最悪の立ち上がりで「またか…」と思ったのは私だけではなかったでしょう。
もうこの時点で個人的には試合を見る気が起きなくなってしまったのですが、直後の2回表に打線がまさかの反撃を見せてくれました。
開幕戦は8回2死まで無失点で抑えられた村上相手に菊池涼介の適時打で同点に追いつくと矢野雅哉の犠飛と末包昇大の適時打で一気に逆転に成功し、終わってみれば打者一巡5得点の猛攻。
特に二俣翔一が14球も投げさせたうえで四球を選ぶなど好投手相手に2イニングで実に69球も投げさせる粘りを見せたのが奏功した形です。
好投手相手にとにかく球数を投げさせるというのは3連覇期の打線でもよく見られた事で特に25年ぶりの優勝を決めた試合でマイルス・マイコラス相手に5回までに100球以上も投げさせた末に逆転に成功した事などその好例でしょう。
もっとも、近年のカープは昨年の矢野雅哉に代表されるようにこのような粘りを見せたところでそれが得点や勝利に繋がる事など皆無に等しく、単なる遅延行為でしかなかったのですが…今日はそうでもなかったようです。
結局のところ、今日も打点を挙げてリーグ打点トップをひた走る末包のような得点圏で仕事が出来る選手がいればこういう戦術は有効という事なのでしょう。
もっとも、2回以降は村上含めて阪神投手陣から追加点が奪えなかった事から本当にこの戦術が試合全体で機能していたかは不明でもあるのですが…。
2回に一挙に逆転と追加点を貰えた森下は2回裏3回裏こそ走者を許して不安定な初回を引きずっていた印象ですが以降は安定。
最終的には9回を124球で投げ抜き今季初完投でクリス・ジョンソン、野村祐輔に次ぐ球団史上3番目となる116試合目での50勝を達成しました。
同じ大卒新人で彼より早く50勝目に到達した大学の先輩でもある野村祐輔はその後勝ち星が伸びず100勝に満たないまま30代半ばの若さで引退となりましたが…彼の前途が幸運である事を祈りたいものです。