ゲーム差1.0と限りなく最下位に近い5位に加えて15年ぶりの負け越し20以上と32年ぶりに二桁勝利投手無し…。
更には阪神相手に球団ワーストの10連敗を喫したうえに2年連続で目の前で優勝チームの胴上げを許したほか、最終的に5連敗という形で終了した2025年シーズン。
正直、この悲惨で無様な球史に残るレベルの最悪のシーズンを振り返るのは私…というか大半のカープファンにとっては大変厭わしい事です。
しかし、今ある現実から目をそらしてしまうと来期以降も続くであろう終わりなき低迷を受け入れる事もできません。
我々はどこで戻りようがないほどに道を間違えたのか?
それを考えてみたいと思います。
優勝マジック点灯間近から一転して優勝はおろかAクラスすら逃すという球史に残る転落劇を見せた昨シーズンの反省から今季は打線の立て直しが急務でした。
その点、昨年全く機能しない…というか文字通り存在すらしなかった助っ人外国人野手についてはサンドロ・ファビアンが一時首位打者を独走する好調ぶりを見せ、エレフリス・モンテロもまずまずの数字を残したのは良い収穫でしたし、これに加えて鳴り物入りでの入団以来自身のスキャンダル以外で話題になっていなかった中村奨成の躍進もありました。
また、小園海斗が一時は一塁を守るなど安定しないベンチの起用法をものともせず、自身初の首位打者と最高出塁率のタイトルを獲得した事もありチーム打率は.246とリーグ3位にもなりました。
しかし、これらの材料を挙げても「打線は昨シーズンより良くなった」と思っているカープファンはほとんどいないでしょう。
矢野雅哉、末包昇大、坂倉将吾と安定した活躍を期待されていた選手たちが軒並み不振もあり、実際にチームの総得点も5位に終わっています。
結局のところ上記の数ある好材料も総合的に見れば全くいかせなかったという事でしょう。
そもそも昨年あれだけチームの足を引っ張り歴史的失速の原因を作ったにも関わらず迎祐一郎と小園哲也両コーチを留任させるなど大きな変化を新井監督及びフロントが拒否していたのですからあの悲惨な打線が急によくなる訳がありません。
また、これまで新井監督が積極的な若手の起用を拒否していた事もあり、打者に関してはたいして素質も期待もできるような選手も皆無です。
最後に若手だけで打線を組んで5連敗を喫した試合の1つを現地で見ましたが…正直、あれだけ能力はおろか、伸びしろすら感じられない若手選手達の低レベル極まりない打撃は本当に衝撃的でした。
一体、この球団と監督はこの3年間何をしていたのだろうかと思えるぐらいに…。
一方、昨年貧打のチームを引っ張り最終的に力尽きる形となった投手陣は遂に耐えられずに防御率リーグ5位の3.20で完全崩壊となりました。
自身初の開幕投手を務めた森下暢仁は86%という高いQS率にも関わらず勝ち星は増えず、8月に故障でシーズン終了となり7勝どまり。
床田寛樹も6度の完投と3度の完封と素晴らしい投球を見せながら、やはりシーズン終盤に力尽きて9月は防御率11点台に4連敗という結末。
昨季、チームを去った九里亜蓮が今季は上記の二人と大差がない数字を残しながら11勝を挙げている事を考えると、いずれもまともな打線がいれば32年ぶりに二桁勝利無しという無様な結果にはならなかったのは明白です。
また、リリーフ陣についても低迷した栗林良吏やテイラー・ハーンに代わって森浦大輔と島内颯太郎が引っ張ってくれましたが彼らを補える投手が皆無でした。
特にミドルリリーフについての人材の無さは深刻だったように思えます。
また、森浦は2年連続、島内は3年連続での50試合以上登板はさすがに投げすぎで来季も活躍を見せてくれるかに不安が残ります。
野手・投手と駆け足で見ただけでも打線の立て直しという昨季の課題を全く克服できないまま、頼りの投手陣は崩壊したという事実が容易に分かるのが今季のカープでした。
正直言ってこれだけ攻守で悲惨なチームが来季一転して立ち直るとは到底思えませんし、それを期待するにはあまりに若手の育成をこのチームは怠ってきました。
また、これだけ酷い結果と内容を残しただけだったにも関わらず来季の続投が決定している新井監督の存在も影を落とします。
まるで気まぐれメニューの如く連日安定しない野手のポジション起用に投手の交代のタイミングの悪さ…。
また、シーズン終盤にその存在を急に思い出したかのように過剰な起用に走りましたが、若手起用に消極的という彼の本質は恐らく変わらないでしょう。
加えてシーズン途中に見せた一部選手へのパワハラ紛いの言動や、シーズン最終戦直後にファンに向かって来季の低迷を予告するかのような非常識な発言…。
冷酷に言い切ってしまえば監督初年度の2位はたんなるマグレであっただけですし、そもそも彼は指導者になるべき人間ではなかったのでしょう。
そんな意欲も能力も感じられない監督が来季で何かを残すのを期待する事はできません。
更にいえばこれだけの惨敗に終わったにも関わらず、オフシーズンでのフロントの動きは信じられないぐらいに愚劣かつ怠惰であった事も来季が期待できない要因です。
戦力になってない中堅・若手を軒並み残留させた影響で既に登録選手数はギリギリの状態である事に加えて、日本球界復帰を決断した前田健太にまともなオファーすら出しませんでした。
特に後者については低迷していたチームを引っ張っただけでなく移籍時に多くのポスティングによる譲渡金を球団にもたらした功労者へのあまりにも非情かつ無礼な球団の振る舞いは多くのファンの怒りをかいましたし、個人的にも許しがたい所業です。
残念ですが功労者に対してこのような仕打ちをした以上、こんな球団に貢献したいと思える選手などいなくなる事でしょう。
少なくとも、来期国内FA権を取得する坂倉と床田の移籍はもはや確定しているも同然かと思えます。
戦力が先細る事が確実かつ、若手も全く育つ見込みもない訳ですから残念ですが来季以降のこのチームの順位は既にこの時点で確定したと断言して良いでしょう。
その点、上記のシーズン最終戦での新井監督が言った「来期以降も苦しみは続く」という発言。
大変不愉快かつ非常識な発言ですが、現役時代から嘘しか言わなかったこの男が唯一我々に残した真実になる事でしょう。