広島東洋カープ1-0中日ドラゴンズ
3回戦(カープ3勝)
勝利投手 栗林1勝
敗戦投手 高橋宏1敗
(C)-
(D)-
打点
(C)-
(D)-
投手
※数字は自責点
(C)栗林
(D)高橋宏
プロ初先発の栗林が7回までパーフェクトの好投。
打線は散発5安打で敵失による1得点のみに留まる。
栗林は8回無死に安打を浴びるも無四球で最後まで投げ抜き準完全試合でプロ初完封。
3連勝で開幕カードを終える。
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私が物心ついてカープの試合を見ていた時のクローザーといえば大野豊でした。
その圧倒的な投球を見て子供心に「初回から9回まで大野が投げれば勝てるのに」と良く考えたものですが…そんな無邪気な子供の時の空想が今、目の間に広がっている。
場内に鳴り響く「Narco」のトランペットの音色にのって悠然とマウンドに向かう栗林良吏のあまりにも雄々しい姿を外野席から眺めながらそんな事を考えていました。

クローザーから先発に転向した際にセーブシチュエーションで流れるこの曲を球場で聴く事はほぼないと思っていただけに、9回もなお彼がマウンドに立っていた事は驚嘆すべき事。
しかもこの時点で許した走者は8回表に浴びた細川成也のよる1安打のみという準完全試合で球数は僅かに80球前後でした。
要するに初回から9回まで全てのイニングで圧倒的な力で僅差の試合を守り続けて来た稀代のクローザーが常にマウンドに立っていたも同然という事です。
近年、リリーバーとしては試合への入り方が悪い傾向があっただけに心配だった初回も、いきなり安定した投球を見せて安心はしましたが、その時点でもこれだけの快投は予想外。
というより、近年の低調な成績やオープン戦での微妙な投球内容から彼の先発転向についてはあまり歓迎できるものではありませんでしたし正直、3回をしっかりパーフェクトで抑えた段階でも「5回まで何とか試合を作ってくれれば」ぐらいにしか思っていませんでした。
ましてや、相手先発はリーグ屈指の右腕である高橋宏斗が相手である訳でしたし…。
それだけにパーフェクト投球を続けて1点リードで7回裏を終わる頃には意味もなく身震いし涙が溢れそうになるのに困りました。
上記の通り、残念ながら大記録は8回途中で途絶えましたが、その落胆すら力に変えて最終的には球団記録としては2015年のクリス・ジョンソン以来3人目というノーヒットノーランより達成者が少ない記録を残す事となったのは見事としか言いようがありません。
しかもプロ初先発ながら100球未満で無四球での完封…いわゆる「マダックス」達成と大変珍しい記録尽くめの登板となりました。

過去、上記の大野に加えて佐々岡真司とリリーフ、クローザー、先発と複数の役割をいずれもハイレベルでこなした投手は存在しますが初回からこれだけの投球というのはやはり驚きです。
結局のところ、この栗林良吏という球団史に残るであろう投手の事を見くびってはいけないという事です。



