吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

03/07(日)○「ドラフト2つの側面」(カープ2021)

広島東洋カープ2-0東京ヤクルトスワローズ

オープン戦

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 森下 1勝

敗戦投手 木澤 1敗

セーブ投手 ケムナ 1セーブ

 

本塁打

(C)クロン1号②

(S)-

 

打点

(C)クロン②

(S)

 

投手

※数字は自責点

(C)奥川-木澤②-マクガフ-今野-近藤

(S)森下-森浦-島内-大道-栗林-ケムナ

 

先発森下が4回無安打無失点で抑えると新人3人も無失点リレーで続く。

打線はクロンのオープン戦第1号本塁打が飛び出すも散発4安打で2得点。

投手陣が連日の無失点リレーを見せてオープン戦2連勝を飾る。

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今日の先発は、昨シーズンに防御率1点台に二桁勝利という球団史に名を刻む素晴らしい数字で新人王を獲得した森下暢仁。

その昨シーズンはオープン戦とその後の長期中断を挟んだ開幕直前の練習試合では微妙極まりない投球に終始して開幕に大きな不安を残しましたが…今季は対象的に素晴らしい滑り出しとなりました。

オープン戦初戦という状況で意図的にフォーシーム主体の投球となったように見えましたがそれでも村上宗隆や内川聖一といった好打者を擁するスワローズ打線に4回を無安打…というより田中広輔の酷いエラーがなければパーフェクトという内容。

逆に出来すぎにすら見えてかえって不安になってしまいそうですが、とにかく昨年同様に開幕戦から素晴らしい投球を見せられるように仕上げてくれるのを期待したいところです。

また、今日の注目といえば森下が降板した後に相次いで登板した森浦大輔、大道温貴、栗林良吏の即戦力候補のルーキーたちでしたが、3人合わせて打たれた安打は1安打のみでそれぞれ1イニングを無失点という結果。

その打たれた1安打にしても森浦が村上のバットを折っての打球が不運にも外野に転がったといった形ですから、いずれにしても上々の形で本拠地のファンへのお披露目を済ませたと言えるでしょう。

ご存知の通り、昨季のドラフトでは6人中5人が投手でかつ上位3人が大卒以上という異例の結果でしたが、オープン戦序盤からその良い影響を感じさせてくれたように思えます。

特にリリーフ起用を示唆するかのように1イニングだけの登板となったドラフト1位入団の栗林に関してはクローザーであるヘロニモ・フランスアの調整が遅れ気味なだけに色々と憶測と期待を呼びそうです。

 

多くの好材料に恵まれた投手陣の一方で、4安打と昨日に続いて寂しい結果となった野手陣は素晴らしく真面目な性格と練習態度と反比例するかのように試合での結果に恵まれてないケビン・クロンが待望の一発を放ちましたが…それだけでした。

今日のスタメンでの「お試し枠」を努めたのは林晃汰と大盛穂はいずれもまったくのノーインパクト。

特に林に至っては一軍の試合で試すレベルに到達しているとは言い難く、明らかに時期尚早としか言いようがないこのレベルの選手に正直これだけ期待をかける理由が私にはまったく理解できないです。

逆に言えば、こういう選手に首脳陣もファンも期待をかけざるを得ない状況は投手偏重となったドラフトの負の側面と言えるかもしれません。

また、これだけスタメン争いに加われそうな若手がいない状況が、主力組からも練習試合から低調な雰囲気に包まれている原因なのではないかと思えます。

非常に難しいことです。

03/06(土)○「再び異例の幕開けに」(カープ2021)

広島東洋カープ1-0東京ヤクルトスワローズ

オープン戦

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 大瀬良1勝

敗戦投手 高梨1敗

セーブ投手 塹江1セーブ

 

本塁打

(C)-

(S)-

 

打点

(C)西川①

(S)-

 

投手

※数字は自責点

(C)大瀬良-九里-塹江

(S)田口-高梨①-高橋

 

投手陣は先発大瀬良と2番手九里がそれぞれ4回無失点の投球。

打線は4回裏に西川の適時二塁打で先制も以降は得点に至らず。

最終回も塹江が抑え完封勝利で今季初のオープン戦を飾る。

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新型コロナウイルス蔓延に伴い、その開闢以来初となる数々の異例の事態に翻弄され続けた昨シーズンのプロ野球カープ

しかし、残念ながら今季に関しましてもその状況は継続され続けています。

例年多くのファンが詰めかけていて一躍キャンプ地に多くの潤いをもたらすイベントにまでなっていた春季キャンプも無観客となり、一部オープン戦も無観客の練習試合に変更されました。

また、獲得した助っ人外国人選手のうちキャンプ初日から参加できているのはケビン・クロンのみで、ドビーダス・ネバラウスカスとカイル・バードに至っては来日の見通しすら立っていない状況です。

もっともこのような状況はどの球団も大なり小なり同じですし、競技代わって一足先に開幕しているJリーグでは監督すら来日できていないチームがあると聞いています。

そんな中で12000人という旧市民球場時代の平日ナイター以上の観客を動員してのオープン戦を2年ぶりに広島で開催できたのは、やはり喜ばしい事。

同時に、私が住む場所も含めて首都圏では今後も政府の緊急事態宣言が継続され予断を許さない状況ですが、昨年同様になんとか全日程を消化できる事を祈りたいものです。

 

試合は、昨季故障によりシーズン途中でのリタイアを余儀なくされ一時は開幕ローテーション入りすら危ぶまれていた開幕投手の大瀬良大地が先発。

相手先発は、先週電撃的なトレードで移籍した直後の実戦が期せずして故郷への凱旋試合ともなった田口麗斗という大変興味深い組み合わせでしたが…4回2安打無失点といきなりの実戦にも関わらずまずまずの結果を残してくれました。

今日の試合に関してはこの大瀬良に九里亜蓮、塹江敦哉という昨季の主力ばかりが登板ですので、さほど結果を気にするのは無意味ではありますが、とにかく一安心です。

 

打線はこれまた故障の影響で春季キャンプは二軍で過ごした末に合流したばかりの西川龍馬が適時打を放つ活躍を見せてくれて安堵したファンも多いことかと思います。

もっとも、歌舞伎の顔見世興行よろしく主力を並べた今日の野手陣にとっての注目は彼のような実績のある選手ではなく新戦力であるクロンや、主力に紛れ込むようにスタメンで試合に臨んだ正随優弥に途中出場で複数回打席に立った羽月隆太郎といった若手でしょう。

その点ではチーム全体が散発6安打1得点に終わった事も含めてさほどのインパクトを残せなかった点で物足りなさが残りました。

クロンは他球団との練習試合でまったく打てない状況からやはり抜け出せず、未だに日本の野球に対応できていないようにしか見えません。

また、羽月や正随はそれぞれ1安打を放ちましたが、そもそもオープン戦での若手というのは序盤で主力を凌ぐ活躍を見せてから相手チームの主戦クラスと対戦するオープン戦終盤でそれが継続できるかを試される事で初めてレギュラー争いに立つ資格を持つものですからやはり今日の結果でその争いに名乗りを上げたとは言い難いものです。

2年ぶりかつ今季初の観客を入れての記念すべきオープン戦初戦でしたが、キャンプ中の練習試合ではさほど若手に軒並み期待出来るほどの選手が皆無という状況はオープン戦でも継続してしまうのかと不吉な予感を漂わせるものだったように私には思えます。

隧道の入り口で(カープ2020-2021)

新型コロナウイルス蔓延に伴う異例かつ異常なシーズンとなった昨季は、カープにとっては新監督を迎えて仕切り直しとなったシーズンでもありました。

しかし、結果は攻守の衰えに加えて、補強の失敗、更には稚拙極まりないベンチワークも合わさって2013年のAクラス入り以来では初の2年連続Bクラスに加えて8年ぶりの5位転落の大惨敗。

3連覇を足がかりに安定して上位を狙えるチームをという目標は儚い夢となったばかりか、むしろ暗黒期という名の長い長いトンネルの入り口に足を踏み入れる事となりました。

そんな、栄光の3連覇からたった2シーズンで無残極まりない転落劇を見せたカープも明日から春季キャンプが始まり例年より短いオフから野球カレンダーの新年を迎えます。

とはいえ、未だにコロナウイルスの猛威が収まらずキャンプ地である沖縄も感染者の増加に歯止めがかからないという社会情勢。

早々に無観客でのキャンプ開催が決定しましたが、最悪の場合はキャンプの中止も視野に入れないといけません。

それに加えて外国人選手の一部が入国の目処すらたたず、キャンプはおろか開幕にすら間に合うのかわからないという補強がドラフトと外国人のみが常のカープとしては最悪の事態。

このように昨年以上に異例かつ異常な状況がキャンプインから頻発しているのですから、例年通りに戦力を確認する事に意味がないかもしれません。

ですが、今回はそれらのイレギュラーな要素をあえて差し引いて考えてみたいと思います。

カープ2020-2021

 

→IN

・投手

カイル・バード△

ドビーダス・ネバラスカス

 

栗林良吏

森浦大輔△

大道厚貴

小林樹斗

行木俊

 

内野手

ケビン・クロン

矢野雅哉

 

 

←OUT

・投手

藤井皓哉

クリス・ジョンソン△

平岡敬

モンティージャ

・捕手

石原慶幸

内野手

小窪哲也

ホセ・ピレラ

※△は左投げもしくは左打ち

※育成契約は除く

 

 

昨シーズンは多少の若手の台頭があったとはいえ、投手陣が過去10シーズンを遡っても最悪とも呼べた出来だっただけにさすがに新戦力には投手が目立ちます。

特にドラフト会議では2006年の宮崎充登以来14年ぶりとなる大卒社会人投手の最上位指名(宮崎は希望枠)となった栗林良吏を始め、実に6名中上位5名が投手という大量指名で、そのうち上位3名は大卒以上とこれまた育成よりも即戦力を狙った2006年を彷彿とさせます。

とはいえ、その2006年ドラフトは上位で指名した大卒・社会人出身投手はほとんど印象に残る活躍を見せる事が出来ず、かろうじて当時は別枠だった高卒ドラフトで前田健太が入団した以外は大失敗と呼べる悲惨なものだった事も覚えているファンもいるかと思います。

さすがに当時とまったく同じ結末になるとは思いたくないですが、昨年は新型コロナウイルスの影響でまともにスカウティングが出来なかった事も鑑みますと過度な期待はできないでしょう。

3連覇の立役者である偉大なる英雄、クリス・ジョンソンが去り陣容が大きく様変わりする外国人投手陣は、カイル・バードと、ドビーダス・ネバラスカスをそれぞれ獲得。

バードは左投げであり同じ背番号を引き継いだ事もあり、K・ジョンソンの後継者…と言いたいところですが、プレースタイルから見るとリリーフ向きといった印象で、かつて在籍したカイル・レグナルトを彷彿させます。

また、「日本プロ野球史上のリトアニア出身選手」となっただけでなく、恐らく球団史上もっとも綴が難読と思われるネバラスカスですが、MLBではほぼリリーフ専任の投手だったようです。

加えて既存の投手はヘロニモ・フランスアと、まったく日本のプロ野球についていけるレベルでないにも関わらず何故か残留しているテイラー・スコットですから、外国人投手はリリーフ向けの人材ばかりが占めます。

新型コロナウイルス蔓延の影響による動員数激減とそれに伴い大幅な赤字となった影響で、高額な投手が雇えなかったからでしょうが、これだけ人材が偏るのはさすがに気にかかります。

ましてや、今季は故障の影響で大瀬良大地と野村祐輔が開幕に間に合うかもすら微妙な状況で、上記の栗林が額面通りの活躍を見せてくれたとしても先発陣は開幕当初からまともにローテーションを組めない可能性が高いように思えます。

 

一方、投手陣が大量補強となった煽りを受けて、野手陣での新規の目立った補強は、昨シーズンはまったくの期待外れで退団したホセ・ピレラに代わって2019年マイナーリーグ本塁打王であるケビン・クロンのみでした。

195cmの長身に加えて高い長打率と3連覇に貢献したブラッド・エルドレッドを彷彿させるような選手で、年俸的に見ても今季外国人補強では一番の大物と考えて良いかと思います。

守備において主なポジションは1塁手ですが3塁も守った経験もある為、松山竜平堂林翔太とポジション争いをする事になりそうです。

もっとも、野手に関して補強がこれだけという事は、衰えが隠せないうえに割高な年俸がネックとなってFA移籍に失敗した田中広輔に頼らざるを得ない遊撃手を始め層が薄い内野陣という課題は今季も克服できそうにありません。

ざっと振り返ってみると今季の補強は投手陣…しかもリリーフ陣偏重というかなり歪な物になったように見えます。

これが今季のみならずそれ以降での禍根とならないか正直、心配になってしまいます。

これだけ大変リスキーな補強に終始した以上は、良い補強だったとは言い難くトンネルの入り口に立って出口を探すのは難しいようにも思えてきます。

 

以上、新型コロナウイルス蔓延に伴う社会情勢を差し引いて考えてみましたが…更にそれを加えると更に事態は深刻です。

上記でも書きましたが、新外国人選手のうちバードとネバラスカスは1月31日現在においてもキャンプインはおろか来日の目処すら立たず、1月に母国ドミニカで新型コロナウイルスに感染していたヘロニモ・フランスアもキャンプへの合流がいつになるか分からない状況。

結果としてまともにキャンプインから参加できるのがクロンとスコットのみですが、さすがに社会情勢に関してはもはや個々の選手は勿論、カープ球団の努力だけで何とかなる代物ではありません。

恐らくは昨年のフェニックスリーグなどでインパクトを残したドミニカ人、ロベルト・コルニエルを早々に支配下登録する事になりそうですが…これに関しては今となっては、何とか万全の状況でチームが開幕を迎える事を祈るしかありません。

「異例続きのシーズンの果てに」(カープ2020年回顧)

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新型コロナウイルス感染拡大により世界中のあらゆる競技がこれまで通りの開催が困難になってしまったこの1年。

プロ野球も例外ではなく無観客のオープン戦に始まり、2ヶ月に及んだ開幕の延期に日程の大幅変更とまさに異例尽くしのシーズンとなりました。

鳴り物応援もジェット風船はおろか、歓声すら消えた墓場のように静まり返った球場で選手がマスクをつけて沈黙するファンに囲まれてプレーするというまるで悪い夢のような光景も、もはや「新常識」の名の下に試合を重ねる毎に誰もが見慣れてしまって久しいです。

また、開幕までの空白期間で一旦チームを解散せざるを得なかった事や、開幕以降の前例のない超過密日程などで、選手の故障の続出やそれに伴い水準以上の選手層を確保できる資金力が豊富なチームがプロ野球でもJリーグにおいても上位を独占する結果になったのは予想通り。

とはいえ、個々の球団や選手のウイルス感染はあったものの、最悪の場合シーズン中止という結末もあり得た中で日本シリーズまで何とか終える事が出来たのは各球団の選手やスタッフの努力の賜物に他なりません。

心配された球場来場者のウイルス感染も統計上はさほどの数でもなく来季以降も続くであろう「ウイルスとの戦い」に一筋の希望が見えたのも確かです。

 

一方、そんな異例・異常なシーズンにおいて我らがカープはシーズン序盤から低迷を続けてシーズン最終盤におっとり刀で大型連勝をしたものの最終的には初のCS出場を決めた2013年以降では初となる5位転落という屈辱的な結果に終わりました。

個人記録で眺めれば昨年のドラフト1位の森下暢仁が新人としては54年ぶりとなる防御率1点台と二桁勝利という圧倒的な成績で新人王に輝いた他、鈴木誠也があの山本浩二ですら果たせなかった球団史上初の5年連続3割25本塁打を、菊池涼介二塁手としてはプロ野球史上初となる守備率10割達成など見どころはありましたが…肝心のチームは優勝争いにはおろか、例年のレギュレーションに照らし合わせればCS争いにすらかすりもしない惨憺たるシーズン。

昨年こそはAクラスすら最終戦で逃したとはいえ一昨年前まではリーグ3連覇の栄華を誇ったチームの転落劇は、かつて松田元オーナーが口にした「鉛色の時代」が到来を高らかに告げるものと言えるでしょう。

それどころか、このウイルス蔓延による入場者制限もありこれまで右肩上がりだった球団の収益も大幅に悪化し、リーグ3連覇の「我が世の春」から一転して2000年代前半の「球団存続の危機」に逆戻りになった感すらあります。

 

球団創設70周年という節目でカープは何故、再び長いトンネルの入り口に足を踏み入れてしまったのか?

勿論、ウイルス蔓延による大幅な日程の変更や、開幕から長期ロードを戦わざるを得なかったなどの事情は大きな理由ではあります。

しかし、本当にそれだけが理由でしょうか?

 

 

今季の低迷の最大の理由というより「戦犯」と言えるのはここ10年で最悪とも言えた投手陣である事に異論はないと思います。

昨年、二桁勝利を挙げた大瀬良大地は故障、クリス・ジョンソンも開幕7連敗のリーグ記録を更新と両輪が不振を極めた事や、テイラー・スコット、DJ・ジョンソンと新クローザー候補が軒並み期待はずれに終わったのが大きな要因であることもやはり同様です。

実際、数字を見ても防御率(4.06)、WHIP(1.40)、失点(529)は共に最下位だったスワローズに次ぐリーグワースト2位で、リリーフ陣の防御率(4.64)やホールドポイント数(56)に至ってはぶっちぎりで最下位と悲惨そのもの。

また、与四球(429)はこれまた最下位で今季はとにかくストライクゾーンで勝負できる投手がほとんど皆無だった事が分かります。

結局、先発陣は二桁勝利を挙げたのは新人王の森下のみで規定投球回数に到達できたのもやはり森下と九里亜蓮のみ。

クローザーに至ってはまったく固定できず、出てくる投手も尽く打たれるという状況でシーズン中盤から漸くヘロニモ・フランスアで固定する事になりましたが、彼も本来の適性はクローザーではないのは昨年の結果からも明らかな投手で妥協に妥協を重ねて取り繕うのが精一杯だったのが実際のところでしょう。

今季、その他リリーフ陣で現れた新星といえば塹江敦哉、ケムナ誠でしたが、防御率はいずれも4.17に3.88と水準以下のもので塹江に至ってはWHIPが「1.63」と勝ちパターンの投手とは思えない凄まじい数字で、その健闘ぶりは称賛に値します一方、年間単位で投げ抜く力があったとは思えません。

過密日程による故障者の続出や、助っ人外人が軒並み外れた事は勿論ですが、それに加えて3連覇の間で活躍した投手たちに続く投手たちの育成が上手くいっていなかったという現実も突きつけられた形です。

それは二軍も大型連敗を喫するなど一軍以上に悲惨な戦いを繰り広げていたことからも明らかです。

また、これだけ過密日程であるにも関わらず、やたらと先発を引っ張り続ける一方でリリーフでも同じ投手をシチュエーションに関係なく投入し続ける佐々岡真司監督の起用方法もファンの間では大きな批判を呼びました。

特にもはや勝負が決したシーズン終盤になっても、明らかに疲れ切っている塹江を起用し続ける一方で、二軍でセーブ王を獲得した田中法彦をベンチで半月近くも放置し続けた事実などを見ると、故障者の続出や助っ人外人の当たり外れに関係なくこのベンチでは投手陣の崩壊は避けられなかったとすら思えます。

また、投手の失点数をイニング毎に見ると6回(86失点)が圧倒的1位である事も先発投手の代え時の判断の遅さ、もしくは不適切さを印象づけています。

その点、こちらと同じ条件で、かつ突出した投手がさほどでもないにも関わらず持ち駒を駆使してブルペンを安定させチームを優勝に導いた原辰徳監督の手腕とは泥の差と言えるでしょう。

 

上記、問題しか見当たらない投手陣に比べると野手陣はどうでしょうか?

得点(523)、打率(.262)はリーグ2位で長打率(.402)、OPS(.732)はリーグ3位、出塁率(.331)はリーグ1位と下位に低迷したチームの割には良い数字が並びます。

また、得点圏打率(.265)も優勝した読売に次いで2位と決してチャンスに弱かった訳ではありません。

しかし、その割には鈴木誠也が素晴らしい成績を残したのに比して頼りなく感じたのと同様に打線全体も力強さに欠ける印象を個人的には今季は受けたのも確かです。

これはまったくの個人の印象の話だけかと思ったのですが調べてみますと投手の援護率(4.09)はリーグ4位であり上記の数字の割にはさほどでもありません。

また、得点の分布を見てももっとも得点を挙げているイニングが8回(79得点)に7回(75得点)と終盤が多い一方で相手チームが投手の替え時を考えるであろう6回(38得点)がさほどでもありません。

これを見ると先発をなかなか援護出来ず相手先発にQSを許す一方で終盤になって漸く反撃という図式が見えてきます。

上記の通り、今季は6イニング目での失点が目立ちリリーフ陣も軒並み低レベルでビハンドを維持出来ないケースが多いわけですから、数字のわりに「肝心な時に打てない」という印象が出てしまうのもやむを得ないかもしれません。

もっとも、こちらも助っ人外人はホセ・ピレラが平凡極まりない成績に終わるなど軒並みハズレだったのですから健闘はしたと言って良いでしょう。

しかし、守りの面では失策数(74)はリーグワースト2位を記録した一方で、四球数(386)もリーグ4位と出塁率の割にはさほどでもなく、攻守ともに堅実さや緻密さに欠けていた事は認めざるを得ないのもまた確かです。

 

以上のように主観と数字を交えて眺めて見ましたが、投手が壊滅した一方で打線も数字の割には印象が薄く攻守は勿論、ベンチワークでも全体的に「野球が雑になった」印象が強いように思えます。

勿論、コロナウイルス蔓延という未曾有の事態で資金力がさほどでも球団としてやむを得ない部分があります。

しかし、それ以前に優勝ペナントを奪還する力があったかと言えるとそれもまた疑問でしょう。

それに加えて佐々岡真司監督以下首脳陣の資質の低さもそれに拍車を掛けた印象です。

それらを考えるとかつての「定位置」である5位に逆戻りを果たしたこの失望しかないシーズンを受けて、来季以降も大変苦しい戦いを強いられるのは容易に想像できます。

大変残念ながら、シーズンの結果と内容という冷厳なる事実のうえではそうとしか言いようがありません。

 

しかし一方で、最大の賛辞を贈りたい事もあります。

それは各球団と比して移動が多いにも関わらずカープはシーズン中に一人の感染者も出さなかったという事。

他球団で感染者が出ている状況からも分かる通り正直、どれだけ対策を施しても蔓延を防ぎ難いこの恐るべき未知のウイルスの前にあっては、感染者が出てしまうのはやむを得ないと思っていただけにこれは驚異的な事です。

チーム全体としてはシーズンの結果は批判されるに値するものでしかないですが、この事実に関しては選手やスタッフの努力に敬意を表すると共に彼らを誇りにしたいと改めて思います。

 

 

データ参考サイト様

・データで楽しむプロ野球<https://baseballdata.jp/>

プロ野球データFreak<https://baseball-data.com/>

・-nf3- Baseball Data House<http://nf3.sakura.ne.jp/>

 

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「クリス・ジョンソンという時代を私達は生きた」(カープ2020)

気づいたら知らない間に日本シリーズが終わっていた11月26日。

この日付けで正式にカープ球団よりクリス・ジョンソンと来季契約を結ばないという発表がありました。

シーズン最終戦直後に意図的な(としか思えない)球団関係者の不自然なリークを「大本営」こと中国新聞が大々的に報じた影響もあり半ば退団は既成事実化していたとはいえ、改めて現実のものとなると寂しいもの。

とはいえ、最終年となった今季の成績は0勝7敗で、外国人投手としては開幕から7連敗はリーグワースト記録と共に日本ワースト記録にも並ぶという散々なもので年俸や年齢を考えても退団は妥当な判断であったのも確かです。

しかし、同時にクリス・ジョンソンがここまで私達カープファンと歩んでくれた道のりは大変誇らしいものであり、その栄誉がたかが1シーズン程度の低迷で曇るようなものではありません。

 

思い起こせば彼が来日した2015年。

「リーグ優勝」という言葉すらとうの昔に忘れていた当時の私達の前に姿を表した最初のマウンドは衝撃的でした。

この年、爆発的な破壊力でリーグを制覇したスワローズ打線相手に僅か1安打でしか走者を許さず、終わってみればプロ野球史上初の初登板で準完全試合での完封勝利。

あの試合から始まる彼の広島での物語の序章を球場で見ることが出来たのは私にとって生涯の誇りです。

その後も圧巻の投球を続けて最優秀防御率のタイトルを獲得し、前任者であるブライアン・バリントンを遥かに超える活躍を見せてくれました。

開幕前後は兎角、黒田博樹の電撃的な復帰ばかりが話題となったシーズンではありましたが、投球の内容と結果では明らかに彼が上回っていたと思えます。

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そして前田健太が抜けた2年目の2016年。

開幕投手も努めるなどシーズン前の下馬評は圧倒的に最下位という評価が多くを占めたチームの投手陣を牽引して四半世紀に及んだ敗北の歴史に終止符を打った偉業に大きく貢献してくれました。

あの年は、最終的にはシーズン終盤の快進撃であわやリーグ最速に迫るスピードでの優勝となったシーズンではありましたが、中盤までは先発ローテーションを組むのも難儀する状況で決して最初から順風満帆ではありませんでした。

そんな中で開幕投手からマウンドで黙々とクレバーにイニングを消化し続けるジョンソンの「木鶏」とも賞すべき不動の姿が同僚やファンに勇気を与え続けたこそ迎えた快挙と言えるでしょう。

当時の私も、ホークスファンの友人から「カープ今年は調子いいけど今のエースって誰?」と聞かれて迷わず黒田や野村祐輔には目もくれず「ジョンソン」と答えた記憶があります

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また、この年は個人でも最多勝こそ野村祐輔に譲ったものの、外国人投手としては故ジーン・バッキー以来52年ぶり史上2度目となる(外国人左腕としては初)の沢村賞に輝く栄誉にも輝きカープのみならず球史にも大きく名を刻む事にもなりました。

余談ですが、バッキーも日本での最終シーズンはジョンソンと同じく0勝7敗という記録で何となく奇縁を感じます。

 

その後の彼の残した偉業はもはやカープファンなら小学生から老人まで誰でも知っている事でしょう。

2017年シーズンこそはコンディション不良と故障により低迷したものの2018年は見事に復活して3連覇に大きく貢献し、2019年も安定した投球を見せて球団史上、自身とコルビー・ルイスの二人しか達成していない外国人投手の2年連続二桁勝利を2度記録。

積み上げた勝ち星は自身の背番号の前任者であるバリントンの「40」を大きく上回る「57」と圧倒的かつ不世出の記録となりました。

また、外国人投手としては球団史上初かつ球団25年ぶりの日本シリーズでの開幕投手も務めるなど、鈴木誠也新井貴浩らを筆頭に大舞台にめっぽう弱い選手が多かったチームにあって、ポストシーズンでの安定感も特筆すべきものである事も忘れがたいです。

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これらの投手としての偉大な記録や記憶だけでなくグランド内外でも一人のアスリートとしてその人格は大変尊敬に値するものでした。

来日初年度から夫人(当時は確か婚約者でした)と連れ立って、広島生まれの広島育ちである私ですら行かないような県内のスポットを巡り歩いて異郷の地に慣れ親しもうとする姿勢や、クールなグランドでの表情とは真逆で優勝記念の提灯行列に飛び入りで参加したり、うっかり外出中に台風に遭遇して広島港で立ち往生する姿が一般人としてニュース映像に写り込んだりするユーモアはブラッド・エルドレッドの「ママチャリ通勤」共々ファンに親しみを与え続けてくれた広島名物とも呼べるもの。

また、判定に露骨に不満を見せるマウンドでの態度は審判やファンに与える心証のうえでは決して特になるものではありませんでしたが、それも今思い返せばグランドでは自身は勿論、他者にも決して妥協しない彼の高いプロ意識の現れだったのかもしれません。

 

球団歌の4番に書かれた「優勝」という言葉がたんなるジョークでしかなかった2015年の来日初年度から誰もが気楽に「優勝」という言葉を使うのを躊躇う事がなくなった今日まで広島という異国の地を鼓舞し続け多くの喜びをもたらしてくれた彼と共に私達ファンが歩んだ歳月は「カープ3連覇の時代」である共に「クリス・ジョンソンの時代」と呼んでも過言ではないでしょう。

そして、そんな時代を多くのファンと共々生きて行けた事に感謝しかありません。

同時にこの悲しい別れを受けて来季以降の彼がどのような形で野球を続けるのかはまだわかりませんが、これまで以上の栄光が待ち受けている事を祈りたいとも思います。

 

記録を

栄光を

何より「時代」をありがとう。

偉大なる左腕、クリストファー・マイケル・ジョンソンよ。

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11/11(水)●「長い夜の始まり」(カープ2020)

広島東洋カープ2-3中日ドラゴンズ

24回戦(カープ13勝10敗1分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 柳6勝7敗

敗戦投手 九里8勝6敗

セーブ投手 藤嶋1勝1セーブ

 

本塁打

(C)-

(D)-

 

打点

(C)堂林②

(D)京田①桂②

 

投手

※数字は自責点

(C)九里③

(D)柳②-藤嶋

 

先発、九里は8安打を浴びながらも凌ぐ好投も9イニング目に崩れ3失点。

打線は8回まで散発3安打で3塁すら踏めない拙攻。

最終回に堂林が適時打も及ばず今季最終戦で惨敗し8年ぶりの5位が確定。

菊池涼介二塁手としてシーズン守備率10割のプロ野球記録を達成。

鈴木誠也は球団史上初の年間打率3割が確定。

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12球団で最後まで順位が確定していなかったカープでしたが、この最終戦で惨敗を喫した事により8年前で別れを告げた筈の「定位置」…即ち5位に戻る事となり2013年に初のプレーオフ出場を果たして以降、25年ぶりの優勝に球団史上初の3連覇と続いてきて栄光は幕を閉じ、私達のチームは再び長い夜を迎える事となりました。

 

球団史上初の5シーズン連続3割がかかった鈴木誠也と、二塁手として前人未到の守備率10割がかかった菊池涼介が揃って欠場と、ただでさえ弱いチームが格上相手に「手抜き」を演じた以上、敗北は明らかではありましたが…。

それでも、追いつかない程度の反撃しか出来ない打線に投手の代え時が無茶苦茶なベンチと今季のチームのダメさ加減を煮しめたようなクソッタレな試合になったのは何とも象徴的です。

先発の九里亜蓮は再三に渡ってピンチを招きながらも8回まで1失点に抑えてシーズン最後まで好調を維持し続けたのは本当に立派でしたし感動すらしました。

それだけにそんな彼を無意味に引っ張って試合を台無しにして僅かながらも残っていた4位の可能性を消した佐々岡真司監督以下のベンチの愚行は許しがたいものがあります。

私は佐々岡真司の監督就任直後からその指導者としての資質に疑問を呈し続けて来ましたが…それがこういう形で的中してしまったのは本当に残念です。

また、試合終了後のセレモニーで自身の挨拶もそこそこに今季限りで退団が決まっている小窪哲也を盾にして逃げるような無責任な姿は試合での無様な采配ぶり以上に人間的に許せません。

このようなシーズンの終わり方を見る限りだと、ただでさえコロナウイルス蔓延の影響で球団の経営が大きく揺らぐ事態になっていて満足な補強が困難となる事が予想される来季以降も、彼のような指導者の資質が感じられない人物がチームを率いるとなると低迷を止める事は不可能なように思えます。

そうである以上、この5位という成績を「長い夜の始まり」と見なすのは決して大げさな見方などではないでしょう。

上記の鈴木誠也や、菊池涼介の記録達成は素晴らしいものですが、それ以上にまったく未来への希望の感じられない結末になった以上、今夜ばかりは失望しかありません。

 

11/10(火)○「虚しさ募る試合と『元4番』」(カープ2020)

東京ヤクルトスワローズ3-7広島東洋カープ

24回戦(カープ14勝7敗3分)

明治神宮野球場

 

勝利投手 床田5勝8敗

敗戦投手 奥川1敗

セーブ投手 フランスア2勝3敗19セーブ

 

本塁打

(C)松山9号②

(S)廣岡8号①

 

打点

(C)松山④床田①鈴木誠①堂林①

(S)廣岡①青木①坂口①

 

投手

※数字は自責点

(C)床田①-中田-塹江-島内-フランスア

(S)奥川⑤-星②-長谷川-高梨-寺島

 

先発、床田は7回まで3安打無得点の投球も8回に崩れて降板。

打線は松山の4打点の活躍で序盤から7得点も中盤以降は好機を活かせず。

投手陣が終盤崩れるも序盤のリードを守って逃げ切り今季最後の関東での試合を勝利で終える。

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パ・リーグが一足先に全日程を終了していた事もあり一応、ベイスターズと並んでまだ順位が確定していないとはいえ大盛穂や、田中法彦などの注目の若手選手は軒並みフェニックスリーグに参加すべく既に1軍から離脱しており残ったのは一部を除けばくたびれた中堅選手ばかりという状況。

相手も相手で既に最下位が確定しているチームという事もあり、例え開催を打ち切ったとしても恐らく誰も気づかなかったのではとすら思えるぐらいに楽しみが少ない試合。

正直、そんな寒い中球場に足を運ぶ価値を見出すのが難しい状況で、数少ないフレッシュさを提供したのはドラフト1位ルーキーの奥川恭伸を先発に立てた相手チームでした。

大型新人のデビュー戦となると広島県のチームのくせに江戸っ子並みに初物に大変弱い事で知られるカープ打線ですから昨年のファイターズ戦での吉田輝星との対戦時のように逆に「プロの厳しさ」を教えられる結果になるのではおおいに危惧しましたが…。

結果は、1本塁打4打点を記録した松山竜平の活躍などでそうはなりませんでした。

とはいえ、19安打も放っておきながら7得点は効率が良いとは言い難いですし、5回以降は無得点。

結局、打率などの上辺だけの数字は良くとも肝心の得点は決められない今季を象徴するような結果になりました。

 

一方、これまた終盤に大量リードにも関わらず不安定さを露呈させた投手陣。

先発の床田寛樹は完封ペースで進んだ8イニング目は1死も取れずに降板と、昨年の自身の最終登板の再現を予感させるような結末にはなりましたが、素晴らしい投球を披露してくれましたので問題はむしろその後なのは明らかです。

床田は、今日こそは素晴らしい投球を見せてはいましたが、壊滅的な防御率やWHIPからも明らかな通り9回まで安定して投げられる保証がまったくないレベルの投手。

にも関わらず、ブルペンではほとんど誰も準備させず本来なら左腕を投入したい場面で偶然準備できていたのが中田廉のみというベンチのいい加減さには心底呆れました。

結局のところこのチームは、というよりこのベンチは一時が万事最初から最後までこういう事だったという事です。

一応今季最後のビジターでの試合で4位に望みをつなぐ結果にはなりましたが、攻守共に内容的には虚しい試合だったと言わざるを得ません。

 

ところで、スタメンに定着する以前の2015年以来およそ5シーズンぶりに1番に座った鈴木誠也は最初の3打席で3安打を放って打率が3割に到達したところで交代。

次戦は出場しない見込みだそうなので、これで球団初となる5シーズン連続での3割25本以上の成績を確定させる事となりましたが…そもそも主軸を打つ筈の選手が3割到達の為に1番を打つというのは正直、強烈な違和感があります。

確かに上記の記録は素晴らしい記録ではあるのですが、21歳にして日本人選手としては球団史上初の全試合4番出場を果たし最高出塁率のタイトルも確定させた村上宗隆に比べると見劣りがします。

勿論、鈴木誠也自体は素晴らしい選手ですし私達のチームにとっては唯一無二の存在である事は変わりありませんが…。

結局4番としての活躍がさほど見られなかった今季や、球団記録を達成したこの5年間で30本塁打以上は1度のみで100打点に至っては1度も到達していないという事実を見ると、他球団で若くして4番を勤め上げている上記の村上や読売の岡本和真などと比較して随分と小ぢんまりした凡庸な選手になってしまったように思えます。

何より打線中軸として走者を返す仕事から開放されて1番打者としてのびのびと打つ今日の彼の姿を見ると余計に記録を達成した喜び以上にやはり虚しさの方が募ります。