吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

2/25(日)●「金取るのが失礼な打線とローテーション左腕」(カープ2024)

北海道日本ハムファイターズ3×-2広島東洋カープ

オープン戦(1勝2敗)

ANA BALL PARK浦添

 

勝利投手 石川1勝

敗戦投手 大道1敗

 

本塁打

(C)-

(F)-

 

打点

(C)韮澤①中村奨①

(F)郡司①上川畑①石井①

 

投手

※数字は自責点

(C)玉村-森①-高-内間-大道②

(F)上原-山本拓②-根本-石川

 

先発玉村は3回を3被安打無四球無失点で抑え、2番手森も3回1失点。

打線は5回表に集中打で2点を先制も以降は繋がらず。

最終回に大道が逆転を許してサヨナラ負けでオープン戦2連敗。

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今日のスタメンを見て「天福球場での二軍の練習試合とメンバー表を間違えたのでは?」

主力メンバーは勿論、売り出し中の田村俊介の名前すらなく開幕スタメンはおろか1軍にいるのかすら怪しいメンバーが居並ぶスコアボードを見てそう思ったファンは私だけではなかったかと思います。

いくらオープン戦かつビジターでの試合とはいえ、どうやって得点をするのか分からないような面々で少なくない沖縄のファンに対して有料の興行を行うというのは正直、倫理的な面で問題を感じざるを得ません。

で、案の定そんな打線は単打を重ねて辛うじて得点できた5回表以外は全く見せ場がありませんでした。

まあ、今日のスタメンを務めたメンバーの中で一軍のベンチにいる選手はほとんど皆無でしょうからあまり気にする結果ではないとはいえ…何とも虚しさを感じます。

 

一方、相手のファイターズもファイターズで昨年は12球団最低のチーム打率と打線が奮わなかったチームとあって前回前々回と異なり全体的に慎ましい事この上ない退屈な試合と相成りました。

そういう試合ではあったのですが、先発を務めて3回を被安打3ながら無四球無失点で凌いだ玉村昇悟はローテーション争いで良いアピールが出来たかと思います。

また、3番手に登板して無失点で抑えた高太一も昨日の滝田一希共々、新人のオープン戦初戦としてはまずまずのスタートと言えそうです。

一方で先制した直後にあっさり失点を森翔平についてはやや不満が残りました。

というより、黒原拓未といいこの森といい、この程度の実績と実力の投手が毎年ローテーション争いに名を連ねていること自体に大変寂しさを感じてしまいます。

今季は大瀬良大地が故障の影響で出遅れたうえにドラフト1位の常廣羽也斗も恐らくは何らかの故障かコンデション不良で大幅に出遅れてただでさえローテーション候補自体が少ないという厳しい状況を垣間見せられたようで…。

 

また、最終回にあっさりサヨナラ負けを喫した大道貴温に関しては今の状況でどうこう言う段階ではありませんが、前回やはり2失点を喫した矢崎拓也と共に昨季の躍進の屋台骨を支えたブルペンを構成していただけにこれまた不安を感じてしまいます。

 

いよいよ春季キャンプも終了となるのですが…。

攻守全体で見るとやはり今のカープには圧倒的に選手層が低さが目立ちます。

結局、今年も現時点ではあまり若手に見るべきものがなかったという事なのでしょう。

 

02/24(土)●「今年もハズレの予感漂う」(カープ2024)

広島東洋カープ1-10読売ジャイアンツ

オープン戦(1勝1敗)

コザしんきんスタジアム

 

勝利投手 菅野1勝

敗戦投手 ハッチ1敗

 

本塁打

(C)-

(G)-

 

打点

(C)堂林①

(G)佐々木③松原②泉口①門脇①荻尾①

 

投手

※数字は自責点

(C)ハッチ-斉藤⑥-森浦-矢崎-島内-滝田

(G)菅野-グリフィン-畠①-堀田-泉-馬場-船迫-田中

 

先発ハッチは失策絡みで2回2失点で2番手斉藤は3回表に打者一巡の猛攻で6失点。

打線は散発5安打で堂林の犠飛による1得点に留まる。

守備でも3失策と攻守ともに奮わない内容で惨敗。

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昨日は、打っては田村俊介の3安打2打点をはじめとする打線の爆発と益田武尚、黒原拓未などの投手陣が無失点の好投を見せた事で近年でも珍しい大勝でのスタートとなったオープン戦でしたが、2戦目…しかも唯一のキャンプ地沖縄市での試合は逆に散々な内容と結果になりました。

投手はいずれも先発ローテーションを期待されているトーマス・ハッチと斉藤優汰がいずれも打ち込まれたのを始め10失点を喫し、打線は昨日とは打って変わって相手投手陣に見せ場が一切なく1得点のみ。

おまけに失策が3つと、この半月ほどこの地で一体このチームは何をしていたのかと言えるほどの酷さです。

まあ、打線に関しては元々、チームを去った西川龍馬の穴が埋まらない事が確定している程度の層の薄さですし、話題の田村にしろ、その他の若手にしろ、たいして育っていない状況なので昨日今日のように打ったり打てなかったりが極端な結果になるのは想像に難くはありませんでした。

結局のところ、今季も打線に安定的な得点を望むのは無理という事でしょう。

 

また、今日は散々な内容と結果になった斉藤については単なる実力不足を露呈しただけでまだまだ彼は一軍で試合に出して良いレベルではないという事でしょう。

高卒2年目なのでまだものにならないのはある程度仕方ない事ですが…ドラフト1位が未だにこの位置に過ぎないというのは何ともロマンのない寂しい事です。

 

一方、トーマス・ハッチについては味方の失策絡みでの失点で自責点はつきませんでしたが、それ以前に初回からいきなり打たれ過ぎです。

「打たせて取る」というスタイルという事でしょうが、現状では単にボールに球威がないだけにしか見えません。

昨シーズンオフに助っ人外国人が全員放出と期待外れに終わるなど近年のカープの駐米スカウト陣の手腕はもはや地に堕ちて久しいですが…。

今日のハッチの投球と言い、オープン戦が始まって未だにまともな結果が残せておらず明らかに日本の投手に対応できていないジェイク・シャイナーの低調さを見るについけて「今年もまたハズレか…」という予感がオープン戦2戦で早くも漂いつつあるように思えてなりません。

 

2/23(金)○「いきなり意外な爆発」(カープ2024)

中日ドラゴンズ0-10広島東洋カープ

オープン戦(1勝)

北谷公園野球場

 

勝利投手 益田1勝

敗戦投手 高橋宏1敗

 

本塁打

(C)中村健1号①

(D)-

 

打点

(C)田村②小園③坂倉②中村健①林①二俣①

(D)-

 

投手

※数字は自責点

(C)益田-黒原-栗林-塹江-河野

(D)高橋宏②-土生②-砂田①-橋本①-フェリス②-梅野②-勝野-松山

 

先発益田は与四球2も3回を無安打で抑え、黒原も3回被安打2で無失点。

打線は初回に田村の適時打で先制すると、以降は中村健人本塁打などで追加点。

14安打10得点の猛攻を見せて今季オープン戦初戦で勝利を飾る。

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同じ広島を本拠地とするサンフレッチェ広島が新スタジアムで快勝を遂げてその歴史を変えていた頃…。

それに釣られた訳ではないでしょうが、同時刻に今季初のオープン戦に望んだカープも大勝という意外な形での勝利を収める事となりました。

カープといえば昨年リーグ2位に終わったとはいえ主力であった西川龍馬がFAでチームから去る一方でほとんど補強が皆無で基本的なチーム力はむしろ大きく下落した印象。

おまけに長打力を期待されていた末包昇大は故障で大幅に出遅れただけでなく新外国人のマット・レイノルズも左肩の違和感で練習試合を欠場とキャンプでも練習試合でもとにかく打線にパッとした話題がありません。

上記のレイノルズの欠場に伴ってベテランの田中広輔をオープン戦初戦からスタメンサードで起用せざるを得ない時点でその惨状は分かるというものです。

しかし、そんな打線が初回から2得点を挙げて以降、長短打を交えて10得点となったのですから何とも驚きです。

その大量得点の1点目をもたらしたばかりか、2打点猛打賞と大活躍を見せたのが田村俊介でした。

田村と言えばプロ入りしてたった10試合しか1軍に出場しているだけの選手であるにも関わらず、西川の後継者の筆頭扱いであると共に何故か日本代表に選ばれるなどチーム内外でやたらと過大な期待を寄せられている選手なのですが…とりあえずはその期待に負けないような順調にここまでは推移してはいます。

今日の1打席目もフォームの改造に苦慮している状況とは言え遥かに格上の投手である高橋宏斗相手に決定的な当たりを打てたのは自信につながった事でしょう。

また、その田村と同様に日本代表に選ばれた小園海斗と坂倉将吾も合計で5打点とこれまた初戦から良い活躍を見せてくれました。

また、末包が出遅れた影響もあって外野で抜擢された右打者も中村健人と久保修がそれぞれ長打を放ってアピールに成功しました。

特に宮崎敏郎の下手なモノマネのような珍妙な打撃フォームを披露した中村の本塁打は大変印象的ではあります。

一方で、新外国人のジェイク・シャイナーはチーム全体でこれだけ打ちまくったにも関わらず自身は全くのノーインパクトに終わったのが気になるところ。

元々、メジャーリーグを凌ぐほどの投手を多く要する日本球界において今更外国人野手に多くを求めるのは時代遅れの発想ではあるのですが、まともに野手を補強していないカープのようなチームではそうも言えません。

西川の穴が埋まる気配がないばかりか故障者が続出してむしろ穴だらけチームにおいてはこれだけアピールしてくれる選手がいるのは良い事ですが…やはり小粒感は否ません。

このペースで開幕までアピールし続ける選手がどれだけいるのか楽しみではある一方で不安の方がやはり大きいです。

「新たな時代」へ(エディオンピースウイング広島開場に寄せて)

かつて第一次世界大戦において似島に収容されたドイツ人捕虜が広島の若者たちにサッカーを伝え、それが戦前から戦後にかけての静岡や埼玉と並ぶ我が国のサッカー史における広島の輝かしい歴史につながりました。

それから110年ほど…。

市の中心部にこれほどのスタジアムを作るに至ったというのは大変感慨深いものです。

ここに至るまでの道のりはまさに苦難と呼ぶべきものでした。

幾度かの休止を経て2003年にプロジェクトが発足してから20年近く。

広島市民球場が移転してからを考えても実に15年以上。

節操も信念もない広島市の対応に振り回されながら少しずつ前進して街中でのサッカー専用スタジアム開場という悲願が遂に今日実現しました。

この間Jリーグ優勝3回、リーグカップ優勝1回、クラブワールドカップ3位とサンフレッチェ広島は苦しい財政事情をものともせず数々の栄光を掴み、近年も2年連続リーグ3位にACL出場確定と「あと必要なのは実力に相応しい器だけ」という事実を見せつけ続けてくれていました。

それだけに今日のJリーグにおけるエディオンピースウイング広島における開幕戦開催は本当に喜ばしい事です。

相対するのは広島や静岡と並んで日本のサッカー史における「サッカー県」として名を馳せた埼玉県のチームかつ最も人気のあるチームである浦和レッズ

共にJリーグ発足当時から存在するオリジナル10同士でもあり、良き対戦相手です。

 

とはいえ多少なりとも不安もありました。

というのも前の本拠地である広島ビッグアーチはその絶望的な利便性の悪さから観客が満員はおろか2万人を超える事すら極めて希なスタジアム。

それが、今日は2万7000人超えの満員札止めで観客の声援も近い環境。

魅力的なプレッシングサッカーを志向するミヒャエル・スキッペ監督により熟成されたスタイルを持つチームとはいえこれだけ試合環境が変化すれば難しい事になるのではないかと…。

しかし、昨年上位争いを繰り広げたレッズ相手に躍動し、見事な勝利を掴んだ選手たちを見るとそんな事は杞憂となりました。

新加入での開幕スタメンとなった大橋祐紀によって待望のスタジアム公式戦初得点がもたらされると以降も積極的なプレスで試合を優位に進めての初勝利。

試合中に鳴り響く「広島ナイト」のチャントも感動的でPCの画面越しに涙が溢れる思いでした。

 

かつてこのスタジアムの近くを本拠地としていた広島カープは年間動員100万人を切り人気実力ともに厳しい状況でしたが新スタジアム移転でもたらされた収益好転を足掛かりにリーグ3連覇を果たし、コロナ禍を挟んだ今でもチケット入手が困難な人気チームとなりました。

一方、山奥の不便なスタジアムで優れたユース育成力で元々実力はありながら財政的に恵まれなかったサンフレッチェ広島

今日、この実力に相応しい器を得てこの先どれだけ栄冠を掴めるか楽しみです。

 

 

「奇跡の後のマイナス」(カープ2023-2024)

昨シーズンは圧倒的に最下位の予想を受けながら5年ぶりのAクラスと18年ぶりのシーズン2位と望外ともいえる結果を残したカープも今週から春季キャンプに入り2024年シーズンの第一歩を踏み出しました。

当初から乏しい戦力に加えてオープン戦最下位に開幕4連敗と最悪のスタートを切ったうえに故障者も続出するという事態に見舞われたにも関わらず好成績を残せた要因の一つが新任監督としては近年最高の結果を残した新井貴浩監督の手腕によるところは大きいでしょう。

前任監督が3年かけても成し得なかったブルペンの整理に成功したほか、四番に上本崇司や菊池涼介を据えるという奇策、何より一流とは言い難い選手が多数のチームにあって「モチベーションと言う名のドーピング」を絶えず注入し続けたモチベーターとしての能力は特筆に値するかと思えます。

上記のように奇跡とも呼べる快進撃でリーグ3連覇以来の好成績を挙げた事もあり、チームや監督に対するファンの期待は昨年以上に大きくなっている事でしょう。

しかし、今季のカープの戦力を眺めると果たしてその期待に応えて昨年以上の結果を出す事は可能か疑問ではあります。

何故ならシーズン終了からここまでの状況を見ると戦力はアップしているどころかマイナスからのスタートと呼べざるをえないのですから。

 

2023-2024 カープ

 

☆←IN(新加入)

・投手

17常廣羽也斗

22高太一△

30滝田一稀△

35赤塚健利

42トーマス・ハッチ

67内田拓馬

68テイラー・ハーン△

70日高暖己

・野手

10マット・レイノルズ

58仲田侑仁

95ジェイムス・シャイナー

 

・育成契約

120杉田健

124佐藤啓介△

128杉原望来△

 

★OUT→(退団)

・投手

17岡田明丈※

23薮田和樹

30一岡竜司

42ドリュー・アンダーソン

58藤井黎來※

67中村祐太

68ニック・ターリー△

・野手

5西川龍馬△

10ライアン・マクブルーム

35三好匠

95マット・デビットソン

・育成選手

120行木俊

123木下元秀△

128中村来生

 

※は育成で再契約

△は左投もしくは左打

 

改めてオフシーズンでの動きを見ると、かなり大掛かりな選手の出入りがあったのが分かります。

特に投手陣は岡田明丈、薮田和樹、一岡竜司、中村祐太とリーグ3連覇に貢献した選手たちの退団が目立ち、あの栄光も過去の遺物となりつつある事を実感させられます(岡田は育成で再契約)。

また、微妙な成績の選手揃いだった助っ人外国人についてもロベルト・コルニエル以外全員退団となかなか思い切った判断を下したように見えます。

リリーフとしてまずまずの成績を残したニック・ターリーとチーム最多の19本塁打を放ったマット・デビットソンの退団についてはファンの間でも賛否があるかと思いますが、いずれもチームの中核と呼べるほどの能力があるとは言い難く、全く日本の野球に通用しなかったドリュー・アンダーソン、ライアン・マクブルーム共々再契約しなかったのは妥当な判断だったかと思います。

一方、ドラフト含めて新加入選手での即戦力と目されるのは投手が目立ちます。

競合の末に指名権を獲得した新井監督がドラフト会議を途中で抜け出して青山学院大学に直接出向くというパフォーマンスを見せた常廣羽也斗を始め、高太一、滝田一稀とドラフト上位指名いずれも昨年の大学野球選手権で活躍した即戦力タイプの投手揃い。

また、中村祐太を放出して現役ドラフトで楽天ゴールデンイーグルスから獲得したしたのもこれまた投手の内田拓馬でした。

助っ人外国人についても内野を複数守れて広角に打つタイプのマット・レイノルズと長打力が魅力のジェイムス・シャイナー、右の先発候補のトーマス・ハッチと左のテイラー・ハッチと退団した選手とほぼタイプが被る選手の補強…というより補充に終始。

昨シーズン、貧打に喘いだ打線というチームの弱点よりも投手陣というストロングポイントをとにかく強化するという意図事態は悪いことではないのですが…とにかくあからさま過ぎてバランスの悪さが目立ちます。

この辺りは同じく貧打に昨シーズンは苦しんだ事から中田翔を始め実績のある打者を多く獲得した中日ドラゴンズとは正反対の動きと言えます。

たしかに、弱点を無理やり克服する為の即戦力獲得というのはFAで相手チーム主力を引き抜くという「悪の帝国仕草」なんてこのチームには望むべくもないですし、ストロングポイントを強化する方が合理的かもしれません。

しかし、それは弱点である打線の戦力が現状維持であった場合でしょう。

言うまでもなく、今季のオフシーズン内の退団選手でもっとも影響の大きかった選手と言えばやはりFA宣言で西川龍馬がオリックスバファローズへの移籍です。

体格的に恵まれている訳でもなく故障がちかつ攻守ともに気まぐれなプレーも目立ちチームを引っ張ったとは言い難い良くも悪くも天才肌な選手でしたが…これだけ低レベルな打者が並ぶ選手にあってはやはり代えの利かない存在であった事は言うまでもありません。

勿論、彼の人的保障で獲得した日高暖己自体はプロ入り2年目と若く将来背豊かな投手で、一時噂されたT・岡田や福田秀平といった選手たちに比べると獲得はずっと魅力的な判断です。

しかし、ただでさえ坂倉将吾始め若い主軸候補の育成に失敗し、12球団でも随一の貧弱さを露呈した打線でこれだけ大きな穴を放置して新シーズンに望む形になったのは、やはり狂気の沙汰としか思えません。

 

以上、補強という観点だけでオフシーズンの動きを眺めてきましたが…。

はっきり言って、現状を見る限りだと昨季以上の成績を残すと予想するのは困難です。

むしろ昨季は最下位ながらしっかりと自チームの弱点を補ったドラゴンズと、あえて目を瞑ったカープで、今季は順位が逆になっても何らおかしくはありません。

何よりこれだけ基本的な戦力が整っていない以上は、いくら新井監督が素晴らしいカリスマで選手のモチベーションを上げたとしても限界があるというものです。

 

まあ、今週から始まった春季キャンプでそれを覆す新たな力の出現を祈るしかありませんが…どうなるでしょうか?

蘇った歓呼の中で(カープ2023回想)

コロナ禍により、およそ3シーズンに渡って続いた応援の制限が遂に解除されて鳴り物応援が戻って来た2023年シーズンは阪神タイガースが38年ぶりの日本一を飾ると言う形で幕を閉じました。

これにより12球団では唯一平成以降で日本一の経験が無い「昭和に取り残された球団」となってしまったカープですが、順位は5年ぶりのAクラスかつ最終戦までもつれこんだものの18年ぶりの2位。

この結果はあまりにも低かった下馬評を覆す結果を残す事であり私を含めて多くのファンに驚きをもたらしました。

更に驚きなのは選手個々の成績を見ると突出した選手が少なくタイトル獲得者も球団史上初の最優秀中継ぎ賞に輝いた島内颯太郎とキャリア初のベストナインとなった西川龍馬のみという事。

特に打撃成績に関しては酷く本塁打に至ってはあまりの確実性の低さから今季限りでの退団が決まっているマット・デビットソンの19本塁打を除くと、主要な成績はタイトルを獲得したとはいえ故障がちで辛うじて規定打席をクリアできたに過ぎず、決して高い数字を残したとは言い難い西川が独占という低調さ。

これに加えてチームを率いたのが指導者経験皆無であった新井貴浩監督でしたから、この結果はまさに奇跡としか言いようがありません。

リーグ3連覇から一転して4年連続Bクラスと低迷期に入ったチームがいかにしてこのような奇跡を起こす事が出来たのか?

正直、例年以上にかなり難しい事になりそうですが、改めて考えてみたいと思います。

 

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2023年カープ チーム成績

74勝65敗4分(2位)

得点493(5位)

失点 508(5位)

打率 .246(4位)

本塁打 96本(4位)

出塁率 .304(5位)

長打率 .357(4位)

盗塁 78(2位)

犠打 96(4位)

先発防御率 3.20(5位)

リリーフ防御率 3.14(3位)

与四球 400(4位)

WHIP 1.24(5位)

失策 82(5位)

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改めて今季のカープの数字を並べ見ましたが、比較的充実していたと思われていた投手成績も含めていずれもリーグ内で3位以上の成績がほとんど皆無でなんとリーグ2位となった盗塁数と3位であったリリーフ防御率のみ。

更にリーグ1位に至ってはどの部門でも0という結果で正直、どう見てもリーグ2位どころかAクラスに終わったチームのそれではなく頭を抱えてしまいました。

 

今季のチームを引っ張ったのは間違いなく投手陣だったのですが数字を見てみると突出しているものは限定的だったように見えます。

まず先発陣ですがローテションでは5番手以降の投手が最後まで固定しきれなかったばかりかシーズン終了後に手術する事となった大瀬良大地の不振もあり、最終的にまともに機能していたのは床田寛樹、森下暢仁、九里亜蓮のみ。

うち二桁勝利を挙げられたのは床田のみでその床田にしてもプロ入り初の10勝目を8月半ばに挙げて以降はたったの1勝と息切れは隠せませんでした。

また、新たな若手の台頭もなく辛うじて結果らしきものを見せたのは4勝を挙げた森翔平ぐらいですが、その森にしても投球内容は低調そのものでさほど将来性を感じさせるものではありませんでした。

上記の通り大瀬良は手術による影響があるうえに元々衰えを隠し切れない状態という事も考えると来季以降のローテションの構築は大変厳しくなりそうです。

 

一方で、投手出身の前任監督が何一つ整備できなかったリリーフ陣に関しては近年稀に見る充実ぶりであったと思います。

ルーキーイヤーから2年連続30セーブ以上を記録していた栗林良吏が前半戦は故障と不振に陥りましたが、その穴を矢崎拓也が埋めたうえに上記の通り島内が球団史上初の最優秀中継ぎ投手賞を飾る活躍を見せましたし、ニック・ターリーはちゃっかりチーム4位の7勝を挙げました。

また、これに大道温貴がシーズン後半から活躍を見せるなど新たな戦力の台頭もありました。

まあ、そのリリーフ陣にしても夏場以降は疲労の為か、島内、矢崎がいずれも精彩を欠く場面が増えましたし、そもそも島内の62試合登板は明らかな投げさせ過ぎで来季が心配になります。

 

2000本安打を達した強打者が監督に就任したにも関わらず開幕2試合連続で完封負けを喫するなど当初から低調で投手陣の足をひっぱり続けたのが打線。

本塁打と盗塁以外の成績でチーム1位だったのはいずれも故障がちで離脱した期間も多く平凡な数字が並ぶ西川という事からも分かる通り、本当に今季は悲惨そのものでした。

昨年途中から加入して今季はシーズンフルでの活躍が期待された秋山翔吾もシーズン中盤以降は完全に低迷し、2年目だったライアン・マクブルームは完全な期待外れでした。

また、チーム最多の本塁打を放ったマット・デビットソンも結局のところは「たまに本塁打を打つかもしれない守備固めの選手」に過ぎずマクブルームと揃って退団となったのは残念ながら当然の結果だと思えます。

何より、坂倉将吾のポジションを今季から捕手に固定したのは完全な失敗でした。

元々、純粋に捕手としての能力は凡庸であるに過ぎない彼のポジションを固定した事で起用の幅が狭まり肝心の打撃でも低迷を招いてしまった事実は重たいと言えるでしょう。

一応、シーズン終盤に小園海斗に末包昇大と伸び悩んでいた中堅どころがある程度の活躍を見せてチームを引っ張ってはくれましたが、それ以外に若手で出て来た選手はやはり皆無で将来性という点でも大変疑問を感じます。

 

また、打撃以外の野手の働きに関してはどうだったかと考えるとこれまた低調な打撃を補えたと言えるものはありません。

盗塁数については上記の通りリーグ2位の数字で「機動力野球復活」というお得意の代名詞が中国新聞辺りで上がりそうですが、盗塁数1位だったのがほぼ代走選任だった羽月隆太郎だった事からも分かる通り、低すぎる出塁率長打率にあってはほとんど意味をなしたとは思えません。

また、守備に関しても失策数はリーグワースト2位で開幕3戦目の野間峻祥による「清水建設事件」を代表するようなとんでもない失策もところどころ見られました。

更にここまで10年連続ゴールデングラブ賞という驚異的な記録を残した菊池涼介が遂にその連続受賞記録が止まってしまうという出来事もあり、決して守備力に関しても突出したものはありませんでした。

 

と、数字に加えて個々のセクションの印象も重ねて見ましたが改めて何故このチームが2位になれたのかが分からなくなってきました。

そうなると、就任1年目で74勝を挙げたうえで2位という球団史上でも最高の成績を収める事となった新井監督の手腕によるものは大きかったという事でしょう…と言いたいのですがこれまた「何が良かったのか?」というと少々困ってしまいます。

上記の通り、長らく再建できていなかったリリーフ陣を立て直したという点は分かりやすい功績ではありますが、それ以外の部分ではチーム全体で残した数字はさほど高くないばかりか若手の起用がそれほど多い訳でもなく、どちらかと言えばベテランを重用する傾向が目立ったように思えます。

また、プロ入り10年で本塁打を3本しか放っていない上本崇司を4番に据えたり、夏場に疲労が目立った島内、矢崎に代わってドリュー・アンダーソンと中崎翔太を起用するなどファンを驚かせる起用を見せたものの、それについても一時しのぎ的なものに過ぎません。

とはいえ、これだけ能力的に劣る選手や低迷している選手が大半のチームを率いて2位という結果をもたらす事が出来たという事は、結局のところ選手のモチベーションを引き出す事が非常に上手かったという事かと思います。

だからこそ、シーズン全体で見ればたいした数字では無かったもののスポット的に活躍する選手がところどころで出て来たという事なのでしょう。

何ともふんわりした話ではあるのですが私としてはそれぐらいしか今季の躍進の要因を考えるしかないのです。

まあ、説明できなから奇跡という事で…。

 

それにしても、順位のうえでは望外の好成績を残せたものの選手個々を見れば内情はボロボロで、若手の台頭もほとんどなかった事を考えると来季以降は希望よりも不安の方が勝ります。

これに加えて既に打撃成績のほとんどでチーム1位を独占していた西川がFAによりオリックスバファローズへ移籍が決定し選手層はますます先細りましたし、大瀬良や秋山も手術に踏み切り来季以降は不透明とあって暗澹たる思いすらします。

 

まあ、今から来季の事を心配しても仕方ないので残り少ない今年は改めて新人監督が成し遂げたこの素晴らしい結果を噛みしめた方が良いのかもしれません。

コロナ禍により向こう数年復活はないと考えていたスクワット応援ジェット風船も戻って来て、シーズン中盤以降にはもはや制限など単なる悪い夢でしかなかった事が分かった今季の喜びと共に。

栄光と苦難の30年に(エディオンスタジアム広島 最終戦によせて)

今季限りで広島市内中心部のエディオンピースウィング広島への移転が決まっているサンフレッチェ広島が昨日、エディオンスタジアムでの最後の公式戦開催を行いました。

対戦相手は期せずしてサンフレッチェと同じくJリーグ初年度から在籍する「オリジナル10」の1チームであるガンバ大阪

また、これまた偶然にも現状では最後に開催されている2015年Jリーグチャンピオンシップの対戦カードでもありました。

試合は、前半早々に満田誠のゴールで先制すると、以降も圧倒的なポゼッションで最後まで試合の流れを明け渡さず、中野就斗のJ1でのプロ初ゴール含めて3-0の快勝。

試合終盤には今季限りでの現役引退を決めていた名GKである林卓人を始め、柴崎晃誠柏好文といったこのスタジアムで長らく活躍し続けたベテラン達をピッチに送り込む事すら出来ました。

試合終了後の林による感動的なスピーチを含めた引退セレモニーもあり、見込まれていた3万人には僅かに届きませんでしたが2万9000人越えを動員してまさに有終の美を飾れたと言えるでしょう。

このエディオンスタジアム…ここでは昔から個人的には馴染み深いネーミングライツ導入前の「広島ビッグーアーチ」と呼びましょう…の思い出を振り返ると正直な話、かつての旧広島市民球場ほどの濃密なものはサンフレッチェ広島のサポーターの片隅にいる立場として恥ずかしながらさほど多くありません。

というより、1994年のアジア大会の際に招待で足を運んだ小学生の時以来、このビッグアーチにはあまり良い思い出というのがほとんど浮かばないというのが実情です。

以降、成人するまで片手で数えるほどしか足を運んでいないのですが、とにかく覚えている事は観客が少ない事と、山奥で行きも帰りも大変であった事ぐらいの事…ついでに言えば私が行く試合で勝ち試合は全くなかった事ぐらいでしょうか?

未成年の時に最後に見たのは中学生の時でしたが、この時のチームは存続が危ぶまれるほど極端な財政難でチームが低迷していたせいか、ガラガラのスタンドで試合後に翻る「ビッグオーレ」にかえってもの悲しさを感じたのを覚えています。

まあ、あの当時は同じ広島に本拠地を置くカープ旧広島市民球場末期で年間動員が12球団でブービーという今では考えられないほどの不入りが続いていて、これまた球団存続の危機に晒されていた時期ではあるのでしたが…。

 

もっとも、私の個人的な思い出を持ち出さずともこの広島ビッグアーチサンフレッチェ広島の30年を振り返ると「苦難の歴史」という言葉が大部分を占めていたように思えます。

1990年代に建築されたスタジアムではあるものの当初から広島市の見込みの甘さから来る利便性の悪さによる動員の伸び悩みと財政難による設備の陳腐化は目を覆うばかりで、はっきり言わせて貰えれば「バブル期に調子に乗った地方都市が作った負の遺産の典型例」というイメージが大きかったです。

その最たる例が2002年の日韓ワールドカップの際は開場から10年程度かつ中四国最大級の動員が可能なスタジアムであったにも関わらず規定を満たせず、それを広島市が拒否した為、開催地から外されたという出来事。

あの時、テレビカメラの前で落選を伝える電話に対して当時の広島市長だった平岡敬が逆切れ気味で受け応えした無様な姿は広島市の歴史に残る恥として今でも心に残っています。

今季は最終年という事で春と夏に2度ほど広島ビッグアーチには観戦に訪れましたが、2万人に満たない試合であるにも関わらず、駐車場はなかなか予約が取れずいずれもキャンセル待ちで辛うじて確保出来ただけでなく場所も遠く帰りはかなり大変でした。

昨日の試合に関しても多くのサポーターが訪れはしてくれましたが、果たして私の生まれ故郷である広島市安芸区に住んでいる人があの場所から試合終了後に公共交通機関を使って帰宅したとしたら一体何時にたどり着けたのだろうかと返って心配になってしまったほどです。

こういう事情もあって移転前最終戦としてのセレモニーに関しても別れを惜しむというより来季以降の新たなスタジアムを心待ちにするという気持ちの方が選手もサポーターの大半も多数を占めていたのではないかと思います。

 

さて。

ここまで移転するスタジアムに対して後ろ足で砂をかけるような事をうっかり書いてしまいましたが…勿論このビッグアーチにも「栄光の歴史」はあります。

特に2012年のサンフレッチェ広島のJ1初優勝を決めた試合は関東からテレビで見ていましたが、常に閑散としているイメージがあったビッグアーチがほぼ満席になった姿には長らく低迷が続いたサンフレッチェ広島の初タイトル獲得と共に感激した事を覚えています。

また、上記の通り、ワールドカップ開催については残念な結果となりましたが、日本代表が初優勝した1992年のアジアカップ開催や、首都以外では初開催となる1994年の広島アジア大会開催は間違いなく歴史に残る快挙として地域の誇りとして語り継ぐべきものです。

個人的には長らくホーム現地観戦で勝てない状態が続いていた事についても今年夏の川崎フロンターレ戦でマルコス・ジュニオールの素晴らしいゴラッソと後半ATラストワンプレーでのチャンスを決めた満田誠の勝ち越しゴールなどで勝利を得る事が出来た喜びは忘れがたい思い出です。

何よりセレモニー最後に歌われた「イージュー☆ライダー」と林卓人のチャントがリフレインで響き渡る姿は感動的で私も画面越しに口ずさみながら涙が溢れるのを止められませんでした。

この美しい歌声が来年開場するエディオンピースウィング広島で引き続き響き渡る事を心待ちにしたいと思います。

また、サンフレッチェ広島は移転するものの引き続き広島ビッグアーチ中四国で最大級のスタジアムである事に変わりはありません。

これから先の見込みがどうなるかは分かりませんが引き続き地域のスポーツ振興の拠点の一つとして機能し続けてくれる事を期待したいものです。