吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

08/13(金) ○「これが最後ではないように…」(カープ2021)

阪神タイガース3-9広島東洋カープ

11回戦(カープ5勝6敗)

京セラドーム大阪

 

勝利投手 大瀬良4勝3敗セーブ

敗戦投手 西勇4勝7敗セーブ

 

本塁打

(C)野間2号①

(T)大山11号①

 

打点

(C)小園①坂倉①松山②野間②菊池涼①鈴木誠

(T)大山①佐藤②

 

投手

※数字は自責点

(C)大瀬良①-島内-フランスア②-ケムナ

(T)西⑤-岩貞-エドワーズ-齋藤③

 

先発大瀬良は4回までパーフェクト投球を見せ中盤も要所を抑えて7回1失点。

打線は初回に小園の適時3塁打をきっかけに4失点を先制。

中盤以降も野間の2打点の活躍もあり9得点を挙げて突き放し後半戦初戦を制して5連勝。

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まさかの4連勝で幕を閉じた前半戦からオールスター戦を挟んで1ヶ月もリーグが中断するという異例の事態。

あれから球界も世間も色々な出来事がありました。

下位チームであるにも関わらずカープからは実に4人もの選手が「出征」したオリンピックの野球競技では金メダルを獲得し世間の耳目を集めた一方で、新型コロナウイルスの感染爆発とそれに伴う医療崩壊により後半戦での観客制限解除は絶望的な状況となりました。

それどころか緊急事態宣言地域の拡大により、無観客開催に加えて場合によってはシーズン打ち切りの懸念すら現実味を帯びてきたようにすら見えます。

前半戦では我が国プロスポーツ界で最悪の集団感染が発生したカープは勿論、各球団はより苦しい状況に追い詰められつつあると言えるでしょう。

改めて愛する球団が存続の危機に陥っているこの状況で私含めてファンも何とか球団を存続させるために何ができるかに頭を悩ませなければならない事になりそうです。

 

また、そのような社会的状況に加えて純粋に戦力面から見ても苦しい戦いは予想されました。

まず、オールスター戦、オリンピックと連続して出場した森下暢仁と栗林良吏は明らかに他の投手に比べて投げすぎですし、菊池涼介鈴木誠也もシーズン前半戦同様に打席で七転八倒しているうちにいつの間にか金メダルを獲得していたも同然だった事からも分かる通りコンディションに不安を抱えている状況です。

また、オリンピック期間中に並行して実施されたエキシビションマッチでは中堅・ベテランばかりが目立ち攻守において新たな発見は特に見られませんでした。

特に最大の課題だった先発ローテーション6人目に至っては悲惨極まりない二軍の状況から見て当然と言えば当然でしょうが、誰一人候補になりそうな人材は皆無でただただガッカリさせられるばかり。

正直、あの内容で後半戦に期待を持てというのはいささか無理があるというものでしょう。

 

そんな様々な苦しい状況で始まった後半戦初戦でしたが…。

意外にもシーズン前半ではほとんど見られなかった理想的な展開に持ち込めました。

初回にカープの選手もファンも名前も聞くのも嫌なほどに苦手としている西勇輝相手に小園海斗の適時打を皮切りに打線が繋がり一挙4得点を先制したうえにエキシビションマッチでは微妙極まりない投球を見せて心配された大瀬良大地も4回までパーフェクトに抑えた矢先に大山悠輔から浴びた本塁打以外に失点を許さない好投。

全体的な試合展開自体も難敵相手にその立ち上がりを上手く攻めて先制して中盤以降も中押しダメ押しと効果的に試合を有利に進める理想的なものでした。

個々の選手を見てもエキシビションマッチ期間全体を通してはコンディション調整に苦しんだように見える小園、坂倉将吾、林晃汰はいずれも初回から得点に絡みましたし、「目立っていた中堅・ベテラン」の代表格であり野間峻祥も勢いを持続させるかのように攻守で活躍を見せて菊池涼介鈴木誠也も釣られて打点を記録。

リリーフ陣も栗林を始めとする勝ちパターン投手を温存したにも関わらず、最終回にまったくストライクが入らずあっという間に2点を失ったヘロニモ・フランスア以外は落ち着いた投球を見せてくれました。

こういう攻守が噛み合った理想的な展開はこのチームでは大変珍しい事ですから、それが後半戦初戦で見られたのは喜び以上に驚きすら感じます。

願わくばこういう試合がこれで最後にならないように祈りたいものです。

 

もっとも、上記に挙げたような新たな発見がない一方で主軸のコンディション維持に不安があるという状況が目立ってくるのは来週中盤以降からかと思いますが…。

07/14(水)○「自分の未来の為に」(カープ2021)

広島東洋カープ2-0中日ドラゴンズ

14回戦(カープ8勝4敗2分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 森下6勝4敗

敗戦投手 柳7勝5敗

セーブ投手 栗林1敗18セーブ

 

本塁打

(C)小園1号①

(D)-

 

打点

(C)小園①林①

(D)-

 

投手

※数字は自責点

(C)森下-栗林

(D)柳①-又吉①

 

先発、森下は序盤のピンチを切り抜けると以降は安定して8回無失点の好投。

打線は3回まで無安打で小園の本塁打で先制も以降も繋がらず2得点。

森下と栗林の新旧ドラフト1位右腕が完封リレーを見せて完封勝利で今季初の4連勝。

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シーズン前半戦も今日で終了し、オリンピック開催の影響でオールスター戦を挟んで1ヶ月近い長い中断期間に入るプロ野球

その前半戦はここ10年で最悪とも呼べる低調な結果に終わったカープはその最終カードでまさかのスイープに今季初の4連勝を飾る事となりました。

正直、こんな弱いチーム相手に3タテを喫するプロ野球チームがこの地球上に存在する事が驚きですが…まあ、それでも負け越しは12を数えてどう考えても浮上の見込みなどない状況には変わりありません。

しかし、この冴えないチームのシーズン後半戦も何とかファンが観戦に希望が持てるような試合を見せてはくれました。

勿論、その希望とは「チームが何とか立ち直って上位に食い込む」などという事ではなく、「次の監督の代で主軸となり得る選手の台頭が楽しみ」という面で…。

 

投手陣はこれからオールスターにオリンピックの皆勤を余儀なくされる森下暢仁と栗林良吏の新旧ドラ1右腕が、「出征前」の登板でいずれも素晴らしい結果を残してくれました。

特に試合は作っているものの立ち上がりが不安定だった森下は今日も2回表に1死2塁3塁のピンチを作りましたが、そこを切り抜けると以降は安定して8回投げて3安打無失点の好投で今季好調かつ大学の先輩である好投手・柳裕也に投げ勝った形。

例年より長い期間を戦うシーズンに加えて他の選手が調整している時期も、何のために試合をするのか意義が全く分からないコンペティションでも投げないといけないのは本当に大変な事。

二人には何とか切り抜けて後半戦も素晴らしい投球を見せてくれる事を願うのみです。

 

3回終わって無失点と森下を凌ぐ好投を柳に見せつけられていた打線は、前半戦のハイライトのように若い打者たちが今日も躍動しました。

この試合初の安打を自身2年ぶりとなる本塁打という形で放った小園海斗と8回裏に貴重な追加点となる適時打を放った林晃汰は当初は若手の起用を頑なに拒むベンチがチーム事情から仕方なく起用したレベルの選手に過ぎなかったのですが…いずれも今やチームの主力級と呼ぶ事に異論はないでしょう。

昨日、活躍した坂倉将吾と共に彼らの活躍が、シーズン当初は明らかにやる気のないプレーに終始した挙句、コロナ禍で完全に調子を落としていた鈴木誠也を今月に入って蘇らせた要因とすら思えますし、この冴えないシーズンを送る弱いチームの試合をファンがそれなりに残っていた最大の要因なのは間違いありません。

後半戦も彼らにはこの調子での活躍を期待したいものです。

 

勿論、監督やチームなどの為ではなく、まずは自分の未来の為に。

 

なぜなら、中途半端に勝たれて間抜け首脳陣の擁護の材料になるのは私も含めて多くのファンは全く望んでいないので…。

07/13(火) ○「垣間見せた最低限のみどころ」(カープ2021)

広島東洋カープ8-3中日ドラゴンズ

13回戦(カープ7勝4敗2分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 九里7勝5敗

敗戦投手 福谷4勝9敗

 

本塁打

(C)坂倉4号③

(D)阿部5号①堂上3号②

 

打点

(C)小園①坂倉④菊池涼①磯村①松山①

(D)阿部①堂上②

 

投手

※数字は自責点

(C)九里③-森浦-島内

(D)福谷④-橋本③-藤嶋-田島①-佐藤

 

先発、九里は本塁打2本含む6安打を浴びるも7回まで3失点で投げ抜く。

打線は3回裏に坂倉の本塁打で勝ち越すと15安打を重ねて8得点。

序盤から好守で試合を有利に進める展開で2ヶ月ぶりの3連勝。

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既に事実上シーズンが終了したも同然だったチームがここに来てもはや今季は見られないであろう理想通りの試合展開を見せる事が出来ました。

打線は、昨年までは大の苦手だった福谷浩司相手に序盤から4得点を奪うとその後も毎回かつ先発野手全員となる15安打で先制、中押し、ダメ押しの猛攻。

特に坂倉将吾は、勝ち越しの3ランを含めて2安打4打点と試合を決定づける活躍。

そればかりか一塁の守備でも初回にあわや長打という京田陽太の当たりを好捕を見せて先制の失点を防ぐ活躍も見せました。

一塁の守備については「ボール飛んでくるな」と以前にヒーローインタビューで語っていた本人としては不本意でしょうが、投手のリードに追われて打者としては仕事を果たせなかった昨日に比べると坂倉は一塁で起用した方がよりチームにとっては有益なように思えます。

そもそも、このチームには本職の一塁手が存在しないというのもありますし…。

同じく打率3割以上を維持して前半戦を終える事が確実になった小園海斗、林晃汰と共にファンにとって、こんなシーズンを過ごすチームの中で最大の楽しみであり続けてくれる事を願いたいものです。

 

一方、先発の九里亜蓮は序盤が不安定で7回も明らかにバテてしまったものの、昨日の大瀬良大地同様に粘りの投球を見せてくれました。

これで3試合連続となり、QS以上で試合を作り続けておりコロナウイルス陽性判定から復帰後一時低迷してから何とか立て直して前半戦を終え、再び悲願の二桁勝利に向かって前進を再開した形です。

九里に関しては一時、キャリアハイは確実と思われた充実のシーズンが暗転するという不幸に見舞われた姿を見ていただけに本当に一ファンとしても嬉しい事です。

 

理想的な展開の試合を見せられたうえにチームはなんと2ヶ月半ぶりの3連勝。

もっとも、これだけ負けまくっている以上はそれが今更何になるのかいうのはもっともな意見でしょうし、これ以上順位が上がる事はまずありえない現実に変わりはありません。

しかし、上記のように考えてみると、個人の記録や若手の活躍などに関してはまだまだ試合の観戦には耐えられる程度の最低限のみどころはまだ残ってはいるという事なのでしょう。

07/12(月)○「雨上がりを迎えたのは…」(カープ2021)

広島東洋カープ6-2中日ドラゴンズ

12回戦(カープ6勝4敗2分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 大瀬良3勝3敗

敗戦投手 大野3勝7敗

 

本塁打

(C)-

(D)-

 

打点

(C)鈴木誠③松山①菊池涼①

(D)根尾①阿部①

 

投手

※数字は自責点

(C)大瀬良②-コルニエル-栗林

(D)大野④-ロドリゲス①-田島-橋本-佐藤

 

先発、大瀬良は初回に失点し、7安打を浴びるも粘りの投球で7回2失点。

打線は初回に鈴木誠の適時打で逆転に成功すると一挙4得点し6回裏にも2得点。

終盤もコルニエルと栗林が無得点に抑えてカード初戦を制し2連勝。

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試合開始直前にゲリラ豪雨に見舞われて中止を余儀なくされた昨日の神宮球場から地元に戻っての前半戦最後のカード。

今日も今日で昼過ぎから広島市内では一部道路が冠水するようなゲリラ豪雨に見舞われたものの、今度は何とか試合を開催する事は出来ました。

 

先発を務めた大瀬良大地と大野雄大はいずれも主要タイトル獲得の経験もあるチームを代表する投手でありながら今季はゲリラ豪雨どころか慢性的に雨に打たれているかのような低調さを見せてはいましたが…。

いきなり大きく試合が動いた初回の攻防はそんな二人を象徴するかのような展開でした。

大瀬良は先頭打者の京田陽太にいきなり3塁打を浴びると39試合に渡り打点を記録してない根尾昴からあっさり先制点を奪われる酷い立ち上がり。

その後も毎回のように安打を浴びて5回表には根尾の折れたバットがあわや直撃かというヒヤリとする場面もありました。

それでも何とか6回裏はしっかり抑えて2試合連続でQSも達成はしましたが、鈴木誠也が試合後のヒーローインタビューで「勝てずにガリガリになっていった」と比喩したのが適切な表現と思えるぐらい、いつ崩れても不思議ではない不安定さ。

それだけに6回終わって球数は100球近くに達していた大瀬良を、その裏の追加点を挙げる好機でも打席に立たせたうえになお続投させたベンチの判断は誤りとしか思えませんでした。

その後は、幸運にも大瀬良は自身が打った内野ゴロが相手のエラーを誘って追加点を手にしたばかりでなく、7回表も無死1塁2塁のピンチで驚異的な粘りを見せてはくれましたが…それは単なる結果論というものでしょう。

とにかく、大瀬良が調子の悪い中でも今日は最後まで意地を見せてくれた事に限るという事です。

 

一方、先制された直後の初回に3連打で得た無死満塁の好機で鈴木誠也の走者一掃となる二塁打もあり一挙4得点で試合をひっくり返した打線ですが、その後は得点の予感がほとんどしない拙攻。

正直、初回の好機を活かせなかったら恐らく大野にQS以上を余裕で許していた事でしょう。

5番に座った坂倉将吾が大瀬良のケアに追われた影響がモロに出て打席では完全にブレーキとなっていましたが、5回6回での稚拙な走塁も目立ちました。

結果的には珍しく…というか今季初めて攻守の主軸の活躍が噛み合い大瀬良も長いトネルを抜けて実に3ヶ月ぶりの白星を手にした試合ではありました。

しかしその攻守両方において、試合の始まりから終わりまで腰が引けて動きが少ないわりにいざ動いたら混乱しか巻き起こさないベンチワークの貧弱さは覆い隠しようがないようにも見えます。

この点に関しては大瀬良とは異なり今日の球場のような「雨上がり」を迎えた事にはなりそうにはありません。

07/11(土)○「全てを振り切った投げっぷり」(カープ2021)

 

東京ヤクルトスワローズ0-5広島東洋カープ

12回戦(カープ2勝8敗2分)

明治神宮野球場

 

勝利投手 大道4勝2敗

敗戦投手 原1敗

 

本塁打

(C)坂倉3号①

(S)-

 

打点

(C)石原②坂倉①野間①西川①

(S)-

 

投手

※数字は自責点

(C)大道-バード-コルニエル-森浦

(S)原②-大下-石山-吉田大①-大西②

 

先発、大道は7回終わって準パーフェクトの好投で8回0/3 無失点。

打線は2回裏に石原の適時打で先制以降拙攻も終盤に追加点を上げる。

8回無死満塁でバードとコルニエルが好リリーフを見せて完封勝利。

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昨日の試合では終盤逆転したにも関わらず9回裏に逆転サヨナラ負けという結末を迎えてチームのムードは最悪と言って良かったでしょう。

それだけに今日の大道貴温の投球は無失点という好投に加えてその投げっぷりの良さで沈滞ムードを見事に振り払ってくれました。

チーム事情から先発に転向して以降ここまでQSは一度もない状況ではっきり言って微妙極まりない投手。

昨日、多くの賛否両論を呼んだ栗林良吏やロベルト・コルニエルの温存は、大道が長いイニングを持ちこたえられない事も考慮されていたと思われました。

しかし、今日は僅か2点のみの援護にも関わらず7回終わってなんと準完全試合の好投。

さすがに8回には2本目の安打と三好匠のまさかのエラーは立て直せず無死満塁としてカイル・バードとロベルト・コルニエルの助力を乞う事にはなりましたがファンからの万雷の拍手でベンチに迎え入れられた通りその力投は称賛に値するでしょう。

 

一方、コンディション不良により菊池涼介を欠いた打線は2回裏に石原貴規の適時打で先制以降は、終盤まで得点の気配が漂わない拙攻。

4回途中で相手先発の原樹里が危険球退場し、6回には無死満塁の好機でもまさかの無得点で試合の主導権を相手に明け渡したかとも思われました。

各打者の勝負弱さは勿論ですが、先制している状況にも関わらずとにかく動きのない無人の如きベンチのやる気のなさには呆れるばかりです。

あの場面は、直前に安打を放っていたとはいえプロ入り以降で打点を上げた事がほとんどない上本崇司に代打を起用するべきでしたし大道に打順が回る可能性も考慮するべきなのに誰もブルペンで用意すらなし…。

連日、山本浩二高木豊といった解説者たちからエンドランは勿論、盗塁のそぶりすらなく相手投手に全くプレッシャーをかけないのは完全にベンチの指導力の無さでしょう。

むしろ、今日に関しては大道、バード、コルニエルなどの個々の活躍がベンチの職務放棄に等しい怠慢を助けたと言えます。

しかし、だからと言ってそれを覆い隠す事は許されません。

07/09(金) ●「予測可能回避不可能」(カープ2021)

東京ヤクルトスワローズ4×-3広島東洋カープ

11回戦(カープ1勝8敗2分)

明治神宮野球場

 

勝利投手 吉田大喜1勝

敗戦投手 フランスア1勝2敗

 

本塁打

(C)鈴木誠14号①15号②

(S)オスナ7号①

 

打点

(C)鈴木誠也

(S)オスナ①塩見①川端①内川①

 

投手

※数字は自責点

(C)玉村②-島内-フランスア

(S)高橋①-坂本-星②-吉田大喜

 

先発、玉村は要所を抑えて7回2失点の好投。

打線は鈴木誠也本塁打2本の活躍も繋がらず3得点に留まる。

1点差の最終回にフランスアが崩れ逆転サヨナラ負けでカード初戦を落とす。

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最後の最後で残念な結果にはなりましたが、まずは先発して格上チーム相手に7回2安打と好投を見せた玉村昇悟は称賛されるべきでしょう。

これで前回に続いてHQSという大瀬良大地や九里亜蓮を凌ぐ素晴らしい活躍。

今日も活躍が報われず、勝ち星が僅か2勝というのは大変残念かつ歯がゆいものですが…この活躍が安定すればそれも付いてくると信じるしかありません。

もっともそれは、これまで救世主と崇め奉られた末に消えていったこの「左腕不毛の土地」で生まれ育った投手たちがこれまで歩んだ宿命とまったく同じですけれども…。

 

9回裏1点差からの逆転サヨナラ負けという結果がある以上は様々な異論や批判はあるでしょうが…。

9連戦の真ん中である事に加えて移動日なしで広島から東京へ移動する過密日程を考えれば栗林良吏とロベルト・コルニエルの3連投を避けるのは賢明…というより当然の措置でしょう。

しかし、その為にリスク覚悟で、投球スタイルが単調で安定感の欠片もない島内颯太郎と、最終回に登板させれば並以下の投手であることは広島では幼稚園児でも知っているヘロニモ・フランスアを1点差の終盤に投入したのなら6回終わった時点で既に100球を超えていた玉村を打順が回ってきても代打も出さずに続投させたのは解せません。

相変わらず、このチームの監督は今季のレギュレーションに延長戦がない事を知らないとしか思えないです。

また、あれだけ周りにコーチやスタッフがいて何故誰もその事をあの「間抜け」に教えないのか理解に苦しみます。

 

一方で、連投の影響で勝ちパターン投手を使えなかったのは向こうも同じ事で、1点リードの8回でベンチ外だった清水昇の代役に星知弥を投入したのはこちらと同じく冒険ではありましたが…。

それで結果がこうなってしまった以上は、結局のところ両チームの単純な戦力差という事かと思えます。

 

そう考えると鈴木誠也が2本塁打3打点と「まるで四番打者」のような活躍を珍しく見せた一方で序盤たった1得点しか出来なかった時点でこの結果は約束されていたとも言えるでしょう。

力投を見せた玉村やこんな天気の中で駆け付けたファンには申し訳ありませんが、「予測は十分可能だが事態の回避は不可能」だったという事です。

07/08(木) ○「失われし二つ名」(カープ2021)

広島東洋カープ5-3横浜DeNAベイスターズ

14回戦(カープ7勝5敗2分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 フランスア1勝1敗

敗戦投手 エスコバー2勝1敗セーブ

セーブ投手 栗林1敗17セーブ

 

本塁打

(C)林4号②長野2号②

(De)桑原8号③

 

打点

(C)林②坂倉①長野②

(De)桑原③

 

投手

※数字は自責点

(C)高橋昴③-ケムナ-コルニエル-フランスア-栗林

(De)上茶谷③-シャッケルフォード-砂田-三上-エスコバー

 

先発、高橋昴也は先制3ラン含む8安打を浴びて4回3失点で降板。

打線は先制直後に林の2ランなどで同点に追いつくも終盤まで好機を活かせず。

リリーフ陣が無失点で抑えて迎えた8回裏に長野が勝ち越し2ランを放ち逆転勝利。

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西日本一帯に続く豪雨の影響で広島市内や周辺自治体では未明から冠水が多く発生し、避難指示も出されたという状況で開催された今日の試合。

「逆転のカープ」と言えば、もはや遠い昔に使い古され死語と化した言葉でしたが…。

しかし、今日は珍しくその「失われし二つ名」を試合後に口ずさんだファンも多少はいた事でしょう。

 

先発の高橋昴也は序盤から滅多打ちにあって4回まで3失点で抑えられたのが奇跡としか言いようがない酷い内容。

ここ最近は低調な投球続きでもはや一軍で投げられる状態ではないこういう投手を無理やり先発マウンドに投入せざるえない辺りにぶっちぎりで最下位独走中の弱小チームの悲哀を感じてしまいます。

またしても試合は作れなかったばかりか、途中でトレーナーを呼び寄せるなど何らかのアクシデントも発生。

高橋昴也と言えば飛躍が期待された投手でしたが…これだけ勢いに乗れないままに大崩れしてしまった以上、残念ながら当分は一軍のマウンドで活躍するのは難しいように思えます。

 

一方で打線は、一時停滞気味だった林晃汰が2ランで沈滞ムードだったチームに息を吹き返させました。

同点になった後は再三の勝ち越しの好機で凡退という場面もありましたが、試合の流れからすればあの一発だけでも林は十分に活躍を見せてくれたと言えるでしょう。

むしろ、問題なのは本来この林の活躍で波に乗らなければならない中堅以上の選手が全く好機で仕事をしない事の方が問題だったかと思います。

同点に追いついて以降6回裏を除いて全てのイニングで得点圏に走者を出しながら、得点に至ったのは8回裏2死に漸く出た長野久義の自身のキャリア10年ぶりの代打勝ち越し弾となる本塁打のみ…。

相手チームもそうですが逆転の喜びと共にチーム全体の勝負弱さが悪目立ちしています。

 

先発が試合を作れずマウンドを降りて、打線もなかなか得点が出来ない展開の試合となると大事なのは同点もしくはビハンドをしっかり維持できるリリーフ陣でしょう。

そう考えると今日、5回6回の2イニングを無失点で抑えてドミニカンコンビにしっかりリレーを繋げたケムナ誠の投球は、勝利の立役者と呼んでいい素晴らしいものでした。

このチームの逆転の少なさは打線が勝負弱いというのもありましたが、それ以上にビハンドをしっかりと安定して維持できるミドルリリーフが不在というのも大きかったかと思いますので、この役目にケムナのような投手が定着して欲しいところです。

まあ、こんな事を書くと次の試合ではあっさり打たれてしまいそうなのもまた彼なのですが…。