吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

7/28(日)○「光る大胆さと積極性」(カープ2019)

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東京ヤクルトスワローズ5-12広島東洋カープ

17回戦(カープ9勝8敗)

明治神宮野球場

 

勝利投手 九里5勝5敗

敗戦投手 高梨4勝7敗

 

本塁打

(C)小園2号②

(S)青木13号①

 

打点

(C)西川④會澤③小園②菊池①安部①

(S)バレンティン①青木①山田哲①荒木②

 

投手

※数字は失点

(C)九里②-レグナルト③-菊池保

(S)高梨③-大下②-蔵本⑦-五十嵐-梅野

 

先発九里は先制を許すも要所を抑えて7回2失点の好投で試合を作る。

打線は押し出しとワイルドピッチで逆転すると以降は長短打を集めて12得点。

先発野手全員安打と打線が繋がり大勝で9連勝を飾る。

小園は球団史上52年ぶり3人目となる高卒新人での2本目の本塁打を記録。

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前回、素晴らしい投球を見せた九里亜蓮が苦しい立ち上がりで失点すると、打線も序盤からの好機を活かし切ることが出来ない展開。

相手バッテリーのミスという形で逆転する事はできましたが正直、嫌な予感しかしませんでしたが…。

それを振り払ったのは會澤翼の適時2塁打と小園海斗の2ランでした。

特に小園の本塁打は金曜日の試合に続いて大量得点の嚆矢となった点でも大きな価値を持ちますし、何より高卒新人が複数本塁打を放つのは球団史上でも1967年の三村敏之以来52年ぶり3人目という快挙という点でも驚異的でした。

おまけに猛打賞も達成というおまけつき。

確かにドラフトでも複数球団競合と将来を嘱望された逸材ではありましたが、1年目で多くを期待するのは酷というもの…と未だに私は思っていたのですが、これほどのものを間近で見せられるとさすがに考え直さざるを得ないかもしれません。

6月は完全に雰囲気に呑まれておっかなびっくりだった守備も、大胆さが出てきてこれまた素晴らしいプレーを連発。

さすがに得点圏などでの振る舞いなどでは経験不足は出てくるでしょうが、これだけの才能が恐れず積極的に躍動している成果を見ると今はそんな事まで気にする必要はないでしょう。

 

この小園もそうですが、今日4打点の西川龍馬も比較的自由に打てる現在の打順で良い結果を出してくれている事からも分かるとおり、優勝という目標がもはや現実的ではない現状ではこういう開き直りが功を奏している形。

今はこういう大胆さとある種の大雑把さが必要という事なのでしょう。

 

一方で大雑把ではダメなのがベンチの起用。

中盤で疲れが見えていた九里亜蓮を下げたのは賢明でしたが、来日初打席に立たせてまでカイル・レグナルトを2イニングに渡ってマウンドに上げたのはさすがに失敗でした。

あの場面は普通に菊池保則や中村恭平を出すべきだったかと思えるぐらいに仮に抑えても何の意味も成果もない登板だったかと思います。

まあ、最後の最後でミソはつきましたが、全体的には素晴らしい花火大会ではあったので、今日のところはさほど気にしなくても良いかもしれませんが…。

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7/28(金)○「もう一つの輝き」(カープ2019)

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東京ヤクルトスワローズ2-3広島東洋カープ

16回戦(カープ8勝8敗)

明治神宮野球場

 

勝利投手 床田6勝5敗

敗戦投手 小川3勝9敗

セーブ投手 フランスア6勝3敗

 

本塁打

(C)西川8号①鈴木22号①バティスタ24号①

(S)-

 

打点

(C)西川①鈴木①バティスタ

(S)村上②

 

投手

※数字は失点

(C)床田②-遠藤-今村-フランスア

(S)小川③-近藤-梅野

 

床田は序盤に失点するも6回2失点で、以降はリリーフ陣が無失点に抑える。

打線は初回に西川、鈴木の本塁打で先制も以降は繋がりを欠き3得点。

バティスタ本塁打による僅差のリードを守りきり8連勝でカード勝ち越しを決める。

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気づけば、なんとここ2ヶ月に渡って白星から遠ざかっている床田寛樹。

監督も語っている通り、本来ならとっくに勝利数が2ケタに行っていて然るべき投手なのですがこのような状態に陥っている理由を考えれば誰もが同じ事実を挙げるでしょう。

すなわち「打線の援護がなくリリーフに勝ちを消される」。

 

西川龍馬の誰もが驚く初球先頭打者本塁打で先制点は取れたものの、残念ながら昨日一昨日と2ケタ得点を挙げた打線は、今日もさほど大きな援護をこの不運な左腕に与える事ができませんでした。

一方で、床田も先制点を貰った直後に1死満塁というピンチを招いて失点するなど、決して良いとは言い難い内容の投球に終始。

同点に追いつかれた後はしっかりと抑えて試合を作る事は出来ましたが、これまでの不幸な経験から考えると白星をまたしても逃す事は確実だったかと思えます。

降板直前にサビエル・バティスタの一発で勝ち越した時にはホッとする心持ちだった事でしょう。

 

しかし、今日の決して万全とは言い難かった床田を救ったのはどちらかと言えば救援陣だったでしょう。

特に今村猛の不調もあり8回2死2塁から登板し完璧なリリーフを見せたヘロニモ・フランスアは幾度も自身の失投で床田の勝ち星を消してきた過去があるだけにやっと雪辱を果たした形です。

しかし、リリーフ陣で一番注目すべきはそれよりも床田降板後の大事な場面で登板した遠藤淳志でしょう。

床田や小園海斗などオープン戦から注目されていた選手たちと異なり、シーズン途中の6月にリリーフの駒不足もあって急遽1軍へ上がった決して注目されていたとは言い難かった投手。

高卒ながらガッチリした体格の小園と異なり、まだまだ細身の頼りない外見も相まって何試合か投げてまた2軍へ戻るのは既定路線だったかと思えます。

しかし、結果的にミドルリリーフとして素晴らしい活躍を見せた後、今では立派なセットアッパーとして昨日のような僅差の場面でも起用される立場までのし上がるという素晴らしい活躍。

昨日も、強打者山田哲人から奪った見逃し三振などは本当に素晴らしいボールであの試合一番のハイライトだったかと思えます。

昨日の小園フィーバー冷めやらぬカープですが、彼以外にもこの遠藤のように輝きを放つ若い力が存在する事は本当に素晴らしい事です。

 

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7/26(金)○「原石の輝きに当てられて」(カープ2019)

東京ヤクルトスワローズ3-12広島東洋カープ

15回戦(カープ7勝8敗)

明治神宮野球場

 

勝利投手大瀬良7 勝6敗

敗戦投手 高橋2勝4敗

 

本塁打

(C)三好2号①小園1号③野間2号②

(S)バレンティン21号②

 

打点

(C)三好①鈴木②松山①小園④高橋大①西川①野間②

(S)バレンティン②山田哲①

 

投手

※数字は失点

(C)大瀬良②-遠藤①-今村-菊池保

(S)高橋⑥-大下-五十嵐-久保②-蔵本④

 

先発、大瀬良は6回2失点で試合を作りリリーフ陣も遠藤の1失点に抑える。

打線は三好の本塁打で先制すると小園の4安打4打点の活躍などで連夜の2ケタ得点。

先制中押しダメ押しと打線が機能して7連勝を飾る。

小園が高卒新人として球団史上39年ぶりのプロ初本塁打と球団史上初の4安打を記録。

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ここ1ヶ月は低調な投球が続いていた大瀬良大地が苦しみながらも6回2失点で試合を作る一方で、三好匠が2試合連続で先制の本塁打を放ち打線も序盤からまとまった援護点の獲得に成功と2試合連続で文句を見つけるのが難しい試合となりました。

こういう試合ですから良い働きを見せた選手を挙げればきりがありませんが、今日ばかりは誰を話題にするべきかは誰でも意見が一致すると思えます。

その選手の名前は勿論、小園海斗。

3回に球団史上、長島清幸以来となる39年ぶりの高卒新人でのプロ初本塁打

更に、球団史上初かつ清原和博松井秀喜以来となるプロ野球史上26年ぶり3人目の1試合4安打を達成。

極めつけは最終打席の長打が3塁打になっていれば史上初かつ史上最年少のサイクル安打達成になっていたという事実。

あまりにも記録づくめで当事者である本人もどれぐらいの記録を破り近づいたか未だに覚えきれないのではないかと思えるぐらいです。

私達カープファンにとって高卒1年目から活躍した選手の代名詞と言えば前田智徳ですが、1試合だけに限れば小園はそれを超えてしまったとも言えそうです。

6月交流戦さなかのプロ初先発時はいきなり初安打で低調だったチームの勝利に貢献したものの、その後は消極的な姿勢がエラー連発に繋がり、メンタル面では一軍は時期尚早だったと思われていただけにこの活躍は意外ですし大きな驚きでもあります。

11連敗を喫して事実上優勝争いから脱落した事と、田中広輔が極度の不振から未だに脱せないばかりかみるみる状況が悲惨になっていくという前回一軍時に比べると起用しやすい環境がかえって功を奏したのか好守でのびのびとプレー出来ているようです。

一度球場で彼の姿を見たファンはわかるかと思いますが、高卒新人とは思えないぐらいにプロ野球選手らしい立派な体格など元々、身体能力では凄まじいものを持っていた選手でしたが、メンタル面の問題が解消された途端にこれとは…まさに規格外の原石と呼べるでしょう。

この原石の輝きが伸び悩む若手中堅にも届いたのか、高橋大樹、坂倉将吾、曽根海成の安打や打点を挙げ、極めつけは不審から今季は完全に守備走塁要員に戻った「平手打ちの男」ことあの野間峻祥ですら本塁打…。

好走守に加え、伸び悩む若手中堅に大きな刺激と示唆を与えたという点でも今日の小園の活躍がいかに凄まじいかが分かるかと思います。

正直、この高卒野手ながら複数球団が争った逸材を軽んじていたふしがある私のような性格の悪い人間でもさすがに今日ばかりはその威光には平伏するしかありません。

7/25(木)○「幸運な戦犯」(カープ2019)

広島東洋カープ11-4中日ドラゴンズ

17回戦(カープ11勝7敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 野村4勝3敗

敗戦投手 ロメロ6勝7敗

 

本塁打

(C)三好1号②菊池6号①鈴木21号②

(D)ビシエド11号①阿部3号①

 

打点

(C)三好③西川①菊池①バティスタ①坂倉②田中①

(D)ビシエド②阿部①

 

投手

※数字は失点

(C)野村-遠藤-今村-レグナルト

(D)ロメロ⑤-三ツ間①-谷元-鈴木

 

先発、野村は中盤にエラー絡みで失点も要所を締めて6回3失点。

打線は、2回に三好の本塁打で先制すると以降も本塁打攻勢で2ヶ月ぶりの2ケタ得点。

好守が噛み合う快勝で2カード連続スイープの6連勝で勝率を5割に戻す。

三好が移籍後初本塁打、遠藤がプロ入り初ホールド、野村が通算1000投球回を達成。

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ここまで先発が試合を作れない、もしくは打線が中盤までほとんど得点出来ないという不利な状況を覆す試合のみで5連勝という何だかよく分からない試合を続けていたカープですが今日は当たり障りのない快勝…。

すなわち、2ヶ月ぶりの野村祐輔は味方のエラーで足を引っ張られながらも6回3失点の「定時退社」に成功し、打線は三好匠の意外過ぎる一発などで難敵エニー・ロメロを5回途中でノックアウトしその後もここまで期待はずれでしかない存在だった坂倉将吾や果てはあの田中広輔ですら打点を挙げて2ヶ月ぶりの2ケタ得点。

正直、勢いと図々しさしか見えない今のカープだと勝率5割に復帰する前にどこかで失速するのは確実と思っていたので大変困惑してしまいます。

 

6月の交流戦開幕からオールスター戦まで負けに負けまくっていたカープ

「戦犯」という言葉はその語感の重たさのわりには幼稚さと軽率さしか感じられない用法が目立つ為、あまり使いたくはないのですが…強いて先発投手でこの期間でその言葉が当てはまる投手は間違いなく野村祐輔でした。

従って、昨日のジョンソンやその他の大瀬良大地や床田寛樹ほどは味方のエラーで失点してもさほど同情する気持ちはおきません。

むしろ、あれだけ貧打のチームがこれだけの援護を貰えた事を考えると幸運が勝ったと言えるでしょう。

正直、彼がいない間に頑張ってくれていた他の投手にも分けて欲しいぐらいです。

 

もっとも、今日彼が打ち立てた1000投球回達成という金字塔は勿論、幸運だけでは成り立ちません。

山内泰幸沢崎俊和小林幹英…。

思えば、このチームの大学社会人からのドラフト上位指名の投手といえば平成以降は、彗星の如く現れたと思いきや3年目以降で登板過多による故障で流星の如く消えるを繰り返す運命にありました。

この球団に長年蔓延っていた悪弊「投げ込み至上主義」を振り払い、それを変えたのは高卒だと前田健太、大卒社会人だとその前田健太の影響を受けたこの野村祐輔だったかと思います。

覚えていますでしょうか。

入団初年度のキャンプでなかなか投げ込みをしなかったうえに、「投げ込み教の最後の狂信者」でもあった当時の投手コーチ大野豊からの威圧をもはねのけてマイペース調整を貫いた彼の姿を。

勿論、これまでの通算成績を考えれば前田健太とは異なり決してエースと呼べる程の偉大な投手ではありませんでした。

しかし、1年目2年目で終わらずコツコツ投げ続けてのこの記録は、3連覇と共に彼らのような投手たちの登場がこのチームもたらした影響の大きさと言えるのかもしれません。

7/24(水)○「支持率100%のジョンソン」(カープ2019)

広島東洋カープ2-0中日ドラゴンズ

16回戦(カープ10勝6敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 ジョンソン7勝6敗

敗戦投手 山本1敗

 

本塁打

(C)西川7号①

(D)-

 

打点

(C)西川①

(D)-

 

投手

※数字は失点

(C)ジョンソン

(D)山本②-藤嶋-祖父江

 

先発、ジョンソンは9回を1安打1与四球無失点で抑え3年ぶりの完封。

打線は初回に西川の本塁打と暴投で先制も以降は沈黙し2得点。

貧打もエラーも帳消しにしたジョンソンの活躍で2カード連続勝ち越しと5連勝を決める。

菊池がプロ野球史上501人目の1000試合出場を達成

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前回、前々回と壊滅状態の先発陣にあって無援護の中で試合を作り続け文字通り孤軍奮闘していたクリス・ジョンソン。

そんなジョンソンに、今日も今日で打線は初回に西川龍馬の先頭打者本塁打の後に無死1・3塁という好機を作りながら追加点は暴投による1点のみという体たらく。

試合中盤に安部友裕高校野球の地方予選でもあり得ない連続エラーでも足を引っ張られ、2回以降は半ば「1対17」の勝負に挑んでいたに等しい状況にあってジョンソンは1安打与四球1に8奪三振と来日初登板で準完全試合を達成した時を彷彿させる素晴らしい投球を見せてくれました。

最近は、露骨に周囲のプレーやグラウンドの状態に苛立ちを見せる態度の悪さばかりが目立っていた彼ですが、これだけ周囲に足を引っ張られると1周回って悟りを開いたかのようにすら見えます。

前回登板で痛打されたインサイドのボールもズバズバ決まって、相棒の石原慶幸も今日は本当に捕っていて楽しかった事でしょう。

ここまで連勝中とはいえ連投続きでリリーフ陣に疲労が溜まっていた状況も考えるとまさに砂漠の水です。

ちょうど、海の向こうの英国では彼と同じ名字の首相が誕生し世界中から賛否両論が巻き起こっていますが、同じ「ジョンソン」でも今日の広島市民の「ジョンソン」の支持率は100%である事に間違いありません。

 

そういえば、英国からやってきたカープファン一家の話題がSNSを賑わせていましたね…。

 

一方で、そんなジョンソンにここ3試合22イニングで打線が与えた援護点は僅かに4。

しかも、未だに適時打はなくうち1得点はジョンソン自身の内野ゴロからのフィルダースチョイスという悲惨な内容です。

連投続きでも素晴らしい活躍を見せたリリーフ陣よりも多少打った程度に早々にバテている当たり、本当にこのチームの打線は頼りにならないと改めて分かります。

ここに来て5連勝と波に乗ってきたように見えますが、好守の噛み合わなさは相変わらず。

正直、次の連敗のきっかけは既に出来つつあるようにすら思えます。

7/23(火)○「試合を落とすべくして拾う」(カープ2019)

広島東洋カープ6×-5中日ドラゴンズ

15回戦(カープ9勝6敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 フランスア6勝3敗4セーブ

敗戦投手 祖父江2勝3敗

 

本塁打

(C)バティスタ22号①23号②安部5号①

(D)-

 

打点

(C)バティスタ③菊池①安部①

(D)京田①木下拓①大野雄①大島①ビシエド

 

投手

※数字は失点

(C)アドゥワ⑤-菊池保-遠藤-レグナルト-島内-フランスア

(D)大野雄①-三ツ間-谷元-福-ロドリゲス①-岡田③-祖父江①

 

先発アドゥワは4回5失点の乱調もリリーフ陣は無失点。

打線は9回まで3イニング連続併殺打など拙攻を重ねるも9回にバティスタの2ランで同点。

延長10回に安部の本塁打で4点差を土壇場でひっくり返すサヨナラ勝ちで4連勝。

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先発アドゥワ誠が大量失点で試合を作れず打線も初回から拙攻を重ね守備でもミスが出てベンチの疑問符がつく選手起用もあり勝利。

読んでいて意味が分からないかと思いますが、実際に今日の試合を冷静に振り返るとこういう風になります。

落とすべくして落とした試合を演じた末に勝利…とも言いましょうか。

いや、ますます訳が分かりませんね…。

 

サビエル・バティスタは一人で全ての打点を挙げた前々回に続いて長打と突出した個人技の威力を改めて見せつけた形です。

そもそも、そのバティスタの劇的な本塁打が出る直前の3イニング連続で併殺打を重ねる拙攻を見せた以上、この試合に関しては「みんなで繋いだ事で得られた同点劇」なんて悪い冗談でしかありません。

安部友裕本塁打に関しては、打った瞬間もあの当たりが入るとは思えなかったので相手の外野手がいきなりバックし始めた時は戸惑いすら感じました。

あれだけ好機を潰しまくった選手が最後の最後にヒーローになるのですから、前回カードに続いて野球とは不条理で素晴らしいものだと改めて感じます。

 

カード跨いで4試合連続で不可思議な勝利を重ねるカープですが、さすがに全てをマグレで片付けるのはあまりに敬意を欠くというもの。

そうである以上、今日も要因となるのはやはりリリーフ陣の活躍でしょう。

特に前回強烈かつ先発投手をKOして勢いに乗る読売打線を2イニング無失点で抑えたのに続いて今日も2イニング無失点の活躍を見せた遠藤淳志の活躍は注目すべきでしょう。

のみならず、これで2イニング以内の投球に限れば6試合で僅か1失点とミドルリリーフとしては白眉と呼べる活躍です。

6月のプロ初登板の際は「こんなガリガリに痩せた水泳選手みたいな投手が通用するのかね?」としか思えず、すぐに1軍からいなくなる候補筆頭だったのですがまるで昨年のアドゥワを見るかのようです。

もっとも、昨年のアドゥワと違ってあまりに打線がショボいので勝ち星に恵まれないのが残念ではあります。

 

この遠藤を始め素晴らしい活躍を見せるリリーフですが裏を返せば全体的に登板過多の傾向が続いていて疲労が蓄積しつつあるのは気になります。

特に4試合連続登板となったヘロニモ・フランスアは明らかに疲れが見えていて心配でしかありません。

先発と打線の力だけで中盤までには試合を決めるような展開が早々に望まれますが…難しいでしょう。

7/21(日)○「不条理で不思議で変なチーム」(カープ2019)

広島東洋カープ2×-1読売ジャイアンツ

14回戦(カープ9勝4敗1分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 今村2勝

敗戦投手 マシソン1勝2敗1セーブ

 

本塁打

(C)西川6号①

(G)-

 

打点

(C)西川①鈴木①

(G)丸①

 

投手

※数字は失点

(C)九里①-フランスア-今村

(G)桜井①-デラロサ-中川-マシソン①

 

先発、九里が8回1失点と好投すると救援陣も連夜の無失点。

打線は西川の先頭打者ホームランで先制も以降は音無し。

投手陣の頑張りの末、延長10回裏鈴木の適時打で、サヨナラ勝ちを納めカード3連勝。

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過去最低レベルともいえる貧打に加えて先発が試合を作れない展開が続いたにも関わらず、2連勝でカード勝ち越しを決めたカープ

初戦が始まる前はどうシュミレートしても3タテされてしまうと言っても過言でないくらいまったく期待できなかっただけに大きな驚きを感じたのは私だけではなかった筈です。

そして、交流戦明け以降では初の勝ち越しをリーグ優勝が決定的な相手チームから奪ったという事実に十分満足した事だったでしょう。

ましてや今日の先発はプロ入り初完封を見せた後は何とか試合を作るのが精一杯という投球が続いて九里亜蓮ですから多くの望むは無意味というもの…だったのですが待っていたのはさらなる驚きでした。

正直、ここまでの九里の投球を振り返ると大瀬良大地や床田寛樹がまったく抑える事が出来なかった相手打線を前にしてはさすがに今日は早々に失点を重ねるというのは容易に想像できました。

しかし、今日は完封を飾ったイーグルス戦を彷彿させるような素晴らしい投球を披露してなんと8回を95球1失点。

正直、援護さえあれば完投も狙えたかと思えます。

もっとも、先発投手がこういう投球を見せたとしても勝ち星がつかないのが今季のカープのさだめ。

残念ながら今日の九里もそのご多分に漏れませんでした。

以前にも書きましたが、内容の割に投手の栄養たる白星にあまりにも恵まれていない状況ではモチベーションを上げ続けるのは困難。

今日の投球で幾分かは耐えてくれそうですが、これがどこまで続くか。

大瀬良や床田が崩れてしまった状況も加味すると今後の心配の方が勝ります。

 

一方、リリーフ陣はカイル・レグナルトの勢いに完全に陰りが見えたにも関わらずリーグ屈指の相手打線を前にこの3連戦で僅か1失点。

このカードで望外中の望外とも言える3連勝を飾る事が出来た一番の要因は間違いなくブルペン陣の奮闘である事に間違いはないでしょう。

何しろ先発が試合を作れず打線もなかなか反撃が出来ない状況で耐え抜いた訳ですから。

特に中村恭平が故障し、中崎、一岡に続いてレグナルトも調子を落としている中で出てきた今村猛の存在が大きいのは言うまでもありません。

一方、見事3試合連続で無失点に抑え徐々にクローザーに慣れてきたようにも見えるヘロニモ・フランスアはやはり安定感に不安を抱えているのでこれまた余談を許しませんが…。

とにかく、この状態であと何人か実績のある投手の帰りがあるのを待つしかないでしょう。

 

それにしても、あれだけ負けまくって挙げ句に完全崩壊したチームがぶっちぎりの首位で優勝がほぼ確実なチームに3タテとは…。

本当に勝負事とは不条理で不思議なものだし、変なチームだとつくづく実感します。