吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

2/23(日)○「緋寒桜の如く」(カープ2020)

広島東洋カープ14-2阪神タイガース

オープン戦(カープ2勝)

コザしんきんスタジアム(沖縄市球場)

 

勝利投手 DJ.ジョンソン(1勝)

セーブ投手-

敗戦投手 藤浪(1敗)

 

本塁打

(C)-

(T)-

 

打点

(C)鈴木誠①上本②野間②堂林②會澤①小園②宇草①正随①

(T)陽川①梅野①

 

投手

※数字は失点

(C)大瀬良①-フランスア-DJ.ジョンソン-K.ジョンソン-スコット

(T)ガンケル-藤浪③-能見⑤望月③-飯田①

 

先発、大瀬良は3回に捕まり1失点も打線が中盤から反撃し堂林、會澤の猛打賞の活躍などで6回の一挙7得点を含む大量得点で逆転。

2番手以降の助っ人投手リレーも計1失点に留めて16安打14得点での大勝を飾る。

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大瀬良大地が昨年同様の力が抜けるようなスロースターターぶりを披露して先制を許す展開でしたが…私のようにサンフレッチェ広島を応援していて試合をまったく見ていなかったようなファンは結果に大変驚いた事でしょう。

なにしろ昨日と同様に藤浪晋太郎を始めとする相手投手の自滅や江越大智の考えられないようなエラーなどにより何ともハチャメチャな試合となってしまったのですから。

出場した選手のほとんどが出塁もしくは打点を挙げたこの試合。

「バットが持てないプロ野球選手」こと上本崇司の2打点(いずれも押し出し)に至っては何かの冗談か間違いとしか思えず何度も画面を見返してしまったぐらいです。

 

しかし、そんな中でも注目だったのは初安打に続いて乱調だったとはいえ今日はかつて球界を代表する左腕だった能見篤史から適時打を放ったうえに次の打席もやはり左腕から安打を放ったルーキー宇草孔基。

昨日に続いての活躍は目をみはるものがあります。

内野に比してある程度の層がある外野陣ですから開幕一軍は厳しいかと思いますが、何とかこの調子を維持して欲しいものです。

 

また、大瀬良以降の投手陣も春先の調子が心配されたヘロニモ・フランスアが無難な投球を見せたのを始め、一軍を争うライバルたちも、「髭が凄い」DJ.ジョンソンや「ヨハネスブルグ出身という経歴が目をみはる」テイラー・スコットがこれまた無難なお披露目を果たし一安心だったように思えます。

まあ、新戦力が散々だった昨日に比して…ですけれども。

 

で、ここまで書いてきてまったく触れてなかったのですが勿論分かっています。

多くのファンの耳目を今日独占したのは、上記の事柄よりやはり3安打2打点で活躍した堂林翔太だと言うことは…。

ところで「広島で一番早く咲く桜」で知られるJR海田市駅の緋寒桜(寒緋桜とも)をご存知でしょうか?

大体、旧正月頃に咲き始めて、丁度カープがオープン戦の戦っている頃に満開を迎え開幕する頃には散るそうですが…まるで誰かさんの今日の活躍ぶりのようですね…。

 

ちょっと意地悪な言い方をしましたが確かに昨年、サヨナラ打を放った時のファンの号泣を目にして感激したエピソードを始め、些末な事でも美談となってしまうぐらいに実力の割に人気のある選手の活躍は嬉しいもの。

のみならず実際、打撃でもこれまでの力みは消えたような打棒になってきているようにも見えます。

とはいえ、オープン戦序盤で多少目立ってその後は尻すぼみになって開幕の頃には話題にすらなってないというのが、例年の堂林ですからあまり期待するものではないのも確かです。

さて、この緋寒桜ならぬ「堂林桜」は3月半ばまでには散ってしまうか?

それとも秋まで咲き誇る事が出来るか?

何とも興味深いですが、あまり期待せずに眺めておきたいと思います。

2/22(土)○「いきなり低調な新戦力」(カープ2020)

東京ヤクルトスワローズ6-7広島東洋カープ

オープン戦(カープ1勝)

浦添市民球場

 

勝利投手 床田1勝

敗戦投手 杉山1敗

セーブ投手 菊池保1セーブ

 

本塁打

(C)西川1号②

(S)-

 

打点

(C)田中広①高橋大①西川②堂林②

(S)雄平①塩見①中村①濱田①吉田大成②

 

投手

※数字は自責点

(C)森下②-中村恭平④-薮田-一岡-床田-菊池

(S)高梨-吉田大喜-杉山⑤-中尾-今野

 

先発森下は初回に連打を浴びて3回2失点し、後続も打ち込まれ計6失点も、打線は、6回7回に集中打を集めて合計7得点で逆転に成功。

一岡、床田、菊池が試合中盤以降を無失点で抑えて最大5点差を逆転して今季オープン戦初戦を勝利で飾る。

2番手に投げた中村恭平は負傷によりイニング途中で降板。

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「球春到来と共に、逆転のカープが見られた」と喜んでいるファンはさぞ多い事かと思います。

確かに西川龍馬の素晴らしい本塁打に、一岡竜司、床田寛樹、菊池保則の盤石な投球と見るべきものはありました。

しかし、劇的に見える逆転劇にしても演出したのはほぼ一人で試合を壊した相手の新人投手のあまりにも酷い投球と守備の綻びから転がり込んだに過ぎない事も確かです。

とはいえ、やはりこの試合で注目すべきは序盤に見られたあまりに魅力を感じるのが難しい新戦力たちの丁重な出来でしょう。

鳴り物入りで入団した昨年のドラフト1位の森下暢仁は今季初のオープン戦の先発を任されたものの序盤は山田哲人青木宣親、雄平と言った名手たちにあっさり先制を許す酷い立ち上がり。

2イニング目以降は何とか無失点で抑えて面目は保ちましたが、内容的にはコントロールにバラつきが多く球威もさほどでもない正直、何が得意なのか分からない投球に見えました。

先発の駒の絶定数が不足しているチーム事情もあり、今後のオープン戦で仕上げてくれる事を期待したいところなのですが…過大な期待は禁物かもしれません。

まあ、4年前の同じ時期に同じようなコメントをした岡田明丈はその後、チームの3連覇に貢献してはいますのでその再現を期待したいとも思います。

 

また、3番サードで入ったホセ・ピレラも打席では音無しに加えて守備でもエラー。

ただでさえ低レベルなサード争いに不安要素を増加させただけでした。

もっとも彼は本来、菊池涼介の移籍を前提に獲得した選手である関係上、まったく守った事がないサードの守備に関しては仕方ない部分もあります。

来日して守った事がないポジションに初挑戦するという助っ人が成功したという記憶が私にはありませんが…何とかものになって欲しいもの。

何しろ繰り返しますがカープのサード争いはプロのレベルを維持できるかどうか怪しいほどの低レベルさなのですから。

 

勿論、新戦力全てが全くダメという訳ではなく、いきなり安打を放ち盗塁も決めた宇草孔基の活躍は素晴らしいの一言に尽きます。

昨年、赤松真人が付けていた背番号38を受け継いだこの外野手は今日の新戦力の中では白眉でしたが、それだけ…というのはオープン戦初戦にしては寂しすぎますし勝利の喜び以上に今季への不安しか感じません。

 

「ガンダムスタンプラリー」で65駅を1日で制覇する。(下)

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疲労困憊して一時はギブアップも検討しましたが、何とか踏みとどまってスタンプラリー制覇を目指すも既に日も暮れた状況…。

しかし、不思議と続行を決めたら何だか元気になってきたような気もします。

 

・新宿~御茶ノ水

新宿を過ぎるとやや空いてきている中央・総武線各駅停車。

44駅目 千駄ヶ谷駅(ZZガンダム)と45駅目 信濃町駅(メタス)は今年開催の東京オリンピックのメインスタジアムである国立競技場の最寄り駅でいずれも改装が進んでいます。

とはいずれもさほどホームが大きい訳でもなく改札も一つ。

正直、大勢の観客が連日押し寄せる中で、上手く捌けるのか疑問に思えますね…。

 

 

46駅目は四谷駅(ガンキャノン)。

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これメディアによっては諸説あるような…。

 

47駅目は市ヶ谷駅(キュベレイMk-Ⅱ)

ここは前回のスタンプラリーでは、目当てのキャラが獲得出来なかった悔しさをメッセージに乗せていた駅ですが、今年は大満足みたいですね。

というかキュベレイMk-Ⅱでいいんだ…。

 

そして、隣の48駅目 飯田橋駅(キュベレイ)と、49駅目水道橋駅(サイコガンダム)で5駅連続ZZ&Z関連に。

 

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「500メートルくらい」とありますが実際はもっと遠い気がしますよ…。

 

この後の、節目の50駅目の御茶ノ水駅(シャア専用ゲルググ)で中央線のスタンプは制覇。

ところで今回も多いな「シャア専用」…。

 

 

御茶ノ水錦糸町~東京

ここで最後の鬼門である新日本橋と馬喰町という2つの「モグラ駅」を要する総武線快速区間に挑みます。

ルートは2つあります。

御茶ノ水から中央線快速に乗り換えて東京駅から乗り換えて錦糸町へ向かう」か、「錦糸町から総武線快速に乗り換えて東京まで行くか」ですが、乗り換えホームへの移動のしやすさを考えれば断然前者でしょう。

という訳でこのままスタンプラリー対象外ですが錦糸町へ向かいます。

うまい具合に接続できて総武線快速でまずは51駅目 馬喰町駅(ガンタンク)へ。

前述した流山駅が除外になった影響からか、新たに増えた駅ですが…いや、何とも凄いところです。

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ホーム脇の壁から地下水滲み出てるし…。

おまけにホームがかなりの地下にあるせいで改札までが非常に遠いこと…。

疲れ切った身体には大変堪えます。

 

次の52駅目 新日本橋(グフ)もこれまた地下深い駅。

おまけに少々、遅延が発生したらしく物凄いスローで成田エクスプレスが通過していきます。

こんな地下で待ちぼうけは勘弁して欲しいものですが…私の乗る列車はたいして遅れもなく何とか東京駅へ。

この総武線快速区間

東京駅での乗り換えの分かりにくさと運転間隔の長さに加えてホームと改札の異常なまでの距離…。

たった2駅ですが正直、体力を先の中央線分と同じぐらい使ったような印象です。

個人的にはスタンプラリー最凶コンビと呼べるかもしれませんね。

 

・東京~池袋⇔高田馬場

最後の鬼門を超えて残すは勝手知ったる山手線の北半分(上野以北)と、埼京線区間、そして京浜東北線の残り2駅のみ。

既に時間は20時近くとなり筋肉痛で足を引きずっているも同然の状態ですが、最後の力を振り絞ります。

 

53駅目は常磐線を攻略中に朝に何度か通過した日暮里駅(プルツー)

この駅は比較的規模のある駅であるにも関わらず、これといった趣向はおろか案内ポスターもまばら…。

個人的には今回の65駅でもっとも残念な駅の一つでした。

 

高輪ゲートウェイ駅の開業で「山手線でもっとも新しい駅」の座を明け渡す事となる54駅目 西日暮里駅(レコア・ロンド)を得て55駅目はバウ。

ここはオリジナルイラストの展示に券売機の映像にも特別にバウとグレミーが登場と山手線内では恐らく一番気合入りまくりの駅。

 

 

というか、これ駅員さんが描いてるそうですよ…。

たまにスーパーとかで明らかにパートのレベルを越えてる絵入りのポップを見かける事がありますが…いや、凄い気合の入れようです。

 

山手線唯一の踏切を知らないうちに越えて、いよいよ制覇へのカウントダウンを迎える56駅目は駒込駅(ハサウェイ・ノア)。

 

「壺が好きなキャラだし」というよく分からない理由で選んだキャラの為にこれまた謎のオブジェをホームに作り上げたのは57駅目の巣鴨駅(マ・クベ)。

 

58駅目の大塚駅(ザク)を越えたら、池袋駅ですがまずはそのまま59駅目の高田馬場駅へ。

この辺りはこの時間になると酔客もかなり多く、構内に汚物が散乱していたりと疲労困憊の身体には堪えますね。

というかスタンプ台前で酔っ払いに普通に絡まれたし…。

 

折り返して最後の節目となる60駅目に目白駅(マシュマー・セロ)。

 

そして、61駅目池袋駅(νガンダム)で朝から断続的に攻略していた山手線区間は完了。

後から考えると、本当はここをゴールにするような設定も可能だったんですが…。

終電の時間への焦りと疲労からそこまで頭が回りませんでしたね。

 

ここから乗り換えて埼京線区間へ。

62駅目 板橋駅(エルピー・プル)はリニューアル工事をえて以前とは見違えるぐらいに綺麗に。

 

63駅目 十条駅(ハマーン・カーン)はスタンプ台のセリフに少しだけホロリ。

ちなみに前回攻略した時はここが終点でした…。

 

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…というか、君ら一人除いてハマーン裏切ったよね?

 

しばらく完封吹きすさぶ深夜のホームで電車を待ってから、赤羽に戻ると、再度京浜東北線で残った2駅を攻略します。

さすがにゴールは目の前だけあって足取りも不思議に軽くなります。

64駅目は王子駅(ジ・O)。

「逆さまに読んだら王子になるから」という反応に困る微妙極まりないジ・Oの選考理由に脱力理由に脱力しつついよいよ最後の駅へ。

 

ここまで所要時間は16時間を越えて、駅の構内をさまよい続けて歩いた距離は10km越え 。

何度か断念しようとした末での65駅目となるゴールは東十条駅

そこで待っていた最後のスタンプは…。

 

ククルス・ドアン…。

繰り返します。

ククルス・ドアンです。

微妙極まりない結末ですが、これもまた無茶苦茶な計画で進んだ故の味わい…でしょうかね。

あっ、私は好きですよククルス・ドアン

 

そういう訳でこの無謀な挑戦は成功という形で終わりました。

とはいえ、とにかく時間に追われての攻略でしたので沿線の名所を巡ったり…なんてことは勿論、駅の構内で展開されていた趣向を凝らした演出もほとんど味わえなかったのが実情です。

そもそも、今書いているこの項の内容が単調なのも、ひたすら電車に乗ったり降りたりを淡々と繰り返すだけ故のネタの無さからでもあります。

従って、やはり一日攻略というのは決して推奨されるべきものではないでしょう。

次回やる機会があるなら今度は3日程度に分けてじっくり沿線を巡りたいものです。

 

まあ、何はともあれ終電には間に合いました。

「帰る電車がある。こんなに嬉しい事はない!」

 

…ちなみに景品は後日、東京駅で受け取りました。

 

 

 

 

 

おまけ

終わってから気づいたのですが…。

ギャンとマ・クベのスタンプの場所間違えてましたね。

まあ、無事に景品は貰えましたが何とも締まりのない…。

「ガンダムスタンプラリー」で65駅を1日で制覇する。(中)

最大の鬼門である常磐線を制覇して何とか都内に戻ってきたのが昼前。

スタンプは未だに13駅のみ。

ここでスピードアップを一気に図りたいところなのですが…。

 

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・上野~浜松町⇔羽田空港第1ビル駅~品川⇔蒲田

まずは14駅目上野駅(ディジェ)に戻ってスタンプ台ヘ。

ちなみにこの上野に限らず改札の多いターミナル駅はスタンプ台を求めて彷徨う羽目にならないように事前に場所は把握しておいた方が良いでしょう。

というか、私も入谷改札なんてこんな時しか使いませんよ…。

 

この辺りから人通りが多くなりスタンプ台の行列もちょくちょく見られ始めるところ。

15駅目の御徒町駅は北口改札の「パンダ焼き」の香ばしい匂いが漂う中でのスタンプ。

 

次いで経路の関係上、後ほど通過する事にもなる16駅目秋葉原駅(シャア・アズナブル)。

亀有駅のクワトロと同一人物ですが特別に2度目の登場です。

 

更に17駅目神田駅(グレミー・トト)を経て18番目は東京駅(カイ・シデン)です。

 

ちなみにスタンプ台に設置してあるカイの視線の先は…。

劇中ではジャーナリストとして活躍する事になるキャラクターだから意図した…訳ではないでしょうけれど面白い符合ですね。

 

でここで痛恨のミス。

京浜東北線が快速運転の時間であるにも関わらず何となく乗ってしまい、一気に浜松町駅まで到達してしまいました。

当然ながら山手線で19駅目の有楽町駅(ガンダム)まで戻りますが、この時間のロスは痛いところです。

同じく通過してしまった新橋駅「カミーユ・ビダン」は節目の20駅目。

 

 

そして次の21駅目浜松町駅(パプテマス・シロッコ)では「落ちろカトンボ」というシロッコの名言(迷言?)を場内アナウンスでかます駅員さんに苦笑しつつ次なる「鬼門」である東京モノレールへ。

 

まずは奥から攻略する事として、22駅目 羽田空港第1ビル駅(シナンジュフル・フロンタル)へは快速を使わないといけません。

各駅停車だと遅いので…。

 

そして、既にコロナウイルスが世間で騒がれ始めた頃であるにも関わらず、23駅目 羽田空港国際線ビル駅(クシャトリア&マリーダ・クルス)にも。

さすがに他に比べてもマスク姿の人が多かったですね…。

 

あと、何が言いたいのか分からない謎のニンジャも。

というか、外国の人ってさほどニンジャ興味ないような気もしますが…。

 

東京モノレール最後となる24駅目 天王洲アイル(ユニコーンガンダムバナージ・リンクス)に行くには行きとは逆に浜松町駅までノンストップの快速も混在するから注意が必要です。

 

再び浜松町駅から乗り換えてからは南端の蒲田までの各駅を虱潰しに攻略していきます。

25駅目は田町駅(ハンブラビ)は意外なモビルスーツのチョイスに少し感動しながら押します。

ハンブラビのデザイン好きなので…。

 

田町駅を出た直後にある昨年、山手線と京浜東北線を終日運休してまで線路の組み換えを終えて長い歴史を終えた鉄橋と、3月に開業予定の高輪ゲートウェイ駅のホームを通過して一気に南端の26駅目蒲田駅(アムロ・レイ)まで向かいます。

偶然かと思いますが、何だかスタンプ台が混んでいた印象です。

そこから例のごとく踵を返して27駅目大森駅(ブライト・ノア)。

 

セリフはあの名場面からなんですが、駅員さんからのメッセージは何故か違うセリフへの意味深な言及…。

 

転じて28駅目大井町(百式)のメッセージは「ちょーカッコいい百式」…。

 

29駅目品川駅(エマ・シーン)に戻ってから山手線に乗り換えます。

たぶんこの人達、「5G」の使い方間違えてる…。

 

・品川~新宿⇔西荻窪

節目の30駅目は大崎駅(アーガマ)…なんですが、正直肉体的も精神的にもこの辺りがキツくなってきました。

というのも、ここまで電車を乗ったり降りたりを繰り返して、足に限らず全身が痛いだけでなく、時間も夕方に差し掛かってますから土曜日であっても電車も混雑して座れない状況。

また、この辺りの駅は比較的大きな駅が多く改札がわかりにくいうえにさほど駅員が熱心でないせいか案内表示も不十分でもあります。

後述の渋谷駅の事もあり、個人的にはここから新宿までが一番の鬼門でしたね…。

 

そんな訳で謎の励ましと構内のジュース屋さんで温かいポタージュスープで英気を養いを支えに31駅目の五反田駅(ララァ・スン)へ

 

更に32駅目 目黒駅(ガンダムMk-Ⅱ・エゥーゴ仕様)を得てちょうど半分となる33駅目 恵比寿駅(ヤザン・ゲーブル)へ。

 

 

恵比寿駅では謎のヤザン推しイラストが…。

まあ、確かに上司として見たらある意味、シャアやシロッコよりもまともですしね。

でも、「ヤザンを愛しています」って…。

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半分を過ぎてから34駅目は色々とネタが多くて恐らくこのスタンプラリーでSNS上もっとも話題になっているであろう渋谷駅(フォウ・ムラサメ)。

そもそもこの張り紙の時点で嫌な予感しかしません。

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現在の渋谷駅は埼京線を北に移動して山手線と並べる工事に加えて、それに伴う東京メトロ銀座線の移動に東急百貨店の建て替えを始めとする周辺の再開発と物凄い勢いで工事が進み駅の形状が1ヶ月単位で変化していると言えるぐらいの状況。

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更に今回のスタンプラリーのスタンプ台はよりによって山手線からは隣の駅ぐらいの距離が離れている新南口にあるのです…

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これを理解している私は、ニュータイプだった!?

とはいえ渋谷近辺で勤務していて新南口も普通に利用していた私の頭の中で蛇がのたうつような感覚を覚えた事はないので安心して下さい…。

長く構内をテクテク歩いてようやくスタンプ台ヘ。

 

これまでの労を労ってくれるかのように記念撮影スペースまで。

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フォウとホンコンシティデートが楽しめますね。

いや、しないけど…。

 

35駅目の原宿駅(マチルダ・アジャン)は週末だけあって物凄い混雑。

それに加えて駅舎が小さいうえに改装中という三重苦で改札に出る事自体に難儀し、ある意味渋谷駅以上に疲れましたね。

 

36駅目の代々木(クイン・マンサ)を得て37駅目は新宿駅(ジオング)。

 

新宿駅は週末での混雑に加えて山手線&中央線各駅停車のホームは改装中でほとんどパニック映画同然の混雑。

正直、列車に接触しない人が出ないのが不思議で仕方がないレベルで、大事故がいつ起きてもおかしくない危険な状態にすら思えます。

必死の思いで中央線各駅停車へ乗ってスタンプラリーエリア西端でもある38駅目西荻窪駅へ。

この時間になると日も暮れかけていたうえに、渋谷や新宿で体力的にダメージを負ったも同然の状態。

正直、この辺りで諦めて帰る事も真剣に検討し始めてました。

そんな疲れ切った私を出迎えてくれたのはこれ。

力抜けますね…。

レコアはこんな事言わないし、そもそもそのMS作ったのシロッコだよね…?

 

新宿駅へ戻る途中の39駅目 荻窪駅(シャア専用ザク)で見かけたこのポスターのセリフが重くのしかかるかのようです。

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はい。ごもっとです…。

でもこちとらいい年のオッサンだから若さ故の過ちとも言い訳できません。

 

40駅目 阿佐ヶ谷駅(ザクⅢ改)を経て41駅目 高円寺駅(シャア専用ズゴック)へ。 

 

 

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高円寺駅ホームで見た何だかディストピアみたいな凄い看板たちを眺めながら新宿駅から家の帰るかこのまま続行するか悩みます。

 

42駅目はこれまで台が置かれていた新大久保駅から役目を引き継いだ形の大久保駅(ドム)

 職安通りという道路名がこれまた凄まじい…。

 

大久保駅から中央線各駅停車に乗ったら隣は新宿駅

切り上げるには良い機会です。

既に元は十分にとれていますしね…。

 

しかし、逆にこうも考えました。

「いや、ここから先は勝手知ったる駅が多し、都心だから乗客も比較的少ない。更に言えば列車の本数も終電間際でも多いからこれまでよりは楽なのでは?」と。

そう考えていると新宿を通過して、私は自然とそのまま中央・総武線に乗り続けていました。

もうやるしかありません。

「ガンダムスタンプラリー」で65駅を1日で制覇する。(上)

JR東日本が主催する「ガンダムスタンプラリー~あなたならできるわ~(開催期間:2020年1月9日(木)~2月27日(木))に参加して1日で制覇してみたのでその所感をここに残したいと思います。

 

最初に書いときますが、このスタンプラリー。

決して1日でクリアする事を想定して設定している訳ではないので真似する事は推奨しません。

少なくとも、私は達成した翌日は疲労で丸一日寝込んでしまいましたし、その週はあまり仕事も捗りませんでした。

やはりこういうイベントは3日程度に分けてコツコツやっていくのが正しい楽しみ方かと思えますね…。

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ちなみに私がこの酔狂極まりないチャレンジを決断したのは実行の前日。

つまり思いつきです。

そもそも、全駅制覇特典のガンプラはデザインが最高にカッコ悪いうえにHGですらない低スペックな品でガンプラ好きの友人に上げようとしましたが断られたレベルですし…。

しかし、思いつきとはいえノンビリ昼ぐらいから家を出てどうにかなるほどこのスタンプラリーは甘い物ではないことは過去2回同様のスタンプラリーを制覇している私には分かっていました。

それもその筈、攻略対象は北は赤羽、南は蒲田、西に西荻窪、東に至っては取手…つまり茨城県までと、とんでもない範囲なのですから。

従いまして、思いついたと同時に下記のように作戦を練りました。

 

①移動するための手段。

勿論、JR1本です。

全てのスタンプが改札外に設置してあるとはいえ、それ以外の手段なんてもっての外です。

とはいえ、全65駅を正規の運賃で制覇するなんていくらお金があっても足りません。

従いまして使用したのはJR東日本が発行する「休日おでかけパス」です。

 

https://www.jreast.co.jp/tickets/info.aspx?GoodsCd=2490

 

スタンプ帳には同じくJR東日本が発行している「都区内パス」がPRされておりますが、こちらはスタンプラリー全ての範囲をカバーしていません。

また、「休日おでかけパス」は「都区内パス」に比べて値段は高く原則として土日だけしか使用できないのが難点に見えますが、「都区内パス」の範囲外である常磐線の松戸&亀有~取手間及び東京モノレール区間だけの運賃の元が十分取れます。

ちなみに私は上記の情報は鉄道好きの友人に昔、教えて貰いました。

 

②ルート

①で示した通り「休日おでかけパス」を有効に使い切る為にはまずは「休日おでかけパス」でしか行けない区間を先に潰す必要があります。

 この為、真っ先に常磐線及び常磐線快速、そして東京モノレールを攻略するルートを取る必要があります。

ちなみに私の最寄り駅から一番近いスタンプラリー実施駅は赤羽駅

という訳で考えたルートは下記の通りです。

赤羽→尾久→上野→取手→松戸→亀有→松戸→上野→浜松町→羽田空港第1ターミナル→浜松町→蒲田→品川→新宿→西荻窪御茶ノ水錦糸町(対象外)→東京→高田馬場→池袋→赤羽→王子→東十条

…我ながら書いていて頭が痛くなってくるようなルートですね。

しかし、過去に参加したスタンプラリーの経験からこのルートが恐らくは一番スムーズな筈。

 

③準備物

まず、終日電車の中で過ごすも当然なのでマスクは衛生の為にも準備した方が良いでしょう。

また、駅に降りる度にカバンからスタンプ帳を出したりするのでスタンプ帳が変形しないようにクリアファイルに入れておくと良いかと思います。

更にいえば、スタンプ台は常に綺麗ではないうえのでスタンプ帳が汚れないように下敷きとなるような用紙を持っていくこともお勧めします。

勿論、必要に応じて駅のホームでも摂取できるような軽食を用意する事も必要です。

何しろこれから始まるのは軽く12時間を超える長丁場なのですから…。

 

赤羽~尾久~上野~取手

時間は6時30分すぎ。

最初の駅は最寄り駅から一番近い赤羽駅(サザビー)。

上記でも書きましたが、この駅は今回のスタンプラリーの北限。

とはいえ、埼京線上野東京ライン京浜東北線と3つのルートがここから分岐しているので少なくとも2回はこの駅で乗り換えをしないといけない為、端の駅としては一番煩わしい思いをする駅でもあります。

ここでまずは記念の1枚目のスタンプ。

 

 

 この後、上野東京ラインに乗り換えて今回、唯一の上野東京ライン(東北線)単独駅である2駅目の尾久駅(ミデア)へ。

 

滅多に利用しない駅なのですが、車両基地がすぐ隣にあって何となく心が弾みます。

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ここでいきなり上野東京ラインが遅延して少し焦りましたが、大事なくそのまま上野へ。

上野ではスタンプ台にはいきなり向かわずそのまま常磐線快速に乗り換えて一路、東端である3駅目取手駅(Zガンダム)に向かいます。

ちなみのこの上野~取手までの移動が今回の挑戦でもっとも社内でゆっくり出来た区間だったりします。

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スタンプ押すためだけに茨城県に来てしまいましたね…。

 

 

ちなみにこの常磐線区間

列車の運転間隔が長いうえに一駅毎の距離も長いのでこの手のスタンプラリーでは俗に「鬼門」と呼ばれています。

取手駅でもそれを意識した掲示が…。

 

とはいえ、大きなZガンダム掲示物や、Zガンダムへの思い入れを書く用紙なんてのも置いてあったりして、遠くから尋ねてくるファンをもてなす心は伝わってきましたね。

 

取手~松戸~亀有~松戸~上野

東端をクリアしたのでここから松戸まで戻りつつ、途中でスタンプを押します。

まずは4駅目我孫子駅(ファ・ユイリィ)

 

と、ここではスタンプラリー以外の楽しみが。

鉄道好き&駅そば好きの方なら恐らくは知らない人はいないでしょう。

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やよい軒謹製の「唐揚げそば

ちなみのこのやよい軒はこんな人がアルバイトしていた事でも有名です。

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もっとも、山下清が在籍していた当時は駅弁製造が本業でそばはやってなかったみたいです。

勤務態度は真面目でしたが、いきなり置き手紙をして放浪の旅に出てしまう事があったとか…。

続いて訪れたのは5駅目柏駅(黒い三連星)

駅の構内放送では駅員さんがちょっと芝居がかった声で「ジェットストリームアタックの如く全65駅を駆け抜けよう!!」なんて洒落たアナウンスが聞けたりします。

そして、6駅目新松戸駅(ギャン)、7駅目北松戸(ランバ・ラル)を経由して8駅目松戸駅(ハヤト・コバヤシ)へ。

 

ここで気づいたのが前回前々回でスタンプ設置駅だった流山駅が今回は除外されている事。

正直、ただでさえ長い常磐線区間で更に本数が少ない武蔵野線新松戸駅乗り換える必要があったのが負担だっただけに助かりました。

もっとも、その代わりにとんでもない駅が追加されたのですけれどね…。

 

そして、松戸から乗り換えて今度は常磐線が鬼門と呼ばれるもう一つの所以とも呼べる常磐線各駅停車区間へ。

ところでこの区間

綾瀬から先はJRでない為、当然ながら「休日おでかけパス」は対象外なのですが、スタンプ帳の経路上は北千住に直接行けるかのように見える事もあって、私も最初に来た時はよく分からず混乱してしまったのを覚えています。

おそらく常磐線ユーザー以外の参加者が一番迷った区間の一つかもしれません。

地下鉄を使えば楽かもしれませんが、これはあくまで「JR東日本のスタンプラリー」。

ここは拘りたいところです。

そんな訳で、まずは9駅目金町駅(ジェリド・メサ)へ

金町駅は前回のガンダムスタンプラリーでもガンプラを多数展示していましたが、今回も素晴らしい展示。

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というか、これ私物なんですかね?もしかして…。

 

次いで10駅目は亀有駅(クワトロ・バジーナ)。

 

亀有といえばガンダム関係ないけどこの三人ですね。

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ここから踵を返して、松戸駅に戻って再び常磐線快速で都内へ戻ります。

11駅目北千住駅(ララァ専用モビルアーマー)。

「大人の事情」で名前が変わったMAとして有名なやつですよね。

 

そして12駅目南千住駅(ジュドー・アーシタ)と13駅目三河島駅(ジェガン)。

これで最初の鬼門である常磐線区間は完了ですが…この時点で未だ13駅目であるにも関わらず、時間は既に昼前という事態。

正直、1日でクリア出来る気がまったくしませんが、果たして…。

いくつもの片隅から感謝を込めて(「この世界の(さらにいくつもの)片隅に」)

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2016年に公開された映画「この世界の片隅に」。

こうの史代先生による素晴らしい原作を片渕須直監督の地道な取材と丁寧な考証により映像化された前作は各方面で絶大な評価と共感を得たばかりか、クラウドファンディングでの製作資金を集めるという経緯は我が国の映画史上においてもエポックメイキングな出来事となったのは記憶に新しいかと思います。

また以前、私の大学の恩師(日本近現代史)にこの作品について尋ねてみましたが、学術的な分野では「国や軍部がどのように法律を制定するなどして戦時体制を構築したかの研究に対して、その受けてである民衆の視点での研究は多くはないのでその点でもこの作品が注目されているのではないか」という趣旨の示唆を頂いた事があります。

つまり、その道のプロの研究者ですら舌を巻くぐらいにアカデミックな視点でもよく練り上げられた作品でもありました。

その素晴らしい前作から3年を経て今回は制作費用の都合で泣く泣くカットした場面を追加して再び映画館に舞い戻って来てくれた形です。

とはいえ、そのカットした場面が原作では主人公である北條すずと並ぶ最重要キャラの一人である白木リンに関わる場面ですから、単なる「完全版」という言葉で片付けられるものではありません。

それは片渕監督の「作品全体に通る『すずと径子』という一本の縦線に『すずとリン』というもう一本の縦線を加えた」という趣旨のコメントにもそれは容易に感じ取る事が出来るでしょう。

 

 

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そういう訳で、非常に大きな期待を胸に仕事を切り上げて「本拠地」とも呼べるテアトル新宿に高揚感を持ったまま駆け込んで見たのが公開初日の12月20日

本当に本当に期待に違わぬ…いや、それ以上に素晴らしい作品でした。

前作が「戦時下という非日常にあっても崩れ難い日常の強さ」の物語だとすれば、今作には「すずと周作」「周作とリン」そして「すずとリン」の関係から垣間見える人と人との情念の物語というもう一つの視点が加わって物語に深みが与えられた形です。

それはまさに「戦時下という非日常での日常」だけの解釈では受け止めきれない「非日常の中の片隅に存在するもう一つの個人的な非日常」。

そこには劇中にある「戦争やってても蝉は鳴く」というセリフではありませんが「戦争をやっていても人は恋もすれば友情も育むし、時には嫉妬もする」という如何なる時代でも変わらない普遍的な考えが刻まれているかのようで、戦中戦後と兎角、時代を分断して考えがちな今を生きる私達に過去の人々との繋がりを前作とは異なるアプローチで改めて感じさせてくれる事でしょう。

私自身、すずと同世代で広島への原爆投下を体験して何とか生還した祖母たちや、呉駅前を行進していた女学生と同世代で原爆投下2日後に亡くなった大叔母も、こんな風に「個人的な非日常」と呼べるような悩みや思いを抱えてあの時を生きていたのかもしれないとふと思いを馳せたものです。

同時に、それらの情念すら吹き飛ばしてしまう戦争というあまりに巨大で凶悪すぎる非日常への恐怖と悲しみが改めて際立ちます。

すずと周作とリンという「三角関係」が表面的にはドロドロとしたものになり難いのはそれぞれ三人が持つ優しさや愛情によるものという事もあるでしょうが、それ以上に「いつ死ぬか分からない」という戦時下を生きている事実も大きく影響しているのもまた確かなのですから…。

 

 

前作が多くの制約がある中で、「上手く話を破綻なくまとめた」という感覚がありましたが、そのようなストレスから解き放たれたも言える本作は原作の魅力を骨の髄まで味わい尽くすばかりではなく新たな印象を残す事にも成功しています。

例えば、物語終盤に追加された知多さんが日傘を差してフラフラと歩く場面。

原作だと3コマ程度しか描かれていない為に見逃されがちな場面に思えますが、ゆったりとした知多さんの動きと日傘と下駄の音がが合わさった映像には原爆症の静かな恐怖が迫ってくるかのような印象を受けました。

それは、その直前のシーンが娼館の焼け跡で、すずがリンとの関係が秘密では亡くなった事を示した幻想的で美しい場面だっただけにまるで冷水をぶっかけられたかのような気分になりました。

こんな所にも「個人的な非日常」に覆いかぶさってくる「強大な非日常」の恐怖と理不尽さを感じられたように思えて、それもまた一見の価値があるかと思えます。

 

 

思えば2015年の7月。

近所のおじいちゃんたちがロビーで将棋に興じている荻窪の小さな公民館のホール…そう、まさに「世界の片隅」と形容するに相応しい場所でパイロットフィルムを拝見させて頂いてから日本はおろか世界の果てまでその名が轟いたこの名作をこれまたその片隅で応援させて頂いてから4年半。

紆余曲折を経て、重厚さを増した形でこの作品が再び世に出た事は大きな喜びでありますし、ほんの片隅といえどもそこでお手伝い出来た事は私の人生で大きな誇りであると改めて思えます。

片渕須直監督、こうの史代先生を始めとした、作品に携わった多くのスタッフの方々や、「北條すずを演じられるのはもはやこの人しかあり得ない」と呼べるほどの素晴らしい演技で作品に命を吹き込んだのんさんを始めとするキャストの皆さん。

そして、私など足元にも及ばない並々ならぬ情熱と愛情でこの作品を世に出そうと宣伝や応援に努めた多くの協力者の皆さんへこの言葉を捧げたいと思います。

 

この世界の片隅にこの作品を与えてくれてありがとう」と。

 

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消えた「我が世の春」(カープ2019)

前人未踏の3連覇を経て迎えた広島カープ2019年シーズン。

 

2年連続MVPを獲得した丸佳浩がチームを去ったものの、ファンの期待は高くシーズン前からチケット確保にファンが暴動まがいの騒動を引き起こすなどの異常な盛り上がりを見せてはいました。

しかし、他球団ファンを締め出し子供を蹴とばし老人を押しのけてまで必死の思いで確保したチケットで球場に詰めかけたファンに待っていた結果は無残極まりないものでした。

最終的には4連覇はおろか最後の僅か半月で5ゲーム近くあったゲーム差を逆転されてプレーオフ進出すら逃し監督が退任という最悪の形での幕。

そこに至るまでの内容も快進撃と停滞を交互に繰り返すようなまさにジェットコースターのような浮き沈みの激しいものでした。

4月には負け越し8まで落ちた後に驚異的な巻き返しで5月には貯金14で首位に上がり4連覇の可能性が高まったと思いきや、6月の交流戦最下位を経て7月には球団史上最悪に迫る11連敗を喫し、またまた連勝で巻き返す…と正直、一行で書くと何だかわからなくなるような代物です。

その後は、8月のブルペン崩壊と件の「バティスタショック」をきっかけに勢いを完全に失い最後10試合で僅か3勝と最後は朽ち果てるかのような悲しい結末。

こうして「栄光が途絶えるのはあっという間」という事実を我々ファンに痛いほど見せつけた今シーズンのカープですが、そうなってしまった理由はなんだったのでしょうか。

改めて考えてみたいと思います。

 

 

最初に眺めて見たのは投手成績。

中でも3連覇を果たした昨シーズンですらここ10年で最悪とも呼べる数値が並んでいたに加えて今季は中崎翔太今村猛などの不振でいわゆる「勝利の方程式」が崩壊したブルペン

更に昨年夏場以降で驚異的な投球でチームを救ったヘロニモ・フランスアも不向きなクローザー起用で神通力を失いました。

今季、終盤に逆転される機会が多かっただけにファンから成績が奮わなかったと思われている事でしょう。

先発陣こそ、大瀬良大地とクリス・ジョンソンの2枚看板が二けた勝利を挙げたうえに、床田寛樹、九里亜蓮が奮闘を見せ先発の防御率(3.75)はリーグ1位…というより12球団随一の成績を誇っただけに余計に不振が目立ったかと思えます。

とはいえ実際、救援陣の防御率(3.63)はリーグ3位と平均的な値で決して悪い成績ではありません。

勝利の方程式が崩壊した一方で菊池保則を筆頭に中村恭平、遠藤淳志と開幕前はほとんど期待していなかった投手たちの意外な活躍があった事が大きいかと思います。

もっとも開幕当初から最後まで1軍にいたフランスア含めて年間通して安定した投手は少なかったのも事実。

この辺りは、不振が投手が出てきても代わりに一時的に輝く投手が穴を上手く埋めて微妙なところでバランスを保っていた昨年とは違うという事なのかもしれません。

また、防御率こそは上記のように意外に悪い数字でない代わりに与四球数(513)はリーグワースト5位でそれに引っ張られる形でWHIP(1.34)はリーグ5位と低迷。

昨年に比べれば改善こそはしたものの相対的に見れば相変わらずの低さで無意味に走者を背負う展開が多かった事がうかがえます。

 

とはいえ、それ以上に大きく後退したのは丸の穴を最後まで埋める事が叶わなかった打撃陣かもしれません。

昨シーズンは、丸と鈴木誠也の活躍に引っ張られてリーグで圧倒的な数字を残した出塁率(.349→.324)長打率(.431→.392)は今季はいずれもリーグ3位と平均的な数値に後退。

外野手にコンバートされた西川龍馬の活躍こそはあったものの、野間峻祥長野久義松山竜平はいずれも期待外れの成績で丸の穴を埋めきる事は出来なかった事が改めて示されました。

むしろ、田中広輔が故障の影響で壊滅的な数字を残したり、サビエル・バティスタが不注意により離脱するなど他のポジションにも穴は広がってしまった事がもろに出た形です。

対照的に丸の移籍を経て出塁率長打率共にリーグ1位に躍り出た読売がそのまま優勝した事もなんとも皮肉かつ「不都合な事実」です。

また失策数に関してもリーグ3(83)からリーグ4(88)に後退したのも、固い守備力が3連覇を引き寄せた要因だっただけにやや気になります。

 

駆け足で眺めて見ましたが、今季のカープは投手陣においてはあまりに壊滅的だった昨年に比べて表面的な部分こそ改善したものの、相対的に見ればさほど改善したとは言えない一方で、最大のストロングポイントだった攻撃陣は丸の離脱により大きくその力を減退させました。

結論としてはそれらの要素が重なって「我が世の春の終わり」を告げたと言えそうです。

 

もっとも野球に限らず安定した成果を出したチームがいつまでも同じ状態を維持できる事はあり得ない事で致し方ない事かもしれません。

それだけに緒方監督には一つのスパンを終えたチームをどのように再構成するかの手腕を来季以降も見たかったのですが…退任は本当に残念です。

新たな監督は投手コーチとして表面的な数字だけは改善させたものの、指導者としての資質には十分な疑義がかなり残る佐々岡真司

来季以降は更なる苦難が待ち受けている事は容易に想像できそうです。