吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

「最初で最後の横浜で」(カープ観戦記2020)

f:id:Allen1991_09:20201025124813j:plain

10/24(土)

横浜DeNAベイスターズ1-2広島東洋カープ-

23回戦(カープ8勝13敗2分)

横浜スタジアム

 

勝利投手 森下9勝3敗

敗戦投手 平田1勝1敗

 

本塁打

(C)-

(De)-

 

打点

(C)鈴木誠①森下①

(De)乙坂①

 

投手

※数字は自責点

(C)森下①

(De)井納①-国吉-エスコバー-平田①-伊勢-砂田

 

先発、森下は3回に堂林の失策も絡んで失点も以降は安定した投球で9回を投げ抜く。

打線は10安打を記録も好機を尽く逸して14残塁の拙攻で7回まで1得点。

8回表に森下の2本目の安打が決勝の適時打となり逆転勝利。

森下はプロ入り初の規定投球回数に到達。

------------------------------------------------

今季最後の観戦で横浜スタジアムへ向かう京浜東北線の車内。

8年ぶりの純然たる消化試合となった試合を前に、ふと思い出すのは今から12年前に同じようにシーズン最後の試合に赴いた時の事。

旧市民球場最終年だったあの時は球団史上初のプレーオフ進出まであと少しと迫りながら終盤の失速で夢破れた日の翌日の試合だったのを覚えています。

あの時と同じような暗黒期へチームが逆戻りする事が確実となった昨今ではありますが、あの頃と同じように試合とはカープが負けるのが当然という悲しい状況であっても球場に出来るだけ行って応援をこれからも続けたい…と改めて思う次第です。

 

f:id:Allen1991_09:20201025124610j:plain

 

その2008年から12年で横浜スタジアム最寄りの関内駅は劇的に変化しました。

当時は横浜スタジアムというより、中華街と山下公園の最寄り駅という印象が大きくベイスターズに関しては無視されているかのような駅でしたが…。

その後の球団を盛り上げようというDeNA球団と地元の努力により駅構内にはベイスターズのロゴが溢れ、場内アナウンスをベイスターズの選手たちが務めるという変貌ぶりで完全にボールパークの最寄り駅となりました。

この間のDeNA球団の熱意と工夫には改めて敬意を表したい次第です。

 

f:id:Allen1991_09:20201025124615j:plain

駅から横浜公園へ向かうと今年、開催される筈だったオリンピックに備えての増築工事を経て誕生したウイング席の威容に圧倒されます。

f:id:Allen1991_09:20201025124618j:plain

建築から30年以上はこれといった特徴がない狭隘な球場に過ぎず、施設の陳腐さの割に入場料金が高いという印象しかなかった横浜スタジアムをこれだけの立派なスタジアムに変えたDeNA球団の手腕はやはり目を見張るものがあります。

それだけに今年、コロナウイルス蔓延による無観客措置で今季の観戦が1度きりになったのが本当に悔やまれます。

今年初めて食べた「ベイスターズドッグ」が今年は「オリジナルブレッド」しかパンズを選ぶ事が出来ず「ソフトブレッド」を選べなかった事も含めて…。

 

f:id:Allen1991_09:20201025124738j:plain

f:id:Allen1991_09:20201025124741j:plain

f:id:Allen1991_09:20201025124645j:plain

座席に付いてふと打撃練習のゲージを見るとそこには今季限りでの引退を決めた石原慶幸の姿が…。

学生時代から球場に行く度に姿を見ない日はなかった彼の現役選手として姿もこれが見納め。

試合の度にリードが悪いと球場内外から罵声を浴び続けた暗黒期に、一転して名捕手として称賛されるようになった3連覇時までの苦労。

それを記者会見で「幸せな時間だった」と言い切ってくれた姿を思い出すとふと涙が溢れそうになりました。

恐らく試合には出ないでしょうが、関東での最終戦となる明日の試合では最後にファンに何らかの挨拶をしてくれるのかもしれません。

 

f:id:Allen1991_09:20201025124753j:plain

f:id:Allen1991_09:20201025124810j:plain

試合は、新人王を狙う森下暢仁の気迫溢れる投球と、対象的に目標を失って捨鉢にも見えるやる気のない野手陣の対比という大変残念かつ憤懣やるかたない展開。

森下が3回裏に許した唯一の失点も堂林翔太の何のスポーツを見ているのか分からなくなるレベルの飛んでもない暴投と打球に追いつきながら捕球できなかった鈴木誠也の球際の弱さによるもの。

はっきり言って、今日の野手陣は全員が森下のタイトル獲得を邪魔しているとしか思えませんでした。

しかし、それでも森下は失点して以降は一人も走者を出さないという素晴らしい力投での完投に加えて8回裏の決勝打含めて2安打と打撃でも活躍で一人で9勝目をもぎ取る事に成功しました。

上記の野手陣のやる気のないプレーもあって「野球は一人でも勝てる」を証明した形。

しかし、そうであるが故に今季ここ5シーズンで最悪とも言える低迷に沈んだチームの惨状がかえって目立ってしまった印象もあります。

そもそも勝ち越した後の9回にしても球数的には本来なら森下自らが完投させるべきかは微妙でした。

しかし、良いか悪いかは投げさせないと分からない気まぐれ極まりないヘロニモ・フランスアがあっさり勝ち星を消してしまう可能性を考慮すると決して間違いとは言えないのが悲しい現実です。

森下の攻守に渡る活躍は素晴らしいし感動的だったのは言うまでもありませんが、逆に言えば新人のこれだけ負担を強いている以上は、このチームが来季以降も浮上する可能性は大変前年ですが低いという事の証左でしょう。

f:id:Allen1991_09:20201025124835j:plain

試合が終了して整列退場の順番を待っていると、ベイスターズの選手が一斉に出てきました。

この試合の1打席目の安打が日米通算2000本安打となったホセ・ロペスの記念撮影です。

これには3塁側にいたカープファンからも大きな拍手。

個人的には私が2000本安打達成に球場で立ち会ったのは野村謙二郎新井貴浩以来3人目で他球団の選手としては初めての事。

日米複数球団を渡り歩いた「ジャーニーマン」の素晴らしい記録達成に立ち会えたのは大変幸運でした。

 

f:id:Allen1991_09:20201025124841j:plain

f:id:Allen1991_09:20201025124839j:plain

森下の大活躍に、ロペスの大記録達成、そして石原の最後の勇姿。

様々な印象に残る出来事を思い出しながら勝利の余韻に浸って帰りのグリーン車で飲むビールは最高ですね。

これがあるから社会情勢はどうあれ、何とかしてまた球場に行きたくなるというものです。

f:id:Allen1991_09:20201025124731j:plain

 

これで今季の私の球場での観戦は最後。

例年より遥かに短い期間で、遥かに少ない観戦数となったのは本当に残念。

本拠地での観戦が一切ないのも観戦試合数が10を切ったのも成人してからは初めての事。

新型コロナウイルスの威力は凄まじく、国内外で感染者数は増加が止まらず、野球を含めてエンターテインメントへの風当たりは凄まじいものがあり来季以降も復調の気配すら見えません。

そうである以上、スタジアムでの日常を取り戻すに主催者は勿論、私達ファンの一人ひとりが責任と自覚をもって、少しでも規制が緩和できるような状況を作り出す努力が必要なのは言うまでもありません。

 

再び球場で歌い歓声を共に挙げるその日が来ることを信じて。

 

野球場でまた会いましょう。

 

f:id:Allen1991_09:20201025124710j:plain

 

2020年観戦成績

5試合3勝1敗1分

10/23(金) ●「『2線級』の頑張りも…」(カープ2020)

横浜DeNAベイスターズ2-0広島東洋カープ

22回戦(カープ7勝13敗2分)

横浜スタジアム

 

勝利投手 京山2勝1敗

敗戦投手 床田3勝8敗

セーブ投手 三嶋1勝1敗16セーブ

 

本塁打

(C)-

(De)-

 

打点

(C)-

(De)梶谷①神里①

 

投手

※数字は自責点

(C)床田②-菊池保-島内

(De)京山-パットン-石田-三嶋

 

先発床田は中盤に崩れるも6回2失点で試合を作りリリーフ陣も無得点。

打線は、5回途中までノーヒットで散発3安打の拙攻。

守備でも3失策と精彩を欠き今週2度目の完封負け。

------------------------------------------------

まともな投手がほとんどいないという認識が内外に定着して久しいカープの投手陣。

その先発ローテーションを務める投手の中で、野村祐輔の故障離脱により先発を務めた薮田和樹を除けば最も質の低い投手は誰かと問われれば、今日の先発の床田寛樹の名前を挙げる事に異論はほとんどないかと思われます。

長く辛いリハビリを乗り越えて先発ローテーションとして活躍した昨年は大きな飛躍を期待させたものでしたが、それも今となっては過去の話。

今季は防御率5点台にWHIP1.70台と壊滅的な数字に勝ち星の倍以上に積み上がった黒星が昨年の活躍は残念ながらたんなるまぐれに過ぎなかった事を証明しています。

はっきり言ってこのような投手にわざわざ先発を任せる価値などどこにもないに等しいと思われましたが…今日は意外にもQSとここ1ヶ月ではもっともまともな投球。

中盤に自らのエラーなどで失点したのはご愛嬌ですが、それでも一時無死満塁のピンチでリーグ屈指とも呼べる強力極まりないベイスターズ打線相手に2失点で済んだのは特筆に値するでしょう。

また、床田降板以降の3イニングを引き継いだ菊池保則と、島内颯太朗も床田同様にいずれも低レベルな投手陣にあって今季は壊滅的な防御率を誇る特に質の低い「試合をぶち壊す係」に過ぎない投手たちですが、二人合わせて被安打1無失点とこれまた意外な活躍。

打たれる為に登板しているに等しく、軽く10失点以上は喫しそうなこういう2線級投手だけ並べても僅か2失点で済んでいるのですから、これも勝敗など関係なくプレッシャーの欠片もない消化試合らしい光景と呼ぶべきかもしれません。

勿論、彼らの能力を考えればこんな事ぐらいで来季に期待なんて口が裂けても言えませんが…。

 

今季、これだけボロボロでプロ野球の体をなしていない投手陣はこれでなんと今週の試合はすべて先発がQSとなりました。

しかし、それでも勝率が5分なのはやる気の欠片もない打線によるものなのは言うまでもありません。

今日はさほど今季好調とはお世辞にも言えず前回登板でもわずか2回で降板した京山将弥相手に5回途中までノーヒット…しかも初安打は床田のまぐれ当たりという体たらく。

昨日、宇草孔基の故障を経て一軍に上がったばかりの野間峻祥のような「くたびれた中堅選手」を平気でスタメン起用しているのですからこの結果もやむを得ない事かもしれませんが…目標を失って惰性でやっているだけ姿を見せられるのは勘弁して欲しいものです。

10/22(木)○「消化試合の流儀」(カープ2020)

阪神タイガース5-9広島東洋カープ

23回戦(カープ8勝12敗3分)

阪神甲子園球場

 

勝利投手 薮田1勝2敗

敗戦投手 岩田1勝2敗

 

本塁打

(C)ピレラ11号③

(T)原口3号③

 

打点

(C)會澤①堂林①西川①長野①田中広①鈴木誠①ピレラ③

(T)糸原①原口③

 

投手

※数字は自責点

(C)薮田②-塹江③-ケムナ-フランスア

(T)岩田⑥-小川-能見-エドワーズ-岩貞②-藤川

 

先発、薮田は5回まで1安打無失点の投球で6回2失点と試合を作る。

打線は初回から繋がり3回までに6失点も以降は8回まで無得点。

塹江が崩れ1点差に追いつかれた9回表にピレラの本塁打で突き放し今季最後の甲子園での試合を勝利で終える。

薮田は2年ぶりの白星。

------------------------------------------------

プレーオフが行われない今季にあって優勝の可能性が完全に消滅したのが昨日。

初のプレーオフ進出を遂げた2013年以降でAクラスを逃した2015年と2019年は最終戦までプレーオフ進出の可能性を残していたわけですから純然たる消化試合というのは実に8年ぶりという事になります。

で、その記念すべき消化試合の開幕戦はこれまでの適当な試合が嘘のように序盤から優位に試合を進めて、6回7回だけで5失点を喫して一時6点差を1点差まで詰め寄られる辺りの「らしさ」は見せたのものの勝利となりました。

もっとも、こんな次のステージに繋がる事もないオープン戦以下の価値もないような試合ですから勝敗など二の次なのは言うまでもありません。

むしろ今日の試合の先発が薮田和樹で、スタメンには長野久義、ホセ・ピレラ、上本崇司が名を連ねるには唖然とさせられました。

ファンの方には大変申し訳ないですが、言わせて貰えば彼らはそれぞれ「ピークを過ぎた終わった投手」や、「ロートル」に「伸びしろのない冴えない中堅」に「来季以降の契約が微妙な外国人」に過ぎません。

負傷した宇草孔基はともかく、こんな勝敗に意味がない試合で大盛穂や葉月隆太郎を起用しない理由が分かりませんし、二軍での大活躍が認められて支配下登録を勝ち取った藤井黎來を二軍に落としたばかりか田中法彦にもまったく出番を与えないとは…。

正直、この期に及んでこんなメンバーで試合に臨む必要がどこにあるというのでしょうか?

ベンチに居座る連中は何も考えずに試合に臨んでいる…というより昨日優勝の可能性が無くなった事やプレーオフが今季は無いことすらを知らないし興味もないとしか思えません。

勿論、今日の試合で薮田は久しぶりにまともな投球を、長野やピレラは試合を決定づける活躍をそれぞれ見せて最低限以上のパフォーマンスをファンに提供してくれた事は確かです。

また、全員若手でスタメンを組むべきなどとも思いません。

しかし、これが森下暢仁のような個人記録がかかった投手の試合ならまだしも、ローテーションの谷間の投手の試合でまったくの中堅以上のメンバーで試合をする必要も今更どこにもないでしょう。

カープという球団は成績や能力に関わらず最低3年以上、指導者はその地位に居座ることが約束されているという世界的にもかなり特異な契約形態を持っているのは周知の事実。

それならばもはや勝敗が度外視されている消化試合においては来季以降の長いスパンを見据えて戦う事がベンチを預かる者としての義務の筈です。

それが果たせない以上は、改めて佐々岡真司監督以下の指導者たちにその資質が無いと言い切っていいかと思えます。

10/21(水)●「寒空の終戦」(カープ2020)

 

阪神タイガース2-0広島東洋カープ

22回戦(カープ7勝12敗3分)

阪神甲子園球場

 

勝利投手 青柳7勝8敗

敗戦投手 遠藤3勝6敗

セーブ投手 スアレス2勝1敗22セーブ

 

本塁打

(C)-

(T)マルテ3号2

 

打点

(C)-

(T)マルテ②

 

投手

※数字は自責点

(C)遠藤②-菊池保-中村恭-中田

(T)青柳-岩貞-岩崎-藤浪-スアレス

 

先発遠藤は初回に被弾し先制を許すも9奪三振を奪い6回2失点。

打線は散発3安打の拙攻で3塁すら踏めず無得点。

投手陣が抑えるも最後まで打線が沈黙し完封負けで今季優勝の可能性が完全消滅。

------------------------------------------------

10月も後半に差し掛かって全国的に冷え込んできている今日このごろ、2年連続でカープから優勝の可能性は完全に消滅しました。

もっとも、事実上優勝の可能性など開幕1ヶ月程度の段階で消滅していたも当然ではありますが…。

しかし今季は、コロナウイルス蔓延と日程の短縮の影響でプレーオフは行われませんので優勝を逃す事はそのまま終戦ともなります。

 

それにしても、この寒空の下、座席の多さ故に空席が目立つ甲子園球場でこのお寒い結果と内容というのも大変印象的。

まるでこの球団に訪れる長い冬を暗示しているかのようですね…。

 

今季低迷の最大の原因は近年稀に見るほどの酷さを誇る投手陣である事は言うまでもありませんが、こういう試合に試合に限ってしっかりと試合を作ってしまうのは何とも皮肉なものです。

先発遠藤敦志は立ち上がりこそは悪かったもののその後は僅か1安打に抑えて2ヶ月ぶりのQSを達成。

ここ最近の投球は完全に疲弊しきった抜け殻のような覇気の欠片も見られないものでもはやシーズン終了までローテーションに残る事すら困難と思えただけに今日の出来は意外でした。

もっとも、4.45と開幕からローテーションの一角を占めた投手とは思えない防御率をはじめとして悲惨な数字が並び、5勝はおろか規定投球回数すら絶望的な状況は変わりません。

せめて年間100イニングには到達してくれれば良いのですが…。

 

再び4番に松山竜平を据えた打線は僅か3安打で三塁すら踏めず、実に約1ヶ月ぶりの完封を喫しました。

昨日、4番に西川龍馬を据えた事と同様に今日は2番に羽月隆太郎を、6番に宇草孔基を据えるという打順を試しましたが、そもそも打者全員ほとんど試合に参加しないも同然で、機能するしない以前の問題でした。

結局、攻守が噛み合わない試合しかしていなかった今季は野手陣と投手陣には一体感はおろか信頼関係すらなかったという事を改めて証明したかのようです。

恐らくはこの投手陣と野手陣の滑稽ないがみ合いはシーズン終了まで続くことになるでしょう。

10/20(火)○「赫々たる4週」(カープ2020)

阪神タイガース1-5広島東洋カープ-

21回戦(カープ7勝11敗3分)

阪神甲子園球場

 

勝利投手 九里7勝5敗

敗戦投手 ガルシア2勝6敗

セーブ投手 フランスア2勝3敗15セーブ

 

本塁打

(C)-

(T)-

 

打点

(C)西川②坂倉②長野①

(T)糸井①

 

投手

※数字は自責点

(C)九里①-フランスア

(T)ガルシア④-伊藤-藤川-谷川-能見

 

先発、九里は6回途中まで無安打に抑え8回1/3を1失点の好投。

打線は3回表に集中打で4点を挙げるも5回以降は1安打に抑えられる。

最終回に九里が連打を浴びるも2番手フランスアが凌いで連勝。

------------------------------------------------

前回登板時、今季は開幕戦から13連勝の日本記録を更新し、まさに向かうところ敵なしだった菅野智之相手にリーグで唯一投げ勝った投手となった九里亜蓮が今日も魅せてくれました。

初回から小気味いい投球で5回途中までパーフェクト、6回途中までノーヒットという前回以上の素晴らしさ。

9回表こそバテてしまい、3連打を浴びて失点を喫し今季2度目の完封は逃したもののこれで4週連続HQSを達成となりました。

この間今季自身の白星の半分近くとなる3勝を挙げた他、自責点は今日も含めて僅かに2。

12球団最悪レベルと呼べるぐらいに質の低い投手陣にあって、週の初めを司る先発投手としては十二分の活躍を見せてくれています。

九里と言いますと3回登板して1回QSを達成しても残り2試合は散々な出来になるのが相場と言い切れるぐらいに好調を維持できない気まぐれな投手。

それが、一ヶ月近いスパンで好調を維持しているのですから大きな驚きです。

とはいえ、自身初の二桁勝利はほぼ絶望的な状況からも分かる通り年間で考えるとやはり安定感があるとは言い難いのも事実です。

何とか好調をシーズン終了まで維持して来季以降への飛躍を期待したいものです。

…というような事をここ3年ほど続けて書いているような気がしますが今度はどうでしょうか?

 

打線は、前回の試合でプロ入り初の1試合2本塁打を記録した西川龍馬をプロ入り初の4番に据える一方で、左投手対策からか1番に長野久義を5番にホセ・ピレラを起用するというフレッシュなのかそうでもないのかよく分からないスタメン。

正直、センスは抜群ながら、極端な悪球打ちでお世辞にも選球眼が良いとは言い難い西川の4番にはさほど期待していませんでしたが…意外にも最初の得点圏で決定的な働きをいきなり見せてくれました。

もっとも、インパクトがあったのはそこまで。

打線が5回以降はほとんどチャンスすら作れなかった以上は鈴木誠也松山竜平を差し置いて4番に据える価値があるとは言い難く、一種のファンサービスみたいなものと考えた方が良いでしょう。

やはり彼の適性は1番打者という事です。

10/18(日)○「内容のわりには…」(カープ2020)

広島東洋カープ5-0中日ドラゴンズ

20回戦(カープ10勝9敗1分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 中村祐3勝2敗

敗戦投手 清水1勝1敗

 

本塁打

(C)西川5号①鈴木誠③西川6号①

(D)-

 

打点

(C)西川②鈴木誠

(D)-

 

投手

※数字は自責点

(C)中村祐-ケムナ-フランスア

(D)清水④-又吉-木下雄-マルク

 

先発、中村祐太は7安打を浴び毎回走者を背負うも7回を無失点で投げきる。

打線は4回裏に西川の本塁打で先制すると5回裏には鈴木誠也の3ランで突き放す。

8回以降はケムナとフランスアが抑えて連敗を3で止める。

------------------------------------------------

新人王を目指す森下暢仁の勝ち星がかかった昨日に比べると正直、興味をそそる要素がほとんど皆無な正真正銘の消化試合。

先発の中村祐太は初回から安定しているとは言い難く最終的に被安打7を浴びるという投球。

内容的にはこちらに序盤はチャンスらしいチャンスを作らせなかった相手先発の清水達也の方が遥かに内容的に優れていたように見えただけにこの結果は意外としか言いようがありません。

中村祐太は今季、失点のほとんどが被本塁打である一方で、得点圏での被打率が低いのですが今日も要所で抑える事が出来たのが功を奏したようです。

とはいえやはり内容と結果を比較すると不可解かつ薄気味悪い投手です。

正直、主力としての活躍を期待出来るレベルの投手とはお世辞にも言い難いですが、何とかこの調子でシーズン終盤までQSを続けて欲しいものではあります。

 

一方打線はさほど繋がりはありませんでしたが、西川龍馬と鈴木誠也の二人が全打点を叩き出す活躍を見せてくれました。

中でも西川は今日が意外にもプロ入り初の1試合2本塁打

試合終了後のヒーローインタビューではインタビュアーの不手際でほとんどこれと言ったコメントを残せませんでしたが、主力として活躍を期待されている選手に相応しい活躍と言えるでしょう。

 

とまあ、連敗を止めたとはいえ、この試合に関してはこれぐらいの感想しか思い浮かびません。

というのも、昨日のようにタイトルがかかっている絶対に勝って欲しいという試合で無様な試合を見せている以上は、特に印象に残すほどの価値がこの試合にはないからです。

無茶な要求なのは承知ではありますが、要するに5打点挙げた打線や綺麗に抑えたリリーフ陣にはこう言わざるを得ないという事です。

「それ昨日やれよ」と。

10/17(土) ●「試練ではなく不条理」(カープ2020)

広島東洋カープ2-5中日ドラゴンズ

19回戦(カープ9勝9敗1分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 柳4勝6敗

敗戦投手 塹江3勝4敗

セーブ投手 R・マルティネス2勝21セーブ

 

本塁打

(C)-

(D)-

 

打点

(C)-

(D)

 

投手

※数字は自責点

(C)森下①-塹江②-フランスア②-島内

(D)柳②-福-R・マルティネス

 

先発森下は失点した4回表以外は盤石の投球で7回1失点で試合を作る。

打線は3回までに2得点も以降は内野安打1本のみの拙攻。

8回裏に塹江とフランスアが総崩れで逆転負けを喫し3連敗でカード負け越し。

------------------------------------------------

2試合連続でQSを記録し2連勝中の森下暢仁は大学時代の先輩でもある柳裕也との勝負で今日の試合でも素晴らしい投球を見せてくれました。

4回表こそ連打や坂倉将吾の送球ミスなどもあり失点を喫してしまいましたが、それ以外はほとんど危ない場面がない投球。

7回終わって球数は96球で最後に取ったのアウトも明らかなミスジャッジにしか見えない微妙な判定がアウトになった幸運もあり8回まで行けそうな雰囲気はありました。

しかし、ここで追加点のチャンスの為に森下を下げて継投に入るのはやはり賢明な判断だったと言えるでしょう。

そういう風に思えないのはこの試合の結果は勿論ですが、もはやまともな投手が一人もいないブルペンの惨状ゆえかと思います。

塹江敦哉もヘロニモ・フランスアももはや現政権名物となった無茶なイニング跨ぎの乱発などで完全に消耗しきっている事がありありと分かるような最近の投球内容でしたが、今日は遂に8回に二人併せて4失点と力尽きてしまいました。

聞けば相手チームは6回終了までにリードしている試合は今季33連勝中との事ですが、我々は逆に6回終わった時点で3点差以内なら自動的に負けと見なしても良いかもしれません。

それぐらいこのチームのブルペンには絶望しかありません。

 

一方で打線も打線で調子が良かったのは序盤だけで森下自らが長打を放ってチャンスメイクをしても尚、十分な援護点しか奪えないという体たらく。

「逆転のカープ」はもはや遠い昔のおとぎ話と思えるぐらいこのチームの打線は僅差での中盤以降ではまったく無力だと改めて認識します。

投げても投げても打線はまともに援護してくれず後続の投手は打たれる…。

到底試練などと綺麗事では呼べない不条理の連続に改めて、森下は入団した球団にもう少しまともな同僚やベンチに恵まれたらな新人王など簡単に獲得できたのにと思わざるを得ません。