吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

04/05(金)●「そう何度も起こらないという事」(カープ2024)

広島東洋カープ0-1中日ドラゴンズ

1回戦(カープ1敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 柳1勝

敗戦投手 九里1敗

セーブ投手 マルティネス2セーブ

 

本塁打

(C)-

(D)-

 

打点

(C)-

(D)-

 

投手

※数字は自責点

(C)九里-矢崎

(S)柳-勝野-マルティネス

 

先発九里は7回無死まで無安打の好投も8回表に味方失策で失点。

打線は散発5安打で3塁も踏めない拙攻。

投手陣の奮闘実らず今季初の完封負けで連勝が止まる。

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昨日は終盤に3点差からの逆転劇を見せて3連勝を飾ったカープでしたが、今日はファンに新井監督のバブルヘッドを来場者にプレゼントする為だけに試合をしたのも同然でした。

 

先発の九里亜蓮は初回から圧巻の投球を見せて6回終わって無安打の好投。

7回に初安打を浴びた直後も落ち着いた投球を見せて抑えただけに序盤に最低限でも打線の援護さえあれば完封は勿論、ノーヒットノーランすら可能でしたでしょう。

開幕戦は同点弾を浴びるも試合は作った事に今日の試合の出来を見ればこれが他のまともな打線を持っているチームなら悠々開幕2連勝を飾った筈なだけに大変悔やまれます。

 

一方、その九里の好投を台無しにした打線ですが、結局のところ昨日の逆転劇はたんなる偶然でそう何度も起こらないという事を明らかにしただけでした。

ここ3試合で好調だった野間峻祥が首痛で欠場となり更にグレードダウンでますますどうやって得点を稼ぐのかさっぱり分からなくなりました。

昨日の小園海斗に続いて今日は田村俊介のエラーで失点と守備でも僅差の場面でのミスが目立ちます。

こういう好投手同士が投げ合う1点差を巡る試合では結局、地力のなさが目立つだけという事なのでしょう。

この辺りは昨年もカープ同様に貧打に苦しみながら貪欲に補強を続けた相手チームとの差が週末3連戦で明らかになるのではと危惧せざるを得ません。

 

勿論、田村の2安打など明るい材料も無い事はないのですが、いずれも試合に影響を与える程の事ではないでしょうし…大変困った事です。

04/04(木)○「初安打攻勢」(カープ2024)

広島東洋カープ6-3東京ヤクルトスワローズ

2回戦(2勝)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 中崎1勝

敗戦投手 清水2敗

セーブ投手 栗林2セーブ

 

本塁打

(C)-

(S)-

 

打点

(C)曾澤②上本①松山②矢野①

(S)サンタナ①長岡①

 

投手

※数字は自責点

(C)大瀬良③-塹江-コルニエル-中崎-栗林

(S)高橋-清水③-嘉弥真①-エスパーダ

 

先発大瀬良は5回まで無失点も6回に崩れて3失点でノックアウト。

打線は7回裏に2点を返すと8回に上本、松山、矢野の連続適時打で4得点。

リリーフ陣は無失点で抑えて終盤での逆転勝利でカード勝ち越し3連勝。

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雨で2戦目が流れた開幕カード3戦目はチケットが入手しにくい状況が続いていた事が嘘のように内野も外野も空席が目立ついささか寂しい光景の中での試合をなりました。

まあ、それでも動員が2万人を超えているので十分に入っているのですが…。

 

先発の大瀬良大地は何とか要所を抑えて5回まで無失点の投球。

一方で、5番に上本崇司、久保修をプロ入り初スタメンと右打者を並べた打線は前回の試合と同様に相手先発の高橋奎二の前に好機らしい好機も作れないまま無得点。

前回はそれでも先発の床田寛樹が何とか耐えてくれましたが、スタミナに不安を抱える大瀬良ではそうもいきません。

案の定、6回表に四死球連発で自滅する形で3失点を喫してノックアウト。

こういう中盤で崩れる事が分かり切った投手が先発する試合で序盤で無得点という時点で既に敗北は確定したも同然でした。

 

しかし、結果的には終盤2イニングで6得点もあげて劇的な逆転勝利を収めたのですから勝負とは分からないものです。

しかも得点はいずれも2死からというのですから余計に驚きです。

チームでは残り僅かになったピンストライプ時代のユニフォームを着用した経験のある会澤翼と松山竜平の両ベテランに矢野雅哉と適時打を放った4人のうち3人がいずれも今季初安打。

特に松山は代打の切り札としての起用が多い中でなかなか安打が出なかっただけに本人もファンも安心したかと思えます。

開幕3連戦で好調だった小園海斗の勢いが止まりスタメンとしてコンスタントに安打を重ねているのが堂林翔太ぐらいという核になる選手が不在な打線にあってこういう活躍が出て来るのは何よりの事です。

もっとも、こういう展開は何度もできる物ではありませんし、まだ先発やリリーフが消耗していない今の時期ぐらいのものでしょう。

核となる選手がおらず、先発投手を打ち崩せない打線の状況に改善の見込みすらない以上苦しい展開は続くかと思います。

そうなると、今日のような平日ナイターの動員もますます厳しいものになるかもしれません。

04/02(火)○「薄氷の本拠地開幕勝利」(カープ2024)

広島東洋カープ2-1東京ヤクルトスワローズ

1回戦(カープ1勝)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 島内1勝1敗

敗戦投手 清水1敗

セーブ投手 栗林1セーブ

 

本塁打

(C)-

(S)-

 

打点

(C)秋山①野間①

(S)西川①

 

投手

※数字は自責点

(C)床田-島内①-栗林

(S)小澤-大西①-嘉弥真-清水①

 

先発床田は序盤のピンチを抑えると中盤以降は安定し7回無失点の好投。

打線は5回1死まで無安打の拙攻も7回裏に秋山の適時打で先制。

8回表に追いつかれる展開も直後に野間の適時打で勝ち越して今季初の連勝。

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終盤僅差の場面で相手外野手が突然ベンチに向かってボールを投げるという謎のプレーを見せた事もあって、奇跡的に開幕3連敗を免れたカープは今日から本拠地開幕戦。

とはいえ、球場にやって来たファンの多くは困惑した事でしょう。

なにしろ期待の新外人は二人そろって開幕2戦目で一軍から姿を消して、長打が望める選手が一人もいないまるで消化試合のようなスタメンだったのですから…。

案の定、打線はスワローズ先発の小澤怜史の前に手も足も出ず、単打2本を打つのが精一杯で2塁すら踏ませて貰えないという拙攻。

おまけにその2本の安打のうち1本が床田寛樹によってもたらされたのですから、深刻な貧打という現実が垣間見えます。

一応、昨年の同じ日に件の「清水建設事件」を神宮球場で引き起こしファンの記憶に刻んだ野間峻祥が今日は打って変わって守っては好返球で相手の得点を阻止し、決勝の3塁打も放つという活躍はありましたが…全体的に見れば単打ばかりで迫力は無く、1点が相手に比べて遥かに遠かったと感じざるを得ません。

 

一方、床田寛樹は3回表に上記の野間の好プレーに助けられるなど序盤はやや不安定な部分もありましたが中盤以降はほぼ完ぺきで素晴らしい投球を見せてくれました。

全く得点の予感すらしない展開だっただけに今日の先発が床田で無ければ恐らく試合は一方的な展開で惨敗を喫していた事でしょう。

それだけにこの床田に勝ち星がつかなかったのは大変残念です。

結果的に床田の勝ち星を横取りする形になった島内颯太郎は既に3試合の登板で2度目の救援失敗と精彩を欠いています。

明らかに投げすぎだった昨年の影響がもろに出てしまった形で、試合を壊してしまうのは時間の問題にすら感じます。

まあ、新井監督の事ですから決定的に試合を壊す投球をするまでは彼を8回で起用し続けるつもりなのでしょうが…。

これだけ打線が打てない状況で改善の見込みすらない中で僅差を守り抜ける事も難しいとは…。

今季本拠地開幕戦勝利に今季初の連勝とはいえ、この先を考えると大変頭が痛い思いです。

03/31(日)○「アドゥワ!君はまだ輝いている!!」(カープ2024)

横浜DeNAベイスターズ1-5広島東洋カープ

3回戦(カープ1勝2敗)

横浜スタジアム

 

勝利投手 アドゥワ1勝

敗戦投手 大貫1敗

 

本塁打

(C)田中1号③

(De)-

 

打点

(C)田村①田中①坂倉①

(De)宮崎①

 

投手

※数字は自責点

(C)アドゥワ①-益田-矢崎-島内-栗林

(De)大貫②-ウィック-上茶谷-石川

 

先発アドゥワは初回に失点を喫し被安打3四死球ながら粘って5回1失点。

打線は3回表に田中広輔本塁打で勝ち越すと8回表に相手のエラーで追加点。

6回以降はリリーフ陣が無失点で抑えて逃げ切り今季初勝利を飾る。

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昨日に続いて向かった横浜スタジアム崎陽軒のシウマイ炒飯を食べながら、憮然とした気持ちとなりました。

それは勿論、炒飯が思った以上に容器が小さかったからという事ではなく、行きの電車の中で見た昨日の試合でジェイク・シャイナーが右中指の剥離骨折で、マット・レイノルズが右肩痛の再発でそれぞれ登録抹消というニュースによるもの。

元々、オープン戦から両者とも日本のプロ野球に対応できない事は明らかでお荷物としか思えない選手ではありましたが、開幕カードが終わらないうちに離脱など聞いた事がありませんし、もはや編成部門の不祥事と呼んで良い醜聞としか言いようがありません。

彼らの姿を一軍で見る事は恐らくも二度とないでしょうが、事はそれに限らず近年の助っ人のあまりの酷さから見る目の無さを露呈している駐米スカウト陣の来季の契約を見直すべきとすら思えてきます。

あ、ちなみに炒飯については美味しかったですし、球場で食べるならあれぐらいのサイズが丁度良いような気もします。

 

そういう訳で期せずして純国産となりもはや長打を半ば捨てたも同然のスタメンを組まざるを得なくなった状況での試合。

一方、そういう状況にあって先発を務めたのは実に5年ぶりとなる先発マウンドとなったアドゥワ誠とあってはっきり言って惨敗した昨日以上に一方的な展開が予想されました。

アドゥワは初回に初回にいきなり長打で失点を喫すると、四死球も重なり二死満塁のピンチを招くなど試合を壊すのが時間の問題のような投球。

5イニングで4四死球という結果からも分かる通り制球も苦しく、捕手の坂倉将吾が構えたミット通りにボールがいかない場面が多々ありましたし、そのことごとくがシュート回転していたように見えましたが…。

かえってそれが好調な相手打者達の打ちそこないを誘発したように思えました。

とにかくアドゥワが、半ば奇跡的に最少失点のまま5回まで投げ抜いた後は益田武尚、矢崎拓也、島内颯太郎、栗林良吏が6回以降で完封リレー。

何とかリードを最後まで守り抜くことが出来たのは何よりです。

これでアドゥワは昨年の4年ぶりの勝利に続いて、今日は実に5年ぶりとなる先発としての勝利。

まだビールかけにも参加できない高卒2年目でミドルリリーフとしてチームのリーグ優勝に貢献し、以降は先発ローテーションにも入り将来を嘱望されながら右ひじの故障で丸3シーズン1軍登板なしで半ば戦力外候補だった状況からの1勝。

ヒーローインタビューでは何かにつけて「良かったです」しか言わない淡々とした受け応えからは想像も出来ない苦難の道を乗り越えた形です。

本当に感動しましたし、スタンド彼のヒーローインタビューを見ながら涙したのは私だけではなかったでしょう。

結局、チームは開幕3連敗こそ免れたものの攻守で問題を抱えている事を改めて露呈しましたし、今日は田中広輔の起死回生に一発で勝ち越した以外はまともな得点がなく相手の考えられないようなエラーから追加点をプレゼントして貰った打線は、今のスカッドでどうやって1年間戦い抜くのか分からない程の惨状ですが…。

何はともあれ今宵ばかりはアドゥワの5年ぶりの輝きに乾杯です。

アドゥワ誠、君はまだ輝いている!!

03/30(土)●「巡った機会で怖気づく情けなさ」(カープ2024+カープ観戦記)

横浜DeNAベイスターズ6-1広島東洋カープ

2回戦(カープ2敗)

横浜スタジアム

 

勝利投手 平良1勝

敗戦投手 黒原1敗

 

本塁打

(C)-

(De)渡会2号②

 

打点

(C)小園①

(De)牧①平良①オースティン①佐野①渡会②

 

投手

※数字は自責点

(C)黒原①-河野③-大道②-塹江-益田-中崎

(De)平良①-徳山

 

先発黒原は初回に危険球で1死も取らず退場し、2番手河野が試合を壊す

打線は7回無死まで無安打の拙攻で9回表の1得点のみ。

攻守で圧倒される惨敗で開幕2連敗。

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私の今季初のカープの公式戦観戦は素晴らしい天候に恵まれた横浜スタジアムとなりました。

この球場の名物であるクラフトビールベイスターズホワイト」を楽しみながら「ベイスターズドッグ」にかぶりつくという楽しみを半年ぶりに体験したら「ああ、今年もこの季節が来たのだな」と実感できます。

というより、そこで満足してさっさと家に帰ればどれだけ幸せなままで過ごせたでしょうか。

昨年も神宮球場での開幕戦全てで敗れるなど最初の観戦が必ずしも良い結果になるという事はないのですが…それにしても酷すぎました。

本来、先発が予定されていた森下暢仁が右ひじの違和感により登板回避となった影響で開幕第2戦を任されたのは未だに公式戦未勝利の黒原拓未。

オープン戦では比較的好調を維持しながら、新井監督の自身とプレーした経験のある選手を優先する傾向のせいか最後にアドゥワ誠に競り負けた形ですから、予想外の大抜擢という訳でもありませんでしたが、予期せぬ形で好機に恵まれた形。

しかし、その好機を黒原は自らたった3球でぶち壊してしまいました。

昨日、プロ入り初本塁打を放つなどド派手なデビュー戦となった先頭打者の渡会隆輝への頭部死球で場内は当然ながら騒然。

死球自体は当然ながら意図したものでもないですし、不幸な事故としか言いようがないものですが、さすがに初回からこのようなミスをしてしまうのはあまりに脆すぎるとしか言いようがありません。

昨年も佐々木朗希という稀代の好投手との対決という、願ってもないシチュエーションでろくに試合も作れずノックアウトされた事を見ても彼が一軍に耐えられるメンタルを持った投手でないのは明らかです。

というより、即戦力候補としてドラフト1位で入団しながら未だに1つも勝ち星も挙げらない彼にははっきり言ってもううんざりです。

森下の状態もあるでしょうが、少なくとも二度と球場で彼の姿を見たいとは思いません。

また、その黒原の退場を受けて緊急登板となった河野圭も急いで肩を作る必要があった事から可哀想な結果にはなってしまいました。

しかし、そもそも彼は現状開幕一軍に入ったものの次節以降は先発投手と交代する形で二軍落ちするのが規定路線だった投手。

これまた期せずして巡って来たアピールの好機だった筈ですが、結局は力の無さを示しただけでした。

こうして、黒原も河野も巡って来た機会を粋に感じるどころか怖気づくばかりで何も残せなかった事実だけが残りました。

元々、新井監督が若手の抜擢に消極的な事もあってオープン戦期間で成長した若手が皆無だったチームらしいですね…。

 

03/29(金)●「春の訪れ現実の始まり」(カープ2024)

横浜DeNAベイスターズ4-3広島東洋カープ

1回戦(1敗)

横浜スタジアム

 

勝利投手 ウェンデルケン1勝

敗戦投手 島内1敗

セーブ投手 森原1セーブ

 

本塁打

(C)-

(De)渡会1号③

 

打点

(C)堂林①坂倉①レイノルズ①

(De)渡会③大和①

 

投手

※数字は自責点

(C)九里③-島内①

(De)東③-ウェンデルケン-森原

 

先発九里は3回裏に同点弾を浴びるも7回まで投げ抜き3失点。

打線は3回表に堂林の適時打などで3点を先制も以降は繋がらず。

8回裏に島内が勝ち越しを許して開幕戦を落とす。

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朝から春の嵐と呼ぶには激し過ぎる風雨に曝されながら午後は打って変わって好天に恵まれた関東地方で3カード全てが開催される事となった今季のセ・リーグの開幕戦。

そのうちの一つを横浜で戦う事になったカープですが…結果は今日の空模様のように雨のち晴れとはいきませんでしたし、むしろおおかたの予想通り今季の困難さを感じさせただけでした。

 

自身キャリア初の開幕投手となった九里亜蓮は最初の2イニングをパーフェクト投球で抑えるという良い立ち上がり。

それだけに打線が集中打で先制点を挙げた直後にジェイク・シャイナーのまずい守備があったとはいえ新人、渡会隆輝に起死回生の同点3ランを浴びたのは痛恨でした。

以降、終盤に崩れて最終的に7安打を浴びながら何とか粘って試合を作っただけに猶更です。

まあ、あの同点弾に関しては横浜球団としては実に60年ぶりとなる新人で開幕戦での本塁打が打った相手打者を称えるしかないでしょう。

 

秋山将吾が間に合わず外野に上本崇司、田村俊介に何と開幕4番で堂林翔太と冗談のようなメンバーが並んだ打線は昨年、リーグ最多勝に輝いた好投手東克樹相手に3回表にその堂林が適時打を放つと5連打で3得点と予想外の活躍。

小園海斗が猛打賞を記録するなど菊池涼介、上本崇司、小園の上位打者3人が機能してくれたのが大きかったかと思えます。

また、過大過ぎる期待を背負って開幕スタメンを得た田村俊介は4打席4三振と期待外れだった一方で、オープン戦の低調さから開幕二軍スタートもあり得たシャイナーとマット・レイノルズはそれぞれ来日初安打と初打点と実力の割にはまずまずのスタートを切りました。

しかし、以降は立ち直った相手投手陣に手も足も出ず6回以降は一人たりとも走者を出せず試合全体から見るとオープン戦からの拙攻は相変わらず。

加えて今日の10安打のうち長打はシャイナーによる二塁打のみで一発を打てる選手が居並ぶ相手打線とは大きく見劣りします。

同じ序盤の3得点でもこちらが爪に火を点すようにコツコツと安打を重ねた何とか得た得点である一方で向こうは俊英による華麗極まりない一振り。

上記の通り今日は過大な期待に負けて4三振に終わった田村ばかり注目していた我々は「本当の意味での天才」とは何なのかを思い知らされた次第です。

才能の差とは何とも残酷です。

 

加えて昨年は球団史上初の島内颯太郎が奮わなかったオープン戦での不安を打ち消せないままに勝ち越しをあっさり許しての敗戦。

昨年は迫力のない打線の一方で驚異的な粘りで勝利を何とか重ねて来たチームでしたが、開幕戦からそれが崩れたかのよう。

こうして現実を知る旅路が始まりました。

一体どれだけのファンが最後までついて来られるでしょうか。

「順位予想するのが無意味なレベルの戦力」(2024年シーズンカープ展望)

「開幕前日から憤懣やるかたない。」

 

今の気持ちを一言で言えばそういう事です。

昨季は概ね低評価だった下馬評を覆して2位という結果を手に入れた広島カープ

明日に控えた開幕戦に向けて今季は更なる飛躍を期待…とは到底言えず、むしろ大幅なマイナスでのスタートとなった事実だけが残りました。

 

2024年開幕戦に挑む広島東洋カープ
投手
11 九里亜蓮
12 大道温貴
13 森浦大輔△
20 栗林良吏
21 中﨑翔太
26 益田武尚
36 塹江敦哉△
41 矢崎拓也
43 島内颯太郎
46 河野佳
※△は左投げ

捕手
27 會澤翼
31 坂倉将吾△
32 石原貴規

内野手
0  上本崇司
2  田中広輔
7  堂林翔太
10 レイノルズ
33 菊池涼介
51 小園海斗△
61 矢野雅哉△
69 羽月隆太郎△
95 シャイナー

外野手
9  秋山翔吾
37 野間峻祥
55 松山竜平
56 久保修
60 田村俊介△
※△は左打ち

 

ざっと開幕メンバーを見ると、まず最初に出て来る感想は「昨年とほぼ代わり映えのしないつまらないメンバー」という事。

辛うじて田村俊介と、オープン戦終盤の活躍で滑り込んだ形の久保修がフレッシュさを担保してくれましたが、田村に関しては明らかに期待が過大過ぎますし、久保についてもほとんどチャンスを与えられないまま二軍落ちとなる可能性は濃厚に見えます。

何より、昨年のドラフト会議で上位を占めた大卒投手たち含めて新人が一人たりとも一軍にいないのはもはや編成部門の不祥事としか言いようがありません。

 

先発ローテーションはプロ入り初の開幕投手を射止めた九里亜蓮を筆頭に森下暢仁、床田寛樹、大瀬良大地、トーマス・ハッチ、アドゥワ誠が務める筈でしたが、森下が右ひじの違和感により登板回避となりアドゥワに競り負けた黒原拓未が入りいきなり不穏な空気が漂います。

また、アドゥワ、黒原は勿論大瀬良、ハッチもオープン戦ではたいして内容のある投球を見せていないだけに早々にてローテーションが崩壊する可能性は高いと思われます。

昨シーズンは迫力のない打線の無援護の中で試合を何とか作り続けた先発陣ですが正直、今季は厳しい事態に直面するかと思われます。

一方、昨季は島内颯太郎が球団史上初の最優秀中継ぎ投手に輝くなどその頑強さからチームを躍進へと導いたリリーフ陣についてはどうでしょう?

島内と共にブルペンを支えた矢崎拓也に加えて、昨季序盤は不振と故障に苦しみながら立て直した栗林良吏と続きますが…彼らに続く投手に関しては不安が大いに残ります。

大道貴温も益田武尚もオープン戦では不安定ですし、左腕に関しては新外人のテイラー・ハーンが行方をくらましたのをはじめ新人左腕たちもことごとく奮わない状況で選ばれたのは結局、塹江敦哉と森浦大輔という「特に左打者が得意でもない左腕」たち。

また、昨季だけで明らかに投げすぎな62試合登板だった島内はオープン戦期間でコンデション不良を訴えましたし、矢崎にしてもオープン戦期間ではさほど好調とは言えず大きな不安を残す点もマイナスです。

 

しかし、そんな投手陣以上にどう考えても問題なのが野手陣。

FAで西川龍馬がチームを去って大幅な戦力ダウンとなったにも関わらずドラフトでも現役ドラフトでも全く補強がなかったうえに唯一の新戦力だったマット・レイノルズとジェイク・シャイナーの新外人についても、オープン戦通して二人で放った本塁打は僅かに1本かつ打率はいずれも2割以下と全くお話にならない状況。

また、近年は衰えが隠せず年間通しての活躍が難しい菊池涼介や秋山将吾を脅かす存在も皆無です。

これに加えて新井監督が若手の抜擢に消極的な事も影響して若手選手へのファンの注目はほぼ田村一人に集中するというのも異常としか言いようがありません。

はっきり言って、シーズンが始まればプロ野球チームとは到底思えないような悲惨な数字が並ぶ事はもはや確定事項でしょう。

 

以上、ざっと攻守で今季のカープの戦力を眺めて見ましたが…結論としては若手が全く育っていないうえにドラフトと新外国人獲得という限られた機会での即戦力確保にも失敗してごく一部の主力以外は中途半端な中堅だらけという夢も希望もないチームという現実が浮かび上がってきました。

特にオープン戦で明らかに日本の野球に対応できておらず、早々に失敗の烙印を押しても差し支えないレベルの外国人選手を仕方なく起用する以外で即戦力がいないという点に関しては明らかなチーム編成上の失策ですし、フロントは追及されて然るべきです。

昨季は類まれな人心掌握力で選手に実力以上の力を引き出した新井監督ですが、それも限度があります。

 

案の定、例年好調だったチケットの売れ行きは平日ナイターに関しては芳しくなく、あえて客を呼べるような魅力がない事をファンも敏感に感じ取っているかのようです。

巷では2位であったにも関わらず、昨季に続いて評論家たちからの評価は低いようですが、それも当然でしょうし、むしろこういう状況で開幕を迎えるチームの順位を予想するなど無意味なレベルとしか思えません。

「今季カープが何位に終わるか?」などと考えるより「5位チームと何ゲーム差離される?」「シーズンで何敗を喫するのか?」を予想する方がよっぽど現実的でしょう。

それぐらい厳しい現実が明日から我々を待っているのです。