19回戦(カープ7勝11敗1分)
東京ドーム
勝利投手 九里6勝5敗
敗戦投手 菅野13勝1敗
セーブ投手 フランスア2勝3敗14セーブ
(C)-
(G)丸22号①ウィーラー12号①
打点
(C)松山①坂倉①菊池涼①
(G)坂本①丸①ウィーラー①
投手
※数字は自責点
(C)九里①-フランスア②
(G)菅野③-大江-高梨-ビエイラ
先発九里は初回と6回にピンチも耐えて8回まで1失点で投げきる。
打線は2回表に併殺打の間に先制点を挙げると4回に2本の適時打などで菅野から4得点。
最終回にフランスアが2者連続本塁打を浴びるも逃げ切り2連勝。
------------------------------------------------
旧市民球場末期からリーグ3連覇まで19年間主力として活躍した石原慶幸が現役引退を表明してカープファンに激震が走った昨日。
正直に言えばこの日相手の予告先発が菅野智之と発表された時点で今日の負けはほぼ負けは確定していた…と思っていました。
なにしろ、菅野と言えば今季は開幕戦で勝利して以降13連勝のプロ野球新記録を樹立し、リーグ史上初のシーズン無敗での最多勝すら目前に控えて今、球界でもっとも攻略するのが困難な投手。
この13連勝の中には勿論、西勇輝や大野雄大などの各球団のエース格も含まれており、それらの投手相手にカープが今季はコテンパンにされているのも言うまでもない事実です。
また、カープと言えば伝統的にこの手の個人記録を作る選手の前にはドアマット同然の役割を果たすだけのチームでしたから輝かしい今日の試合も菅野の記録の通過点に過ぎないと思うのも当然だったかと思えます。
しかし、ここ2試合で自身2度目の完封勝利を含めて好調を維持していた九里亜蓮が序盤は苦しみながらも以降、8回6被安打1失点とまさに力投と呼べる活躍で可能性を見せてくれました。
特に6回裏に坂本勇人の適時打で初失点し尚も連打を浴びて1死満塁のピンチでのゼラス・ウィーラーとの勝負を気迫溢れる投球で三振に取った場面は多くのメディアが報じるのも頷ける程のハイライトでしょう。
三塁手に今季初スタメンで小園海斗を起用するなど左打者を並べて菅野に挑み4得点をもぎ取り援護は貰えましたが…うち半分が内野ゴロによる得点で、相手の守備での再三に渡るエラーがあったにも関わらずお世辞にも機能したとは言い難かったです。
ましてや今季、優勝が確定している相手チームの打線の威力とこのチームの投手力を比べれば爪の垢を灯すようにかき集めた4点差など吹けば飛ぶようなもの。
現に最終回に登場したヘロニモ・フランスアは一人で相手のプレッシャーにパニックになっていきなり2者連続本塁打を浴びるという醜態を見せている事からもそれはわかるというものです。
そんな中で今季、リーグ全球団の主戦投手たちが束になっても勝てなかった好投手に投げ勝った九里に今宵の勇姿は英雄として手放しの賛辞を集めるに値するでしょう。
「夢を破るのもまた夢」であるならそれを見事に具現化した今日の九里には正直、2年前にリーグ3連覇を達成した試合で先発した試合よりも感動的とすら私には思えます。