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カープと趣味の日記

06/10(木) △「11年前に消えた左腕の記憶」(カープ2021)

福岡ソフトバンクホークス1-1広島東洋カープ

3回戦(カープ1敗2分)

福岡PayPayドーム

 

本塁打

(C)クロン6号①

(H)-

 

打点

(C)クロン①

(H)三森①

 

投手

※数字は自責点

(C)玉村-森浦-塹江①-栗林

(H)レイ①-岩嵜

 

先発、玉村は序盤のピンチを抑えると6回3安打無失点の好投。

打線は、クロンの本塁打以外は見せ場すらなく4安打で1得点のみ。

8回裏に塹江が同点打を浴びるも投手陣が最少失点で抑えて引き分け。

栗林が開幕から23試合連続無失点の球団新記録。

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静まり返った場内に響く打球とミットの音と場内の音声。

それ例外で聞こえるのは数人のスタッフ以外はほとんど無人の観客席には、今では街中で見ることがほとんどなくなり世間の記憶から消えつつある「Pepper」がズラリと並んで味気ない電子音で送る歌声のみ。

まるでオーソン・ウェルズの小説のディストピア世界さながらの不気味な風景で繰り広げられた福岡ドームでの3連戦最終戦のマウンドに上がったのは玉村昇悟でした。

前回登板時は5回を何とか3失点で抑えたものの内容的には四球連発の見るべきもののない投球で即日二軍へあっさり降格という結果でしたから今回の登板も期待など出来るはずがありません。

そういえば背番号65の左腕投手が福岡ドームのホークス戦での先発する試合で、個人的に思い出すのは11年前にこの球場でプロ初先発を果たした相澤寿聡という投手の事。

一軍定着もしておらずさほどの高額年俸である訳でもない身でありながら広島県寡婦協会に寄付金を送り続けた心優しき青年でしたが、その結果は無残にもKO。

その後、一軍での活躍を見ることなく2012年シーズンで戦力外となりました。

昨日の大勝に勢いずく遥か格上チームとの対戦ですからその姿はまるで「風車に立ち向かうドン・キホーテ」のような玉村を見るとどうしても11年前に現地観戦した試合で初回から打ち込まれてそのまま消えた左腕の姿を思い出さずにはいられません。

しかし、意外にも玉村は素晴らしい好投。

課題だった2巡目の攻撃もしのいでここまで超えることが出来なかった5回の壁を乗り越えると最終的には6回無失点という望外の結果。

特に6回裏2死の場面で昨日も本塁打を放つなど「カープ戦では無類の強さを誇る広島県人」こと柳田悠岐を渾身のフォーシームで三振に打ち取った姿は感動すらしました。

残念ながら薄情な打線のせいで悲願のプロ初勝利を飾ることは出来ませんでしたが、この素晴らしい結果を続ければそれは時間の問題かと思います。

次回の登板が楽しみです。

 

投手陣が崩壊している状況で乗り込んだこの3連戦でしたが結果的には昨日先発した「衰えたお爺ちゃん」以外の失点は僅か2。

連敗は続いていて、もはやシーズンも事実上終了している状況でが今更多少の事でどうなるというものでもありませんが…ともかくファンにシーズンを最後まで見せる価値を与える好材料ではあります。