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カープと趣味の日記

「奇跡の後のマイナス」(カープ2023-2024)

昨シーズンは圧倒的に最下位の予想を受けながら5年ぶりのAクラスと18年ぶりのシーズン2位と望外ともいえる結果を残したカープも今週から春季キャンプに入り2024年シーズンの第一歩を踏み出しました。

当初から乏しい戦力に加えてオープン戦最下位に開幕4連敗と最悪のスタートを切ったうえに故障者も続出するという事態に見舞われたにも関わらず好成績を残せた要因の一つが新任監督としては近年最高の結果を残した新井貴浩監督の手腕によるところは大きいでしょう。

前任監督が3年かけても成し得なかったブルペンの整理に成功したほか、四番に上本崇司や菊池涼介を据えるという奇策、何より一流とは言い難い選手が多数のチームにあって「モチベーションと言う名のドーピング」を絶えず注入し続けたモチベーターとしての能力は特筆に値するかと思えます。

上記のように奇跡とも呼べる快進撃でリーグ3連覇以来の好成績を挙げた事もあり、チームや監督に対するファンの期待は昨年以上に大きくなっている事でしょう。

しかし、今季のカープの戦力を眺めると果たしてその期待に応えて昨年以上の結果を出す事は可能か疑問ではあります。

何故ならシーズン終了からここまでの状況を見ると戦力はアップしているどころかマイナスからのスタートと呼べざるをえないのですから。

 

2023-2024 カープ

 

☆←IN(新加入)

・投手

17常廣羽也斗

22高太一△

30滝田一稀△

35赤塚健利

42トーマス・ハッチ

67内田拓馬

68テイラー・ハーン△

70日高暖己

・野手

10マット・レイノルズ

58仲田侑仁

95ジェイムス・シャイナー

 

・育成契約

120杉田健

124佐藤啓介△

128杉原望来△

 

★OUT→(退団)

・投手

17岡田明丈※

23薮田和樹

30一岡竜司

42ドリュー・アンダーソン

58藤井黎來※

67中村祐太

68ニック・ターリー△

・野手

5西川龍馬△

10ライアン・マクブルーム

35三好匠

95マット・デビットソン

・育成選手

120行木俊

123木下元秀△

128中村来生

 

※は育成で再契約

△は左投もしくは左打

 

改めてオフシーズンでの動きを見ると、かなり大掛かりな選手の出入りがあったのが分かります。

特に投手陣は岡田明丈、薮田和樹、一岡竜司、中村祐太とリーグ3連覇に貢献した選手たちの退団が目立ち、あの栄光も過去の遺物となりつつある事を実感させられます(岡田は育成で再契約)。

また、微妙な成績の選手揃いだった助っ人外国人についてもロベルト・コルニエル以外全員退団となかなか思い切った判断を下したように見えます。

リリーフとしてまずまずの成績を残したニック・ターリーとチーム最多の19本塁打を放ったマット・デビットソンの退団についてはファンの間でも賛否があるかと思いますが、いずれもチームの中核と呼べるほどの能力があるとは言い難く、全く日本の野球に通用しなかったドリュー・アンダーソン、ライアン・マクブルーム共々再契約しなかったのは妥当な判断だったかと思います。

一方、ドラフト含めて新加入選手での即戦力と目されるのは投手が目立ちます。

競合の末に指名権を獲得した新井監督がドラフト会議を途中で抜け出して青山学院大学に直接出向くというパフォーマンスを見せた常廣羽也斗を始め、高太一、滝田一稀とドラフト上位指名いずれも昨年の大学野球選手権で活躍した即戦力タイプの投手揃い。

また、中村祐太を放出して現役ドラフトで楽天ゴールデンイーグルスから獲得したしたのもこれまた投手の内田拓馬でした。

助っ人外国人についても内野を複数守れて広角に打つタイプのマット・レイノルズと長打力が魅力のジェイムス・シャイナー、右の先発候補のトーマス・ハッチと左のテイラー・ハッチと退団した選手とほぼタイプが被る選手の補強…というより補充に終始。

昨シーズン、貧打に喘いだ打線というチームの弱点よりも投手陣というストロングポイントをとにかく強化するという意図事態は悪いことではないのですが…とにかくあからさま過ぎてバランスの悪さが目立ちます。

この辺りは同じく貧打に昨シーズンは苦しんだ事から中田翔を始め実績のある打者を多く獲得した中日ドラゴンズとは正反対の動きと言えます。

たしかに、弱点を無理やり克服する為の即戦力獲得というのはFAで相手チーム主力を引き抜くという「悪の帝国仕草」なんてこのチームには望むべくもないですし、ストロングポイントを強化する方が合理的かもしれません。

しかし、それは弱点である打線の戦力が現状維持であった場合でしょう。

言うまでもなく、今季のオフシーズン内の退団選手でもっとも影響の大きかった選手と言えばやはりFA宣言で西川龍馬がオリックスバファローズへの移籍です。

体格的に恵まれている訳でもなく故障がちかつ攻守ともに気まぐれなプレーも目立ちチームを引っ張ったとは言い難い良くも悪くも天才肌な選手でしたが…これだけ低レベルな打者が並ぶ選手にあってはやはり代えの利かない存在であった事は言うまでもありません。

勿論、彼の人的保障で獲得した日高暖己自体はプロ入り2年目と若く将来背豊かな投手で、一時噂されたT・岡田や福田秀平といった選手たちに比べると獲得はずっと魅力的な判断です。

しかし、ただでさえ坂倉将吾始め若い主軸候補の育成に失敗し、12球団でも随一の貧弱さを露呈した打線でこれだけ大きな穴を放置して新シーズンに望む形になったのは、やはり狂気の沙汰としか思えません。

 

以上、補強という観点だけでオフシーズンの動きを眺めてきましたが…。

はっきり言って、現状を見る限りだと昨季以上の成績を残すと予想するのは困難です。

むしろ昨季は最下位ながらしっかりと自チームの弱点を補ったドラゴンズと、あえて目を瞑ったカープで、今季は順位が逆になっても何らおかしくはありません。

何よりこれだけ基本的な戦力が整っていない以上は、いくら新井監督が素晴らしいカリスマで選手のモチベーションを上げたとしても限界があるというものです。

 

まあ、今週から始まった春季キャンプでそれを覆す新たな力の出現を祈るしかありませんが…どうなるでしょうか?