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カープと趣味の日記

カープの陣容を考える・投手編(カープ2022-2023)

いよいよ春季キャンプも終盤に入り今週末からはオープン戦も始まるカープ

低迷を極めた佐々岡真司監督時代を一新すべく「人気者」新井貴浩新監督を迎えてファンの期待もそれなりに高まっているようです。

コロナ禍による動員制限の撤廃に加えて声出し応援の再開も確実視される状況もあってかファンクラブの抽選販売の状況から考えて今季は販売当日に売り切れる事態が起こりそう(というか落選した…)。

しかし、前任者同様に指導者経験が一切ないという事実に加えてこのキャンプ中も個々の選手より監督ばかりが話題になる状況は正直、違和感を覚えるのも確かです。

一方で、新戦力に関しては新人以外で獲得した選手は外国人含めてたったの3人だけで、獲得した新人と外国人がほぼ総崩れで見事に補強に失敗した昨年を考えるとあまりに頼りない数に見えます。

上記に加えてほとんど無風だったドラフト会議を経て獲得した新人を加えた今季のカープスカッドはどのようなものでしょうか?

少し考えてみたいと思います。

 

2022-2023 カープ投手陣

←OUT

中田廉

菊池保則

高橋樹也△

山口翔

田中法彦

ヘロニモ・フランスア

 

→IN

益田武尚

長谷部銀次△

河野佳

斉藤優

戸根千明△

※△は左投

 

昨シーズンの投手陣を改めて振り返ると…。

大量に大学社会人出身の投手を獲得しながら、まともに戦力になったのは松本竜也程度で新外国人投手だったドリュー・アンダーソンやニック・ターリーも正直、残留したのが不可解と思えるぐらいに日本の野球に通用せず補強が大失敗だった…という事は上でも言いました。

加えて、既存戦力についても先発陣はFA権を行使せず残留した大瀬良大地と九里亜蓮が衰えを見せただけでしたし、シーズン序盤に投手陣を引っ張った床田寛樹が不幸な形で負傷した事もあり、唯一二桁勝利でまともな成績を残したのが森下暢仁ぐらいのもの。

また、栗林良吏という大黒柱を擁したリリーフ陣に関しても矢崎拓也の意外な活躍や森浦大輔の奮闘などがあったものの結局はシーズン最後まで勝利までの約束事がなくいつ逆転されるか分からない程度の脆弱さを見せただけと改めて振り返ると最下位と0.5ゲーム差で5位というのが当たり前に思えるぐらいの酷さ。

おまけに、上記のまともな数字を唯一残した先発だった森下が1年目からの投げすぎが祟ったのかシーズンオフに肘を手術…。

リーグ3連覇に貢献したヘロニモ・フランスア中田廉が退団した事も含めて佐々岡前監督が「投手陣の再建を託されて就任した」という経緯が笑い話に思えるぐらいの酷さで「前任者の負の遺産」と化してしまった今季の投手陣はマイナスからのスタートと言って良いでしょう。

そんな状況ですが即戦力と目される投手は昨年とは異なり益田武尚以下、大学社会人出身投手は、3位以降で指名された投手ばかり。

いずれも一次キャンプから一軍での参加となっていますが、即戦力候補がドラフト上位が占めた昨年に比べると心細い印象が拭えません。

まだ彼らがどのような状況で起用されるかは分かりませんが、少なくともいきなり先発ローテーションを務めるという事はないかと思います。

 

そう考えると先発ローテーションについては昨年と同様のものになる事が予想されます。

即ち、大瀬良と九里に加えて故障明けながら森下と床田が中心となり、ここに遠藤淳志とアンダーソンを加えて一応はそれなりの陣容には見えます。

しかし、先ほども書いた通り大瀬良と九里は昨シーズンでは衰えが目立つばかりでしたし、森下や床田はどこまで故障から回復しているか不透明です。

また昨年、一応は躍進を見せた遠藤や、何故かあの成績で残留したアンダーソンに関しては安定感と言う点では上記の4人に比べて明らかに劣り、主軸候補と考えるのは難しいでしょう。

何より彼ら6人に割って入りそうな予感がする投手が現状のキャンプのメンバーを見てこれといった特徴がない退屈極まりない左腕・森翔平ぐらいしか思い浮かべる事が出来ないのが寂しい限りです。

 

一方、栗林良吏という入団2年にして球団史に残るクローザーと呼ぶべき存在となった大黒柱を抱えながらそこに繋げるまでが大変で先発陣以上に不安しかなかったのがリリーフ陣。

栗林以外でブルペンの中心に考えられるのが昨年活躍した矢崎と森浦になるでしょうが、昨年の活躍がたんなるフロッグであるという事はまだまだ否定できません。

また、力任せにボールを投げるだけで全く頼りなかったニック・ターリーやロベルト・コルニエルといった残留外国人投手たちもさほど大きな期待をかけるのは無理でしょう。

これらに昨年新人投手で唯一まともな活躍を見せた松本竜也に史上初の現役ドラフトで読売から獲得した戸根千明や上記の新人たちが加わると言う図式になりそうです。

誰が一軍に残るか分からないという点では先発陣に比べれば面白い状況には思えますが…翻せばそれは「栗林に次ぐ確固たる戦力がない」という事実の裏返しでもあります。

そもそも、これまでの実績と反比例して近年は衰えが顕著で「年金生活者」のような状況の中崎翔太のような投手が今更、最初から最後まで一軍キャンプに帯同している時点で…。

また、今季はシーズン前に開催されるWBCに栗林が「徴兵」され年間通してのコンデションに不安を抱える事も予想される事も加味すれば、昨年以上に悲惨な事になる可能性は高いと言わざるを得ないでしょう。

 

以上、今季のカープの投手陣のスカッドをざっと眺めて見ましたが…低迷した昨年に比べても代わり映えもなければ進化も感じられず重苦しさと閉塞感ばかりが漂います。

今週末から始まるオープン戦で少しでもそれを解消してくれるような材料があれば良いのですが…。