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カープと趣味の日記

「新たな時代」へ(エディオンピースウイング広島開場に寄せて)

かつて第一次世界大戦において似島に収容されたドイツ人捕虜が広島の若者たちにサッカーを伝え、それが戦前から戦後にかけての静岡や埼玉と並ぶ我が国のサッカー史における広島の輝かしい歴史につながりました。

それから110年ほど…。

市の中心部にこれほどのスタジアムを作るに至ったというのは大変感慨深いものです。

ここに至るまでの道のりはまさに苦難と呼ぶべきものでした。

幾度かの休止を経て2003年にプロジェクトが発足してから20年近く。

広島市民球場が移転してからを考えても実に15年以上。

節操も信念もない広島市の対応に振り回されながら少しずつ前進して街中でのサッカー専用スタジアム開場という悲願が遂に今日実現しました。

この間Jリーグ優勝3回、リーグカップ優勝1回、クラブワールドカップ3位とサンフレッチェ広島は苦しい財政事情をものともせず数々の栄光を掴み、近年も2年連続リーグ3位にACL出場確定と「あと必要なのは実力に相応しい器だけ」という事実を見せつけ続けてくれていました。

それだけに今日のJリーグにおけるエディオンピースウイング広島における開幕戦開催は本当に喜ばしい事です。

相対するのは広島や静岡と並んで日本のサッカー史における「サッカー県」として名を馳せた埼玉県のチームかつ最も人気のあるチームである浦和レッズ

共にJリーグ発足当時から存在するオリジナル10同士でもあり、良き対戦相手です。

 

とはいえ多少なりとも不安もありました。

というのも前の本拠地である広島ビッグアーチはその絶望的な利便性の悪さから観客が満員はおろか2万人を超える事すら極めて希なスタジアム。

それが、今日は2万7000人超えの満員札止めで観客の声援も近い環境。

魅力的なプレッシングサッカーを志向するミヒャエル・スキッペ監督により熟成されたスタイルを持つチームとはいえこれだけ試合環境が変化すれば難しい事になるのではないかと…。

しかし、昨年上位争いを繰り広げたレッズ相手に躍動し、見事な勝利を掴んだ選手たちを見るとそんな事は杞憂となりました。

新加入での開幕スタメンとなった大橋祐紀によって待望のスタジアム公式戦初得点がもたらされると以降も積極的なプレスで試合を優位に進めての初勝利。

試合中に鳴り響く「広島ナイト」のチャントも感動的でPCの画面越しに涙が溢れる思いでした。

 

かつてこのスタジアムの近くを本拠地としていた広島カープは年間動員100万人を切り人気実力ともに厳しい状況でしたが新スタジアム移転でもたらされた収益好転を足掛かりにリーグ3連覇を果たし、コロナ禍を挟んだ今でもチケット入手が困難な人気チームとなりました。

一方、山奥の不便なスタジアムで優れたユース育成力で元々実力はありながら財政的に恵まれなかったサンフレッチェ広島

今日、この実力に相応しい器を得てこの先どれだけ栄冠を掴めるか楽しみです。