某所で書いた文章の再掲載
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これは、あくまで例え話ですが…。
私がジョン・タイターよろしく5年前にタイムスリップして2012年10月に横浜で行われたカープのシーズン最終戦を観戦した直後の私の前に現れ、こう言ったとしましょう。
「おい喜べ。カープは5年後にリーグ2連覇するぞ」と。
しかし、それを聞いても5年前の私はそんな言葉は信じなかったでしょうし、それ以前に「ああ…。カープが弱すぎて5年後の私は頭がおかしくなってしまったのだろう」としか思わなかったでしょう。
それは当然でしょう。
70年近い球団の歴史の中でもたった1回しか成し遂げられなかったという記録。
それどころか、2リーグ分裂以降で複数回連覇を達成した球団は9回という破格の回数の読売ジャイアンツを除けば実はカープが初なのですから。
そんな昨年の今頃の私ですら考えもしなかった出来事を、5年前は勝率5割すら地平線の彼方の遠い遠い存在だったカープに、ほとんど諦めに近い感情を持っていたあの頃の私に理解できないのは当然でしょう。
カープが前回2連覇を成し遂げたのは1980年。
その年の出来事の一部は既に歴史の教科書で習っているといっても良いぐらい昔の事です。
個人的な事をいえば私自身も記憶以前の生まれる前の出来事。
今日、甲子園のビジター席でスクワット応援を繰り広げた人たちの大部分だって、自身の父親や祖父から「カープは昔、強かったんよ」という枕詞と共におとぎ話のように聞かされただけの現実感のない事実だったことでしょう。
しかし、その「おとぎ話」は私たちの前に現実として現れてくれました。
もう我々は遠い昔のカープが強かった時代の出来事の思い出に浸るだけで終わる必要はなくなったという事です。
その事実が本当に嬉しいし、誇らしい。
生まれてこのかた30年以上応援していて報われたいと思って応援していたわけではありませんが、長く応援していてこれに勝る喜びはありません。
この祝祭を与えてくれた選手やスタッフには本当に感謝です。
ありがとう!
そしておめでとう!!
永遠なる広島東洋カープよ。
2017年9月18日
都内某所で栄光の時を見届けながら。