CSファーストステージ第1戦(カープ1勝)
勝利投手 ターリー1勝
敗戦投手 ウェンデルケン1敗
(C)-
(De)宮崎1号②
打点
(C)西川①菊池①秋山①
(De)宮崎②
投手
※数字は自責点
(C)床田②-大道-矢崎-島内-栗林-九里-ターリー
(De)東-上茶谷-伊勢-ウェンデルケン
先発床田は5回まで無失点も6回に宮崎から2ランを浴びて降板。
打線は5回まで2安打の拙攻も8回裏に羽月の好走塁から菊池のスクイズで追いつく。
終盤は再三の好機を逃すも11回裏に秋山の適時打が出てサヨナラ勝ちで5年ぶりのCS初戦を制する
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チケット発売から僅か10分もたたないうちに完売するという大きな盛り上がりの中で迎えて5年ぶりかつ地元で迎える事となったCSファーストステージ初戦。
とはいえ展望でも書きました通り大変困難な試合になることは容易に想像できました。
なにしろ相手先発はリーグ最多勝と最多勝率のタイトルを獲得しただけでなく今季のカープ戦は4勝負けなしで打ち崩すのが不可能にすら思える東克樹。
案の定、元々貧打の打線は3回裏を除けば5回まで好機すら作れず、まさに手も足も出ないという展開。
更に無失点で何とかしのぎ続けた先発の床田寛樹も6回に宮崎敏郎に2ランを浴びてしまいました。
短期決戦かつ好投手同士の投げ合いとなれば必然的に首位打者、打点王、最多安打と今季のタイトルホルダーをはじめ個の打開力に優れるベイスターズが有利なのは必然と思える状況。
直後の6回裏に西川龍馬の犠飛で1点を何とか返しはしましたが、非常に重苦しい雰囲気が感じられました。
しかし、8回裏にその状況を一変させたのが四球で出塁したマット・デビットソンの代走で出場した羽月隆太郎の走塁でした。
犠打で2塁に進んだ直後に見せた3塁への盗塁と直後の菊池涼介のスクイズによる本塁突入は驚異的とすら感じられる迫力。
特に3塁への盗塁は長いことカープを応援していますが、あそこまで完全にモーションを盗んでの三盗というのは見た記憶がありません。
それがこのポストシーズンという重大な局面で出るとは…正直、衝撃的ですらありました。
結果的にこのチームは堂林翔太によって長打がもたらされたのが実に11回裏という土壇場も土壇場だったことからも分かる通り相手チームと異なり一振りで試合を変えられる選手が皆無でしたが、彼の働きはそういう「無」の状態から菊池のスクイズ、ひいては秋山翔吾のサヨナラ適時打という「有」を作り出す芸当だったとすら思えます。
もっとも、この劇的な勝利を呼び込んだ根本の原動力はこのチームが2位でシーズンを終えられた事と同じく投手陣の頑張りです。
なかでも積極的なリリーフ陣の投入が祟って良いリリーフを使い切ってしまった延長戦になって、第3戦目での登板が予想されていたにも関わらず久方ぶりのリリーフでの登板となり何とか1回2/3を抑えた九里亜蓮の起用は大きな驚きでした。
上記の羽月といい、この九里といい、負けたら終わりという短期決戦での「明日なき戦い」に挑むひたむきさをベンチから感じさせられました。
これはリーグ3連覇を果たした時ですら感じられなかった事。
ベイスターズと比べてチーム全体の地力の差に変わりはありませんが、それを埋めるとすれば今日のような戦いぶりと言えるでしょう。