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カープと趣味の日記

10/16(日)○「明日なき戦い」を制す(カープ2023)

広島東洋カープ4-2横浜DeNaベイスターズ

CSファーストステージ第2戦(カープ2勝)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 島内1勝

敗戦投手 上茶谷1敗

セーブ投手 栗林1セーブ

 

本塁打

(C)西川1号①末包1号①

(De)-

 

打点

(C)西川①末包①田中①秋山①

(De)関根①ソト①

 

投手

※数字は自責点

(C)森下-大道-中崎②-ターリー-島内-栗林

(De)今永②-伊勢-エスコバー-上茶谷②-石川-森原

 

先発森下は3回までノーヒットも5回1/3で降板。

打線は初回に西川の本塁打で先制も以降は繋がらず。

7回表に同点に追いつかれるも8回裏に田中の適時打で勝ち越してCSファーストステージを突破。

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栗林良吏がネフタリ・ソトに投げた投球がストライクとコールされて試合が終わった瞬間…「宮島さん」を歌いながら空を見上げたら広がった、抜けるような秋空を忘れる事はないでしょう。

球団史上6年ぶりの出場となったCSファーストステージは2連勝という最高の形で突破を決める事となったばかりか、セ・リーグで2位のチームがファーストステージを突破するのは実に8年ぶりのことです。

「2連敗で敗れる事は勿論、無得点で敗れる可能性が高い」というような事をCS初戦の前日に私は書きましたが…。

結果的にそれは大きな間違いであり私自身の不明と不信心さを示しただけの恥さらしな拙い文章である事が示された事は大変嬉しい事です。

もっとも、試合2時間30分前から大混雑になっていた広島駅からの道のりに閉口しながら球場に入った時点でもこのような結果は予想していませんでした。

凄まじい争奪戦の中で運よく確保できたライト外野席の片隅で試合開始を待つ間も「この時期にマツダスタジアムカープを見られるだけで幸せな事」としみじみした思いの方が強かったように思えます。

何度も書いていますが、あれだけ選手層に劣るチームが2位でシーズンを終えた時点で既に大きな奇跡なのですから…。

 

しかし、新井監督やカープの選手たちはそれだけで終えようとは思わなかったようです。

先発の森下暢仁はシーズン終盤は低調な投球に終始して二桁勝利を逃した事からも分かる通り決して万全な状態とは言えませんでしたが、3回まで無安打に抑えるなどなかなか援護に恵まれない展開で好投を見せてくれました。

こういう投球を見せてくれているのですから、なかなか代えるのが難しいという部分はあったのですが、6回に1死3塁という危機を迎えたところで無失点であったにも関わらず降板させて昨日に続いて大道温貴を投入したのは少々驚きました。

昨日の床田寛樹も決して悪い投球でなくそのまま続投させても6回2失点辺りで凌いでくれたとは思えますが、とにかく遮二無二同点になる事を避ける為に早めに継投に切り替えた形。

このような芸当はレギュラーシーズンでやったらまず非難の的になるでしょうが短期決戦となると違ってきます。

これは先発をやたらと引っ張る傾向にあった前任者は勿論、リーグ3連覇を果たした時期のポストシーズンでもあまり見られなかった光景です。

また、この起用に昨日に続いてまさに魂を込めた投球で大田泰示、牧秀悟と強打者を抑えた大道も見事でした。

もっとも、その継投も矢崎拓也の発熱による登録抹消という非常事態で止む無く投入せざるを得なかった中崎翔太の無様な投球により水泡に帰しそうにはなったのですが…まあこの辺りは仕方ない事です。

一方、初回に西川龍馬の本塁打で先制したものの昨日に続いて中盤までまともに得点の機会がなかった打線は、終盤にようやく繋がる事となりました。

8回裏に内野安打と野選などにより無死満塁で迎えた場面で起用された代打が坂倉将吾ではなく、田中広輔だった事にため息をもらしたのは私だけではなかったかと思います。

それだけに初球からいきなり決勝打を放ったのは大変幸運な事。

どういう経緯でこういう決断を新井監督が下したのは私のような凡人にはさっぱり分かりませんが、とにかくこれもまた驚くべき結果です。

もっとも、この決断の是非よりもそこに至るまでの過程の方が大事ではあります。

このカードでの好機は上記の通り、本塁打を放った西川にすら犠打を試みさせた事を代表にとにかく犠打や盗塁などを駆使してとにかく得点圏に走者を進めさせた事によるもの。

これまたレギュラーシーズンではあまり見られないですし評価されにくい戦い方ですが、逆に短期決戦を戦ううえだと有効でした。

上記のように明らかに攻守で個の力で劣るカープがこのシリーズを2連勝で駆け抜ける事ができたのは勿論、ファンの声援もありますが新井監督が試合終了後のセレモニーで「高校球児のように戦う」と雄弁したようにリスクを恐れない積極的な継投と積極的な走塁と「明日なき戦い」という戦い方をチーム全体で共有出来ていたからと言えるでしょう。

このシリーズを突破したとしてもこの先は更に厳しい戦いが待っていますが、次の試合はどのような驚きを見せてくれるか大変楽しみにすら思えます。

 

試合とセレモニーが終わって帰宅するファンでごった返して、新幹線が来るまでまともに座る場所もなく、広島駅からは既に駅弁が悉く店頭から消えていて閉口しましたが…。

この試合を思い起こすとそのような事は些細な事に思えて、更に4時間以上を要する新幹線での移動も苦にならないのは不思議なものです。

「久しぶりのCSで地元での開催なんて向こう何年あるか分からないから…」という大変消極的な理由でチケットを買って帰省した広島でしたが…かえって活力を貰えた気分です。