吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

08/21(土)●「雨のピースナイター」(カープ2021)

広島東洋カープ3-8東京ヤクルトスワローズ

14回戦(カープ3勝9敗2分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 サイスニード2勝1敗

敗戦投手 大道4勝4敗

 

本塁打

(C)-

(S)サンタナ8号②

 

打点

(C)坂倉①鈴木誠

(S)山田①サンタナ②村上②青木②渡邊①

 

投手

※数字は自責点

(C)大道⑤-塹江-高橋樹-島内②-バード-ケムナ①

(S)サイスニード①-大西①-今野-清水-吉田大

 

先発、大道は初回から安定せず5回途中に5失点でノックアウト

打線は序盤に坂倉と鈴木誠也犠飛で一時逆転も以降は再三の好機を活かせず。

リリーフ陣も打ち込まれて大敗を喫し連勝を2で止める。

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通常は8月6日前後の本拠地カードで開催される毎年恒例の「ピースナイター」ですが、今年はオリンピック開催に伴う中断期間の影響で今日開催となりました。

「ピースナイター」と言いますと、原爆投下により亡くなられた方々や、先の大戦で戦地に散った多くのプロ野球選手たちへの冥福を祈ると共に平和に思いを馳せる日。

しかし、今年に関してはそれと同時に怨嗟の声の中で強行され負の歴史と化したオリンピックや、その開催の為に広島を利用した挙句8月6日に黙とうを呼びかけないばかりか訪問時の警備費用を広島市民へ押し付けたトーマス・バッハIOC会長やそれに従うJOCの腐れ外道どもの事も決して忘れてはならないでしょう。

 

試合の方はメモリアルな試合に弱いこのカープらしく攻守ともに見るべきものがない惨敗で、カープ球団で一番活躍したのが二度の降雨中断の後にグランドに溜まった水を吸いだした吸水ローラーぐらいとすら思える酷さ。

先発の大道貴温は初回から制球も球威も低調で2試合連続のノックアウトとなりました。

先発転向後は敗戦と勝利が交互に繰り返していましたが、それも2試合連続の敗戦となった形です。

大道は元々、爽快な気持ちになる投げっぷりの良さが売りですが一方で、制球力はアバウトで球種もさほどではない投手。

後半戦に入って以降はその単調さを見抜かれたか思うように直球でストライクが取れず置きにいった変化球を痛打される場面が目立ち、現状ではこれが限界という事なのでしょう。

正直、次戦以降も安定することはなくこのままシーズンを終える事になるのではと思えます。

 

一方、打線は久しぶりの登板でお世辞にも万全とは言い難いサイスニードから序盤から好機を作っても犠飛で辛うじて得点するのが精一杯な拙攻。

中軸が長打を重ねて面白いように得点していく相手チームと比較しても大きな実力差を改めて感じます。

まあ、最近はこのチームの打撃に関しては点が取れないのは分かっているのでせめて坂倉将吾、小園海斗、林晃汰が今日のように安打を重ねればそれで良しとも思えてきますが…。

 

ちなみにこの試合は上記の通り2度に渡る降雨中断で試合が終了したのはなんと23時。

試合続行の判断を下すのは勿論、審判団が気象情報などを加味して判断を下すという通常プロセスに乗っ取ったものに過ぎません。

しかし、各地でコロナウイルス感染爆発により緊急事態宣言が出されているばかりか、広島県でも蔓延防止等重点措置が発令している社会情勢において律儀にその通常プロセスを守って試合を続行する必要があったのかは甚だ疑問です。

ただでさえオリンピック強行以来、大規模なスポーツ興行開催には世論は厳しくなりつつある現状ですから、「21時以降で中断した場合はそのまま試合終了とする」など審判団が無用な非難を受けないようにNPBは取り決めをすべきなのではないかと改めて思います。

 

だいたいこのチームが2点差以上を終盤に逆転する事などあり得ないのですから。

08/20○「奇妙な大逆転劇よりも」(カープ2021)

広島東洋カープ5-4東京ヤクルトスワローズ

13回戦(カープ3勝8敗2分)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 塹江3勝3敗

敗戦投手 田口4勝7敗

セーブ投手 栗林1敗20セーブ

 

本塁打

(C)菊池涼8号①

(S)村上29号①30号①元山3号①村上30号①

 

打点

(C)菊池涼①小園①鈴木誠①松山①

(S)村上②元山①青木①

 

投手

※数字は自責点

(C)九里④-塹江-ケムナ-バード-森浦-栗林

(S)田口①-大下-坂本-石山

 

先発、九里は3イニング連続で本塁打を浴び5回4失点で試合を作れず降板。

打線は5回まで2安打の拙攻も6回裏に相手の失策と連打で一挙5得点で逆転。

6回以降はリリーフ陣が無失点で抑えて4点差を逆転して後半戦初の連勝。

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大阪、名古屋とビジターでの試合を経てようやく本拠地での後半戦開幕を迎えたカープ

しかし、前回が散々な登板だった九里亜蓮が今日も村上宗隆から2打席連続本塁打を浴びるなど不本意な投球で5回7安打4失点で降板。

前半戦は絶好調から一転してコロナ禍により調子を落としたものの終盤には見事に立て直していただけに大変残念ですし気にかかります。

しかし、ベンチは前回同様に九里とバッテリーを組んだのは前半戦以来の磯村義孝ではなく、やはり坂倉将吾でした。

それだけでなく堂林翔太と交代する形で磯村を登板するその日に二軍へ降格するという措置は少々理解に苦しみます。

本来バッテリーを組んでいた曾澤翼がようやく二軍戦に復帰してはいるものの、次回登板でもこれまで相性の悪さしか感じなかった坂倉と組まざる得ない以上、九里の復調は当分難しいように見えます。

 

一方、打線も田口麗斗の前に5回終わって僅か2安打で3塁すら踏めない拙攻で相変わらずの貧弱ぶり。

これだけ一方的な展開になると後は田口の移籍後初の完封勝利を待つだけとなっていましたが…6回裏の不可解とも呼べる大逆転劇でそうはなりませんでした。

ここ5試合で1安打と低調だった菊池涼介本塁打を皮切りに打線が上手く繋がったと言えるでしょうが、田口の自責点が1である事から分かる通り相手守備陣のエラーが大きかったかと思えます。

また、中村奨成の完全に打ち取られた当たりが内野安打になったり鈴木誠也の三塁正面の当たりが村上が捕球できず同点打になるなど運にも助けられました。

何より同点に追いついて尚も無死1塁2塁の場面で、5番かつ昨日2安打の坂倉にたいして上手くもない犠打を決めさせるという消極策をベンチがとったにも関わらずそれが結果的に松山竜平の勝ち越し犠飛を呼び込んだ当たりなど「勝ちに不思議の勝ちあり」を字で行く奇妙さとしか言いようがありません。

 

むしろ今日はその奇妙な逆転劇の後に荒れそうな予感が漂う試合を落ち着かせたリリーフ陣の活躍は特筆すべきものかと思えます。

特に逆転直後の7回表ケムナ誠は崩れかけながらも何とか踏みとどまりましたし、8回表には「左のワンポイントから左腕」というこれまた珍妙な起用にカイル・バードと森浦大輔も3者連続三振という見事な形で応えてくれました。

後半戦に入って不振のヘロニモ・フランスアが二軍落ちし、ロベルト・コルニエルも3連投を避けたいという状況でこのような起用になったかと思いますが、それに踏み切れたのも最終回に控える栗林良吏の力あっての事。

前半戦終了後から全く休養を取れていないにも関わらず安定感は不動そのもの。

同じ新人が並んでの今日のヒーローインタビューでもマイクの調子が悪く苦戦する森浦とボソボソと言葉少なに話すバードが緊張しっぱなしだったのに対して堂々たる受け答えでこの辺りも何年もプロで生活している投手にしか見えません。

08/19(木)○「妥当とは言えない登板間隔も」(カープ2021)

中日ドラゴンズ1-3広島東洋カープ

17回戦(カープ9勝6敗2分)

バンテリンドームナゴヤ

 

勝利投手 大瀬良5勝3敗

敗戦投手 大野3勝8敗

セーブ投手 栗林 1敗19セーブ

 

本塁打

(C)-

(D)-

 

打点

(C)野間②長野①

(D)ビシエド

 

投手

※数字は自責点

(C)大瀬良-コルニエル①-栗林

(D)大野①-岡田②-藤嶋-三ツ間

 

先発大瀬良は再三ピンチを迎えるも味方の好守にも助けられて7回無失点の好投。

打線は4回まで1安打の拙攻も5回表に野間の適時打で35イニングぶりの得点。

終盤にも野間と長野連続適時打が飛び出て追加点を挙げて連敗を4で止める。

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ここまで3試合連続無得点で昨日に至っては僅か1安打。

あまりの酷い打撃に無限に続くかとすら思われた0更新も5回表の野間峻祥の適時打でようやく止まりました。

しかし、試合全体を見れば11安打で僅か3得点という惨状でお世辞にも勝利に値するような攻撃を見せたとは言い難いです。

であるにも拘わらず連敗を止める事が出来たのは投げては7回5安打無失点、打っては5回表に林晃汰の走塁ミスの直後に安打で上記の野間の適時打を呼んだ大瀬良大地の文字通り攻守に渡る大活躍があったからに他なりません。

大瀬良は前回のタイガース戦から中5日の登板と、昨年に続いて今季も故障がちな彼に大きな期待を掛けるのは酷と思えました。

実際、いきなり得点圏に走者を背負った初回や無死1塁2塁となった4回裏などいつ失点してもおかしくない状況はいくつかありましたが…鈴木誠也の好捕などもあって何とか凌いで7回無失点と素晴らしい投球。

相手先発がオリンピックから凱旋した大野雄大とまず今の打線ではまともに援護点を貰えそうにない状況で驚異的とすら思えます。

しかし、一方でもはや上位進出の可能性など事実上消滅した状況で故障がちな大瀬良を中5日で登板させる必然性がどこにあったのかはやはり分かりません。

今日の大瀬良にしろ、明日の九里にしろ、結局のところエキシビションマッチ含めて長い中断期間で先発ローテーションを整備しきれなかった首脳陣の不明と長期的なビジョンの無さの表れとしか思えません。

 

一方、打線は一応得点を決めたうえで連敗も止めたばかりか後半戦に入って勢いを失いつつあった小園海斗、坂倉将吾、林晃汰がいずれも安打と何とかファンが試合を観戦する気力は繋ぎとめてはくれたものの、上記の如く11安打で3得点では次戦以降も大きな期待を持つのは難しいのは言うまでもありません。

同じく上記で挙げた4回表1死1塁のフルカウントで菊池涼介が内野安打の当たりを打ったにも関わらず林のスタートが遅れて2塁封殺となったミスや、終盤の再三の好機で十分な得点が出来ない拙さなどを見る限りですと、これがきっかけに復調するどころかむしろ明日から再び0更新が再スタートする可能性は高いとすら思えます。

08/18●「両左腕の話だけで十分」(カープ2021)

中日ドラゴンズ3-0広島東洋カープ

16回戦(カープ8勝6敗2分)

バンテリンドームナゴヤ

 

勝利投手 松葉2勝2敗

敗戦投手 玉村2勝4敗

セーブ投手 R・マルティネス1敗11セーブ

 

本塁打

(C)-

(D)堂上4号②

 

打点

(C)-

(D)堂上②ビシエド

 

投手

※数字は自責点

(C)玉村③-高橋樹-コルニエル

(D)松葉-田島-福-又吉-R・マルティネス

 

先発玉村は2回裏に2ランを浴びて先制を許すも6回を4安打3失点で試合を作る。

打線は4回までパーフェクトに抑えられた末に1安打で30イニング連続の無失点。

3試合連続で完封負けを喫して2カード連続負け越しで4連敗。

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試合前に昨年限りでカープを退団していたレジェンド、クリス・ジョンソンが現役引退を表明したというニュースがありました。

既に退団している外国籍投手であるにも関わらずNHKを始めとする多くのメディアが一斉に報じた事からもこの左腕が残した素晴らしい業績が改めて偲ばれます。

来日初登板での準完全試合達成から始まって外国籍投手としては球団史上最多勝利を挙げチームの3連覇に貢献しただけでなく、外国籍左腕としてはプロ野球史上初の沢村賞受賞…。

しかし、私たちカープファンにとってはその功績と共に彼の忘れがたい思い出といえば夫婦(来日当初は婚約者)揃って市内の至るところに出没し広島という街を広島生まれの人間以上に楽しみ愛したその人柄。

オリンピック米国代表参加で再来日する話もあったそうですが、「カープの選手として記憶に残りたい」と固辞したエピソードも彼らしいです。

改めてブラッド・エルドレッドと並んで彼以上に成績でも人柄でもこれだけファンを魅了してくれた外国人選手が今後現れる事は恐らくないでしょう。

それだけに、一昨年前のエルドレッド同様にカープ球団には何らかの形でファンが彼を称える機会を作ってくれる事を望みます。

勿論、コロナ禍というこのご時世では来日して貰ったうえでの通常のセレモニーは困難でしょうが、それでも彼のこれまでの功績に報いて欲しいもの。

もはや我々にとって彼はたんなる「助っ人選手」などという存在ではなく「広島育ちの郷土の誇り」に他ならないのですから。

 

試合の方は、エキシビションマッチでも好投を見せていた玉村昇悟が序盤から失点を喫したものの6回を4安打3失点とまずまずの結果と内容で試合は作ってくれました。

6回裏に力尽きた形になったのは残念ですが、プロ入り初勝利のウイニングボールが何故か故郷の福井県立歴史博物館に展示されているこの左腕にとって、昨日以上に野手が試合に参加していないも同然の状況でこれ以上の出来を期待するのは酷というもの。

非常に残念ではありますが次回も良い投球を期待したいものです。

 

試合は3試合連続の完封負けとなりましたが…今日に関しては引退を表明したクリス・ジョンソンの思い出と試合を作る活躍を見せた玉村の活躍という両左腕の話だけで良いかと思います。

今季僅か1勝の松葉貴大に4回までパーフェクトに抑えられたばかりか、6回表に2死から突然四死球連発で満塁の好機となる手心まで加えて貰ったにも関わらず鈴木誠也の無様な凡退により得点できなかった程度の打線に関心を寄せる価値などないのですから…。

勿論、上本崇司を三塁スタメンで起用するなどいう度を越した悪ふざけでファンを苛立たせる事に執心している間抜けで哀れなベンチも同様です。

08/17(火)●「『救国の英雄』と『真の敵』」(カープ2021)

中日ドラゴンズ3-0広島東洋カープ

15回戦(カープ8勝5敗2分)

バンテリンドームナゴヤ

 

勝利投手 福谷5勝9敗

敗戦投手 森下6勝5敗

セーブ投手 R・マルティネス1敗10セーブ

 

本塁打

(C)-

(D)渡辺勝1号①

 

打点

(C)-

(D)渡辺勝②A・マルティネス①

 

投手

※数字は自責点

(C)森下②-ケムナ①

(D)福谷-又吉-R・マルティネス

 

先発、森下は6安打を浴びるも7回2失点で試合を作る。

打線は3塁すら踏めない拙攻で21イニング連続の無失点。

8回裏にもケムナが一発を浴びて2試合連続完封負けを喫して3連敗。

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今夏開催されたオリンピックの野球競技において不可解な選手選考や主力投手たちの故障や不振からナショナルチームの主戦投手を務めたばかりでなく、決勝戦含めて2勝を挙げる活躍を見せて金メダル獲得に貢献し、一躍「救国の英雄」となった森下暢仁。

その後半戦最初の先発登板となる今日は、序盤に失点を喫し6回以降は完全にバテてしまったようにみえましたが、それでも7回2失点はここまで蓄積している疲労を考えれば素晴らしい内容と言えるでしょう。

下位に沈む所属チームの試合の何倍もプレッシャーがかかるオリンピックにおいて全ての試合で投げたうえでSPを上げている栗林良吏共々、そのタフネスぶりは驚異的にすら思えます。

しかし、彼にとって不幸なのは野球という競技が一人で勝てるものではないという事実です。

全く得点の気配はおろか基本的なやる気すら感じられない打線からの援護は無く奮闘しながら「凱旋登板」で敗戦を喫する事となりました。

援護の無さは今日に限った事でなく、これで90%以上を誇る驚異的なQS率を誇りながら勝率は5割程度という不条理さ。

ナショナルチームとは異なるあまりの周囲のチームメイトと自身のレベルの違いからこれからモチベーション低下をどうやって彼が防いでいくのか心配でなりません。

結局、彼の敵は相手ベンチでなく自軍のブルペンやベンチにあるという事なのでしょう。

 

その森下の「真の敵」はいうと…今日も得点できず、という以前に6連敗中のチーム相手に3塁すら踏めないというすさまじいばかりの拙攻。

それもその筈で3番から6番が無安打なのですから当然でしょう。

特に坂倉将吾、小園海斗、林晃汰の若くして中軸を任されている3人は長すぎる中断期間での調整に苦しんだようで、後半戦4試合は3人で僅か6安打と前半戦での勢いを失いつつあります。

 

また、相手先発の福谷浩司は得意だった筈のカープ戦すら勝てず両リーグ最多敗の状況だったのですが…あわや完投と思えるぐらいに完膚なきまで叩き潰されました。

こうなってしまうと当分の間は誰が相手投手でも3得点以上するのは困難なように思えます。

 

それは即ち大型連敗の始まりを意味するという事です。

まあ、ここまで弱いチームですから今更何が起きても驚くファンがいるとは思えませんけれども…。

08/15(日)●「簡単には変わらない現実」(カープ2021)

阪神タイガース3-0広島東洋カープ

13回戦(カープ5勝8敗)

京セラドーム大阪

 

勝利投手 秋山8勝4敗

敗戦投手 大道4勝3敗

セーブ投手 岩崎1勝3敗1セーブ

 

本塁打

(C)-

(T)近本7号①

 

打点

(C)-

(T)近本①サンズ①ロハス・ジュニア

 

投手

※数字は自責点

(C)大道②-ケムナ-森浦-島内①

(T)秋山-及川-馬場-アルカンタラ-岩崎

 

先発大道は初回に先頭打者本塁打を浴びるなど安定せず3回2失点で降板。

打線は7安打を重ねながら好機を活かせず無得点。

完封負けで2連敗とカード負け越しを喫す。

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理想的な展開で初戦を取った直後に攻守ともに冴えない内容で敗れた2戦目を経てのカード3戦目。

スコアだけを見れば終盤まで競った試合に見えない事もないですが…。

はっきり言って序盤から全く勝利の予感がしないだけの一方的な展開だったと思えます。

やはりというべきか、かたや下位に低迷し続けるカープと首位死守に燃えるタイガースの両チームではベンチも選手も気迫が違っていた…というより単純に前半戦から変わらない実力差を見せつけられただけでした。

 

エキシビションマッチ前半では冴えない投球が続けた末に最後の登板で好結果を納めた大道温貴でしたが、今日はいきなり近本光司に先頭打者本塁打を浴びて以降も制球に苦しみ3回までに2失点という投球。

とはいえ、それでも4回表に1死1塁2塁という好機で打順が回って来なければそのまま続投させてはいたと思えます。

というより、そこで田中広輔を代打で送るなどという「悪ふざけ」をするぐらいならそのまま続投させても良かったのではとすら思えます。

一方で、その大道からマウンドを引き継いだケムナ誠と、森浦大輔はそれぞれ2イニングをほぼ完ぺきに抑えたのは見事でした。

特に、ケムナは一昨日に大差でリードしているにも関わらずめちゃくちゃな投球を見せたヘロニモ・フランスアの失態を見事にリカバーしたのに続いての活躍。

どうしても安定して試合を作れる先発が十分でないこのチームにあってこういう僅差でのビハンドを維持できる投手は必要不可欠なのは何度か書きましたが、彼の活躍はその模範解答とも呼べるものだったかと思えます。

 

しかし、このリリーフ陣の奮闘にも関わらず打線は西川龍馬が猛打賞を記録するなど7安打を放ちいくつか好機を作りましたが、昨日、打点を挙げた坂倉将吾と林洸太が打線を分断した末に無得点。

まるでスーパーの特売の如く、日替わりで「打てる選手」と「打てない選手」が入れ替わるという一体感のなさばかりが目立ちます。

その点、一時帰国して合流が遅れている打線の中核を担うジェフリー・マルテの不在をしっかり埋めている相手打線とは雲泥の差と言えるでしょう。

加えて上述の田中広輔を長打が出れば同点という場面で代打起用に、2死1塁で長野久義を起用したり、最終回の得点圏で上本崇司を起用するなどの相変わらずなベンチの不可解極まりない起用も、一時帰国によりロベルト・スアレスが不在の相手チームをひたすらアシストするだけでした。

上記に挙げた事だけでも酷いのですが、最後はその得点圏に代打で出した田中広輔松山竜平を代打に出すという最後に至ってはもはや笑い話でしかありません。

一体感のない選手たちに、無能なベンチ…。

結局、両チームの実力差同様に多少の中断程度ではこのチームが簡単に変わらないという事です。

自身が全く打たなくても周囲が活躍してチームが勝ってくれるという3連覇時の楽しさをオリンピックで再び知り、喜び勇んで帰って来た鈴木誠也もその虚しい現実を噛みしめている事でしょうね…。

08/14(土)●「やはり欠けている持続性」(カープ2021)

阪神タイガース9-3広島東洋カープ

12回戦(カープ5勝7敗)

MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島

 

勝利投手 二保1勝

敗戦投手 九里7勝6敗

 

本塁打

(C)坂倉5号①林5号①

(T)サンズ18号①19号③大山12号①13号①

 

打点

(C)坂倉②林①

(T)梅野②近本①サンズ④大山②

 

投手

※数字は自責点

(C)九里⑤-高橋樹-塹江②-フランスア

(T)二保③-及川-アルカンタラ-馬場

 

先発、九里は初回から安定せず2本塁打を浴びる乱調で4回7失点。

打線は初回に坂倉の適時打で先制も以降は繋がりに欠けて3得点に留まる。

終盤も塹江が被弾し16被安打を浴びる大敗で連勝が5で止まる。

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両チームともユニフォームの袖に黒の喪章付けて行われた今日の試合。

これは今月、練習中に倒れた後現役選手のまま急逝した中日ドラゴンズの木下雄介氏を偲んでの事だそうです。

個人的には最初に彼の身に起きた事態について私が知ったのはドラゴンズファンである友人が大変心配をしていた事からでした。

育成から支配下登録を苦難の末に勝ち取りこれからという矢先で故障に苦しみながらも一軍定着を目指していた矢先で27歳の若さでの訃報は本当に無念ですし残念です。

また、残されたご家族や、私の友人含めてショックを受けているドラゴンズファンの方々の気持ちを考えるとやりきれない気持ちしか湧いてきません。

また、倒れたのが新型コロナウイルスのワクチン接種直後という事で様々な憶測も飛び交ってはいますが…まずはこの若くして世を去ったこの右腕に哀悼の意を捧げる事が大事かと思います。

 

昨日は攻守で理想的な展開を見せたカープでしたが、今日はその真逆で攻守ともに冴えない試合に終始した挙句、連勝もあっさりと止まってしまいました。

前半戦最後に2連勝を飾りながら、エキシビションマッチでは微妙極まりない投球に終始していた九里亜蓮は今日も初回からまったく安定感を欠いていました。

2回裏には四球を連発した挙句自身のエラーがきっかけにあっさり逆転を許すと以降は彼らしい闘志すらまったく見られませんでした。

それに加えて今日のスタメンマスクは曾澤翼の登録抹消以降は半ば九里の専属となり好成績を演出していた磯村義孝ではなく坂倉将吾という不可解極まりない起用。

今季の磯村は打撃においては壊滅的だった事に加えて昨日、坂倉将吾や松山竜平が活躍をした事もあったでしょうが、そもそもどれだけ打てても先発が試合を作れなければ何の意味もないばかりか、これまで試合を十二分に作り続けていたバッテリーを解体するのは合理的ではありません。

初回に昨日同様に幸先よく先制しながらその後は全く繋がらない打線同様にベンチも相変わらず持続性が欠けていると言わざるを得ません。

結局、結果も内容も素晴らしかった昨日は単なるフロッグに過ぎないという事でしょう。

まあ、何ともあっさり剥がれる「化けの皮」ですね…。