吹けよ風!打てよアレン!!

カープと趣味の日記

09/29(水)○「悲願達成と過去の重圧」(カープ2021)

阪神タイガース2-8広島東洋カープ

20回戦(カープ10勝10敗)

阪神甲子園球場

 

勝利投手 九里10勝7敗

敗戦投手 青柳10勝5敗

 

本塁打

(C)小園3号①坂倉11号①

(T)-

 

打点

(C)坂倉②小園①松山①大盛②安部①

(T)大山①近本①

 

投手

※数字は自責点

(C)九里②-島内-バード-森浦-菊池保

(T)青柳③-及川-小川①-岩貞②-浜地②

 

先発九里は8安打を浴びるも再三のピンチで踏みとどまり6回2失点。

打線は初回に坂倉の適時打で先制すると小園と坂倉の本塁打で追加点。

中盤以降再三の一打逆転のピンチを凌ぐと終盤の集中打で突き放し5連勝で2カード連続勝ち越し

九里はプロ入り8年目で初の年間二桁勝利を達成。

------------------------------------------------

試合前に広島市選出かつカープ創成期にその存続に尽力した政治家が興した派閥から首相が誕生することが確実となりましたが…勿論、私も含めてカープファンにとっての本日の興味はそんな事より九里亜蓮の悲願の二桁でしょう。

もっとも、最近の九里は2試合連続でQSはおろか5回すらもたず直近の試合では最短の3回でノックアウトと完全な足踏み状態。

一時はリーグ上位だった防御率も4点台と二桁勝利目前の先発ローテーション投手とは思えない悲惨な数字になっていきその低迷は明らかでした。

今日の試合も序盤から苦しい投球が続き8本もの安打を浴びて4回以降に至ってはいつ大量失点するのか分からないレベルの酷さで内容的には勝利に値する投球とはお世辞にもいえません。

しかし、それでも3イニング連続で訪れたピンチで何とかリードを守り切る粘りを見せて6回2失点。

かつては先発をしても「九里タイマー」と形容してもいいぐらいに100球間近になった途端に大崩れしてスタミナと集中力の無さばかりが目立ち、むしろ適正はミドルリリーフであるとしか思えない程度の投手でしたが…今日に関しては最後まで集中力を切らさない強靭さを土壇場で発揮してくれたように思えます。

九里といえば昨年はキャリアハイとも呼べる主戦投手格の活躍を見せたにも関わらず打線の援護に恵まれず二桁勝利を逃し、今季に関しては絶好調だった矢先にチーム内でコロナウイルスクラスターが発生し自身も治療と隔離に見舞われた不運もありましたが、それらを乗り越えての今日の悲願達成となりました。

個人的にも2018年の優勝決定試合の快投や、今季のノーヒットノーランを続ける相手投手と投げ勝った勝利など現地観戦での思い出深い場面の多い投手だっただけに本当に嬉しい限りです。

残り試合は少ないですが、キャリアハイとなった勝ち星をもっと伸ばして欲しいものです。

 

一方で、今季の投手部門でのタイトル争いの大半に絡む大躍進を見せている青柳晃洋と意外にも今季初対戦となった打線。

秋山拓巳西勇輝にあれだけコテンパンにやられているのですから、今日もほぼ完ぺきに抑え込まれるのは容易に想像出来ましたが…小園海斗や坂倉将吾の若い力の活躍よりそうはなりませんでした。

また、とにかく左打者を並べるという安直で投げやりなベンチの起用のおかげでかえって羽月隆太郎や大盛穂に出番を与えられたのもかえって上手く作用したと思えます。

もっとも、同じく「左側の打席に立てる」という安易な理由だけで起用したとしか思えない田中広輔のスタメン起用には閉口しましたが…。

 

それにしてもこの試合。

優勝争いを続ける相手チームにとっては「勝ち越しは当然で狙うのはスイープ」とも呼べる最下位確定チームとの「ボーナスステージ」であっさり負け越した形ともなりました。

安易な表現ですがこれが「優勝の重圧」という事なのかもしれません。

逆に考えれば、これに3年連続で打ち勝っていたのですから3連覇時のカープは改めて凄いチームだったのだとかえって感心してしまいます。

そして、その強かったチームは遠くに去ってもう戻ってこないという今の冴えない現実にも…。