10/29(金)○「武骨さと気迫で掴んだ最多勝」(カープ2021)
24回戦(カープ7勝14敗3分)
勝利投手 九里13勝9敗
敗戦投手 小川9勝6敗
セーブ投手 栗林1敗36セーブ
(C)小園5号①
(S)-
打点
(C)小園①菊池涼②
(S)宮本①
投手
※数字は自責点
(C)九里①-ケムナ-バード-森浦-島内-栗林
(S)奥川-小川②-金久保
先発九里は序盤から走者を背負い続ける投球で、5回1失点で降板。
打線は4回裏に小園の本塁打と菊池涼介の適時打で逆転に成功し6回裏にも追加点。
6回以降はリリーフ陣が無失点で抑えて逃げ切り2連勝で本拠地最終戦を終える。
九里はプロ入り8年目で初の最多勝獲得が確定。
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本拠地マツダスタジアムでの今季最後の試合。
言うまでもなく今日の注目は何といってもプロ入り初の最多勝タイトルにあと1勝に迫っていた九里亜蓮でした。
その九里は130球以上投げて敗れた先週末の阪神戦から中4日という強行軍。
CSに備えて相手チームが2人除いて全員控え選手をスタメンにして手心を加えてくれる状況ではありましたが、少々無理があったようにも思えます。
案の定、初回と2回に満塁のピンチを招くという低調な投球を続け、あの内容で1失点で済んだのは奇跡としか言いようがないほどの酷さ。
しかし、何とかギリギリのところで踏みとどまってタイトル獲得への夢を繋ぎ留め続けた武骨さこそ気迫で投げる九里の真骨頂と呼べたのかもしれません。
思えば、プロ入り1年目での初登板初先発でいきなり初勝利を挙げたものの、100球前後で急に調子を落とす脆さが目立つ投手だった九里。
チームのリーグ3連覇の時期においても同期の大瀬良とは対照的にそのほとんどは先発での仕事での貢献は少なく、私も彼の天職はミドルリリーフであると思っていましたが、近年は見違えるぐらいの強靭さを見せてくれるようになりました。
今季はシーズン開幕直後から好調だった矢先にコロナ陽性者となり離脱を余儀なくされるなど不運も重なり自身キャリア初の二桁勝利も危うい状況でしたが、それ以上の成果を残したのは本当に素晴らしい事です。
13勝での最多勝は近年では稀にみる低い数字であり防御率は規定投球到達投手ではリーグワースト2位でWHIPに至っては最下位。
更に言えば最後の勝利も明らかに手を抜いている相手に苦戦しながら辛うじて掴んだ形ですが…。
しかし、ここにたどり着くまでの彼の苦難とそれを乗り越えて栄光を掴んだ感動を思えばそんな事は些末で無粋な指摘でしかありません。
改めてかくも美しき武骨さに乾杯です。
快挙達成の余韻そのままで行われた本拠地最終戦後のセレモニーが行われましたが、
佐々岡真司監督の全く心に残らない空虚な挨拶はどうでもいいとして…。
やはり印象に残ったのはその後でチームメイトとしきりに記念写真に納まる鈴木誠也の姿でした。
残念ながらあれを見るとやはり彼の心は既に決めっていると思わざるを得ませんが…。
まあ、これについてもシーズン終了後の正式発表を待つしかありませんね。